今季好調の盛岡が自己新! 眞々田も地力の高さを示し3位に入る

陸上競技

第39回静岡国際 5月3日  静岡・小笠山総合運動公園静岡スタジアム

 関東学生対校選手権(関東インカレ)を目前に控えたこの日。早大が誇るスピードスターが静岡に多数集結した。レースは、眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)が出雲陸上に続きグランプリシリーズ3位、盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)が自己記録を更新するなど、関東インカレに向けて意義深い大会となった。

 早大勢として最初に登場したのは、ノングランプリ男子800メートル1組にエントリーされた筒井航佑(スポ4=愛知・時習館)。筒井は序盤から3番手付近に位置し、余裕を持ってレースを進める。残り100メートルを切り一気に加速すると、後続を突き放し1着でゴール。初の関東インカレタイトル獲得へ、期待が持てる結果となった。一方でグランプリ女子800メートルに登場した新田望(スポ3=神奈川・法政二)は序盤こそ好位置につけていたものの、残り200メートルを切り失速。7着でゴールし、悔しさの残るレースとなった。

 

1着でゴールした筒井

 続いて行われたのは200メートル。100メートルの自己記録を六大学対校陸上(六大学)で更新した千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)、出雲陸上で200メートルの自己記録を更新し勢いに乗る鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)の2人に加えて、地元凱旋(がいせん)試合となった島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)の3人が出場した。関東インカレに向けて弾みをつけたいところだったが、ノングランプリに出場した千田は組1着を惜しくも取れず。グランプリに出場した島田、鷺は日本トップレベルの選手や海外招待選手にスタートから圧倒され、予選敗退となった。

 

地元凱旋(がいせん)レースとなった島田

 日が沈み出す中で開催された男女400メートルタイムレース決勝。清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)は、最初の200メートルから果敢に速いラップを刻む。後半も粘りの走りを見せたものの、出雲陸上に続く自己記録更新とはならなかった。一方の眞々田は「250メートルから300メートルで前に行かれてしまったことが課題」と振り返るように、理想のレースプランを遂行することができず。それでも3位に入り地力の強さは見せたものの、狙っていたのは早稲田記録更新。1秒弱も届かず、悔しさをにじませた。

 

3着でゴールした眞々田

 早大としては最後の出場種目になった、400メートル障害。ノングランプリに出場した盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)と渕上翔太(スポ1=東福岡)は、今シーズン3度目の直接対決となった。「後輩に負けるわけにはいかない」。確固たる思いで臨んだ盛岡は、この日も持ち前の巧みなペース配分を披露した。中盤までは渕上とほぼ同じペースで刻んだものの、後半突き放し組1着でゴール。念願の49秒台を叩き出したが、もう「一皮剥けたい」と飽くなき向上心を口にした。渕上も2位に入り、U20アジア選手権との連戦をこなして見せた。グランプリに出場した千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)は、内側から海外招待選手や山本亜美(立命館大)が早々と追い抜かしてくる難しい展開に。しかしそのペースに惑わされることなく走り切り、58秒67を記録。「アベレージを上げていきたい」とルーキー対談で語った目標通りの、大幅なシーズンベスト更新となった。

 

ハードルを越える盛岡

 関東インカレまで残された時間は1週間を切った。今年の目標は男女ともに『総合3位以内、トラック優勝、多種目優勝』だ。この日、日本そして世界のトップクラスと戦った経験をどう生かすか。できることは少ない中で微調整を繰り返し、万全の状態でスタートラインに立つことを期待したい。いざ国立の地で目標達成へ、長きにわたる4日間が幕を開ける。

(記事 飯田諒、写真 會川実佑)

結果

▽グランプリ男子200メートル予選(3ー2+2)

島田開伸(スポ4=静岡・浜松湖東)  21秒03 (2組6着)(+0・2)

 

▽ノングランプリ男子200メートル

千田杜真寿(スポ4=茨城キリスト教学園)  21秒19 (2組2着)(+0・4)

 

▽グランプリ男子400メートルタイムレース決勝

眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)  46秒61 (2組3着)

 

▽ノングランプリ男子800メートル

筒井航佑(スポ4=愛知・時習館)  1分51秒84 (1組1着)

 

▽ノングランプリ男子400メートル障害

盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)  49秒79 (1組1着)自己新

渕上翔太(スポ1=東福岡)  50秒50 (1組2着)

 

▽グランプリ女子200メートル予選(3ー2+2)

山越理子(人3=東京・富士)  DNS

鷺麻耶子(スポ4=東京・八王子東)  24秒49 (2組4着)(+0・0)

