男子総合3位、女子総合8位で110代目最後の対校戦は閉幕/全カレ4日目

陸上競技

第93回日本学生対校選手権 9月22日 神奈川・等々力陸上競技場

 4日間に渡る熱戦が幕を閉じた。最終日は男子400メートル障害で渕上翔太(スポ1=東福岡)が、ルーキーながら優勝。しかし、最終種目となる4×400メートルリレーは男子が2位、女子が3位で悲願の優勝とはならなかった。総合順位は男子が総合3位、女子が総合8位に終わり目標達成とは至らず。それでも、4日間を戦い抜いた選手たちの表情には充実感があふれていた。

★女子エース、鷺が4年目となる最後の日本インカレで堂々の4位入賞!(女子200メートル)

カーブを走る鷺

 女子200メートルに出場したのは、1年間早大女子チームをけん引してきた鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)と中村真由(政経4=東京・早実)、そして400メートルを本職とする清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)の3名。鷺は4年間日本インカレの舞台に立ち続け、今回が自身最後となる対校戦、そして中村は今大会が最初で最後の日本インカレとなった。清水は予選敗退に終わったものの、鷺と中村は予選を揃って通過。迎えた準決勝では中村が惜しくも敗退となったが、鷺は4年目にして初となる決勝の舞台へ。表彰台には届かなかったものの終始堂々とした走りで4位入賞を飾り、最後の日本インカレに幕を閉じた。

 3日目に行われた予選を鷺は着順で、中村はタイムで拾われ、迎えた4日目の準決勝。1組目に出場した鷺は、スタートから好位置につけると、ラストの混戦では懸命な走りを見せ1着でフィニッシュ。見事決勝に駒を進めた。一方2組目に出場した中村は、-4・0の激しい向かい風の中、 本大会優勝者含め強豪を前に組8着で大会を終えた。そしてその日の午後に行われた決勝。5レーンに立った鷺は、「やっと掴み取った舞台を楽しもう!」という思いで挑んだようだった。スタート直後からスピードに乗った鷺。コーナーに差し掛かるタイミングでは先頭争いを繰り広げる展開となる。しかし、後方から迫るフロリス・アリエ(日体大)や他選手にラストの直線で先を譲ると、ラスト50メートルで足が動かなくなったという鷺は、惜しくも4着でフィニッシュ。「一瞬それ(優勝)が見えた」だけに、少々悔しい入賞となった。

 1年目から期待のルーキーとして名を馳(は)せ、4年間早大女子の第一線で活躍し続けた鷺。ラストの対校戦となった本大会では、念願の決勝進出を果たした一方、表彰台にはあと一歩及ばなかった。しかし、鷺はこの4日間を振り返って「悔しいけれど後悔はありません」と語る。そんな彼女が「集大成」と意気込む舞台は10月の日本選手権リレー。頂を目指し、鷺と中村には有終の美を飾ってほしい。

(記事 草間日陽里、写真 植村皓大)

★ヨンパー新時代到来! 渕上が大逆転で全カレ制覇!(男女400メートル障害)

 早大の『お家芸』とも称される400メートル障害(ヨンパー)。今大会は男子に金本昌樹(スポ4=東京・日大桜丘)、盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)、渕上翔太(スポ1=東福岡)、女子に大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)、内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)、千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)が出場した。全員が決勝に残る『男女6枚残し』を目指したが、明暗の分かれる結果となった。女子は内藤、千葉が準決勝で敗退。大川が決勝に残ったものの、悔しい6位となった。男子では関東学生対校選手権2位の盛岡、昨年3位の金本が準決勝で姿を消す中、渕上が準決勝で為末大氏の持つU20日本記録を更新。勢いそのままに決勝も快走し、1年生ながら全カレ王者に輝く大番狂わせを演じた。

  女子は予選を千葉、内藤が3着、大川は1着で突破。『3枚残し』を目指し臨んだ準決勝だったが、千葉、内藤は上位に食い込むことはできず。予選からタイムを上げたものの6着、4着に終わり、決勝に進出することはできなかった。大川は準決勝、序盤から果敢(かかん)に攻め、4台目付近でトップに躍り出る。ラスト50メートル付近で一つ順位を落としたものの2位でフィニッシュ。自己ベストに迫る58秒20の好タイムで決勝へと駒を進めた。決勝は日本選手権4連覇中の山本亜美(立命大)ら強力な選手が揃う中、ハイレベルなレースとなった。序盤から山本や大野瑞奈(山学大)らが先行しハイペースを刻む。大川も懸命に前を追ったが、9台目以降でペースを落とし6位でゴール。2年連続の表彰台を掴むことはできなかった。

ハードルを越える大川

 男子も予選を全員が着順で突破し、迎えた準決勝。1組目に出場した盛岡は序盤、落ち着いてレースを進め5、6番手につけていたものの、9台目付近から前を猛追。自己新の49秒62で4着に入ったがわずか0秒14及ばず、決勝進出を逃した。4年生として最後の全カレに挑んだ金本。準決勝は井之上駿太(法大)が前に出るも、金本は渾身の走りで2位争いを展開。しかし10台目で歩幅が合わずペースを落とし5位でフィニッシュ。ケガに苦しみながらも、全カレ優勝を目指し1年間練習を積んできた金本。準決勝敗退と望んだ結果は得られなかったが「ここまでの過程に悔いはない」と前を向いた。「コンデションはとても良かった」と今大会を振り返った渕上は、準決勝でも好調ぶりを存分に見せつけた。6台目付近でトップに立つと徐々に後続との差を広げ1位でフィニッシュ。48秒78を叩き出しU20日本新記録を樹立した。このタイムに関しては、「ここまで出ると思っていなかった」と本人も驚きの様子だった。しかし直後の組で下田隼人(東洋大)が渕上の記録を更に塗り替える。それでも「決勝で必ず勝とうと気が引き締まった」と、渕上は勝負に徹する姿勢を崩さなかった。そして運命の決勝。準決勝で東京世界陸上の標準記録を突破し、優勝候補筆頭に挙げられていた井之上が早々と前に出る中、渕上は4番手付近につける。このまま井之上の優勝かと思われたが、「ラストは少し向かい風があったのでそこで先頭に立つ」とのプラン通り、渕上が9台目から徐々に前との差を詰める。そしてゴール直前、ペースを落とした井之上と高橋遼将(法大)を一気に抜き去りトップでフィニッシュ。レース前の予想を覆し、大逆転で全カレ王者に輝いた。

