男子4継が学生新記録Ⅴ! 矢野も女子走高跳で優勝/全カレ1~3日目

陸上競技

第93回日本学生対校選手権 9月19~21日 神奈川・等々力陸上競技場

 今年度最後の対校戦となる日本学生対校選手権(全カレ)が遂に開幕した。二日目には女子走高跳では矢野夏希(スポ2=愛知・時習館)が自己記録タイの1メートル76を跳び初タイトルを獲得すると、三日目には男子4×100メートルリレー(4継)を学生新記録で優勝。運命の最終日に向けて、順調に得点を積み上げた。

★井上が自己ベスト更新も悔しい準優勝(男子100メートル)

レース後悔しさをあらわにする井上

 1日目と2日目に行われた男子100メートルには島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)、井上直紀(スポ3=群馬・高崎)、関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)が出場した。井上は決勝で自己ベストとなる10秒13を記録したものの、柳田大輝(東洋大)に敗れ準優勝。島田は予選敗退、関口は準決勝敗退となった。

 1日目に行われた予選では3組に島田、7組に井上、8組に関口が出場。島田は終盤追い上げたものの、序盤から中盤にかけてスピードに乗ることができず惜しくも予選敗退となった。井上は最後流す余裕を見せて、トップでゴール。関口も安定したスタートを決め2着でフィニッシュ。共に準決勝に駒を進めた。2日目に行われた準決勝では、まず2組に井上が出場。井上は危なげない走りで10秒18と自己ベストを更新し、準決勝を全体1位のタイムで決勝進出を決めた。3組の関口はスタートからスピードに乗り切れず準決勝で姿を消すことになった。そして、迎えた決勝。井上は中学時代からの長年のライバル柳田の隣の6レーン。「良くも悪くも負ける想定がなかった」と振り返る井上。しかし、柳田に完璧なスタートを決められてしまい、序盤に差をつけられてしまう。その後追い上げ、10秒13と再び自己ベストを更新するも柳田に及ばず準優勝に終わった。井上は「柳田が一枚上手でした。先に出られてしまったところに力の差があったと思います」とレースを振り返った。

 井上は今年の関東学生対校選手権(関東インカレ)では2位、日本選手権では準決勝敗退。優勝しかいらないという思いで挑んだ今大会も準優勝に終わり、レース後のインタビューでは悔しさをあらわにした。しかし、優勝という目標には届かなかったものの準決勝、決勝と自己ベストを更新し続けた。かねてより来年東京で行われる世界陸上出場を目標としている井上。4年生として迎える来シーズンは今まで積み上げてきた集大成を見せつける。

(記事 谷田光太郎、写真 草間日陽里)

★眞々田連覇ならずも森田とダブル入賞!(男子400メートル)

表彰式で悔し気な表情を見せる眞々田

 大会1日目と2日目にまたがって行われた男子400メートルには、同種目での連覇を目指す眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)、ケガを乗り越え今夏絶好調の森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)、今季46秒台に突入した権田浬(スポ1=千葉・佐倉)がエントリー。権田は準決勝敗退となったが、眞々田と森田が決勝で3着、4着と、並んでゴール。2人で11得点を持ち帰り、対校男子トラック優勝に大きく貢献した。

  昨年の同種目チャンピオンであることに加え、出場選手の中で唯一45秒台の資格記録を持っていたこともあり、注目された中での出走となった眞々田。ケガの影響で「満足のいく練習・調整ができなかった」(眞々田)なか、最後は苦しい走りになりながらも1着でゴールした。続いて登場した森田はスタート時から勢いよく飛び出し、後続の選手らを振り切って46秒46の自己新記録で1着フィニッシュ。最終組で出走した権田もこの流れに乗り、出場した3選手全員が1着で予選を突破する結果となった。

 2日目に行われた準決勝では、森田がその好調ぶりをアピールした。1組目の森田は早々に外側のレーンの選手を捕らえると、最後まで先頭を譲らず1着でゴール。予選のタイムを0秒03上回る46秒43を叩き出し、2日連続での自己記録更新となった。2組目に登場したのは左脚にテーピングを巻いた眞々田。持ち前の勝負強さで意地の走りを見せ、2着でフィニッシュして着実に決勝へと駒を進めた。3組目の権田は序盤から遅れを取り、そのまま上位に食い込むことができず4着で準決勝敗退となった。

 迎えた決勝では4レーンから眞々田、6レーンから森田がスタート。「今まで自分が創り上げてきた戦術や技術、そこへ加えて気持ちで戦った」という眞々田。前半で着実にリズムを刻み、ラストの直線に入るタイミングでは先頭に並んだものの、得意の後半でスピードに乗りきることができず。最後まで懸命に前を追ったが連覇を逃し、3着となった。森田は前半でテンポを作り一時レースを引っ張るかたちとなるも、ラストで伸ばし切ることができず眞々田に続いて4着でレースを終えた。悔しさも味わったが、ダブル入賞を果たした末11点を獲得。男子短長陣の存在感を十分に示した。

 眞々田は「森田や権田の若い力の成長がなければ、(目標としていた全カレで10点以上を獲得することを)達成することができなかった」と振り返るとともに、仲間への感謝で最後の全カレを締めくくった。眞々田が中心となって築き上げた『強い400メートル陣』はいよいよ下級生へと引き継がれる。

(記事 髙杉菜々子、写真 飯田諒)

★伊藤大志が日本人トップで準優勝(男子5000メートル)

