タイムは低調も、次につながる走り見せる

陸上競技

 きのうに引き続き、日体大記録会に長距離ブロックのメンバーが数多く出場した。強風だったためにタイムは出にくい記録会になったが、中村駿介(社2=愛知・岡崎城西)と藤岡孝彰(商2=東京・早実)が組トップで走るなど、元気な姿を見せる選手が多かった。また、1年生も4名出場し、中でも鈴木洋平(スポ1=愛媛・新居浜西)と浅川倖生(スポ1=兵庫・西脇工)はレベルの高い組で出走。両者ともベストな状態とは言えないが、大学のレベルを経験する貴重な場になった。先週の六大学対校戦より成果を上げた選手が多く、各々が自信を取り戻すレースになっただろう。

 5000メートル24組には、高田康暉(スポ2=鹿児島実)と相原将仁(教4=東京・早実)が出場した。高田は「ペースが遅かった」と終始集団の前方でレースを進める展開に。3000メートルを8分40秒前後で大集団が通過すると、3600メートル過ぎには一人抜け出す積極性を見せた。そのまま独走ゴールとはならなかったものの、上位でフィニッシュ。悪条件の中ほぼ自己ベストに近い走りを見せた。しかし、高田自身は「キレが無いのにキレに頼ってしまっている」と不満顔だった。まだ伸びしろがあるということを本人も感じているからこそ、満足がいかないのだろう。

ラスト100メートルで再度動きを切り替える高田

 一方の相原は集団半ばほどをしっかりと位置取り、終盤にも粘りを見せてレースを走りきった。「風さえなければ確実に自己ベストは出た」というように、シーズン1本目の5000メートルとしては本人も納得の結果。近頃はハーフマラソンでも自己ベストを連発して成長を伺わせている。早くトラックでも自己ベストを更新して、一層勢いづきたいところだ。

練習と試合の疲労が残る状態ながらまずまずの走りを見せた相原

 今回の記録会では自己ベストを出すものは数少なかったものの、全体的に調子は上向いてきているようだ。きょう出場したメンバーはBチームで練習をしている選手が多いが、これからのシーズンでは結果を残してAチームにも刺激を与えたい。すべては駅伝に向けて――。長距離ブロック一丸となってシーズンを過ごしていく。

(記事、写真 西脇敦史)

★早大競技会にも2名が出場

今後の復調が望まれる欠畑(左)、竹井

 同日、織田幹雄記念競技場で開催された平成25年度第1回早稲田大学競技会。この日は短距離ブロックから竹井尚也(スポ4京都・龍谷大付)、欠畑岳(スポ3、岩手=森岡第一)が出場した。冬季明けの調子がなかなか上を向かない二人だが、もう関東学生対校選手権(関カレ)までは1か月ほど。特に竹井は、昨年の関カレで4×100メートルリレーの第1走を務め、優勝に一役買っている。最後の関カレを迎える竹井の意地が見たいところだ。

(記事 深谷汐里、写真 野宮瑞希)

◆結果

日本体育大学長距離競技会

▽男子5000メートル

箱田幸寛(スポ1=広島・世羅) 15分41秒24(13組16着)

安田匡(商2=福島・安積) 15分21秒07(14組7着)

小林季生(人2=長野・佐久長聖) 15分59秒41(14組20着)

中村駿介(社2=愛知・岡崎城西) 14分55秒09(17組1着)

鳥山賢(教2=岡山城東) 15分03秒08(17組4着)

山下尋矢(スポ2=静岡・浜松西) 15分09秒88(17組13着)

中山幸治(文構2=神奈川・関東学院) 15分32秒22(17組25着)

藤岡孝彰(商2=東京・早実) 14分43秒84(18組1着)

臼田康一郎(商1=長野・佐久長聖) 14分58秒17(18組6着)

藤沢怜欧(スポ2=神奈川・多摩) 14分52秒89(19組6着)

山田侑矢(スポ3=三重・伊勢) 14分48秒77(20組6着)

徳留駿(法3=埼玉・早大本庄) 15分19秒55(20組29着)

鈴木洋平(スポ1=愛媛・新居浜西) 14分42秒47(21組6着)

浅川倖生(スポ1=兵庫・西脇工) 14分49秒77(23組22着)

高田康暉 14分20秒92(24組4着)

相原将仁 14分25秒98(24組14着)

平成25年度第1回早稲田大学競技会

▽男子100メートル

竹井尚也 11秒22

欠畑岳 11秒04

コメント

相原将仁(教4=東京・早実)

――きょうのレースはいかがでしたか

結構余裕を持って走れていたので、ペースがもう少し速くて、あと風さえなければ確実にベストは出たと思います。きょうは先週3000メートル障害を走った疲れもありましたし、体調が完全ではない状態での走りとしては良いタイムでした。