井之上(法大)と競り合う渕上

 渕上の全カレ制覇に沸いた早大ヨンパー勢。しかし全体を振り返れば決勝進出者は2人と、日本トップクラスのタイムが連発する中で悔しい結果に終わった。それでも今シーズンは渕上を始めとする下級生が着実に結果を残してきている。『お家芸』の更なる躍進、そして来年の全カレでの『男女6枚残し』に向けて、早大ヨンパー勢の未来は明るい。

(記事 植村皓大、写真 草間日陽里、飯田諒)

★アンカー対決で東洋大に敗れ、悔しい2位に(男子4×400メートルリレー)

表彰式で笑顔を見せるメンバー

 昨年、優勝直前でまさかのアクシデントに見舞われ、惜しくも8位に終わった男子4×400メートルリレー(マイル)。本大会は予選、決勝ともに、眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)、森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)、渕上翔太(スポ1=東福岡)、権田浬(スポ1=千葉・佐倉)のオーダーで出場した。予選は、1走の眞々田が1位でバトンを渡すと、その後も他を寄せつけない圧倒的な走りをみせ3分4秒85の好記録で見事1位通過を果たした。

 予選の流れを生かして、オーダーを変更せずに挑んだ男子4×400メートルリレー決勝。1走の眞々田は連覇を狙っていた400メートルでは悔しくも3位に終わってしまったものの、400メートル障害に出場した3走の渕上は、準決勝でU20日本記録を塗り替え、決勝では1年生ながら優勝に輝くなど勢いのある布陣で臨んだ。1走の眞々田が1番でバトンを渡すと、2走の森田からは東洋大との激しいデットヒートが繰り広げられることとなった。ラストの直線で東洋大に先行されるも、3走・渕上は400メートル障害の疲れを感じさせない力強い走りを見せ再びトップに躍り出る。しかし、4走・権田がバックストレートで東洋大に再度抜かされてしまう。ホームストレートで懸命に追い上げるも、東洋大に競り勝つことはできず3分6秒16の2着でゴール。今年5月に行われた関東学生対校選手権では惜しくも3位となり、今回の日本学生対校選手権(全カレ)こそは王者奪還、ひいては学生記録の更新を狙っていただけに悔しい2位となった。

 エース眞々田は、「決勝で勝ちきれず、早稲田のレースができなかった。正直なところまだ不完全燃焼」と振り返った。一昨年の日本選手権リレーから、一度もタイトルを獲得できていない男子マイル。来月の日本選手権リレーでは、この悔しさを晴らす走りをし、久々のタイトル奪取に挑む。

(記事 牧亮哉、写真 飯田諒)

★力走を見せた女子マイル 2年連続3位表彰台を飾る(女子4×400メートルリレー)

 昨年の日本学生対校選手権(日本インカレ)では3位表彰台を飾った早大。鍛錬の夏を乗り越え、今年は 『早大記録更新』と『優勝』を掲げて本大会に挑んだ。予選では安定した走りを見せ、組1着で予選を通過。決勝では、一時はトップを走ったものの、後半他大にかわされ3位でフィニッシュした。目標達成には惜しくも届かなかったが、一人ひとりが力強い走りを見せ、笑顔で表彰台に登った。

レース後に抱き合う女子マイルメンバー

 大会3日目に行われた予選では、大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)、清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)、山本真菜(スポ2=三重・伊勢)、上島周子(スポ2=東京・富士 )のオーダーで出走。1走の大川から2番手でバトンを受けた2走の清水奈が200メートル地点でトップに躍り出た。3走・山本、4走・上島と後続を突き放し、早大は組1着、タイムは全体3位で決勝に進出した。

 迎えた大会最終日。早大は山越理子(人3=東京・富士)、清水奈、山本、上島のオーダーで決勝に臨んだ。1走の山越が懸命な走りを見せ、2走・清水奈に2位でバトンをつなぐ。3、4走に信頼を置いて「前半からぶっ飛ばそうと思っていました」と振り返った清水奈。その言葉通り序盤からハイペースで入ると、第2コーナーあたりで前を行く立命館大を追い越しトップに立った。しかしながら、ホームストレートで立命館大、さらに中央大に抜かされ、3番手で3走の山本へ。山本は中大を必死に追い一時は背後に迫るも、最後はわずかに離されバトンはアンカーの上島に渡った。上島は前を行く2校を猛追。抜き返すことは叶わなかったが、順位を死守した早大は3着でゴールし、見事2年連続となる表彰台を飾った。

 今季の関東学生対校選手権(関東インカレ)では4位入賞と、表彰台を逃した女子マイル。しかし、本大会では順位を1つ上げた3位に入り、早大により多くの得点を持ち帰った。女子マイルの次戦は、来月の5~6日に行われる日本選手権リレー。「金色のライオン勝ち取ります」と意気込む清水奈を筆頭に、次こそは日本一を取りにいく。

(記事 関口愛、写真 草間日陽里)

男子結果

▽200メートル

準決勝(3組2着+2)

島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)  21秒77(2組7着)(-3・0)

千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)  21秒33(3組6着)(-1・5)

▽400メートル障害

決勝

渕上翔太(スポ1=東福岡)  48秒96(1着)

▽3000メートル障害

決勝

草野洸正(商4=埼玉・浦和)  9分05秒70(12着)