 

▽グランプリ女子400メートルタイムレース決勝

清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)  55秒63 (1組3着)

 

▽グランプリ女子800メートルタイムレース決勝

新田望(スポ3=神奈川・法政二)  2分12秒60 (1組7着)

 

▽グランプリ女子400メートル障害タイムレース決勝

千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)  58秒67 (3組8着)

コメント

眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)

――出雲陸上に続いてグランプリシリーズは3位でした。結果についてはいかがですか

順位というよりもタイムを狙っていて、早稲田記録の更新そして関東インカレ(関東学生対校選手権)につながるようなレースをすることが目標でした。僕の目指していたタイムにはならなかったのが少し悔しいポイントかなと思います。

――大学生に負けたくないと仰っていた中で、筑波大の林申雅選手に負ける結果となってしまいました

素直に負けたことは悔しいのですけど、自分の課題は今シーズン5戦目になって明らかになりました。関東インカレに向けてはこの1週間でやるべきことや考えるべきことが明確になったと思います。

――課題とは具体的にどういったところでしょうか

今回のレースの課題となったのはバックストレートでうまく乗り切れないまま、250メートルから300メートルで、他の選手に前に行かれてしまったことです。自分の走りはここが悪いと明確になりました。逆に今までの4レースではラスト30メートルがうまく走れていなかったのですが、そこまで垂れなくなったのは収穫です。

――レースプランとしてはこれまでのように最初から飛ばしていくかたちだったのでしょうか

飛ばすというよりも、自分の設定タイムの中でレースを進めることを意識していました。後半もしっかり走って勝負やタイムも狙えるような走りをしたかったですが、うまくはまらなかったです。

――関東インカレに向けては250メートルから300メートルが鍵になるのですねそこのクオリティが一番求められていると思います。そこができれば後半もっときれいに走れるのかなと思います。

――最後に関東インカレの目標を教えて下さい

負けることが許されないので、優勝します。国立でやるということで会場もいいので、45秒台をしっかり狙っていきたいです。またマイル(4×400メートルリレー)も優勝。昨年果たせなかったものがたくさんあるので、今年はそれを果たしたいと思います。

――それこそ関東インカレのマイルにもエントリーをされていて、皆さんが注目選手として挙げていた権田浬(スポ1=千葉・佐倉)選手が同日の熊谷市記録会で自己記録を更新しました

チームの中身としても非常に嬉しいことなので、フレッシュな力も借りながらチームとしてしっかり戦いたいと思います。

 

盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)

――今日の目標を教えて下さい

今日の目標は関東インカレ(関東学生対校選手権)が近いということもあって、自己ベストを49秒台に乗せるというのを一番の目標にしていました。

――その中で自己記録を更新されました

練習も詰めていて、練習でのタッチダウンも49秒台が出るのかなとは思っていました。練習通り、自分の走りたい動きというのをしっかり再現することができました。自分の中での想定通りのラップタイムを刻むことができたので、その中ではいいレースができたのかなと思います。

――どのようなラップタイムを予定されていたのですか

前半を意識するというよりかは後半いかに落とさないでリズムを保ち続けるか、タイムを落とさないで走るかというのを意識して挑みました。最後のラップも大幅に落とすことなく、走ることができたのは収穫だったと思います。

――今季3戦目の渕上翔太(スポ1=東福岡)選手との直接対決でした。やはり意識されるところはありましたか

そうですね。後輩には負けられないという気持ちがあって(笑)。渕上は才能の塊なので、タイムも出してくるというのは分かっていました。ただ自分もその陰に隠れてのこのこ終わっていいとは思っていません。自分も輝けるようなタイムを今日出せたのは良かったです。

――渕上選手はU20アジア選手権でも優勝されていましたが、その点についてはいかがですか

出るなら優勝してほしいと思っていました。走る前にも僕たちが言える知識を伝えて、それを渕上も自分の中でしっかりかみ砕いて消化することができていました。そこがやはり渕上の強さなのかなと。どん欲な部分は陸上選手に必要な部分だと思うので。

――関東インカレでは110メートル障害と400メートル障害の2種目にエントリーされています。それぞれの目標を教えて下さい

どちらも最低限、入賞をしたいです。自分は400メートル障害の専門なので、(400メートル障害では)もう一枚自分の殻を破って優勝したいです。日本選手権の出場ラインもぎりぎりなので、順位を狙えばタイムもついてくるという思いで、しっかり1着というのを大きな目標にして挑んでいきたいです。