第108回日本選手権リレー 10月5、6日東京・国立競技場
2日間に渡って開催された、日本選手権リレー。男子4×100メートルリレー(4継)は優勝し、東京六大学対校(六大学)、関東学生対校選手権(関東インカレ)、日本学生対校選手権(日本インカレ)と合わせて今季四冠を達成した。男子4×400メートルリレー(マイル)はアンカー対決に敗れ、惜しくも準優勝。女子4継は青学大や福岡大といった強豪校に力負けで5位、女子マイルは3、4走で猛追するも表彰台には届かず4位で終わった。
★悲願の四冠達成!「強い早稲田の4継」へ(男子4×100メートルリレー)
レース後、Wポーズをする4継メンバー
関東インカレ(関東学生対校選手権)と全カレ(日本学生対校選手権)で二冠を獲り、勢いづいている男子4継。三冠達成への期待が高まる中、予選・決勝ともに、先月の全カレで学生記録を更新した大竹春樹(商4=東京・早実)、千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)、関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)、井上直紀(スポ3=群馬・高崎)の走順で出場。組1着で予選を通過した早大は決勝でも他チームに先行を許さず、日本選手権の舞台で見事優勝を果たした。
雨の中行われた予選では、「気持ちが上がりきっていなかった」(千田)とバトンワークにミスが見られたものの、流石は全カレ王者。1走の大竹から4走の井上まで着実にバトンをつなぎ、組1着で決勝進出を決めてその地力を見せつけた。前人未到の三冠が懸(か)かった決勝。「各々託された区間をしっかり走ることとバトンパスをしっかりすること」(井上)を意識して臨んだという。スタートの合図とともに1走の大竹が勢いよくカーブへ飛び出すと、2走の千田も外側のレーンを走る選手との差をじわじわと縮めていく。今大会がラストエンジとなる4年生2人がつないだバトンを受け取った関口も、一気に他チームに詰め寄って第3コーナーを回った。4走の井上は、集団から抜けてそのままリードを許さず1着でフィニッシュ。右手で三冠を表す「3」を作りながらゴールラインを駆け抜けた。
昨年は逃した日本選手権リレーのタイトルを獲得し、まさに「負け知らず」となった今年の早大男子4継。目標としていた「東京六大学対校、関東インカレ、全カレ、日本選手権リレーでの四冠」を達成し、4年生2人の早大競走部としての4継は最高のかたちで幕を下ろしたと言えるだろう。千田や大竹、短距離ブロック長であった島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)が中心となって作り上げてきた、早大男子4継は、連勝街道をどこまで突っ走るのか。来年も王者の挑戦は続く。
(記事 髙杉菜々子、写真 指出華歩)
★強豪校と競るも力及ばず5位(女子4×100メートルリレー)
5着でゴールする中村
女子4×100メートルリレー(女子4継)は予選、決勝共に1走から鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)、山越理子(人3=東京・富士)、上島周子(スポ2=東京・富士 )、中村真由(政経4=東京・早実)のオーダーで出場。予選を全体タイムの3位で通過するものの、決勝では力及ばず5位に終わった。
1日目に行われた予選ではどの区間も危なげないバトンでアンカーの中村までつなぎ甲南大に次ぐ2着でフィニッシュ。全体3着で予選を通過した。6レーンで迎えた2日目の決勝。1走の鷺は安定した好スタートを決め良い位置で2走の山越にバトンパス。続く山越は伸びやかな走りで、バックストレートを駆け抜け3走の上島へ。3走の上島も懸命な走りでアンカーの中村につないだ。3、4走のバトンパスの時、8レーンの福岡大学は少し抜けていたものの、多くの強豪校がひしめく大混戦となった。アンカーの中村はインレーンを走る甲南大を必死に追いかけるも及ばず5着。決勝のレースを通して大きなバトンミスがなかったにも拘わらず、他大学に競り負けてしまう展開となった。
これまでは大きな舞台で決勝に行くことが少なかった女子4継。しかしながら、全カレでは2年連続で早稲田記録を更新し、昨年は残れなかった日本選手権リレーの決勝に残るなど着実に進化を遂げてきた。今大会で4年生の鷺と中村は引退するものの、「女子4継はまだ強くなっている最中」という2人の言葉通り、来シーズンの女子4継の更なる躍進を期待したい。