▽4×400メートルリレー

決勝

早大(眞々田ー森田ー渕上ー権田) 3分06秒16(2着)

女子結果

▽200メートル

準決勝(3組2着+2)

鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)  24秒67(1組1着)(-3・2) 決勝進出

中村真由(政経4=東京・早実)  25秒57(2組8着)(-4・0)

決勝(+1・2)

鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)  24秒27(4着)

▽400メートル障害

決勝

大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)  59秒12(6着)

▽4×400メートルリレー

決勝

早大(山越ー清水ー山本ー上島) 3分58秒53(3着)

選手コメント

池田海主将(スポ4=愛媛・松山北)

――本大会におけるご自身の調子はいかがでしたか

順調に準備ができておりコンディションはよかったです。股関節の痛みもなく走練習を中心にハードル練習に取り組めていたので技術面も高めることができていました。そのため自信を持って試合に臨みました。

――予選は1着で突破されましたが、レースを終えた後の感触はいかがでしたか

予選は思い通りの動きができず前半で力を使ってしまい、後半でリズムアップすることができませんでした。しかし、大会自体のいい流れを作りたかったため絶対に1着を取りたいという思いから最後の区間で先頭に立つことができました。レース感覚を戻すという意味合いでもこの点は良かったと思います。

――準決勝のレースを振り返っていかがですか

予選で感じた課題を修正しきることができませんでした。そのため予選と同様に後半で大きく失速し、決勝に進むことができませんでした。

――個人種目の結果について、どのように捉えていますか

本当に悔しいです。この悔しさを表す言葉が思い浮かびません。ずっと優勝だけを見ていました。これまで主将として対校戦に出場することができていなかった分、なんとしてでも早稲田に得点を持って帰ることしか考えていませんでした。その使命を果たすことができなかったことが本当に情けないです。

――男子は総合3位、女子は総合8位となりましたがチーム全体を振り返っていかがですか

結果として男女共に目標を達成することはできませんでした。しかし、僕は110年の思いの結晶を背負いこのチームで戦えたことを誇りに思っています。伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)、鷺麻耶子女子主将(スポ4=東京・八王子東)、眞々田洸大副将(スポ4=千葉・成田)を中心とした部員の支えと尽力のおかげで競走部としての団結力を強固なものにすることができました。だからこそ選手一人一人が志を持って目標に向けて精進することができたと思います。

――最後の対校戦を終えた今のお気持ちを教えてください

改めて競走部で主将として陸上競技を行うことができて本当に良かったと思いました。この喜びや悔しさ、感動や後悔全てが本当にかけがえのないものです。早稲田で陸上競技を続けさせてくれた家族、早稲田人として導いてくださった礒先生(礒繁雄総監督、昭58教卒=栃木・大田原)や大前さん(大前祐介監督、平17人卒=東京・本郷)、金井さん(金井直障害コーチ、令2スポ卒=神奈川・橘)をはじめとする監督コーチ陣の方々、そしてともに戦い支えてきてくれたチームのみんなには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。110代目としての全日本インカレに向けた航海は終了しましたが、ここからは三大駅伝に向けて突き進みます。チーム全員で勝利を掴めるように準備を進めていきます。今後とも応援のほどよろしくお願いいたします。

 

大竹春樹(商4=東京・早実)

――リレーのメンバーに選ばれた時の心境はいかがでしたか

日本インカレにメンバー登録をしていただいた時には、個人種目での出場ができない悔しさの方が大きかったです。出走が決まった時には、もう勝つしかないなと思っていました。インカレに出られないことの悔しさは1番わかっているつもりなので、走った後に、本当に大竹で良かったのかという疑問が残らないような走りをしたいと思っていました。

――二日間の調子はいかがでしたか

2日間とも、調子はとても良かったです。しかも予選ではなく、決勝に合わせきったなと思います。

――予選の走りを振り返ってバトンパスやご自身の走りに修正点はありましたか

予選はレーンの問題もあり、走りもバトンも課題は少しありました。走りに関しては1レーンだったので評価が難しいのですが、決勝ではさらにトップスピードが必要になるだろうなと感じていました。バトンに関しては多少詰まっていたものの流れは悪くなかったので、決勝ではもう少し攻めようと千田(千田杜真寿、スポ4=茨城キリスト教学園)と話していました。

――決勝の舞台に立った時、緊張はありましたか

実は予選も決勝もそんなに緊張はしていなかったです。前日練習が1番緊張していました。決勝の前は緊張よりも、とにかく自分が良い走りをするイメージしか頭になかったので楽しかったです。地元の競技場ということもあり、見慣れた景色だったのも幸いしたかもしれません(笑)。

――決勝の走りを振り返っていかがですか

関口(関口裕太、スポ2=新潟・東京学館新潟)と井上(井上直紀、スポ3=群馬・高崎)が速いのに加えて、特に東洋大が前半に強力かつ調子の良いメンバーを置いていたので、僕の仕事は耐えることでした。前半で多少差がついたりすることもありましたが、自分の走りができたので後半で持ち直して、良い位置でバトンを渡せたと思います。3年前の全カレの4継の動画を擦り切れるほど見ていて、当時の1走より速く走ってやろうと思っていたのですが、ちょっと届かなかったかもしれないです。ただ、ほんのちょっとの差で留めたことに意味があったと思います。

――優勝した時の気持ちを教えてください

最高でした。表現する言葉が見つからないくらい、気持ち良かったです。井上がゴールした瞬間の映像は目に焼き付いています。勝つ気でやっていたので、勝ったことに驚きはなかったのですが、記録を見た時にはさすがにびっくりしました。

――ご家族も応援に来ていましたが、レース前後で何か言葉は交わされましたか

レース後には、びっくりだね〜と。今まで大きな成績を上げてきたわけではなかったので、僕も含めてみんな驚きの方が強かったのかなと思います(笑)。ここまで自由に競技をやらせてもらえたことに感謝しなければいけないと思います。

