早川主将、林が表彰台へ

陸上競技

 2013日本学生個人選手権2日目は、早川恭平主将(スポ4=長野吉田)を始め、関東学生対校選手権(関カレ)で涙を飲んだ林風汰(スポ4=三重・宇治山田商)ら4名が入賞。関カレと比べると調子が上向いてきたといえる結果だが、各々からは納得していない様子もうかがえた。

★早川主将、優勝にあと一歩及ばず

惜しくも2位となった早川主将

 ラストまで大混戦となった110mH決勝。ワセダから出場した早川主将は、惜しくもわずか0.01秒の差で立命館大の三田に敗れ、優勝を逃した。春先からの取り組みである滞空時間を短くするという技術がまだ完全に自分のものにはできておらず、また持ち味である後半に攻める走りができないなど、日本選手権に引き続き納得のいかないレースとなった。今季はワセダ記録である13秒75を更新することが目標であると語る早川主将。その目標を達成するとともに、理想とするハードリングに近づいていった先には何が見えるのか。早川主将にとっては大学最後の後半シーズンへ向け、更なる飛躍に期待したい。

(記事 菅真衣子、写真 川島悠里)

★3位入賞も、悔しさ残る

林は3位と及第点の跳躍をみせた

 16番目の跳躍者としてピットに登場したのは、跳躍ブロック長の林。序盤から、手拍子を求めるなど積極的に会場を盛り上げる姿が見られた。最初の跳躍では7m32をマーク。1順目終了の時点でなんとか8位にふみとどまっていたが、2順目で記録を抜かれてしまう。次の跳躍は振るわず、ベスト8進出が危ぶまれたが、3回目の跳躍で7m49を記録し、無事決勝へと進んだ。林は安堵の表情こそ見せたものの、結果には納得がいかない様子。決勝では、1本目に7m57を跳んで一気に3位へと浮上した。しかし、続いての跳躍で踏み切りに失敗。それでも、失敗を引きずることなく最後の跳躍では記録を伸ばし、7m59で3位に入賞した。跳躍の合間には仲間の声援に応えるなど、リラックスした状態で競技に臨んでいるようだったが、今回の記録には満足していない林。日本学生対抗選手権大会(全カレ)優勝という目標を掲げ、学生最後の夏を駆け抜ける。

(記事 副島美沙子、写真 目良夕貴)

★竹下、表彰台逃す

200メートルの決勝レースを走る竹下

 200メートル、決勝に駒を進めたのは、竹下裕希(スポ3=福岡大大濠)と木村賢太(スポ2=大分・杵築)。大会記録が誕生し上位4名が21秒を切ったハイレベルなレースで、竹下はあと0.04秒及ばず表彰台を逃した。一方、今季不本意なレースが続いていた木村は、これまでと一転。予選、準決勝共に1着で通過し、好調をうかがわせる。迎えた決勝では、上位争いに食い込むことはできなかったが、竹下に続く5位。タイムも21秒11と今季最も手ごたえのあるレースとなった。共に勝負としては一歩及ばなかったものの、短距離陣の復調がうかがえる。日本学生対校選手権に向け、更に走りに磨きをかけていきたいところだ。

(記事 川島悠里、写真 目良夕貴)

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結果

▽男子100メートル予選

竹下裕希 10秒41(2組1着)自己新記録

永沼賢治(スポ2=大分鶴舞) 10秒73(3組2着)

北村拓也(スポ2=広島皆実) 10秒45(5組2着)

須田隼人(スポ1=神奈川・市橘) 10秒71(5組5着)

▽男子200メートル決勝

竹下裕希  20秒98(4位)

木村賢太  21秒11(5位)

▽男子400メートル予選

木村賢太 47秒79(2組4着)

▽男子110メートル障害決勝

早川恭平 13秒92(2位)

▽男子400メートル障害予選

永野佑一(スポ3=福岡・育徳館) 51秒27(1組1着)

中野直哉(スポ1=長野吉田)  53秒12(3組4着)

▽男子走幅跳び
決勝

林風汰  7メートル59(3位)

コメント

早川恭平主将(スポ4=長野吉田)