(記事 谷田光太郎、写真 草間日陽里)
★3度目の正直ならず 日大に敗れ悔しい2位(男子4×400メートルリレー)
2着でゴールしうずくまる眞々田
関東学生対校選手権(関東インカレ)では3位、先日の日本学生対校選手権(日本インカレ)では2位と優勝まであと一歩届かず、苦杯をなめた男子4×400メートルリレー(マイル)。そんな早大チームは、『3度目の正直』を果たすべく、今季最後のリレー種目となる、日本選手権リレーの舞台に挑んだ。大雨の中臨んだ予選では全体1位のタイムで通過。優勝も目前と思われた早大だったが、決勝ではラストで日大に逆転を許す予期せぬ展開に。早大は2着でフィニッシュし、またも優勝を逃す結果となった。
1日目に行われた予選は、権田浬(スポ1=千葉・佐倉)、森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)、渕上翔太(スポ1=東福岡)、眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)のオーダーで出場。4走では、背後を走る中大と接戦を繰り広げる展開にはなったものの、1走から4走まで危なげない走りを見せ、着順で決勝に進んだ。
日本選手権リレーの最終種目として行われた男子マイル決勝。早大は予選から1年生メンバーの走順を変更し、1走から渕上、森田、権田、眞々田のオーダーで挑んだ。レースが始まると1走の渕上は安定した走りでレースを進め、混戦状態の中1着でバトンを2走の森田へ。すると、森田は先頭で集団の中から飛び出し、伸びやかな走りを見せる。しかしながら「ラスト50メートルのところで失速してしまった」と振り返った森田は、バトンパス直前までに差を縮められ、2番手と同着の状態で権田にバトンを託した。権田は前半、普段通り落ち着いた走りを見せる。途中で日大に先頭を譲る展開にはなったが、得意の後半で日大を抜き返し、4走の眞々田に勝敗を託した。バトンを受け取った眞々田は前半から攻めた走りで後続を引き離していく。しかし、迎えた後半。日大が徐々に背後に迫ってくると、ラストの直線では日大の選手と一騎打ちに。最後まで力を振り絞った眞々田だったが、ラスト20メートルで日大に先を譲ると、苦悶の表情を浮かべながら悔しくも2着でフィニッシュした。
日本インカレでの悔しさから2週間。眞々田はもちろん、マイルメンバーの後輩選手も、『お世話になった眞々田さんに華を・・』と強く優勝を願ってきた。それゆえ、今大会の2位は、選手にとって特に悔やまれる結果となっただろう。しかしながら、絶対的エース・眞々田が率いてきたマイルメンバーは、彼に引けを取らないくらい強力に成長している。来年こそは悲願の頂点の座へ。今季成し遂げられなかった眞々田の想いは、この悔しさを知る、頼もしい後輩たちに託された。
(記事 草間日陽里、写真 飯田諒)
★届かなかった表彰台 女子マイル4位入賞(女子4×400メートルリレー)
後方から追い上げる山本
女子4×400メートルリレー(マイル)は、全カレからほとんどメンバー変更なしで『金のライオン』、すなわち優勝を狙った。予選では安定した走りを見せ組1着、そして全体トップのタイムで決勝進出。翌日迎えた決勝では、全カレ女王の立命大や、強豪・園田学園女子大がトップ争いを演じる。早大は3位の背中を必死で追いかけたものの、追いつくことはできず、悔しい4位入賞という結果となった。
初日、霧雨の中行われた予選では、山越理子(人3=東京・富士)、清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)、山本真菜(スポ2=三重・伊勢)、上島周子(スポ2=東京・富士 )のオーダーで出走。1走の山越が混戦状態の中バトンを渡すと、2走の清水が一時トップに躍り出る。しかし、中央大に300メートル地点で抜かれ2位に後退し3走へとバトンパス。2番手で受け取ったバトンを押し上げるべく、山本が力走を見せ、100メートル過ぎで再び首位に立つと、4走・上島は「順位をそのまま貫き通す」という言葉通り1位を死守し予選組1着でゴール。タイムは3分39秒04の全体トップで決勝進出を決めた。