――最初で最後の全カレはいかがでしたか

僕にとっては最初で最後の全カレでした。改めて、とてつもないサポートを受けていることを実感した瞬間でもあります。特にカイシン(島田開伸、スポ4=静岡・浜松湖東)には感謝しないといけません。ずっと引っ張ってきてくれた選手ですし、今回彼ではなく僕が行くことに複雑な感情があったと思います。それでも前向きに、やるべき事をやり続けてくれたのが僕にとっては支えになっていました。そして、憧れてきた先輩方が踏んできた道を、僕も走ることができたことを誇りに思います。ご支援、ご声援、本当にありがとうございました。

 

金本昌樹(スポ4=東京・日大桜丘)

ーー最後の日本学生対校選手権(全力レ)となりましたが、どのような気持ちでレースに臨みましたか

10年間の競技人生でお世話になった人たちのことを思い浮かべながら、競技人生最後の大勝負を味わい尽くそうと思って臨みました。

ーー今大会のコンディションはいかがでしたか

しっかりピーキングして合わせられたので絶好調でした。

ーー今大会の目標を教えてください

優勝、昨年のリベンジです。

ーー予選、準決勝のレースを振り返っていかがですか

予選は安全なレース展開、余裕を残した走りで50秒3が出て、トンネルからやっと抜けだせそうな感覚がありました。久しぶりに、陸上が楽しいかもと思えました。準決勝は、今まで何本も走ってきた400メートル障害の中でレース中の記憶が1番鮮明に残っている49秒間でした。すごく楽しかったです。あの感覚、感情を久しぶりに味わえて良かったです。10台目でミスをして決勝を逃してしまいましたが、スタート直前の待ち時間、場の雰囲気から「この組からすごいタイムとプラス通過の2枠が出る」と感じ、あの時やるべきレース展開を選択した結果なので後悔は無いです。

ーー今年はケガでなかなかレースに出られないシーズンでもありましたが、ラストシーズン全体を振り返っていかがですか

ケガ自体はあまり苦しくなくて、ケガ以外の要因の方が大きかったです。本当に色々なことがあった中、ここまでよくやり切れたなと思います。色々な人が支えてくださったおかげで全カレまでやり切ることができ、今後の人生を後押ししてくれる経験と自信を得られました。本当に感謝しています。

ーー今年は渕上翔太選手(スポ1=東福岡)、権田浬選手(スポ1=千葉・佐倉)を始めとする下級生の活躍も目立ちましたが、障害ブロックの後輩たちをどう見ていますか

本当にすごい後輩たちだと思います。能力や性格、底力など、彼ら彼女らのような選手が日本のトップや世界で戦える人間なんだろうなってよく感じさせられています。頼もしい後輩たちなので安心して引退できます。

ーー今シーズンの最後に向けて一言お願いします

3週間後の佐賀国民スポーツ大会で、10年間の陸上人生を終えます。決勝に残り、清々しい気持ちで終わりたいです。

 

鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)

――本大会を通して、コンディションの面はいかがでしたか

8月末の菅平合宿で調子が上がってきていたところ、足首を痛めてしまったため完璧な状態ではありませんでした。

――200メートルでは決勝進出を決められました。改めてどのような気持ちで決勝に臨まれましたか

これまでの3年間で毎回準決勝のボーダーで落ち続けていたので、やっと掴み取った舞台を楽しもう!と思って臨みました。

――決勝での走りを振り返っていかがでしたか

前半は自分のやりたいレースプランを理想通りにできました。しっかりとスピードに乗って余力を残した状態でコーナー抜けに差し掛かったのですが、ラスト50メートルで足が動かなくなり大幅に減速してしまいました。

――4位入賞という結果に関しまして、率直な感想をお願いします

自分らしい順位だと思います。優勝を狙っていましたし一瞬それが見えた、メダルも取れそうだっただけに非常に悔しいです。詰めの甘さが出た情けない数字でもあり、それでも下位入賞にならなかったのがホッとしたような複雑な気持ちです。

――4継では決勝で早稲田記録を更新されました。改めて振り返っていかがですか

44秒台・優勝を目標にしていたため、最低限の目標しか達成できなかったことが悔しいです。今年は4継メンバー全員の調子が良いタイミングが揃わず、前半シーズンから試合や練習でそこを苦戦してきました。その中でも昨年の記録をわずかですが更新できたことで成長を感じられましたし、もっといけるとこのインカレで確信できたと思います。

――次戦には日本選手権リレーが控えていると思います。4継の目標を教えてください

44秒台・優勝です。

――日本インカレ全体を通して、女子主将としてどのようにご覧になっていましたか

池田主将(池田海主将、スポ4=愛媛・松山北)が掲げてきた目標と私が掲げてきた目標、どちらも達成できず悔しい気持ちは多くあります。このチームなら勝てる、達成できると日々強く思えていたからこそだと思います。それでも、池田が最後の早稲田閉会式でも言ったようにここまで短距離長距離・男女の壁を超えて競走部らしく一丸となって臨めたインカレは初めてだったと感じます。この流れをここで終えることなく、駅伝シーズンも通して110代目として最後まで共に戦っていきたいと思います。女子としては、まず矢野(矢野夏希、スポ2=愛知・時習館)が自身初タイトルを獲得してくれたことで大きく流れを持ってきてくれました。それで終わることなく両リレーでの好記録や準決勝を1着で通過する選手、また応援やサポートを精一杯取り組んでくれた全女子部員のおかげでやり切ることができた4日間でした。優勝やメダルも取れない不甲斐ない女子主将でしたが、本当に全員に支えられてこのインカレを終えられたことを幸せに思います。

――改めて、ご自身最後の日本インカレを振り返っていかがでしょうか

高校2年生のインターハイで入賞して以来、対校戦では5年ぶりに個人種目で決勝に戻ってくることができました。昨年の全カレは0秒01差で決勝を逃し、これから女子主将としてやっていくのに来年入賞できなかったらどうしようと不安でいっぱいでした。そこも含め長くて辛い期間でしたが、決勝の前には家族や友人、競走部員からかけてもらった応援の言葉を思い出して緊張よりも充実感を持って臨めたことが本当にありがたいことです。この結果に関して、悔しいけれど後悔はありません。インカレは終わりましたが、まだ最後に日本選手権リレーというチャンスがあるので、そこで集大成として終えられるよう覚悟を持って取り組んでいきたいと思います。

 

島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)

――今大会の調子はいかがでしたか?

