春から米オレゴン州ポートランド州に練習拠点を移した大迫傑(スポ4=長野・佐久長聖)が、さっそく好記録を叩き出した。春期休業中に一度米国に渡るも一度帰国し、4月初旬から再渡米していた大迫。先週19日には米カリフォルニア州で開催されたHilmer Lodge Stadium-Walnutの5000メートルにも出場し、13分35秒73と春先としてはまずますの走りを披露していたが、彼の成長は留まることを知らないようだ。
現地時間4月28日、21時45分から行われたカーディナル国際男子1万メートル。同じ組には、大迫が昨年の日本選手権で先着を許した日清食品・佐藤悠基や、すでに世界選手権B標準を切っているトヨタ自動車・宮脇千博ら日本を代表する選手が顔を揃えた。
大迫は、27分38秒31というすばらしいタイムでフィニッシュ。日本学生記録を塗り替えるとともに、モスクワ世界陸上A標準記録も突破し、世界選手権代表の座を大きく引き寄せた。佐藤悠基が27分39秒50、宮脇千博が28分33秒23などと日本勢も続いてゴールしたが、タイムだけでなく、この面々のなかで勝負に勝てたことは大きい。
常々、自らの競技基準は日本ではなく世界においていきたいと大迫は語ってきた。今回の記録は日本歴代4位にも相当するが、おそらく大迫が見据えているのはそこではないはずだ。ロシア・モスクワの地で『勝負』をすること。しかしまずはその舞台への切符を確実にするためにも、次は国内、6月に行われる日本選手権で、今回のような快走、そして快勝を見せてほしい。
(記事 深谷汐里)
◆結果
▽男子1万メートル
大迫傑 27分38秒31(2着)早大新記録