そして翌日、雨は上がったものの曇天の中行われた決勝。オーダーは変えずに決勝の舞台へと臨んだ。1走の山越が4番手付近でバトンを渡すと、そこからは先頭争いが混戦状態に。4、5チームがトップ争いを繰り広げる中、2走の清水は懸命に食らいつく。しかし、徐々に先頭から距離を離され7番手でのバトンパスとなった。3走・山本は、「今までの恩返しの気持ちで」冷静に直線での追い上げを見せる。言葉通り直線で3人を抜き去り4位に浮上。そのまま、4走の上島へとバトンを渡した。上島にバトンが渡った時には3位の背中は遠く、3秒程の開きがあった。上島は「自分が早稲田にメダルを持って帰るんだ」という強い気持ちを持ち、全力で前を追った。3位との差は徐々に縮まっていったが、惜しくも逆転することはできず4位でフィニッシュ。優勝や表彰台を目指していた中で、悔しさの残る結果となった。
今回の日本選手権リレーでは4位入賞という悔しい結果に終わった女子マイル。しかし、今大会を走ったメンバーは一人も抜けず、来年も全員がチームに残る。リベンジのチャンスはまだまだこれから。来季、そして未来の早大女子マイルに期待したい。
(記事 會川実佑、写真 高津文音)
男子結果
▽4×100メートルリレー
予選(3組2着+2)
早大(大竹ー千田ー関口ー井上) 39秒26(2組1着) 決勝進出
決勝
早大(大竹ー千田ー関口ー井上) 39秒11(1 着)
▽4×400メートルリレー
予選(3組2着+2)
早大(権田ー森田ー渕上ー眞々田) 3分07秒09(3組1着) 決勝進出
決勝
早大(渕上ー森田ー権田ー眞々田) 3分06秒85 (2着)
女子結果
▽4×100メートルリレー
予選(3組2着+2)
早大(鷺ー山越ー上島ー中村) 45秒25(1組2着) 決勝進出
決勝
早大(鷺ー山越ー上島ー中村) 45秒37(5 着)
▽4×400メートルリレー
予選(3組2着+2)
早大(山越ー清水ー山本ー上島) 3分39秒04(1組1着) 決勝進出
決勝
早大(山越ー清水ー山本ー上島) 3分40秒17 (4着)
コメント
鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)
――今大会のコンディションはいかがでしたか
日本インカレ(日本学生対校選手権)から連戦だったため、疲れが抜けきってない部分がありました。ただ、チームとして走れる最後の大会だったので、気持ちの部分ではちゃんと持っていこうと思って今大会に臨みました。
――ご自身の予選の走りを振り返っていかがでしたか
前半はスピードに乗ることができなかったのですが、後半ではいい動きができました。自分のラップタイムを考えたらもったいない部分があったレースだったと思います。
――予選から決勝で変えたところはありますか
予選ではチームとして各区間がバトンパスの歩数を縮めて安全にバトンを渡せるようにしました。決勝では各区間がバトンパスの歩数を伸ばして攻めのレースが出来るようにしました。
――5位という結果になりますが、決勝を振り返っていかがでしたか
去年は日本選手権リレーの決勝に出場しておらず、初めての決勝だったのでここに連れてきてくれた同期の中村(真由、政経4=東京・早実)と後輩の山越(理子、人3=東京・富士)と上島(周子、スポ2=東京・富士 )の2人に本当に感謝したいです。(全体のタイムを)3位で予選を通過したのですが、通過したタイムよりも他のチームが仕上げてきたこともあり5位でした。私たちにできるベストを尽くしての5位だったので、実力不足で悔しさもあります。ただ、決勝の舞台でどの区間も競ることができたのはすごく楽しかったかなと思います。
――今年の4継(4×100メートルリレー)を振り返っていかがでしたか
前半シーズンでは誰かの調子が良くなると誰かがケガをしてしまい、選手のコンディションにバラつきがありました。そのため、チームがベストではない状態で試合することが多く、不安を抱えたまま日本インカレを迎えました。しかし日本インカレの予選では45秒台で走ることができて、そこから4本連続で45秒台にまとめることができたのは成長した部分だったのかなと思います。
――来年の4継に期待することをお願いします
今まで私と中村が走ってきたところを誰が走るのかは、他の種目との兼ね合いもあって難しいと思うのですが、せっかくマイルだけでなく女子の4継も強くなっている途中なのでそこを途切れさせないでつないでいってくれたら嬉しいなと思います。