体のコンディションも気持ちの面でも今できる最高の準備ができていました。

――100メートルの予選を振り返っていかがでしたか?

1カ月ほど前からスタートの改善に取り組んでいて、その結果、向かい風の中でもシーズンベストを記録できました。しかし僅か1,000分の2秒で準決勝を逃してしまい、詰めの甘さが出てしまったと感じています。

――続いて200メートルについて伺います。予選の走りを振り返っていかがでしたか?

中途半端なレースになってしまいました。前半で前に出られず、後半も上げきれないレースでした。200メートルでも着順での準決勝進出は逃してしまい、今思えば絶対に着順で通っておかなければならなかったと思っています。

――準決勝の振り返りをお願いします。

準決勝があった4日目が4日間の中でも最高の仕上がりだったので自信はありました。前半でしっかりと行くことができた一方で粘りきれず、後半で失速してしまいました。その日できることはやれたと思いますが、質の高い練習を積み上げきれなかったことで力負けしたと感じています。チームの総合得点でも200メートルの得点が非常に重要だったので何としてでも残らなければならなかった場面でしたが、短距離ブロック長として不甲斐ないです。

――短距離ブロック長として男子4継(4×100メートルリレー)の学生記録更新と女子4継の早稲田記録更新はいかがでしたか

本当に頼もしい仲間達だなと思います。私が入学する前、高校3年生のときに観ていた全カレのライブ配信では早稲田が4継で優勝していました。そして翌年、大学1年生のときは熊谷のスタンドで早稲田の2連覇をみました。それから2年間は2位と悔し涙を流し、絶対に王座を奪還すると覚悟を決めて取り組んできました。結果として学生記録を更新しての優勝という最高の結果を残してくれました。またスタンドからの景色でしたが、また早稲田が先頭でゴールする姿がみられて素直に嬉しかったです。女子に関しても、入学当初はスプリンター4人でリレーを組めていなかったと思いますが、人数も増え、力もつけて頼もしくなりました。正直、女子チームは鷺(鷺麻耶子、スポ4=東京・八王子東)と中村(中村真由、政経4=東京・早実)に任せっきりでほとんど干渉できていませんが、あの2人のチームなら大丈夫だと思っていました。結果としても早稲田記録更新と全カレの決勝で勝負している姿はかっこよかったです。短距離ブロック長としては不甲斐なかったと思いますが、それでもついてきてくれたメンバーには感謝しかありません。夢の景色をみせてもらいました。

――最後の全カレを終えての感想をお願いします。

4年間を通して個人では全カレで得点できず、悔しい気持ちしかありません。しかし、この110代目競走部として池田主将の元で全カレを戦うことができて本当に良かったです。

――4年生としての今年1年を振り返っていかがでしたか?

自分自身の調子が悪く、全く思い描いたようにはいかなかった1年でした。自分に精一杯で4年生として、短距離ブロック長としてやれたことはほとんどなかったと思っています。それでもこの1年は間違いなく、私の人生において最も濃くて、楽しくて、面白い1年でした。

 

千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)

――今大会通じてコンディションはいかがでしたか

絶好調と言える状態ではありませんでした。しかし、最後のインカレ、目標である総合優勝のために無理にでも調子を上げて走りました。リレーは今まで1番良い走りができましたが、個人としては思うように走ることができませんでした。

――今大会の目標を教えてください

個人では3位入賞、リレーは優勝を目標にしていました。リレーでは目標達成できましたが個人では達成できずに悔しい思いをしました。

――200メートルの予選、準決勝の走りを振り返っていかがですか

予選では前半上手く乗り切れず、後手に回るレースになってしまいました。準決勝では不利なレーンのなかで自分の力を出し切ることができませんでした。予選を着順で通過できなかったことが決勝にいけなかった最も大きい要因だと思っています。

――4×100メートルリレーは学生記録を更新しての優勝となりました。振り返っていかがですか

始まる前から優勝することは確信していました。関カレとは異なりバトンワークはあまり上手くいかなかったものの、ひとりひとりが100パーセントの走力で走れた結果の勝利だと思います。学生記録は狙えると関カレ後から思っていましたがこのタイミングで出るとは思っていませんでした。会場のコンディションやライバルの存在、多くの要因が揃ったからこそ出たのかなと振り返ってみて思いました。

――ラストシーズン全体を振り返っていかがですか

シーズン序盤は上手くいったもののトラブルなどもあり、経験値の浅さが露呈したシーズンだったという印象です。全ての種目で自己記録は更新しているもののまだ行ききれていないなという感じです。最後の学生陸上ですが楽しかったなと今思っています。

――日本選手権リレーも控えていますが、今後の目標をお願いします

今シーズン残す大きな試合は日本選手権リレーのみとなりました。短距離チームで決めた、六大、関カレ、全カレ、日本選手権、全てで優勝するという目標まであと一歩のところまで来ました。油断も慢心もせず、確実に最後の冠も獲ります。また日本インカレで学生記録を更新しましたが日本選手権リレーで更に更新する、できると思っています。優勝と学生記録が目標です。

 

筒井航佑(スポ4=愛知・時習館)