2位でフィニッシュする伊藤大

 男子5000メートルには伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)が出場した。中盤まで留学生についていく走りを見せたが、徐々に離され2位でフィニッシュ。しかし合宿明けで調子が万全ではない中で、貴重な7点をチームにもたらした。

 小雨が降る中行われた男子5000メートル。レース序盤はややスローペースで、日本人選手が先頭集団を形成する。伊藤大は集団の前方に位置し、タイミングを伺いながら前を狙っていた。1000メートルを2分52秒で通過すると、スティーブン・ムチーニ(創価大)が集団の先頭に立った。伊藤大はレース中盤になると留学生2人と共に集団から抜け出し、後方の選手を引き離す。しかし3200メートル付近でムチーニがペースを上げ、伊藤大は徐々に離されてしまう。そこからは、後ろの集団に追いつかれないために、自分のペースに落としたという伊藤大。ラスト1周は62秒で走り、後続の選手に猛然と差を詰められるも2位を死守した。

 伊藤大の目標は「日本人トップと表彰台」。満足のいく結果となった一方で、これからの駅伝シーズンに向けては「留学生についていって勝ち切らないといけない」と自身の反省点を口にした。チーム目標の三大駅伝総合3位以内へ。駅伝主将として、自身の走りでチームを目標へと導けるか。

(記事 石垣拓也、写真 草間日陽里)

★男女ともに入賞も 悔しさの残る結果に(男子110メートル障害、女子100メートル障害)

 男子110メートル障害には、西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)と池田海主将(スポ4=愛媛・松山北)が出場。池田は準決勝敗退に終わったものの、西は決勝で自己記録を更新する走りで2年連続の3位表彰台に輝いた。女子100メートル障害には林美希(スポ1=愛知・中京大中京)と木村加乃(院1=愛知・至学館大)が出場。林は6位入賞、木村は予選で姿を消した。

 全カレの目標として「優勝」を掲げた西は、男子予選4組に登場。危なげなく組1着でゴールし予選を通過した。また、予選6組に登場した池田も13秒96というタイムで組1着、順調に準決勝へと駒を進めた。池田にとっては昨年の関東インカレ以来の13秒台を記録し、復調をアピールした。翌日朝に行われた準決勝では、西が13秒67の自己ベストに迫る好記録をマーク。組2着と着順で決勝進出を決めたが、「できるだけ1着を取りたいと思っていた」と順位にこだわる姿勢を見せた。池田は、序盤出遅れると後半も伸び切らず。予選に続き13秒台を出したが、組5着で決勝進出は叶わなかった。そして迎えた決勝。風が強く吹く中で行われた決勝では、関東インカレ王者である阿部竜希(順大)が先行しレースを引っ張る展開に。西は序盤遅れを取るも、後半食らいつき3着でゴール。タイムはなんと13秒57の自己新記録、そして早大新記録であった。3本のレースをこなした上で最後に記録を更新し、「満足とはいかないもののやることはやれた」と語った西。しかし、優勝を目指した中で昨年と同じ3位という結果については「同じ3位でもその重みや中身は全く違う」と悔しさをにじませた。

 決勝のレースでハードルを越える西

 女子予選6組に登場した林は向かい風の中、スタートからレースを引っ張り13秒49という好タイムを出し準決勝進出。木村は組4着で惜しくも予選敗退となった。準決勝でも3台目のハードルからギアを変え、加速に乗るというプランがうまくはまり、林は13秒46の組1着で決勝へと駒を進めた。そして、男子決勝と同じく強風の中で行われた決勝。「向かい風を感じることは特になく、それだけ集中していた」と言った林に立ちはだかるのはこの種目の学生記録保持者である本田怜(順大)や、関東インカレ女王の髙橋亜珠(筑波大)だ。林は格上の選手にも必死で食らいついたが、中盤で遅れを取り6着でゴール。表彰台を目標としていたが、「ちょっと焦った時に自分の力の弱さが出てしまった」と自身のレースを振り返った。

決勝のレースでハードルを越える林

 優勝や表彰台という高い場所を目指していたからこそ、悔しさもより一層大きい結果となった。今回3位入賞を果たした西は3年生、6位入賞を果たした林はまだ1年生。この悔しさを糧にして、来シーズンはさらなる活躍を見せてほしい。

(記事 會川実佑、写真 石垣拓也)

★男女合わせてトリプル入賞! 中島、高橋ともに自己記録を大幅更新(男女1万メートル競歩)

 本対校戦も競歩種目にて早大は大収穫となった。女子1万メートル競歩には藤田真美加(スポ3=千葉・成田)、広瀬夏希(社2=東京・富士)、中島橙子(スポ1=群馬・前橋女)が出場。中島が序盤から攻めた歩きで自己記録を1分更新し4位でフィニッシュ、8位の広瀬とともに入賞を果たした。一方男子1万メートル競歩に出場した高橋優喜(スポ2=静岡・浜松北)も関東インカレ9位の雪辱を果たし、見事4位入賞。男女でトリプル入賞を遂げた。

  2日目に行われたのは女子1万メートル競歩決勝。この種目に出場した3選手はいずれも今年の関東学生対校選手権(関東インカレ)にて入賞を果たし、本大会でも入賞圏内入りが期待されていたメンバーだ。レースが始まると、中島が第1集団、広瀬と藤田が第2集団にそれぞれ位置する。中でもあえて「レースプランを作らない」としていた中島は、序盤から入賞圏内で積極的な歩きを見せ、レースの流れを掴んだ。迎えた後半。後方では、自身を「後半型」と評価する広瀬が徐々にペースを上げて他選手をかわす中、前方の中島も先頭のペースアップに即座に対応する。さらにギアを上げ4着でフィニッシュした中島は、関東インカレで自身が更新したタイムを約1分上回る、47分47秒70の自己新を記録。そして、48分半切りには惜しくも届かなかったものの、広瀬も8着に入り、中島と広瀬でダブル入賞を飾った。