――女子主将として迎えた最後の一年を振り返っていかがでしたか
自分の結果とチームのことを常に考えながらやることは難しかったですし、大変なこともありました。しかし、女子主将をやったからこそ自分が成長できたと思うところが沢山あります。それは自分一人で勝手に成長したのではなく、困っているときに手を差し伸べてくれたコーチ陣や親、同期、後輩など色んな人に支えられてここまでやってこられたと思います。頼りない女子主将だったかもしれませんがみんながついてきてくれて嬉しかったですし、良い1年でした。
――どのようなところが成長したなと思いましたか
周りを見る習慣がつき、視野が広がったと思います。上級生になると自分自身のパフォーマンスを良くするには何が必要なのかを考えられるようになってきます。女子主将はそれだけではなく周りの子がどんなコンディションで何に悩んでいて、何が良くなると記録が伸びるのかを一緒になって考える必要があると思いました。そうしないとチームがまとまってこないと思ったからです。女子は30人近くいますが、みんなとのコミュニケーションをバランスよく取ることを心掛けました。それを冬季辺りから習慣化できたところに自分の中では成長を感じることが出来ました。
――最後に後輩たちにメッセージをお願いします
早稲田大学競走部を選んで、4年間頑張ることを決めた後輩たちだと思うので、そこの初心を忘れずに謙虚さと感謝を大事にして最後まで自分の競技人生を描き切ってほしいなと思います。
千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)
――四冠を達成しました
やり切った気持ちです。虚無感というか、何も残っていません。
――この1年間、悔いはないということでしょうか
個人種目で思ったような結果が出せなかったのは悔やまれるところです。ただ4継の方は、学生記録も含めて、取れるものは全部取れたので悔いはないです。
――本大会のレースについて伺います。コンディションはいかがでしたか
昨日の予選は、予選ということもあり、チーム全体としても気持ちが上がり切っていなかったです。今日は、1走と2走のところでバトンがもたついたのですが、走り自体は結構良かったです。ミスはあったのですが、力で押し切ることができました。
――その中でご自身の決勝の走りはいかがでしたか
バトンミスがあったので、スピードを緩めて(バトンを)貰うことになったのですが、外側の選手との差を詰めることができたので、やれることはできたと思います。
――予選から決勝に向けて、気持ち以外で修正した点はありますか
細かい話にはなってしまうのですが、昨日は力をごり押しして走っていました。今日は、力の方向をまっすぐにするように修正した結果、いい走りができました。
――井上直紀(スポ3=群馬・高崎)選手がゴールした時の気持ちを教えて下さい
関口(関口裕太、スポ2=新潟・東京学館新潟)にバトンを渡したときに勝ったと思っていました。そのまま井上までいってゴールしたので、喜びを爆発させるというよりはやり切ったという感情の方が強かったです。
――レース後どのような声かけをしましたか
「1年間ありがとう」みたいな感じでした。
――競走部での4年間を振り返っていかがですか
最初の1、2年は競技力もそこまでなくて表舞台に立てるような選手ではありませんでした。昨年からインカレに出させていただいて、競走部でやりたいことはある程度できたかなと思います。
――最後に後輩に向けて一言お願いします
早稲田はすごく伝統や歴史のあるチームなのですが、自分の『個』を大切にしてほしいです。自分がエンジに染まるのではなくて、自分の方にエンジを寄せてくるくらいの気持ちでいけたら、もっといい結果がついてくると思います。
中村真由(政経4=東京・早実)
――今大会のコンディションはいかがでしたか
全カレ(日本インカレ)前よりも練習を積めていたので、コンディションは上がってきている状況でした。
――まず、予選の走りを振り返っていかがですか