――きょうのレースはいかがでしたか

全然ダメでしたね。自爆したといいますが、自分のレースができていれば勝てていた試合だったと思います。接戦になるとは思っていたので、そこでしっかり落ち着いて自分のレースをしていきたかったのですが、実際に競る中で動きが硬くなってしまいました。最終的に自分の持ち味である後半の伸びが出せずに焦ってしまったというのが要因ですね。自分で自分のレースを崩してしまいました。

――春先の海外遠征後、ハードリング時の滞空時間の短縮と、足の振り下ろしが課題であるとおっしゃっていました。関カレでは少しつかみかけてきているということでしたが

そうですね。そこは常々意識してやってきているポイントなのですが、まだその技術が自分の中に定着していなくて、うまくできるときとできないときの波がまだまだあるなという感じですね。きのうの感じだときょうの決勝はしっかりいけるかなと思っていたのですが、次の日にうまく繋げられなかった、きょうはできなかったなということです。

――現在の調子はいかがですか

ずっと良い状態をキープしているのですが、なかなかそれを試合でパフォーマンスとして発揮できないというのがいまの自分の課題ですね。しっかりいまの自分の調子で試合でしっかり戦うにはどうしたら良いのかということを考えています。

――日本選手権の13秒86を除くと、13秒9台でとどまってしまうことが多いです

そこで安定するというのは単純にいまの自分のレベルがそこまでだということだと思うので日本選手権で13秒86で走った時も納得いくレースではありませんでしたし、いまずっとやってきたのですが、その中でもまだ1本も納得する動きなりレースというものができていません。納得するレースというのもないとは思うのですが、なるべく自分の追い求める、理想としている動きに近づくためにどうしたら良いのかということを考えています。

――そこに至るまでの方法としては

やはり春先からお話している滞空時間の短縮などですね。それが自分のなかではいまタイムを短縮する中ではとても大切なことだと思っていますし、それをできるとき、できないときというのではなくしっかり自分の技術として定着させたいと思います。その中で、自分の高いパフォーマンスで良い記録を出すためにしっかりやっていきたいですね。

――トラックの前半シーズンがもう終わりますが、今季の目標はなんですか

まずは、ずっと追い求めているワセダ記録の13秒75を更新したいと思っています。そこから先にどんどん見えてくるものはあると思いますが、まずはそこからしっかり達成して行きたいですね。

林風汰(スポ4=三重・宇治山田商)

――3位入賞おめでとうございます

ありがとうございます。

――きょうの感想を教えてください

狙っていた順位と記録には及ばなかったので、正直なところ悔しいです。

――狙っていた記録というのは

自己ベストはもちろん、7m80台ですね。コンディションもすごく良くて、きょねん、追い風参考記録ではありましたが、(7m)86跳んでいたときのコンディションには持っていけていたと思うので、もう少しその辺まで記録を持っていけたらなと思っていました。

――今季の調子はいかがですか

練習ではすごく良かったのですが、関東インカレでも失敗してしまいましたし、調子が良くても良い結果が出なかったので、もどかしいところがずっとありました。

――5回目の跳躍で、踏み切りに失敗してしまいました

5本目でちょっと記録を狙っていこうと思っていたので、完全に力が入りすぎてしまった、意気込みすぎたというのが原因だと思います。

――初めに5、6歩歩いてから加速するスタイルの助走ですが

去年の春先まではストップから出ていたのですが、少し変えてみたら結構記録が伸びてきたので、それからずっとあのスタイルです。

――跳躍前には積極的に手拍子を求めていました

もちろん自分でやらなければならないこともあったのですが、今回監督が来られなかったこともあり、応援してくれる人やチームメイト、観に来てくれている人たちに力を借りるというか、そういう意味でやらせていただきました。

――跳躍の間に早川主将(恭平、スポ4=長野吉田)とお話されていましたが、どのようなお話を

技術的なこともそうですが、応援をしてくれたので、力になりました。みんなの応援がなければ、3番という順位は出なかったかな、というのは本当に思いました。

――今後の目標についてはいかがですか

1位・2位との差がかなり大きく、実力差が歴然としているのもありますし、関カレでもかなり記録的に差をつけられたので、やはりこのままじゃ終われないと思います。全カレに向けて、もう一回勝てるように作り直してやっていきたいと思います。全日本では、記録よりも優勝、という思いがありますが、今回(7m)80を(順大の毛呂選手に)跳ばれたので、80以上は必須になってくると思いますし、それ以上の記録は狙っていきたいと思っています。あわよくば8mという感じです。