――全カレでの個人目標を教えてください

これまで2年連続準決勝敗退だったので、最低限入賞を目標としていました。

――中距離ブロック全体で全カレに向けて意識していたことはありますか

110代目の目標として「全カレ総合優勝」を掲げていたので、1人でも多く決勝に進み、1点でも多く得点を持って帰ってくるということは意識していました。

――800メートルのレースプランはどのように考えていましたか

ブレイクしてから3、4番手の位置で1周目は進めようと考えていました。レースが動くのは早くて1周目通過以降だと想定していたので、余裕をもってレースの動きに対応する準備をしていました。500メートル通過後のバックストレートで1、2番手に順位を上げ、ラスト150メートルを切ったあたりでスパートして着順通過を考えていました。

――今回のレースを振り返っていかがですか

ブレイクしてからの位置取りまではよかったのですが、200メートル通過以降の動きがかみ合わず、余裕を持って走ることができませんでした。そのまま500メートルあたりでレースが動いたときも対応できず、惨敗でした。

――最後の対校戦となりましたが、今の気持ちを率直に教えてください

今年度は全ての試合に『最後』という2文字がついて回ったわけですが、東京六大学や関カレ(関東学生対校選手権)等が終わった後も『最後』を実感することはありませんでした。ですが、今回だけは「これで終わりかー」と『最後』を実感し、今は感謝や悔しさ、寂しさ等、色々な感情でいっぱいです。

――これまで中距離ブロック長を務めてきたと思いますが、ご自身がブロック長として意識していたことはありますか

昨年からブロック長を務めてきたので、2年間の活動になるのですが、オンとオフは意識していました。中距離ブロックの良さは、学年・男女分け隔てなく仲が良いところだと思っていたので、練習時にはアドバイスや声掛け、練習外ではたわいもない話等、ブロックの部員ができる限りストレスなく競技に打ち込めるように意識していました。また、特に今年はブロックの部員一人ひとりをよく見ることを意識しました。おかげで、走りに対する考えを共有できる機会が増えたのはもちろん、後輩の成長に触れる機会も増え、少し安心しました。

――中距離ブロックの後輩たちにメッセージをお願いします

僕が入部したときにはブロックすらありませんでしたが、今となっては多くの逞しい(たくましい)後輩たちに恵まれ、競走部の中距離ブロックとして共に活動できて幸せでした。ありがとう。僕が達成できなかった目標は3つ。関カレ優勝・全カレ決勝・早稲田記録、この3つの目標は君たちに託します。『強い早稲田の中距離』であれ 。

――最後に、ご自身の4年間を振り返った感想を教えてください

日本選手権の舞台で走るという目標を掲げて競走部の門を叩いた4年前、当時はイメージすら湧かなかったこの目標をまさか達成できるなんて正直思ってもいませんでした。これも、ブランクを抱えた僕を受け入れてご指導してくださった監督・コーチ陣の方々、偉大で僕の道しるべだった先輩方、密な時間を過ごして共に成長してきた同期、突き上げてくれた後輩たち、あらゆる方面で支えてくれた家族、僕の陸上競技人生に関わってくださった全ての方々のおかげです。この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。改めて4年間を振り返ると、競走部でしかできない経験を通じ、一人の人間として成長できたと感じています。挙げ始めたらキリがないのですが、僕の中で最も印象的なものがあります。『臙脂(えんじ)に袖を通したときの誇りと責任』です。ありがたいことに1年目の早慶戦から数多くの対校戦・対抗戦で臙脂に袖を通してきましたが、今になってもこの『誇りと責任』を言葉で表すことはできません。ただ、この『誇りと責任』を経験できた僕は幸せ者だと思います。早稲田の競走部で競技ができてよかったです。ありがとうございました。

 

中村真由(政経4=東京・早実)

――今大会を通してコンディションはいかがでしたか

大会前にケガが分かって不安もありましたが、周囲の方々のサポートのおかげで、最近の中では一番良いコンディションを保てたと思います。

――まずは4継(4×100メートルリレー)について伺います。オーダーに関してはどのような要因で決まりましたか

私の怪我により予定していた走順を変更することになりました。ですが2走の山越(理子、人3=東京・富士)がここ最近でかなり調子を上げてくれたことで、走順の変更をポジティブに捉えることができました。

――予選のご自身とチームの走りを振り返っていかがでしたか

チームとしては、着順で決勝を決められたことが良かったと思います。想定通り3走の上島(周子、スポ2=東京・富士 )がトップでバトンを渡してくれたので、先頭を守りきることだけを考えました。力んでしまい動きが崩れたので、個人の走りとしてその点は課題が残りました。

――早稲田記録を更新されましたが、決勝を振り返っていかがでしたか

優勝、44秒台を目標としていたので、それに届かず悔しいという気持ちが強いです。混戦でバトンをもらいましたが、自分の走りで競り負けてしまったので、4走としての役割を果たしたかったと強く感じています。

――次に200メートルについて伺います。予選の走りを振り返っていかがでしたか

8レーンで他の選手が見えなかったこともあり、前半に積極的なレースができた点が良かったと思います。力を使わず12秒0台で前半を走るという、これまで目指してきたレースが初めてできました。後半の動きに課題が残りましたが、準決勝で修正しようと考えました。

――準決勝の走りを振り返っていかがでしたか?