2着+2で決勝というところで、必ず着順で決勝に進まなければいけないところで進めたのはよかったと思っています。 44秒台で優勝というのを狙う上では、予選のタイムは悪くなくて、決勝でしっかり44秒台と優勝を狙える位置につけられていたと思います。バトンはかなり全カレから修正できていたので、あとは個人の走りを修正してというところで考えていました。
――5位という結果になりましたが、決勝を振り返っていかがですか
表彰台に上がれなかったのが悔しいというのが率直な感想です。 どの区間もバトンがもう少し改善できたというのもありますし、自分の走りとしても、3位のラインが目の前に見えていたので、そこでゴールできなかった悔しさはすごくあります。でも、上島(周子、スポ2=東京・富士 )がいい位置で渡してくれたので、上位の大学と競るという意味では楽しいレースだったと思います。
――今年1年の4継は振り返っていかがですか
シーズンの最初はなかなか45秒台すら出せなかったです。それぞれのコンディションがみんながいい状態というのをなかなかつくることができなくて苦労した部分はあったのですが、全カレでしっかり早稲田記録を更新して、44秒台を本気で狙える状況までみんなで持ってこれたというのは大きな成長なのかなと思います。日本選手権リレーも全カレも決勝の舞台で、みんなのおかげで戦うことができたので、来年以降、上島とか山越(理子、人3=東京・富士)とか強いメンバーが残って、今後もっと強くなってくれると信じています。
――来年の4継に期待することを教えてください
私と鷺(鷺麻耶子、スポ4=東京・八王子東)が2人抜けて、結構メンバーが変わってしまうと思うのですが、 強いメンバーがたくさんいるので、まだまだ強くなると思います。今まで、男子のマイル、4継、女子のマイルは大きい舞台で決勝に行くことが多くて、女子の4継だけ行けないというのが多かったのですが、少しずつ女子の4継も今強くなってきている最中なので、どんどん成長して、早稲田の中でも主力になれるように頑張ってほしいと思います。
――今大会で主要な大会が終わりましたが、4年生として迎えた最後の1年を振り返っていかがですか
最後の1年は、純粋に関東インカレ(関東学生対校選手権)や日本インカレや日本選手権リレーなど、エンジを着て走れる試合に出させていただいて、すごく誇りに思っていますし、楽しかったと思っています。 その舞台に出させていただいたからには、優勝や表彰台で恩返ししたかったのですが、それができなかったのがやはり悔しいという思いが今は一番強いです。でも、みんなが頑張ってくれると思うので、やり切ったかなと思っています。
――最後に後輩に向けて一言お願いします
女子は人数も増えていて、強い選手もこれからどんどん入ってくると思うので、みんなで、 チーム全体で強くなっていくような、いいチームになってほしいなと思います。
眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)
――足の調子などはいかがでしたか
8月中旬から足を痛めていた中で、エンジを着る最後のレースだったので、たくさんの方々の力を借りながら走ったレースでした。足の状態はずっと痛い中ではありましたが、気持ちで負けないようにと思って走りました。
――2日間を通してチームのコンディションはいかがでしたか
連戦ではあるので、非常に疲れがある中だったとは思います。ですが、日本インカレ(日本学生対校選手権)の悔しさはあって、その中でも後輩たちが「最後眞々田さんに花を持たせよう」という気持ちでやってきてくれていました。その気持ちにも応えたいという思いもそうですし、次の後輩達にいいバトンが渡せるように、身体のコンディションより、気持ちのコンディションの方にシフトしていたかなと思っています。
――予選では中大と接戦でした
1、2、3走としっかり前でレースを進めてくれるというのはレースプランとしてありました。自分の足の状況を考えて、少しでも多くリードを作って渡してくれるということは分かっていました。そしてそれを自分がしっかり1着でゴールするというのも役目だったので、スクリーンや足音をしっかり確認しながら走ったという感じではあります。
――決勝では予選から走順変更がありました
それぞれの良さを活かすための最善の走順にしようということで、渕上(翔太、スポ1=東福岡)を1走に、権田(浬、スポ1=千葉・佐倉)が3走というかたちになりました。
――決勝の走りを振り返っていかがでしょうか