 レース後健闘をたたえ合う中島(写真左)と広瀬

 3日目に行われた男子1万メートル競歩決勝には、長距離と競歩の二刀流を極める高橋が出場した。「耐えるレース」を意識していたという高橋。レース序盤は集団の中ほどに位置し、周囲を伺いながら歩きを進めた。一方4000メートル通過時、徐々に前方から落ちてくる選手をかわしていった高橋は、入賞圏内でレースを進める展開に。その中で後半のペース維持に課題を持っていた高橋も、本大会では「想像以上に足が動いたなという感じ」というように、終盤まで先頭集団に食らいつき、40分55秒96の大幅自己新で見事4位入賞。予想以上の結果に対し、「自分の出せる力を全て出し切れた」と満足げな様子で振り返った。

 集団でレースを進める高橋

 4選手全員が初めての出場となった本大会。藤田は今回こそ入賞に入ることはできなかったものの、下級生がそれぞれチームに点数を持ち帰るなど関東インカレに引き続き大健闘を見せた。一方続く対校戦の中で、今季表彰台にエンジの姿を見ることはできなかった。来年もこの面々が揃う中、早大から表彰台に輝く選手が現れるのか。強力な布陣を整える早大競歩勢に、より一層期待が膨らむ対校戦となった。

(記事 草間日陽里、写真 飯田諒、植村皓大)

★学生新記録で優勝! 今季無敗継続で二冠目を獲得(男子4×100メートルリレー)

レース後に記念撮影をする選手たち(写真左から1走・大竹、2走・千田、3走・関口、4走・井上)

 関東インカレ王者として臨んだ本大会。早大は予選と決勝共に1走・大竹春樹(商4=東京・早実)、2走・千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)、3走・関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)、4走・井上直紀(スポ3=群馬・高崎)のメンバーが名を連ねた。予選は組1着で通過すると、決勝は東洋大とのデッドヒートを制し優勝。タイムは学生記録更新となる38秒45だった。

  予選は1レーンからの出場となった。1走は初の全カレとなった大竹。急カーブを難なく走り切り、大混戦の中2走の千田へ。千田はすぐさまトップスピードに乗り、3走の関口にトップでバトンを渡した。関口も危なげない走りを見せトップを守ると、アンカーの井上が横を確認する余裕を見せながら1着でゴール。しかし、「バトンパスが修正点。走りも一段階上げなくてはいけない」(井上)と、翌日の決勝に向けて少しの油断も感じさせなかった。

 三日目の日没後に開催された決勝。各大学の応援がヒートアップし、会場が異様な熱気に包まれている中で、レースは始まった。スタートの号砲が鳴ると、大竹は力強いフォームでカーブを走り、2走の千田へ。バックストレートで男子100メートル王者の東洋大、柳田大輝が先行する展開となったが、千田も「今まででのリレーで一番いい走り」を見せ、独走を許さない。すると2位でバトンを受け取った3走の関口が、前を行く東洋大を猛追。この時点で、優勝は東洋大と早大の一騎打ちになった。そして、勝敗の行方は4走井上に託されることに。プレッシャーのかかる場面だが、「抜かせる自信があった」という井上。残り50メートルを切ったところで、東洋大のアンカーに並ぶと、最後は大接戦のまま懸命に胸を突き出し、ゴールした。「最後差したと思っていたけれど、疑心暗鬼だった」と振り返る井上。電光掲示板の一番上に『早稲田大 38秒45』の文字が表示されると、喜びを爆発させた。

 2年連続2位に泣いていた4継。全カレ優勝を知る最後の世代が作り上げたチームが、歴史に名を刻む圧巻の走りで3年ぶりの優勝を果たした。これにより、関東インカレと全カレの二冠を達成。そして前人未到の三冠に向けて、残すタイトルはあと一つ。敗北を知らないエンジの戦士たちが、最後のピースを獲得するべく、日本選手権リレーに臨む。

(記事 飯田諒、写真 草間日陽里)

★早大記録を更新するも、強豪に力及ばず6位(女子4×100メートルリレー)

決勝でバトンパスをする2走・山越(写真左)と3走・上島

 昨年の全カレで早大記録を更新し、今年は44秒台、優勝を目指して臨んだ女子4×100メートルリレー。予選は危なげない走りとバトンパスで、組1着で決勝進出を決める。決勝では、全チームほぼ横並びで4走にバトンが渡る激戦に。早大記録を更新するタイムで健闘するも及ばず、6位という結果に終わった。

 予選には鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)、山越理子(人3=東京・富士)、上島周子(スポ2=東京・富士)、中村真由(政経4=東京・早実)のオーダーで出場。1走の鷺の時点でトップに立つと、最後まで首位を譲らず組1着で決勝に進んだ。予選と同じオーダーで迎えた決勝。昨年優勝校の甲南大、前日行われた100メートルで優勝した石川優を擁する青学大など、強豪がひしめく中でのレースとなった。1走の鷺から2走の山越にほぼ完璧なタイミングでバトンが回ると、山越は一気に加速し、アウトレーンの福岡大との距離を詰め3走の上島にバトンパス。上島は約1時間前に4×400メートルリレー予選に出場していたことを感じさせない走りで、アンカーの中村にバトンを渡す。この時点で若干甲南大が先行するも、ほぼ横並びの状態で最後の直線を迎えた。中村はインレーンの甲南大を必死に追うも、力負けし、6着でフィニッシュ。タイムは45秒13と、早大記録を更新するタイムを残したが、いまだ強豪校との力の差を感じるレースとなった。