決勝に進むことができず、情けなく思います。前半でスピードに乗れなかったことが敗因だと考えています。鷺(麻耶子、スポ4=東京・八王子東)が1着で決勝進出を決め、自分も何としても決勝に進もうと考えていましたが、とても悔しい走りになりました。

――最後の全カレ(日本学生対校選手権)を終えての感想をお願いします

この大会を走るために多くの方々に支えてもらい、心から感謝しています。指導してくださったコーチ陣、トレーナーさんをはじめケアやリハビリでお世話になった方々、私のコンディションが良くなくても励まし、いつも通りでいてくれた同期や後輩、家族など、すべての人のおかげで走ることができました。その人たちに結果で恩返しすることができず、本当に悔しいです。日本インカレは終わりましたが、次の日本選手権リレーで必ずリベンジしたいと思っています。鷺、山越、上島、イベル(聖羅、商1=京都橘)、林(美希、スポ1=愛知・中京大中京)という心強い4継メンバーがいるので、力を合わせ、精一杯準備して挑みたいと思います。

 

眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)

――今回の全カレを通してご自身の身体的なコンディションはいかがでしたか

一カ月前に左アキレス腱周囲炎と診断され、正直ギリギリの状態ではあり、満足いった練習と調整は出来ませんでした。最後の対校戦、副将、そして4年生として意地でも得点することが後輩達やチームの次につなげたいという気持ちはあったので、この身体のコンディションでも勝つ気持ち、覚悟は誰にも負けずに臨みました。

――400メートルのレースを振り返っていかがですか

今まで自分が創り上げてきた400メートルの戦術や技術、そこに加えて気持ちで戦いました。最低限といっていいのか悪いのかはわかりませんが表彰台には上がることができました。勿論勝てなかった悔しさは残ります。3本共に戦ってくれた早稲田の仲間やスタッフに感謝の気持ちでいっぱいです。また、冬季の始まりに短長ブロックで立てた『日本インカレでの10点』という目標があったなか、11点を取り達成しました。森田(森田陽樹、創理2=埼玉・早大本庄)や権田(権田浬、スポ1=千葉・佐倉)の若い力の成長がなければ達成できなかったと思います。

――マイルリレーは決勝では悔しいレースとなりましたが、予選・決勝通して振り返っていかがですか。また、予選・決勝と同じ走順でレースに挑まれましたが、意図はあったのでしょうか

予選は外的な条件が良かったこともあり、学生記録を視野に入れながら走りました。色々な選択肢もあったのですが、予選の流れを生かし決勝のオーダー、走順も同じになりました。決勝で勝ちきれなかった、後ろに回って早稲田のレースができなかった、その流れを上手く1走として作れなかった、それが反省点です。予選の再現が出来れば間違いなく優勝ができた中で、悔しさでいっぱいです。

――今シーズン全体を振り返ってみていかがですか

正直なところ、まだ不完全燃焼といったところではあります。これを日本選手権リレーで挽回する気持ちです。個人としては4年目にして4年間で1番大きい壁にぶち当たった気がします。その経験から自分の粘り強さや根性というものへの自信はついたと思います。まだ終わりではないので、エンジのユニフォームを脱ぐ最後の瞬間まで気を切らさず前に進み続けます。

――副将として今回の全カレについてチーム全体を振り返っていかがですか

池田海主将(スポ4=愛媛・松山北)、伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)、鷺麻耶子女子主将(スポ4=東京・八王子東)を中心にスローガンに相応しい、早稲田人たる覚悟を見せつけることが出来た試合になったと思います。結果としては総合優勝を達成できなかったところはありますが、下級生も上級生も関係なく、一人一人が全力で戦い抜けた4日間だったと思います。よりチームで戦っているな、そう感じさせられる一体感に溢れた大好きなチームになりました。

 

大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)

ーー今大会のコンディションはいかがでしたか

かなり良い感じで練習を積めていたため、体のコンディションは良かったです。

ーー今大会の目標を教えてください

57秒台前半と優勝を狙っていました。

ーー予選、準決勝のレースを振り返っていかがですか

予選では、力感を使わずに最後まで走ることができ、タイムも58秒3だったため良いイメージで準決に臨めました。準決勝は、かなりバックストレートが追い風だったため無駄な力を使わずにハイテンポを意識して、後半8台目以降の切り替えにフォーカスしました。後半もたついた中で58秒2だったので、57秒台は出ると確信していました。

ーー決勝に向けて修正した点はありますか

ラストが強い向かい風だったため、無理に17歩で押し切ろうとするのではなく、スピードを落とさないようにピッチを意識しようとコーチと話していました。前半は予選準決勝と変わらずに、無駄な力を使わず楽に速く走ることを目標としていました。

ーー決勝のレースを振り返っていかがですか

決勝前は今まで支えてくれた支援者の方々の顔を思い出し、恩返ししようという気持ちで挑みました。前半で焦ってもたついてしまい、後半歩数を増やした分かなり詰まってしまいスピードをころしてしまいました。練習でできたことが試合でできないことが多かったため、メンタルも強化していかなければならないと強く感じました。

ーー男子では渕上選手が優勝されましたが、今大会の400メートル障害全体を振り返っていかがですか

57秒台と優勝をするための練習を行ってきましたが、実際56秒台を叩き出した選手が多くいたため、目標設定の重要性も再認識しました。ライバルに負けたのはもちろん悔しいですが、過去の自分を越えられないもどかしさが残りました。やるべき事はやってきているはずなので、練習で積み上げてきたものを本番で最大限発揮できるようにメンタルも強化していきたいです。

ーー今後の目標をお願いします

来年の岡山インカレでは、400メートル障害、マイルリレー共に優勝し、早稲田新記録を目標としています。開催時期が例年と異なり、異例の年となりますが、後悔の残らないように全てを出し切ります。

 

清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)

――今大会のコンディションはいかがでしたか

2カ月ほど前から体調が優れず練習から離脱することが多かったため不安と焦りが募っていました。しかし池田主将(池田海主将、スポ4=愛媛・松山北)の「大事なのは今できることをレースでやりきること」という言葉を聞き、今の自分が出せる一番良い状態には持ってこられたと感じています。

――400メートルでは決勝で走って54秒台を出すという目標を掲げていたと思います。実際のレースを振り返っていかがでしたか

予選準決勝どちらも後半に課題が残るレースとなりました。体調が回復していくと共にスピード練習は順調に消化できていたのですが、400メートルに近い実践的な練習が積めなかったことが原因かなと思います。