結果的に勝ち切れなかったということは、まだ何か課題があるのだと痛感させられる試合になりましたし、僕がしっかり勝ちを決められれば全てが良く収まったのかなといったところではあります。ですがその中でも、今できる最大限のことをやった結果だと思うので、もちろん勝った日大にはしっかり祝福したいという気持ちもありますし、綺麗な言い方をすれば自分たちが成し遂げられなかったものを後輩たちが成し遂げてくれるだろうと思わせるような結果になったと思います。
――マイルメンバーにかけたい言葉はありますか
本当に頼もしい後輩達です。言った言葉を全て吸収してくれるというのがこの3人や他の400メートルブロックの後輩たちの良さです。僕自身も競技を続けて早大でやっていくので、僕と一緒にさらに成長していきたいなと思います。
――ラストエンジとなりましたが、今のお気持ちをお聞かせください
本当に悔しい結果で終わってしまったなというのは正直な感想ではあるのですが、自分の中では走っている間も走る前も、色んな方々の顔を思い浮かべていて。自分をここまで強くしてくれた『W』をいいかたちで終わりたいなというのもそうですし、お世話になったコーチ陣や先輩方から受けたものを後輩たちに引き継ぎたいという思いで走りました。悔いがないと言ったら嘘にはなりますが、今できることはやり切れたと思っています。
――4年間応援してくださった方々にメッセージをお願いします
入学当初は本当に弱くて正直不安があったのですが、早大を愛してくださる色々な方々からの応援や支援が、本当に自分の原動力になりました。それがなかったら早大での陸上はなりたたなかったなと思いますし、今までの陸上人生で人の温かさや支援の大きさを非常に感じる経験になりました。自分は競技を続けるので、しっかりその恩をレベルアップしたところで返していけるようにしたいと思います。
井上直紀(スポ3=群馬・高崎)
――今日のコンディションはいかがでしたか
昨日の予選の前から連戦で疲労がたまっていて膝に痛みがあったので、テーピングをして臨みました。
――決勝のレースを振り返っていかがですか
3人がバトンをつないでくれて、その結果僕の仕事はあまりなかったです。走りとしてはそこまで良くなかったのですが、優勝するという目標を達成する事ができて良かったです。
――三冠を達成した感想を教えてください。
六大学(東京六大学対校)を含めて四冠を達成できて嬉しいです。僕が憧れていた、エンジを着た選手たちに少し近づけたかなと思います。
――学生記録の更新も目指されていたということですが、タイムの面で振り返るといかがですか
学生記録を出したチームとしては物足りないのですが、しっかり優勝できたのでタイムはあまり気にしていなかったです。
――レースの前にリレーメンバーと何か話したり声をかけあったりしましたか
普通にやれば勝てるので、各々託された区間をしっかり走ることとバトンパスをしっかりやることを確認していました。杜真寿さん(千田杜真寿、スポ4=茨城キリスト教学園)が「しっかり勝っていこう」と僕たちに声をかけてくださいました。
――今年のエンジを振り返っていかがですか
今年は個人ではずっと悔しい思いをしていて、反対にリレーではみんなのおかげで良い思いをさせてもらいました。来年度は、早稲田のエースとして個人でもしっかり勝っていかないといけないですし、エンジの価値を高められる選手になっていきたいと思います。
上島周子(スポ2=東京・富士 )
――今大会のコンディションはいかがでしたか
全日本インカレ(日本学生対校選手権)と関東新人(関東学生新人選手権)があって、結構そこでもレースを積んでいたので、コンディションとしてはいい流れは来ていました。でも、体のコンディション的には結構頑張っているところがありました。
――全カレからは2週間、関東新人からは1週間ですが日本選手権リレーに向けての練習で意識したことはありますか
練習を積む時期ではなかったので、とにかく気持ち切らさないことを意識していました。練習で体に負担になるものをやるというよりかは、気持ちの面を意識しました。
――まず4×100メートルリレーについて伺います。3走として自分の役割はどのような事だと考えていましたか
先輩たちがつなげてきてくれたものをつなげる、自分が役目をしっかり果たしてつなぎ切ることだと思っていました。4走につなぎ切ることもそうですし、やはり優勝への貢献がしたかったです。