 「最低限の目標しか達成できなかった」(鷺)と悔いの残るレースになった女子4継。今シーズンは全員の調子が良いタイミングが合わず、苦戦を強いられてきたという。しかしその中でも早大記録を更新できたことは、「もっといける」(鷺)と確信にもつながった。今季残す大会は日本選手権リレーのみ。今回達成できなかった44秒台、そして優勝を手にするべく、さらなる進化を遂げることを期待したい。

(記事 長屋咲希、写真 飯田諒)

★矢野が自己記録タイの跳躍を一回目で成功させ優勝!(女子走高跳)

 女子走高跳には関東学生対校選手権(関東インカレ)で7位入賞を果たし、その後も各種大会で好記録を連発している矢野が出場した。矢野は、自己記録タイの1メートル76を1回で成功させると、続く1メートル79は矢野を含む、残っていた3選手全員が失敗。試技差により、見事優勝を果たした。

 表彰式で笑顔を見せる矢野

 調子は悪くなかったという矢野。1メートル65と1メートル70の跳躍を一回で成功させ、幸先の良いスタートを切った。しかし、続く1メートル73は失敗。そこで、「一歩一歩しっかり走って落ち着いてコーナーに入ること」を改めて意識したという。それが功を奏し、二回目の1メートル73の跳躍は成功。続く、1メートル76の跳躍も参加選手でただ1人、一発で跳んでみせた。その後に森﨑優希(日女体大)と齋藤みゆに(中京大)が二回目で1メートル76を成功させ、優勝の行方は矢野を含む3人で争われることに。次のハードルの高さは1メートル79。しかし三選手全員が二回目を跳ぶことはできず、運命の三回目を迎えた。始めに挑んだ森﨑は失敗し、矢野が成功させれば優勝に王手がかかることになったが、惜しくも失敗してしまう。最終跳躍者の齋藤が1メートル79を跳ぶことができれば矢野は2位、失敗すれば1メートル76を一発で成功させた矢野が優勝で、決着がつくことになった。「正直(齋藤選手が)跳べると思っていたので、リラックスして待っていた」と振り返る矢野。しかし齋藤の跳躍が失敗に終わると、優勝が決まり嬉し涙を流した。

 昨年の全カレは、1メートル65を跳ぶことができず記録なし。それから早一年、好調の要因と語る外部指導者との出会いもあり、女王の座にたどり着いた。そんな矢野が見据える先は、1メートル80の大台だ。課題とするフィジカルを強化し、新女王はさらなる高みを目指す。

(記事、写真 飯田諒)

男子結果

▽100メートル

予選(8組2着+8)

島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)  10秒44(3組3着)(-0・5)

井上直紀(スポ3=群馬・高崎)  10秒20(7組1着)(+0・2)準決勝進出

関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)  10秒36(8組2着)(-0・6) 準決勝進出

準決勝(3組2着+2)

井上直紀(スポ3=群馬・高崎)  10秒18(2組1着)(+0・3)自己新 決勝進出

関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)  10秒42(3組5着)(-0・5)

決勝(-0・4)

井上直紀(スポ3=群馬・高崎)  10秒13(2着)自己新

▽200メートル

予選(8組2着+8)

島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)  20秒94(4組3着)(-0・3)準決勝進出

千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)  21秒05(6組3着)(-2・1)準決勝進出

髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)  21秒38(8組5着)(+0・2)

▽400メートル

予選(6組3着+6)

眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)  46秒78(2組1着)準決勝進出

森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)  46秒46(6組1着)自己新 準決勝進出

権田浬(スポ1=千葉・佐倉)  47秒11(8組1着)準決勝進出

準決勝(3組2着+2)

森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)  46秒43(1組1着)自己新 決勝進出

眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)  46秒45(2組2着)決勝進出

権田浬(スポ1=千葉・佐倉)  47秒40(3組4着)

決勝

眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)  46秒65(3着)

森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)  46秒81(4着)

▽800メートル

予選(8組2着+8)

筒井航佑(スポ4=愛知・時習館)  1分53秒51(2組8着)

岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)  1分50秒78(6組2着) 準決勝進出

水嶋優斗(スポ2=東京・高輪)  1分51秒51(8組3着)準決勝進出

準決勝(3組2着+2)

水嶋優斗(スポ2=東京・高輪)  1分56秒34(2組7着)

岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)  1分53秒41(3組8着)

▽1500メートル

予選(3組3着+6)

立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)  3分47秒96(1組2着) 決勝進出

吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)  3分47秒09(2組5着)決勝進出

岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)  3分45秒79(3組2着)決勝進出

決勝

立迫大徳(スポ1=鹿児島城西)  3分48秒00(10着)

吉倉ナヤブ直希(社1=東京・早実)  3分48秒51(11着)

岩下和史(スポ2=神奈川・神大附)  3分49秒72(13着)

▽5000メートル

決勝

伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)  14分05秒82(2着)

▽110メートル障害

予選(6組3着+6)

西徹朗(スポ3=愛知・名古屋) 13秒84(4組1着)(-0・4)準決勝進出

盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)  DNS

池田海主将(スポ4=愛媛・松山北)  13秒96(6組1着)(-0・7)

