連戦の中、関口が自己ベストを更新し優勝! 男女マイルも激戦を制した

陸上競技

第19回トワイライト・ゲームス 7月21日 東京・AGFフィールド

 厳しい日差しが照り付ける中、AGFフィールドにて第19回トワイライト・ゲームスが行われた。多くの選手が解散期間を経て臨んだ今大会は、4×400メートルリレー(マイルリレー)では男女ともに優勝、男子100メートルでは関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)が自己新のタイムで優勝を収めるなど、後半シーズンの更なる躍進が期待される結果となった。

  最初に行われた男女400メートルでは、眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)がラストの直線で辛勝し、組1着で全体2位。女子は清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)が全体5位、山本真菜(スポ2=三重・伊勢)が全体9位に入った。続いて行われたのは男女400メートル障害。女子400メートル障害では大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)の走りが光った。序盤からスピードに乗り、勢いそのままにゴールした大川は自己ベストに迫る58秒19のタイムで全体2位に。日本選手権以降の復調の兆しが本レースでも見られた。また、男子400メートル障害に出場した渕上翔太(スポ1=東福岡)が全体3位に入ると、その後行われた男女4×100メートルリレーでは男子が全体4位、女子が全体9位。女子800メートルでは武田亜子(スポ1=静岡・日大三島)が全体6位でゴールするなど、早大選手達の健闘が光った。

 ハードルを越える大川

 続いて行われたのはマイルリレー。女子マイルには早大から清水、山越理子(人3=東京・富士)、山本、上島周子(スポ2=東京・富士 )のオーダーで出場した。序盤3番手に位置していた早大チームだったが、3走の山本が先頭を猛追しトップに躍り出ると、4走の上島も冷静なレース運びで先頭を死守し、1着でフィニッシュ。接戦を制した選手達はレース後に喜びを爆発させた。一方男子マイルは、権田浬(スポ1=千葉・佐倉)、髙須楓翔(スポ2=千葉・成田)、森田陽樹(創理2=埼玉・早大本庄)、盛岡のオーダーで出場。森田が抜群の走りで後続との差を広げると、それに続いた盛岡もラストに粘りの走りを見せ1着でフィニッシュ。男女ともに優勝を果たし、日本学生対校選手権(日本インカレ)への足がかりを得たようだった。

レース後、ハイタッチをする男子マイルメンバー

 日が暮れ、続いて行われた女子100メートル障害には、早大から林美希(スポ1=愛知・中京大中京)が出場した。近頃、取り組んでいるという後半型の走りを本レースでも発揮。追い風参考ながら13秒39の好タイムで全体3位に入った。一方男子110メートル障害に出場した西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)は全体7位、女子走高跳では、矢野夏希(スポ2=愛知・時習館)が自己記録に2センチ迫る1メートル74センチの跳躍を見せ、全体4位で終えた。

跳躍する矢野

 今大会ラストを飾った種目は男子100メートル。早大からは前日の実業団・学生対抗競技大会にて自己記録タイで優勝を飾った関口が出場した。「疲労感のある中ですごくきつかった」と振り返った関口だったが、序盤、他選手に先行される中でも自身のリズムを崩さず、大混戦の中フィニッシュ。自己記録を0秒02上回る10秒25のタイムで同着1位に入り、2日連続となる好タイムでの優勝に自信を高めた。

優勝インタビューを受ける関口(写真中央)

 今大会で早大短距離陣は夏合宿前の大会を総じて締めくくった。シーズン前半に好調ぶりを見せた選手も、思うような走りができなかった選手も同様に迎える鍛錬の夏。この期間、いかに己の走りと向き合えるかが合宿明けの結果を左右するだろう。日本インカレで今夏の成果が大いに発揮されることを期待して、その時を待ちたい。

(記事 草間日陽里 写真 戸祭華子、飯田諒、指出華歩)

 

結果

男子

▽100メートルタイムレース

関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)  10秒25(2組1着)(+1・3)全体1位 自己新

▽400メートルタイムレース

眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)  46秒53(2組1着)全体2位

▽110メートル障害タイムレース

西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)   13秒90(2組6着)(+1・6)全体7位

盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)   DNS

▽400メートル障害タイムレース

渕上翔太(スポ1=東福岡)  50秒56(2組3着)全体3位

盛岡優喜(スポ3=千葉・八千代松陰)  51秒91(2組6着)全体8位

金本昌樹(スポ4=東京・日大桜丘)  DNF

▽4×100メートルリレータイムレース

早大(由井ー髙須ー関口ー間渕) 39秒54(2組4着) 全体4位

▽4×400メートルリレー

早大(権田ー髙須ー森田ー盛岡) 3分06秒85(1着)

