冬の集大成へ最終調整

陸上競技

 招待選手として柏原竜二(富士通)らも参加し沿道を沸かせた第47回青梅マラソン。このところ多い雨や雪、強風などの悪天候には遭わず、穏やかな曇り空の下で行われた。立川ハーフを前に冬季練習で身につけた力を確認すべく、ワセダからは10名の選手が参加した。

 きょう最初にゴールへ姿を表したのは小林快(社2=秋田工)。競歩から転向して初のロードレースは30キロという長い戦いになったが、部内1位という好結果に。途中まではグループを成し一定のペースで走っていたワセダの選手だったが「15キロからペースを上げることができたので今回の収穫になった」(小林快)と、15キロ後に小林快が単独で前へ飛び出す形になった。20キロ過ぎの上り坂でも安定した走りを続けて全体順位を上げながらフィニッシュ。全体順位はまずまずの16位、タイムは1時間38分33秒を記録した。ハーフを超える長距離のレースでも、早い位置からの積極的な走りをみせた小林快。ほかの選手との体力差をアピールするには充分の結果を残せたのではないだろうか。底無しの体力と合わせていかにスピードを乗せられるか、今後のスキルアップに期待したい

レース当初から学内集団を引っ張る小林快(左端)、山田(左から3番目)。左から2番目は中村駿介(社1=愛知・岡崎城西)、右端は徳留駿(法2=埼玉・早大本庄)

 小林快に続き山田侑矢(スポ2=三重・伊勢)、中山幸治(文構1=神奈川・関東学院)がそれぞれ19位、20位でレースを終えた。20キロ前までは小林快と集団を形成していた二人だったが、その後は置いていかれる展開になった。「ラスト10キロで、先輩方があげたときに、怖じ気づいてしまって、ついていけなかった」(中山)と、20キロ前後でのペースアップが今回のキーポイントとなったことが分かる。昨年の青梅マラソンでは部内1位だった山田は「きょねんほどではなかったのですが、後半ペースも上げれた」と、きょうのレースを振り返り成果を話した。

トラックの記録は目立たないものの、1年生ながら好走を見せた中山

 出場した選手は、長い道のりの中でそれぞれが課題を見つけることができただろう。冬の集大成となる日本学生ハーフマラソン選手権(立川ハーフ)まで残り2週間。最終調整をして更なる進化を遂げた選手たちに期待がかかる。

(記事 扇山友彰、写真 細矢大帆、西脇敦史)

◆結果

▽一般男子30キロ

小林 快(社2=秋田工)      1時間38分33秒(16位)

山田侑矢(スポ2=三重・伊勢)   1時間39分04秒(19位)

中山幸治(文構1=神奈川・関東学院)1時間39分26秒(20位)

岡田建志(スポ2=奈良)      1時間40分53秒(25位)

徳留 駿(法2=埼玉・早大本庄)  1時間41分58秒(27位)

藤澤怜欧(スポ1=神奈川・多摩)  1時間42分13秒(28位)

山下尋矢(スポ1=静岡・浜松西)  1時間42分30秒(29位)

前野陽光(スポ1=神奈川・多摩)  1時間42分52秒(30位)

小林季生(人1=長野・佐久長聖)  1時間44分04秒(34位)

中村駿介(社1=愛知・岡崎城西)  1時間49分45秒(70位)

◆コメント

小林快(社2=秋田工)

――きょうのレースを振り返って

調子が悪かったので不安な気持ちが自分の中ではありましたが、長い距離が得意なので結果を残したいという気持ちもありました。きょねんは出場していないため、全くコースが分からない中でどこまで走れるかを試したい気持ちもありました。(監督からの)指示では20キロからペースを上げれる人は上げてくれと言われていました。しかし自分は、15キロからペースを上げることができたので今回の収穫になったと思います。調子が悪い中でもこれくらい走れたということは自信にもなりましたし、これからの復調の布石にもなるのではと思い良いレースだったと思います。

――目標にしていたレース展開よりも良かった

はい、そうですね。

――15キロ後に集団から飛び出し部内1位のポジションを維持していましたがその時の心境は

山田くん(侑矢)が一番の強敵というかライバルだろうと思っていまして、その山田を離してこのまま保ち続ければ部内一位になれるだろうということを考えていました。僕の中では2つ目標がありまして、一つは部内1位、もう一つはきょねん部内1位だった山田のタイムよりも早いタイムで走るということでした。その点でも山田の前を走るということを目安にしていました。

――競技が終わった後に足を引きずっていたように見えましたが

30キロという距離を、きょうのような速いペースで走るということは練習も含めて経験していませんでしたのでマメが出来てしまいました。

――競歩から転向してのレースになりましたが

一度競歩をやめてから5000メートルでベストを出せていたのですが、部内の中でも下の方の順位でした。ですから、僕は走れるんだというアピールをしたいと思っていました。そして実は、競歩の日本選手権が神戸できょう行われていまして、競歩の知り合いや友達も頑張っているということを自分の中の励みにして頑張れました。

