ところざわアスレティックフェスティバル2024 10月13日 埼玉・織田幹雄記念陸上競技場
ところざわアスレティックフェスティバル2024が、織田幹雄記念陸上競技場にて開催された。短距離4年生にとって、最後の早稲田ユニホームを着る機会となった本大会。早大選手の優勝、大会記録が続出し、多くの選手が今季最終戦を締め括った。レース終了後は、4年生に花束を渡し、競走部での4年間を全うした最上級生を笑顔で送り出した。
花束を持つ4年生
活躍が目立ったのは山越理子(人3=東京・富士)。女子200メートルを独走の組1着で終えると、2時間後に行われた100メートルでは11秒81でゴールし、自己記録を更新した。また西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)は男子110メートル障害で優勝した後、100メートルにも出場。自己新記録となる全体3位の10秒64で走り切り、フラットでも強さを示した。その他にも、多数の選手が躍動。早大が出場したほとんどの種目で優勝、そして大会記録を更新した。
女子200メートルを走る山越
本大会では、4年生の専門種目外への出場も目立った。女子100メートル障害には、100メートルと200メートルを主戦場とする鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)と、800メートルが本職の生田桃子(人4=愛知・時習館)が出場。ぎこちない走りながら、着実にハードルを越え、笑顔でレースを走り切った。男子100メートル4組には、400メートルが専門種目の佐藤カルタ(スポ4=神奈川・厚木)と中距離ブロック長の筒井航佑(スポ4=愛知・時習館)が登場。佐藤はスタートから勢いよく飛び出し、組1着の11秒02を記録した。一方の筒井は、スタートこそ出遅れたものの、中盤以降は追い上げを見せゴール。佐藤と筒井はレース後固い握手をかわし、グラウンドを後にした。また、男子400メートルに出場した千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)は、スプリンターらしく序盤から積極的にレースを展開。後半伸び悩んだものの、48秒72と好記録でゴールした。
レース後握手をかわす筒井(写真右)と佐藤
早大勢の最終種目となった女子4×400メートルリレー(マイル)には、1年生の早大A、2年生の早大B、4年生の早大Dが出場し、学年対抗マイルリレーとなった。序盤先行したのは早大D。1走の鷺が専門の4×100メートルリレーと同様に、好スタートを切った。続く2走では、早大Bの上島周子(スポ2=東京・富士 )が逆転し、1位に躍り出る。3走も早大Bはリードを守り切った一方で、後方では早大Aの野村美月(スポ1=栃木・石橋)が2位に浮上した。4走は関東学生対校選手権で、マイルリレーを走った早大Aの正木紗(スポ1=岡山朝日)が別格の走りを見せる。バックストレートで早大Bを追い抜くと、後続を大きく突き放し1着でゴールした。2着は終盤に逆転した早大D、3着は早大Bとなった。
バトンパスをする鷺(写真右から2番目)と中村(写真右から3番目)
本大会をもって短距離の4年生は競走部を旅立つ。競走部で酸いも甘いも経験しながら、4年間を懸命に戦い抜いた彼らは、次のステージでも大いに活躍してくれるだろう。そして4年生の想いを背負い、4年生への感謝を胸に、111代目がまもなく始動する。
(記事 飯田諒 写真 戸祭華子、加藤志保、飯田諒)
男子結果
▽100メートル
大竹春樹(商4=東京・早実) 10秒57(1組1着)(+0・5)
西徹朗(スポ3=愛知・名古屋) 10秒64(1組2着)(+0・5)
片山大地(スポ2=東京・八王子) 10秒71(1組3着)(+0・5)
水野琉之介(スポ1=北海道・立命館慶祥) 10秒60(2組1着)(+1・1)
平野智也(文構4=京都・洛南) 11秒01(2組6着)(+1・1)
佐藤カルタ(スポ4=神奈川・厚木) 11秒02(4組1着)(+0・9)
筒井航佑(スポ4=愛知・時習館) 11秒62(4組6着)(+0・5)
棚井将輝(スポ3=埼玉・大宮北) 11秒74(7組8着)(+1・9)
佐々木悠人(人2=岩手・一関一) 11秒61(9組1着)(ー0・7)
守屋浩睦(人1=大阪・寝屋川) 11秒40(10組1着)(+1・9)
伊橋璃矩(スポ1=千葉・成田) DNS
髙須楓翔(スポ2=千葉・成田) DNS
寺澤大地(スポ3=京都・洛南) DNS