――予選から決勝に向けて修正した点はありましたか
4継(4×100メートルリレー)では予選の時がバトンが1番危ないぐらいではあったんですけど、1番綺麗に渡った感じでした。なので、修正は走りの部分で、もう少し最後まで足を回しきるだとか、腰を高くしながら走るというところを意識しました。
――決勝後には涙も見られましたが、どのような思いだったのでしょうか
自分としては結構頑張って走ったので、こんな順位じゃないはず、こんなメンバーがいるのにこんな順位はすごく悔しいなって思っていました。それは結構自分の中でぐっとこらえていたのですが、鷺さん(麻耶子、スポ4=東京・八王子東)と中村さん(真由、政経4=東京・早実)が 2人で話してるのを見たら、ごめんなさいという気持ちと、まだまだ私たちはやれたよねという気持ち、そして頑張らなきゃという気持ちもあって、2人の姿を見て泣いてしまいました。
――今回の結果やタイムを振り返っていかがですか
結果は、絶対メダルを持って帰るぞという気持ちでいたので、すごく悔しいところはあります。ですが、4継でもマイル(4×400メートルリレー)でもバトンをつなげて、悔しい結果だったけれども自分がその一員となれたことに誇りは持っていますし、来年もこれからもずっとこの一員として自分が戦っていくんだと自覚し、頑張ろうという気持ちになりました。
――次に、マイルリレーについて伺います。マイルリレーでのご自身の役割はどのように考えていましたか
今期になって結構調子が良くなってきて、マイルでもいいラップタイムで走れるようになっていました。なので、自分は順位を上げられるような走りはできないのですが、もらった順位をそのまま貫き通す、1位でもらったら1位で貫き通すみたいに、最後まで順位を変えない、抜かれないことが自分の役割だと思っていました。
――決勝では追いかける展開となりましたが、バトンをもらった時に考えていたことは何かありますか
自分がやるんだ、自分が早稲田にメダル持って帰るんだという気持ちで走り始めました。ですが結構前と差が開いていたので、そこでどれだけ自分ができるんだろうという不安と、 自分にどれだけの力があるのかなという気持ちがありました。それでも、やるしかない、自分が追い上げるという気持ちで走りました。
――ご自身の走りを振り返っていかがですか
やはり体にも少し疲労が見えていて、もっと最後(追い上げることが)できたかもしれないとは思いました。でも、自分の中ではちゃんと今できる1番の走りができたと自信を持っています。
――今回のマイルの結果やタイムについてどのように考えていますか
こちらもすごく悔しい結果でした。1、2、3走がちゃんとつなぎ切ってくれましたが順位を上げられなかったので、それは申し訳ないと思います。マイルは来年このメンバーが全員いるので、(来年は)絶対絶対に勝つぞという気持ちです。
――今シーズンを振り返っていかがですか
今シーズン、初めの方は全く記録会とかも出ていなかったので、どうなるかすごく不安な部分もありました。いろんな人が支えてくれて自分も頑張れたので、どんどんどんどん調子が上がっていって、今振り返れば人生の中で1番濃いシーズンだったかなと思います。人にも恵まれました。
――最後に、来シーズンの目標を教えてください
来シーズンは、4継とマイルの面では自分がチームの核となれるように頑張るとともに、個人種目でも自分が思っているよりも上の選手になれるように頑張りたいと思います。
森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)
――今日のコンディションを振り返って
コンディションとしては日本インカレから新潟GPと続けての試合ではありましたが、そんなに悪くはなかったです。昨日の予選から引き続き、体の状態的にも良く仕上げられたかなと思っています。
――日本学生対校選手権(日本インカレ)から2週間、どのような練習をされていましたか
全カレでは400メートルとマイルリレーと試合を重ねることが多かったので、特にこだわって練習するというよりも疲労を残さないようにしていました。
――マイルでのご自身の役割はどのように認識していますか