――冬季練習も終わりに近づいていますが、実感している成果は

冬のあいだ調子が悪かったので、何かが上積みできた、上達できたという例を挙げることはできません。苦しくて走りたくない、と思ってしまうこともありましたがそれでも継続して練習することができたことは今後に活きてくるのではないかと考えています。

――現在の目標は

東京箱根間往復大学駅伝(箱根)を走り、部の優勝に貢献するというのが僕の目標なので、正直きょうのタイム、ペースでは全く勝負にならないと思っています。長い距離が強いことは証明できたと思うので、ここからスピードをつけて箱根に向けて頑張っていこうと思います。

山田侑矢(スポ2=三重・伊勢)

――きょうのレースを振り返って

1月は練習ができない時期もあって、今日は立川ハーフに向けての大事な練習の一つとして位置付けていたので、良い練習になってよかったと思います。

――思い描いていたレース展開は

20キロまで余裕を持って行って、きょねんも後半10キロでペースをあげたのですが、ことしはそれ以上にあげて、立川ハーフにつながるペースで走りたいなと思っていました。

――ゴール後足を痛めていた様子が見られましたが

少し練習不足だったので、ラスト3キロくらいから足がつりかけていました(笑)。

――昨年も同大会に出場されていますが、ことしは昨年を上回る記録でした

きょねんは20キロくらいまで先輩方にレースを作ってもらって、最後も他校の選手に引っ張ってもらった感じだったのですが、ことしは前半は自分が引っ張って後半は前の小林(快)を追いかけながらというかたちだったので、自分でレースをつくってきょねんを超えられたというのは良かったと思います。

――きょうの収穫は

きついところが何回かあったのですが、そこで粘れた点と、きょねんほどではなかったのですが、後半ペースも上げられた点です。

――冬の練習で特に鍛えられた点は

個人的には、意識が一番変わったかなと思います。Aチームで練習はできなかったのですが、そのAチームに負けないような練習をしようと思って取り組むことができました。立川ハーフではAチームとも一緒に走るので、そこで負けないようにしようという意識で練習していました。

――きょうのレースで冬の成果は

1月にけがをしてしまって練習不足というのもあったので、できなかった練習をきょうに詰め込んだという感じでした。

――立川ハーフに向けて強化したい点は

持久力に関しては問題ないかなと思ったので、スピードですね。きょねん立川ハーフはすごく速い印象を受けたので、スピードを出していけるようにしていきたいと思います。

――トラックシーズンへの意気込みは

毎年春は結果が出ないことが多いのですが、ことしはしっかり春から結果を出して、春先からAチームとして練習をして力をつけていきたいなと思います。

――今年度の目標は

Aチームに定着して駅伝を走りたいです。

中山幸治(文構1=神奈川・関東学院)

――きょうのレースを振り返って

最低でも40分を切ろうと思っていたのですが、39分台を出すことができたので、タイム的には満足です。

――きょうのレースプランは

コーチには、3分20秒のペースで20キロまでいくように言われていたのですが、僕は先輩方に20キロまでついていって、ラスト10キロはいけるところまでついていこうと思って、頑張りました。

――初めての距離だったと思いますが、きょうのタイムから長い距離に特性は感じられますか

どちらかというと、僕はスピードタイプだと思うのですが、今まで5000メートルのレースは直前に風邪をひいてしまったり、ケガをしてしまったりしていたこともあって、タイムが出ていませんでした。きょうのレースを機に、もっと頑張っていきたいと思いましたね。

――では、得意としたい種目は

まずは、5000メートルと1万メートルでタイムをしっかり出したいと思います。

――きょうのレースの収穫は

20キロまでは、前をいく先輩方についていけたので、良かったと思います。しかしラスト10キロで先輩方があげたときに、少しびびってついていけなかったのが反省点です。

――来季に向けての意気込みをお願いします

とりあえず、5000メートルのタイムが遅すぎるので、まずはしっかり14分半をきることができるように、頑張りたいです。

岡田健志(スポ2=奈良)

――きょうのレースを振り返って

練習の一環として出場したので完走できて良かったです。

――レースプランは

調子が悪かったので、完走することだけを考えて走りました。

――ラストはだいぶ飛ばしているように見えました

思ったより動いたので、そこは良かったです。

――最近の練習の出来は

練習もついていけずに、調子が悪かったです。

――ケガをされていましたか

秋あたりにケガをしていました。いまは練習を積めています。

――いつ振りのレースでしたか

1年生の12月以来なので、1年2ヶ月振りのレースでした。

――次のレースの予定は

三月の立川ハーフです。

――具体的なタイムの目標は

調子が悪いのであまり期待はできませんが、65分前後を出したいと思います。

――春からのトラックシーズンでの目標があればお願いします

トラックよりも箱根に向けて頑張るだけなので、ベストが出たらいいなという感じです。