池田海主将(スポ4=愛媛・松山北) DNS
▽200メートル
水野 21秒47(1組1着)(+1・7)
大竹 21秒59(1組3着)(+1・7)
権田浬(スポ1=千葉・佐倉) 21秒43(2組1着)(+1・5)
佐藤 22秒15(2組2着)(+1・5)
間渕秀康(政経2=京都・洛南) 棄権
寺澤 棄権
▽400メートル
水嶋優斗(スポ2=東京・高輪) 49秒19(1組3着)
渕上翔太(スポ1=東福岡) 47秒44(2組1着)
石原慎也(法3=京都・洛南) 48秒38(2組2着)
千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園) 48秒72(2組3着)
佐藤 48秒88(2組4着)
安心院大渡(スポ1=大分舞鶴) 49秒10(2組5着)
竹一虎(スポ3=滋賀・草津東) 49秒95(2組6着)
岩下和史(スポ2=神奈川・神大附) DNS
清水友彬(スポ3=三重・伊勢) DNS
▽1500メートル
地案尚宏(スポ1=愛知・旭野) 4分4秒80(1組1着)
▽110メートル障害
西 13秒65(1組1着)(+1・4)
池田 13秒86(1組2着)(+1・4)
平田和(スポ2=鹿児島・松陽) 14秒31(1組3着)(+1・4)
瀬能斗亜(スポ1=千葉・春日部共栄) 14秒81(1組5着)(+1・4)
▽400メートル障害
平田 51秒15(1組1着)
権田 52秒41(1組3着)
瀬能 55秒56(1組4着)
渕上 DNS
▽走幅跳
伊橋 DNS
佐々木 DNS
▽やり投
鶴澤元基(スポ3=東京・富士森) 60メートル24(1等)
守屋 50メートル75(3等)
梅澤祥吾(スポ3=神奈川・金沢) 記録なし
女子結果
▽100メートル
山越理子(人3=東京・富士) 11秒81(1組1着)(+1・1)
上島周子(スポ2=東京・富士 ) 12秒14(1組2着)(+1・1)
中村真由(政経4=東京・早実) 12秒18(1組3着)(+1・1)
清水奈々子(文構3=北海道・札幌南) 12秒44(1組4着)(+1・1)
大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園) 12秒60(1組5着)(+1・1)
イベル聖羅(商1=京都橘) 12秒72(1組6着)(+1・1)
内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田) 12秒69(2組2着)(+0・6)
野村美月(スポ1=栃木・石橋) 12秒69(2組3着)(+0・6)
木村加乃(院1=愛知・至学館大) 12秒96(2組5着)(+0・6)
山本真菜(スポ2=三重・伊勢) DNS
新田望(スポ3=神奈川・法政二) DNS
中尾心春(スポ2=兵庫・長田) DNS
▽200メートル
山越 24秒28(1組1着)(+1・7)
▽400メートル
正木紗(スポ1=岡山朝日) 59秒12(1組1着)
大川 DNS
新田 DNS
▽100メートル障害
内藤 13秒89(1組1着)(+1・7)
木村 14秒19(1組2着)(+1・7)
イベル 14秒28(1組3着)(+1・7)
野村美月(スポ1=栃木・石橋) 14秒47(1組4着)(+1・7)
後藤紗衣(スポ4=福岡・西南学院) 15秒60(1組6着)(+1・7)
鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東) 16秒03(1組7着)(+1・7)
生田桃子(人4=愛知・時習館) 18秒73(1組8着)(+1・7)
▽走高跳
矢野夏希(スポ2=愛知・時習館) 1メートル70(1位)
▽走幅跳
中尾 DNS
▽やり投
鈴木真帆(スポ2=茨城・水戸一) 40メートル12(1等)
▽4×400メートルリレー
早大A(イベルー林ー野村ー正木) 3分53秒50(1着)
早大D(鷺ー中村ー生田ー後藤) 4分3秒89(2着)
早大B(内藤ー上島ー鈴木ー廣瀬) 4分6秒10(3着)
早大C DNS
コメント
生田桃子(人4=愛知・時習館)
ーーお疲れ様でした。今日は、専門外の種目や同期とのマイルリレーなど、和やかな雰囲気もある最後のレースだったと思います。最後のレースを振り返ってみていかがですか