――400メートルの次戦の目標をお聞かせください

個人の400は全カレで終わりなので、来年に向けて一から身体を鍛え直します。

――次に、女子マイル(4×400メートルリレー)の予選の振り返りをお願いします

前半にかなりスピードを上げたのですが何とか一周持ち堪えることができました。全員がしっかりと自分の役割を果たしてくれたレースだったと思います。

――マイルでは早稲田記録を更新しての優勝を目標に掲げていました。決勝にはどのような気持ちで臨みましたか

正直身体の疲労はピークに達していましたが、それ以上にこのチームで勝ちたいという思いが強かったので不安はありませんでした。むしろ、たとえ自分が後半落ちても山本(真菜、スポ2=三重・伊勢)と上島(周子、スポ2=東京・富士)が絶対挽回してくれると信頼していたので、前半からぶっ飛ばそうと思っていました。

――決勝を振り返っていかがでしたか

山越(理子、人3=東京・富士)がいい位置でバトンを渡してくれたので、そのままの流れで先頭に立つことができました。自分の失速により順位を落としてしまいましたが後ろの二人が力強い走りで三位を死守してくれたので、一緒に走ってくれた三人には感謝しかありません。

――来月には日本選手権リレーも控えています。マイルの今後の目標を教えてください

日本選手権リレーで金色のライオン勝ち取ります。

 

森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)

――4日間を通してコンディションはいかがでしたか

直前の夏合宿も含め、かなり良い状態で全日本インカレを迎えることが出来ました。4日間を通してコンディションとしては良かったと思います。

――400メートルでの今回の目標をお聞かせください

今回はとにかく決勝に残り、得点でチームに貢献することを第一に考えていました。

――予選、準決勝と自己ベストを更新されました

自分のやりたいレース、やるべきレースを試合で再現することができました。タイムを狙っていたというよりは、自分の走りを遂行して結果的にタイムがついてきたというような印象です。

――改めて決勝の舞台を振り返っていかがですか

目標にしてきた全カレの決勝という舞台でそれなりに緊張していました。優勝も狙える位置にいましたし、ラウンドを通して調子も上向きだったので、きちんと勝負して勝つレースを展開しようと考えていました。良い緊張感で挑めたと思います。

――4位入賞という結果について率直な感想をお聞かせください

ラストの直線勝負になる想定はしていましたが、前3人と力の差を感じたのが正直な感想です。表彰台に行けなかった自分に足りなかったのは何か明確にして、来年は優勝を狙います。

――マイルについて伺います。予選では学生記録に迫る好タイムでした

チームとして予選から学生記録を狙いに行くつもりでした。早稲田らしいレースを展開して全員が各々の役割を全うできたと思います。

――決勝は惜しくも準優勝となりましたが、振り返っていかがですか

自分のところで抜け出し、早稲田らしいレースを展開することが求められていましたが、力不足でした。3、4走の1年生2人にトップで渡すことは最低条件としていましたが、想定通りには行きませんでした。全カレでは悔しい結果が続いているので、来年必ず借りを返したいと思います。

――日本選手権リレーに向けた意気込みをお願いします

優勝します。早稲田の強さを存分に発揮したいと思います。お世話になった眞々田さん(眞々田洸大、スポ4=千葉・成田)とつなぐ最後のマイルとなるので今までの想いをラストの選手権リレーでぶつけ、一番良い色を勝ち取りたいと思います。

 

渕上翔太(スポ1=東福岡)

――今大会のコンディションはいかがでしたか

とても良かったです。1週間前の練習での動きがかなり良かったため、5日間しっかりと休んで調整できました。

――まず4×400メートルリレー(マイル)について伺います。マイルでのご自身の役割はどのように考えていましたか

どんな状況でも必ず先頭で4走に渡すことだと考えていました。その中でできるだけ差を広げて渡したいと思っていました。

――マイルリレーでのご自身の走りを振り返っていかがですか

タイムとしてはあまり悪くはなかったですが、もう少し差を広げて渡したかったです。

――マイルリレーの結果を振り返って、どのように感じていますか

4年生が最後のインカレということで眞々田(洸大、スポ4=千葉・成田)さんに華を持たせたかったですが、結果的に2位ということでとても悔しいです。ですが、まだ日本選手権リレーがあるので、そこでリベンジしたいと思います。

――次に400メートル障害について伺います。予選や準決勝を勝ち抜くためのレースプランは考えていましたか

決勝で勝ち切るためにも予選、準決勝とラスト100メートルの走りを特に重視して走りました。

――準決勝では早大記録、そしてU20日本記録を更新しましたが、狙っていましたか

全く狙っていませんでした。決勝に必ず行くためにも、自己ベストの更新は考えていましたが、ここまで出ると思っていなかったです。

――しかし、直後に東洋大の下田隼人選手がU20日本記録を更新しました。どのような気持ちでご覧になっていましたか

高校のインターハイでも負けた相手なので、悔しい気持ちもありました。ですが準決勝だったので、決勝で必ず勝つという思いで、気が引きしまりました。

――準決勝後に決勝に向けて立てた目標はありましたか

更にタイムを狙っていく気持ちはありましたが、まずは勝負に勝ち切ること、優勝することを考えていました。

――決勝でのレースプランを教えてください

前の選手が前半速い方だったので、離されすぎずついていくこと、そしてラストは少し向かい風があったので、そこで先頭に立ち、いつも通り走り切るプランでした。

――決勝では、見事優勝を果たしましたが、優勝した瞬間の気持ちを教えてください

最初は信じられず、あまり実感がなかったですが、チームにも貢献でき、素直に嬉しかったです。

――400メートル障害のレース全体を振り返っていかがですか

プラン通りに冷静に走れたと思います。決勝に向けたサポートや、300メートル付近のチームの応援のおかげで、とても楽しく走ることができました。

――最後に、今後の目標をお願いします

400メートル障害の試合が3試合残っているので、その中で東京世界陸上の標準を切り、来年出場することを目標に頑張ります。