女子

▽400メートルタイムレース

清水奈々子(文構3=北海道・札幌南)   56秒93(2組2着)全体5位

山本真菜(スポ2=三重・伊勢)  58秒17(2組4着)全体9位

▽800メートルタイムレース

武田亜子(スポ1=静岡・日大三島)  2分12秒85(1着)全体6位

鈴木翼沙(スポ2=東京・日大桜丘)   2分25秒72(2組7着)全体12位

▽100メートル障害タイムレース

林美希(スポ1=愛知・中京大中京)  13秒39(2組2着)(+2・4)全体3位

▽400メートル障害タイムレース

大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)  58秒19(2組2着)全体2位

内藤香乃(スポ2=兵庫・北摂三田)  60秒36(2組6着)全体7位

千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)  63秒48(2組7着)全体14位

▽走高跳

矢野夏希(スポ2=愛知・時習館)  1メートル74(4位)

▽4×100メートルリレータイムレース

早大(林ー山越ー上島ーイベル) 46秒81(2組7着) 全体9位

▽4×400メートルリレー

早大(清水ー山越ー山本ー上島) 3分43秒81(1着)

 

コメント

大川寿美香(スポ3=東京・三田国際学園)

――今日のレースの目標を教えて下さい

日本選手権では後半に結構失速してしまいました。まずは持ち味の前半のスピードを一段階上げて、後半も失速しないレースすることで自己ベストを狙えたらと思っていました。自己ベストまであと少しでしたが、セカンドベストということで、解散期間は一人で練習することも多い中で自分のやりたい前半のレースができました。収穫のあるレースだったと思います。

――今はどういったことに気をつけて練習されているのですか

前半の強化としてはインターバルを今までは4秒6、7だったのをプラス0秒1ずつ上げて、4秒4、5でまとめることです。あとは5台目から6台目の切り替えのところで歩数が増えるのですが、そこでブレーキをかけて失速しないように刻んで、ラストの直線に生かしていくところを意識しています。

――日本選手権付近から徐々に調子が上向いているように見受けられます

前半シーズンは3、4月までノーラン期間で練習ができていませんでしたが、(最近は)練習を積めるようになってきました。加えて、体をシーズン仕様に仕上げるために有酸素運動を取り入れていまして、自分の理想としている体重と走りが嚙み合ってきたのが伸びてきている要因だと考えています。

――改めてレース全体を振り返っていかがですか

セカンドベストまで持ってこられたのは良かったのですが、秋シーズンでは大幅に自己ベストを更新したいです。そのためには、今回は後半で抜かされてしまったので、(後半を)失速しないように、心肺機能を高める練習をこの夏で取り組みたいです。

――最後に日本学生対校選手権(日本インカレ)に向けて一言お願いします

できるなら優勝を狙っているので、最低でも57秒台前半を出したいです。山本亜美(立命館大)さんという強い選手もいますが、気持ちで負けないようにメンタル面を強化していきたいなと思います。

 

関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)

――コンディションはいかがでしたか

疲労感のある中ですごくきつかったです。二日連続で自己記録を更新できたことは、自分にとってすごく自信になりました。後半シーズンに向けていい弾みになったと思います。

――本日は他選手に先行される展開でした

自分より速い人がいて前に出られるのは予想していました。ただ疲労感のある中で思っていた以上に出られてしまったので、きつかったのですけど自分のリズムを守って最後同着というかたちになりました。

――4×100メートルリレーについてはいかがですか

疲労はありましたが、昼直後で自分としてもすごく動けているなと感じました。走り自体は自分としてもいい評価できると思います。

――バトンパスの評価についてはいかがですか

3、4走で詰まってしまったのでそこは全カレ(日本学生対校選手権)に向けていい改善点になりました。

――これまでとは違うメンバー編成でした

髙須(楓翔、スポ2=千葉・成田)が2走という世界戦をあまり考えていなかったのです。走力がある選手が2走だったので、その付近で先頭に立たなくてはいけなかったと思います。

――最後に100メートルの意気込みを教えてください

10秒1台にまず乗せて、安定して10秒1台を出せるように頑張りたいです。