準決勝(3組2着+2)

池田海主将(スポ4=愛媛・松山北)  13秒91(2組5着)(-1・3)

西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)  13秒67(3組2着)(-2・2)決勝進出

決勝(-2・1)

西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)  13秒57(3着) 自己新

▽400メートル障害

予選(7組3着+3)

金本昌樹(スポ4=東京・日大桜丘)  50秒35(4組2着) 準決勝進出

渕上翔太(スポ1=東福岡)  50秒16(5組1着)準決勝進出

盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)  50秒47(7組2着)準決勝進出

準決勝(3組2着+2)

盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)  49秒62(1組4着)自己新

渕上翔太(スポ1=東福岡)  48秒78(2組1着)自己新 決勝進出

金本昌樹(スポ4=東京・日大桜丘)  49秒89(3組5着)

▽4×100メートルリレー

予選(5組1着+3)

早大(大竹ー千田ー関口ー井上) 39秒20(5組1着) 決勝進出

決勝

早大(大竹ー千田ー関口ー井上) 38秒45(1着)

▽4×400メートルリレー

予選(5組1着+3)

早大(眞々田ー森田ー渕上ー権田) 3分04秒85(1組1着) 決勝進出

▽10000メートル競歩

決勝

高橋優喜(スポ2=静岡・浜松北)  40分55秒96(4着) 自己新

女子結果

▽200メートル

予選(7組3着+3)

清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)  25秒30(3組7着)(-1・0)

中村真由(政経4=東京・早実)  24秒68(5組4着)(-0・6) 準決勝進出

鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)  24秒50(6組1着)(-1・0) 準決勝進出

▽400メートル

予選(7組3着+3)

山本真菜(スポ2=三重・伊勢)  56秒02(1組3着) 準決勝進出

清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)  56秒34(3組3着) 準決勝進出

千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)  DNS

準決勝(3組2着+2)

山本真菜(スポ2=三重・伊勢)  56秒73(1組7着)

清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)  56秒73(2組6着)

▽800メートル

予選(6組3着+6)

新田望(スポ3=神奈川・法政二)  2分15秒62(1組5着)

武田亜子(スポ1=静岡・日大三島)  2分12秒07(6組5着)

▽100メートル障害

予選(6組3着+6)

木村加乃(院1=愛知・至学館大)  14秒20(1組4着)(+0・1)

内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)  DNS

林美希(スポ1=愛知・中京大中京)  13秒49(6組1着)(-1・4)

準決勝(3組2着+2)

林美希(スポ1=愛知・中京大中京)  13秒46(1組1着)(+1・4) 決勝進出

決勝(-1・3)

林美希(スポ1=愛知・中京大中京)  13秒59(6着)

▽400メートル障害

予選(7組3着+3)

千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)  60秒85(5組3着) 準決勝進出

内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)  59秒41(6組3着)準決勝進出

大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)  58秒31(7組1着)準決勝進出

準決勝(3組2着+2)

大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)  58秒20(1組2着) 決勝進出

内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)  58秒72(2組4着)

千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)  59秒27(3組6着)

▽10000メートル競歩

決勝

中島橙子(スポ1=群馬・前橋女)  47分47秒70(4着) 自己新

広瀬夏希(社2=東京・富士)  48分46秒88(8着)

藤田真美加(スポ3=千葉・成田)  51分42秒10(19着)

▽4×100メートルリレー

予選(5組1着+3)

早大(鷺ー山越ー上島ー中村) 45秒44(2組1着) 決勝進出

決勝

早大(鷺ー山越ー上島ー中村) 45秒13(6着)

▽4×400メートルリレー

予選(5組1着+3)

早大(大川ー清水ー山本ー上島) 3分40秒48(3組1着)決勝進出

▽走高跳

矢野夏希(スポ2=愛知・時習館)  1メートル76(1位)

▽走幅跳

内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)  5メートル64(-1・2)(15位)

選手コメント 

※本大会に出場された短距離4年生のインタビューは4日目の記事に掲載予定です

伊藤大志駅伝主将(スポ4=長野・佐久長聖)

――全カレでの目標を教えてください

日本人トップと表彰台は確実に取りたいと思っていました。なので有言実行できて良かったと思っています。

――今日のコンディションはどうでしたか

コンディション自体としては、正直全カレには合わせていなかったので、100パーセントの状態ではなかったのですが、試合で走れるくらいのコンディションには持ってくることができました

――今日のレースプランはどのように考えていましたか

できるだけ留学生に付くということを考えていました。また、日本人も多いので前半には前に出ずに日本人の中で温存しながら留学生が前に出たら一緒に前に行くことを考えていました

――創価大学のスティーブン・ムチーニ選手が3200メートル付近で前に出てからのレース展開をどのように考えていましたか

スティーブン・ムチーニ選手が出てからはできるだけ付いて行き、勝てるところまで温存して最後まで行こうと思っていましたが、思った以上にスティーブン·ムチーニ選手(創価大)が自分のペースで上げていきました。そこに上手く合わすことができず、残り1500メートルくらいで自分の余力を鑑みてここでついて行ったら、ラスト追いつかれるかもしれないと思いました。1回自分のペースに落としてから、最後2位でゴール出来るように切り替えました。

――今日のタイムや結果を振り返っていかがですか

日本人トップと表彰台は確実に確保できたので、悪くない結果だと思いますが、これからの駅伝シーズンを考えるとスティーブン·ムチーニ選手(創価大)に付いて行って勝ち切らないといけないと思いますし、駅伝シーズンへの改善点だと思っています