ハードル自体は、練習だと5台目ぐらいまでしかしていなかったので、レースで10台飛べるかすごく心配だったんですけど、ハードルをやると言った時も、ハードル(専門)の子がすごく教えてくれたりして。だから、今日のレースはすごくみんなの支えがあったからこそ、出られたかなって思っています。私自身、小学1年生から陸上やっていて今年で16年目で、もう陸上がない生活が考えられないですが、最後みんなにこうやって応援してもらって、見守ってもらって走れたことがすごい良かったなって。楽しんで走れました。
――4年間で最も印象に残っているレースは
今日のこのレースがすごく印象的というか、忘れられないレースになりました。
――最後に、後輩たちへのメッセージをお願いします
早稲田の競走部は、日本でも世界でも活躍する人がたくさんいて、後輩だけど、一人一人すごく尊敬しています。その一人一人にも伝えたのですが、みんな頑張ってるから、頑張ってと言いたいところですが、頑張りすぎないでほしいなって。自分を大切にしながら、その目標に向かって努力すれば、最後に笑って終えられると伝えたいです。
後藤紗衣(スポ4=福岡・西南学院)
――まずは今日のレースの振り返りをお願いします
今日のレースは人生最後の100メートル障害と、大学初めてのマイルという結構おもしろい組み合わせでした。ここまでやってきたことをしっかりと発揮して、最後は感謝の気持ちでいっぱいでスタートラインに立つことができました。
――競走部での4年間の振り返りをお願いします
正直うまくいかないことが多かったのですが、このメンバーでこの代で競走部で陸上ができて本当に良かったなということが今一番感じていることです。
――4年間で一番印象に残っているのはどのレースですか
やはり4年生の早慶戦(早慶対抗陸上)です。アキレス腱断裂後一発目の復帰戦だったので、走ることの楽しさを一番感じることができて、それがとても印象に残っています。
――最後に後輩へのメッセージをお願いします
うまくいかないこととか大変なこととかたくさんあると思うのですが、競走部には頼れる人たちがたくさんいます。その人たちを思い切り頼ることがとても大事だと思うので、素晴らしい環境を最大限生かして、自分の目標に向かってできることを最大限行ってほしいと思います。
佐藤カルタ(スポ4=神奈川・厚木)
――まずは今日のレースの振り返りをお願いします
100メートル、200メートル、400メートルと3本出たのですが、100と200は自己ベストも更新できました。3本目の400も自己ベストを狙って、それは達成できなかったのですが、しっかりと自分の走りはできたかなという感じなので、満足のいく引退だなと思っています。
――競走部での4年間の振り返りをお願いします
本当に9割5分苦しかったなという感覚なのですが、最終学年で5年ぶりに自己記録を更新できて、大学陸上としてはきれいに終われたんじゃないかなとは思っています。
――4年間で一番印象に残っているのはどのレースですか
今日が一番だなと思っていて、引退試合なのでみんなからすごく応援してもらいました。これだけ応援してもらえた試合は初めてだったので、今日が一番印象に残っています。
――最後に後輩へのメッセージをお願いします
早稲田大学競走部は本当に強い部活なので、求められるものも高くなっているのですが、焦らず自分のできることをしっかりやれば強くなっていくと思うので、後輩たちの活躍にも期待しています。
平野智也(文構4=京都・洛南)
――お疲れ様でした。今日は、和やかな雰囲気もある最後のレースだったと思います。最後のレースを振り返ってみていかがですか
レース自体は結構楽しかったです。みんな(僕が)最後だと分かってくれているので、頑張れと言って応援してくれて。あと、自分的には最後というのもあり、久しぶりに緊張していました。でも、楽しく、ゴールした瞬間にやりきったなっていうのは感じました。
――次に、4年間の振り返りをお願いします
100メートルを専門にずっとやっていたのですが、入学時の自分の目標には全然届かなくて。大学入学時、高校の時の自己ベストをまず超えようと言って入学したんですけど、それを超えらず、あと、リレーメンバーに入るという目標もありましたが、それもできず。自分の立てた目標についてはほとんど達成はできなかったというのはあります。
――ありがとうございます。後輩たちへのメッセージをお願いします
自分自身は結果が出た方というよりは、出なかった側です。後輩たちのなかにも結果が出なくて今辛い思いしてる子たちもたくさんいると思うんですけど、まずは諦めずに頑張って続けてほしいです。継続っていうのは1番大切だと思うところなので、そこを意識していってほしいと思っています。