2走ということもあってまずはコーナートップをきちんととることです。それから前半早稲田らしいレースを展開するためにもどれだけ差をつけて3走、4走に渡すかというところが求められていると思うので、そこは自分のところで必ずトップについて差を広げるというところを意識しました。
――予選と決勝でのご自身の走りを振り返って
予選、決勝ともにコーナートップをとれましたし、前半から流れをもってきていいリズムを作るという点においては良かったと評価できます。しかし決勝に関してはラスト50メートルのところで失速してしまったので、そこはもう少し良いかたちにできたかなとは思いますし、そういった流れのところも含めてまだまだ課題が残るレースではあったかなと思います。
――決勝で2位という結果について率直な感想をお願いします
日本インカレも一位を逃してしまいましたし、この日本選手権リレーももちろん優勝を狙っていたので素直に悔しいです。あとは本当にお世話になった眞々田さん(洸大、スポ4=千葉・成田)と走れる最後のマイルでもあったので華を持たせたかったし、勝たせたいと思っていたので悔しいです。
――1年間マイルチームをけん引してきた眞々田選手に向けて、一言お願いします
長い間、特に冬からは眞々田さんにくっついて練習させてもらっていましたし、400メートルやマイルも含めて本当にいろいろなことを教わってきたのでそういった部分も含めてお世話になりました、ありがとうございましたという気持ちと今度は自分が後輩に早稲田らしいマイルリレーを突き詰めて、伝えていけたらと思っています。
――最後にこれからどのようなマイルチームを作っていきたいですか
今回4継がすべての大会で1位を勝ち取っているのでマイルも遅れるわけにはいかないと思います。だからこそそういったことも含めて勝ち切れるチームになれるよう面と向き合って、勝負にこだわれるようなチームを作っていきたいですし、それを引っ張っていきたいです。
山本真菜(スポ2=三重・伊勢)
――今大会のコンディションはいかがでしたか
先週グランプリの試合があって、その前の週には全カレ(日本学生対校選手権)があってと3週連続大きな試合があったので、疲労感はありましたが、身体は動いているなといった感じでした。
――全カレから2週間たちますが、全カレから日本選手権リレーまでに意識して練習していたことはありますか
最近は、前半にスピードに乗れず、後半に粘るというレースが多かったので、前半からスピードに乗ることを意識した練習をしていました。
――今回のレースプランを教えてください
前半から自信を持って積極的に走るということを意識し、バトンをもらったら少しでも前の順位で次に渡せるように前半から積極的に走りました。
――予選から決勝に向けて修正した点はありましたか
予選は良いレースプランで行けたのでそのイメージで前半を入って、後半はもっと競ると思ったので、余力を残しながら最後まで競えることをイメージして走りました。
――決勝では追い上げる展開となりましたが、自分にバトンが回ってきた時に考えていたレースプランを教えてください
今までの試合は、先輩方が1番でもってきてくれるというレースプランでした。今回は、前に3人ぐらい連なっていたのですが、今までの恩返しの気持ちで、カーブではなくて、直線でうまく拾っていこうと冷静にかつ積極的にいくというレースプランを立てました。
――本日の結果やタイムについて振り返っていかがですか
チームとしては、表彰台を狙っていたのでかなり悔しい順位ですし、タイムも予選より落としてしまいかなり悔しいです。ですが、来年も一人も抜けずにそのままのメンバーなので、みんなで意識を高め合って、(表彰台の)一番高いところに登れるように頑張ろうと思います。
――今シーズンを振り返っていかがですか
関東インカレ(関東学生対校選手権)で大学ベストの55秒台に乗せることができて、良い調子でいたのですが、秋シーズンは、かなり苦しんで、なかなか55秒台に乗せることができませんでした。そこは、修正点として、後半シーズンもしっかりと作っていかないといけないと思いました。昨年に比べたらチームの得点を取ったり、リレーで走ったりすることができたのでさらに来年は自分が引っ張っていけるようにしたいと思います。
――来シーズンの目標をお願いします
関東インカレも全日本インカレも個人で表彰台に立つこと、リレーに関しては、全カレ、関カレ、日本選手権リレー、全部優勝できるように頑張ります。