――夏合宿を経て、長距離ブロック全体の雰囲気はいかがですか。

かなり上向きになっていると思います。僕が3年間経験してきた早稲田の中で一番強いチームになってきていると自信を持って言えるので駅伝シーズンに向けて良い流れを持っていきたいです

――夏合宿で意識して練習したことはなんですか。

まずはボトムアップをするために距離を積むことやチームとして全員で練習することを意識していました。また、今までだったら腹八分目くらいの余裕を持って練習していましたが、今回はプラスアルファで山口智規(スポ3=福島・学法石川)や石塚陽士(教4=東京・早実)と一緒に上げきって終わるということを昨年以上にできたので、走力に対する自信もついてきています。

――これからの駅伝シーズンに向けて、意気込みや目標を教えてください。

駅伝シーズンに向けて、さらに集中していく期間になるので、今日の結果を自信に変えて行きたいです。そしてチームとして三大駅伝で3位以内という目標を達成できるように勝てるチームを作っていきたいです。また、個人としてもエース区間で戦っていけるように留学生にも最後までついて行き、勝ちに行くということを意識していきたいです。

井上直紀(スポ3=群馬・高崎)

――本大会を通しての調子はいかがでしたか

合宿とグランプリシリーズが2試合あって良い流れで来ていました。100メートルもリレーも優勝を狙える調子でした。

――100メートルの結果について率直に振り返っていかがですか

優勝を目指してやってきて、優勝以外はもういらないという思いで臨みました。予選からいい流れで来ていた中で、勝てなかったことが悔しいです。

――自己記録を複数回更新した要因は何が考えられますか

合宿からのアプローチが良かったというものありますし、日本選手権が終わってから大前監督(大前祐介監督、平17人卒=東京・本郷)や欠畑コーチ(欠畑岳男子ヘッドコーチ、平27スポ卒=岩手・盛岡第一)、先輩方にアドバイスを頂きました。自分でも色々考えて、トップスプリンターになるために取り組んできたのが良かったです。

――100メートルの決勝のレースに立った時、どのようなことを考えていましたか

良くも悪くも負ける想定がなかったです。完全に勝つ頭でいったのですが、隣の柳田(栁田大輝、東洋大)に僕の考えていないレースをされました。そこで固くなることはなかったですが、柳田が一枚上手でした。

――一枚上手のレースとは、スタートから出られたことでしょうか

そうですね。先に出られてしまいました。そこに力の差があったということだと思います。

――続いて、4×100メートルリレーについて伺います。チーム全体の調子はいかがでしたか

メンバーも関東インカレ(関東学生対校選手権)と変わって、未知数ではありましたが、走れているメンバーだったので自信を持っていました。予選は1レーンということで、厳しい環境でしたが、しっかり走ることができました。他のチームもタレント揃いで地力のあるチームばかりだったので、拮抗(きっこう)することは想定していました。総合力で勝ち切れればと思っていました。

――予選を通して反省点はありましたか

バトンのところは修正点でした。あともう一段階決勝で、走り自体を上げないといけないと思っていました。

――決勝の、バトンが渡るまではどのようなことを考えていましたか

1走の大竹さん(大竹春樹、商4=東京・早実)と2走の杜真寿(千田杜真寿、スポ4=茨城キリスト教学園)さんがしっかり走ってくれて、2走から3走の流れの時に東洋大が前にいることは分かっていたのですけど、少しの差なら自信がありました。(渡った時は)勝ったと思いましたし、(抜かすことが)4走としての仕事だと思っていました。

――渡った瞬間には抜かせる自信があったということでしょうか

自信がありました。東洋大の選手も力がある選手で、抜かりなく走ったことで結局僅差にはなってしまったのですが。

――ゴールした時の気持ちを教えて下さい

僅差でゴールしたのですけど、僕は最後差したと思っていました。電光掲示板に出るまでは少し疑心暗鬼もありましたが、(早大)38秒45と出て。38秒台を一つターゲットにしていた中で、38秒4台までいったかと思いました。学生記録はあまり僕としては意識していなかったので、びっくりです。

――今後の個人とリレーの意気込みを教えてください。

個人としては何試合か今シーズン、残っているので来年の世界陸上に向けてやっていきます。来年は過密スケジュールですけど、目標は変わらないのでそこに向けてアプローチをしていきます。リレーは三冠が見えてきたので、日本選手権リレーで勝つことを目指してやっていきます。

西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)

――全カレの目標を教えてください

 優勝を目指すというのは頭の中にありましたし、目指すことは絶対にしないといけないなと思っていました。ただ、実際に僕が優勝に届くと自分で信じきれていなくて、最低でも表彰台と考えていたので、その時点で良くなかったなと思います。

――全カレ全体を通して、ご自身のコンディションはいかがでしたか

3本通してどんどん良い状態に持ってくることができたので、コンディション自体は上げられていけたかなと思います。

――予選、準決勝を勝ち上がるためのレースプランは考えていましたか

予選は組の速い人が棄権して一人になったので特に考えていなくて、準決勝は、後半までしっかり走り切れるレースにしようと考えていました。準決勝は通れば勝ちではありますが、できるだけ1着を取りたいと思っていました。ただちょっと届かなかったです。