――冬季練習の疲れでしょうか

そうですね、足にまだハリがありました。ただその状態でベストから5秒くらいのタイムで走れたので、冬季練習の分力はついてきたなと感じています。シーズン1本目でこれだけ走ることができてよかったです。

――冬季練習での調子はいかがでしたか

1ヶ月ほどは下りの疲れが出ていました。ただそこから上手く走れるようになってきて、神奈川ハーフマラソンも立川ハーフマラソンでもベストが出せたので、疲れは抜けてきていますし、体調もいい感じには上がってきていますね。合宿中は3000メートル障害の練習をしていて、みんなよりは距離を積んでいないのですが、上手くあがってきていると思います。

――関東学生対校選手権(関カレ)でも3000メートル障害に出場されるのでしょうか

分かりませんが、多分3000メートル障害では出ないと思います。トラックかハーフかになると思います。もう4年で関カレも最後なので出られるなら何でも出たいですが、やはりハーフを狙いたいですね。

――先週行われた東京六大学対校大会では3000メートル障害の途中ハードルを前にして足が止まる場面もありましたが、ケガなどは

あれはた単に足が合わなくて、風にも少し押されてハードルの前で止まってしまっただけなので、特にケガなどはありません。自分でも状況を飲みこむのにも時間がかかって、ハードルの前で戸惑ってしまったのですが、足は大丈夫です。

――今回の記録会では、Aチームは多くの選手が1万メートルに出場されましたが

きょうは先週の3000メートル障害を走ったので、疲れもあるだとうということで5000メートルにエントリーしました。

――5000メートルという比較的短いトッラクレースでスピードがつかめてきたことについてはいかがですか

高校まではスピードランナーだったのですが、5000メートルにまだ対応できていないといいう感覚がありました。ただ長い距離は走れているので、上手く5000メートルに対応できればもっと走れると思っています。

――今後の予定は

長い目で見て箱根優勝というのがあるので今後走りこんで、ケガをせずに夏場を乗り越えてまた秋口にベストが出せればいいなと考えています。今月末の早大長距離記録会はまだ何に出るか決まっていないのですが、とりあえずベストが出せるように最善をつくしたいと思います。

高田康暉(スポ2=鹿児島実)

――きょうの試合を振り返っていかがですか

(14分)一桁に入りたかったので悔しいです。

――序盤から積極的に前の方にいましたが

ペースが遅かったので、結果的に出ることになりました。

――風が強かったですが、影響はありましたか

そこまで気になりませんでした。

――先週も六大学対校戦で1500メートルに出場されていましたが、最近の調子は

決して悪いわけではないのですが、試合でしっかり走れていません。きょねんよりは良くなっているので、あとはしっかりつかめるように練習していきたいです。

――自分自身で弱いと思う部分はありますか

キレが自分の持ち味なのですが、(いまの状態は)キレが無いのにキレに頼ってしまっているために、中間疾走で抜かれてしまうので、もっと粘らなくてはと思います。

――次のレースの予定は

再来週に早大競技会があるのでそこではしっかりと走りたいです。

――どの種目に出場するのですか

一万メートルに出場します。

――目標はありますか

記録は出ないと思いますが、自己ベスト切れるように頑張ります。

――関カレでどの種目で出場したいなどはありますか

A標準を切れている種目が無いので、(可能性としては)今度の一万メートル次第か、あとはハーフマラソンだと思うので、しっかり頑張りたいです。

鈴木洋平(スポ1=愛媛・新居浜西)

――きょうのレースを振り返って

風が強かったので、まず3000メートルまでは集団について、ラスト2000メートルで行けるところまで上げて、自己ベストを出そうと思っていたのですが、思うようなレースができなくて悔しかったです。

――風が強かったのはやはり影響があったのでしょうか

それはありますが、走った人は皆同じ条件なので言い訳にはできません。組で自分より速い人がいたということは練習が足りないんだと思いました。

――大学に入って初めての5000メートルでしたが、どのような目標を立てていましたか

最低限自己ベストで、できれば14分20秒を切るタイムを狙っていたのですが、もう少し練習していかなければいけないと思いました。

――今後のレースの予定は

まだどのレースに出るかわかりませんが、出るレースひとつひとつが自分にとって駅伝のメンバーに入れるかどうかの戦いになってくると思うので、ひとつひとつのレースを大事にしてこれからも頑張っていきたいと思います。

――話は変わりますが、先週の東京六大学対校大会では3000メートル障害に出場されていました。大学初レースの感想はいかがでしたか

いきなりエンジのユニフォームを着るということで、やはりプレッシャーに少し負けてしまったところがありました。もっと練習をしっかりやって、エンジが似合うような走りができるようにしていきたいと思っています。

――では、初エンジの思い出は

苦いですね(笑)それを払拭できるように練習を一からやり直して、駅伝のメンバー選考に食い込めるような選手になりたいと思っています。