――決勝に向けて修正した点はありましたか

後半競り合った時に、少しでも前に出れるように、中盤以降の動きの意識と、スタートでしっかりスピードに乗れるように、そこの意識を修正しました。

――決勝はかなり強い向かい風の中行われましたが、走りづらさなどは感じましたか

あまりなくて、ほとんど無風くらいの感覚でした。実際横風に近かったし、前の選手が風よけになっていたので、走りづらさはなかったです。

――決勝では13秒57の自己ベスト、そして早稲田新記録を更新しましたが狙っていましたか

実際そこが頭にあったわけではないのですが、いずれは更新したいと思っていたところだったのでこの場で更新できたのは良かったと思います。

――タイムについて振り返っていかがですか

3本走り切った上で最後に記録を出すことができたので、満足はいっていないのですがやることはやれたのかなとは思っています。

――3位という結果について率直な感想を教えてください

全然だめです。優勝を目指すと言ったからにはしっかりとらないといけないし、実際今日のレース展開的には狙えたなと思うので。昨年はやっと届いた3位でしたが、今年は届かなかった3位で、同じ3位でもその重みや中身は全く違うものになりました。

――最後に、今後の目標を教えてください

今年は110メートル障害は出ない可能性があるのですが、来シーズンは東京世界陸上があります。しっかり標準を切って日本選手権で3番以内に入って、出場権を得て、世界で戦える選手になっていきたいと思います。

高橋優喜(スポ2=静岡・浜松北)

――本日のコンディションはいかがでしたか

思っていたより蒸し暑くて、身体も火照っていました。しかし、17時くらいから風が涼しくなってきて、レース前は暑さはそんなに気にならなかったかなと思います。

――本日の目標を教えてください

関東インカレが9位だったので、今回はリベンジということで入賞を狙っていました。暑さの中で垂れてくる人を捕まえるような、耐えるレースにしようと考えていました。

――4位入賞に入られましたが、率直な感想をお願いします

自分も正直とても驚いていて。タイムも全然狙ってはいなかったので、正直1分も更新できると思っていませんでした。ですが、練習の感じは非常に良くて、自分の出せる力を全て出し切れたなと思います。

――関東インカレが終わってから、どのような点を意識して練習されていましたか

関東インカレが終わってから、明治大学さんの練習に参加させていただき、そこで速いリズムに慣れるということを意識していました。どうしてもずっと走っていたのと、去年の12月に手術をしていたので、そんなに長い距離を歩けていなくて。できるだけ、距離を歩くことも意識していました。

――夏は競歩の合宿に参加されていたのでしょうか

夏は競歩の合宿に行っていなくて。夏も少しだけケガをしていて、7月頃までは走っていたのですが、早めに競歩に切り替えて短距離に混じって菅平の方に合宿に行っていました。短距離の合宿で色々刺激をもらえたなと思っています。

――本日のレースプランを教えてください

本当に食らいつくという感じで。同学年の人に負けたくないなという思いがあったので、その選手が前にいたら食らいつくようにしていました。

――実際のレースを振り返っていかがですか

いつもは5000メートル以降から失速してしまうのですが、今日はそんなことがなくて。想像以上に足が動いたなという感じです。

――今大会後は長距離にシフトされるのでしょうか

そうですね。一旦走りに戻ります。箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝)やその先、ハーフマラソンも出たいと思っているのでそこに向けて練習していきたいと思います。

広瀬夏希(社2=東京・富士)

ーー今大会の自身のコンディションはいかがでしたか

足に少し痛みがあったので不安はありましたが、合宿ではかなりいい練習が積めていました。そのため50パーセントぐらいの感じイメージでした。

ーー今大会の目標を教えてください

入賞することが大きな目標でした。自己ベストの48分半を切れば入賞のラインに勝てるかなと思っていたので、そこを目指して歩きました

ーー学生個人の後どのような点を意識して練習しましたか

学生個人(学生個人選手権)の時に故障明けで出場して、そこからは距離を踏みつつスピードも出して歩く練習を多く積みました。合宿ではポイント練習を詰め込んで練習していました。

ーーレースプランを教えてください

1キロ4分50秒で歩いて、最後の2、3キロでペースを上げて歩ければいいなと思っていましたが、実際はかなり変わってしまいました

ーー序盤から中島橙子(スポ1=群馬・前橋女)が飛び出されていましたが、意識することはありましたか

飛び出したなとは思いましたが、自分は後半型で、終盤で徐々に前の集団に詰めていければいいなと思っていたので、そこまで焦りはなかったです。

ーーレース全体振り返ってみていかがですか

今回はかなりきつかったです。当初のレースプランでは4分50秒で刻む予定でしたが、入りが4分40秒くらいになってしまいました。ただ、このペースに着いて行かないと置いて行かれてしまうと思って歩いていましたが、4分55秒くらいになってしまい、中盤からは焦りもあって動きが硬くなってしまいました。それでも終盤に立て直して入賞はできましたが、48分半を切れなかったので嬉しさ半分、悔しさ半分という気持ちです。

ーー最後に今後のレースの目標をお願いします

次戦はまだはっきりと決まっていませんが、確実に出たいと思っているのが日本選手権や1、2、3月のロードレースです。そのため、ロードに向けて長い距離に対応できる練習をしっかり積んで、いい結果を残したいと思います。

矢野夏希(スポ2=愛知・時習館)

――試合を終えて率直な気持ちを教えてください

率直に嬉しいです。ただ1メートル80を狙っていたので悔しい気持ちもあります。

――調子はいかがでしたか

悪くはなかったです。

――本大会に向けて重点的に取り組まれていたことがあれば教えて下さい

昨年の冬季練習から外部指導者と関わる機会が増えて、その方と助走や踏み切りを重点的にやってきました。

――1メートル73の失敗からどのような修正をして2回目に臨まれましたか

結果的にこの失敗が1メートル76の1回目の成功につながるのですが、一歩一歩しっかり走って落ち着いてコーナーに入ることを意識しました。

――ご自身の跳躍を終えて、最後の選手の跳躍を待っている間どのようなことを考えていましたか

正直跳べると思っていたので、リラックスして待っていました。

――優勝はどの程度狙っていたのでしょうか

試合に臨む前に、今シーズンの記録を見た時に自分にもチャンスがないわけではなくて優勝できたらいいなと。密かに狙っていました。結果的に自分が一発で成功させたことが優勝につながって良かったです。

――今後どのようなことを重点的に取り組みたいですか

今シーズンは大きな試合もないですが、小さな記録会に参加する予定です。そこで課題をしっかり洗い出して、冬季練習でその課題を克服したいです。あとはフィジカルが弱いのでそこも鍛えたいなと思います。

中島橙子(スポ1=群馬・前橋女)

――気温などコンディションはいかがでしたか

暑かったは暑かったのですが、自分で気温などは確認せずに涼しいと思い込んで、コンディションはいいと思ってやっていました。そこまで暑さは気にならなくて、夜なので日が陰っていて歩きやすかった気はしています。

――身体的な部分ではいかがですか

膝をずっと痛めていて、歩き出せたのが1週間前でした。それまでは全然歩けなかったのですが、何とか盛り返して。ですがアップの時はストロールが5分しかできなくて、直前までスタッフさんが電気などをしてくださって一応スタートラインに立つことはできました。

――膝はいつ頃傷められたのでしょうか

本当に直前ですね。8月の後半辺りだったと思います。

――競歩の夏合宿には参加されましたか

夏の間の競歩の合宿では、競歩に対する考え方が変わったり、強い選手がどういう歩きをするのかということを吸収したりしてモチベーションを上げることができました。夏から長い距離をとにかく踏むようにしてきました。

――本大会の目標を教えてください

早大に貢献するために入賞はしたいなと思っていました。ですが、明確な順位などは決めていませんでした。私自身が結構レースにいい意味でも悪い意味でも流されやすいので最初から突っ込んで、行けるところまで流れに乗っていこうという感じでレースをしました。

――レースプランを具体的に教えてください

レースプランを作らないというのが私のレースで。ペースを決めてしまうとそれ以上に身体が動かないので、どちらかというと入賞以内をキープすることを意識していました。8位の人から絶対に離れないで、点数を持ち帰ることを考えていました。

――実際のレースを振り返っていかがですか

アップの状態では膝が痛くて不安はあったのですが、スタートラインに立ったら応援や会場全体の雰囲気の中で、全体的に楽しくできたかなと思います。

――約1分ほど自己ベストを更新されましたが、率直な感想をお願いします

正直に嬉しいです。ですが、3位と6秒差というところをゴールした後に知って。最後の6秒を絞り出せなかったことが悔しいです。その6秒というのは、レースに立った状態ではベストな歩きができたのですが、レースに立つ前の時点でケガをしてしまったというところから来ていると思います。最後まで詰めの甘さが出ない練習を積んで、ベストな状態でベストなレースをしたいなと思います。

――次戦に向けた意気込みをお願いします

来年の1月から始まる元旦競歩(元旦競歩大会)や神戸競歩(日本選手権20キロメートル競歩)などロードレースがメインになってきます。ロードになると審判の厳しさやペースなどが変わってきますし、一番大きいのは距離が20キロになるのでその距離に対応した練習やスタミナを身につけていきたいです。

林美希(スポ1=愛知・中京大中京)

――全カレを通してコンディションはいかがでしたか

2週間前の世界選手権の時にすごい悪くて、そこから2週間でどうするか不安でした。一から自分のダメだったところを見直して今回、最低限の評価はあげられたのかなと思います。

――今大会の目標を教えてください

今大会は表彰台に乗ることを目標に考えていましたが、ちょっと焦った時に自分の力の弱さが出てしまったなと思います。

――予選と準決勝はどちらも組1着で通過されましたが、どのようなプランでレースに臨みましたか

3台目からギアを変えて、そこから加速に乗るというプランで取り組みました。それがうまくはまったのが予選、準決勝でした。そして、それがうまくはまらなかったのが決勝で相手のペースにのまれてしまい、自分ができていない、今直したい動きの直す前の動きが出てしまったと思います。

――予選や準決勝から決勝に向けて修正した点は何かありましたか

修正というよりも、本当に自分がやってきた練習を出すというつもりで臨みました。

――決勝では強めの向かい風が吹いていましたが、走りづらさは感じましたか

向かい風を感じることは特になく、それだけ集中はしていたのかなと思います。

――今回の3本のレースをタイムの面で振り返っていかがですか

(予選と準決勝では)13秒4台で、自己ベストである13秒40に結構近いタイムで走ることができました。決勝でギアを上げて自己ベストを狙っていきたかったのですが、やはり力んでしまうと全然タイムがついてこなくて、そこで詰めの甘さが出てしまったかなと思います。

――今大会の結果を振り返っていかがですか

高校から大学になって、なかなか勝ち切ることの難しさを感じているので、来年は勝ち切っていきたいなと思います。

――最後に、今後の目標を教えてください

とりあえず今シーズンの大きい試合はこれで一応終わりなので、冬季練習で走力とスピードと体作りをしっかりして、来シーズンはしっかり戦えるようにしたいと思います。