実業団の選手を抑えた関口が、男子100メートルを自己記録タイで優勝! 

陸上競技

第64回実業団・学生対抗競技大会 7月20日 神奈川・レモンガススタジアム平塚

 今年もレモンガススタジアムスタジアム平塚にて、実業団・学生対抗競技大会(実学対抗)が行われた。実業団と大学生のトップクラスのみが参加を許される本大会に、早大からは総勢5名が出場。関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)が男子100メートルを自己記録タイで優勝するなど、多くの選手がハイレベルな大会で堂々たる走りを見せた。

 最初に行なわれた女子400メートル障害には、千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)が出場した。同会場で行われた学生個人選手権(学生個人)では優勝を果たした千葉だったが、この日は序盤からなかなかペースを上げられない。内側レーンの選手に早い段階で抜かれると、得意の後半も伸びきらず。61秒21の8着でフィニッシュした。

ハードルを越える千葉

 

 続く男子400メートルには、二週間前の早慶対抗陸上(早慶戦)で45秒台を叩き出した眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)が出場した。本レースは得意の外側レーンではなく、1レーンからのスタートとなった眞々田。「前半の200メートルで流れがうまく作れなかった」(眞々田)と振り返ったものの、後半から落ちてくる選手を着実に抜かしていく。最後は、今泉堅貴(Team SSP)との競り合いを制し、46秒46の3着でゴール。蒸し暑さで体のだるさがあった中でも、46秒台中盤でまとめて見せた。

レースを走る眞々田(写真奥)

 

 そして女子100メートル障害には、林美希(スポ1=愛知・中京大中京)が登場。3つ隣のレーンにはパリ五輪代表に内定している福部真子(日本建設工業)もおり、ハイレベルなレースが予想された。レースはスタートから福部をはじめとする実業団選手が飛び出すかたちに。前がどんどん遠ざかる難しい展開の中で、ペースを大きく乱されずに淡々と走り切った林が13秒53の好タイムでゴールした。

ハードルを越える林

 男子110メートル障害に出場したのは西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)。本レースは、日本選手権以降の取り組みの成果を確認する場として臨んだ。鋭いスタートを見せた西だったが、ハードルを越えるごとに上位4選手からは徐々に離されてしまう。一方で他選手の追随は許さず、そのまま5着の13秒66でゴールした。わずか0秒03、自己記録に届かなかった西。それでも「練習を十分に積めていない中では上出来」(西)と明るく振り返った。

ハードルを越える西

 

 早大勢の中で最後の登場となった関口は、男子100メートルに出場した。早慶戦で腰を痛めていて、この日も万全ではなかったという関口。それでも今季好調の勢いそのままに、スタートから頭ひとつ飛び出すと、一人に交わされたものの他選手との競り合いを制し、2着でゴール。1着の選手がオープン参加だったこともあり、グランプリシリーズ優勝となった。フィニッシュタイムは10秒27で、自己記録タイ。優勝インタビューでは、強い追い風の時に出した自己記録に、無風でのレースで並んだことに手ごたえを口にした。

優勝インタビューに答える関口

 

 日本トップレベルの大会で確かな存在感を放った早大競走部。それでも選手たちは慢心することはない。日本学生対校選手権(日本インカレ)総合優勝のために、この日出場したエンジのエースたちが、チーム全体をさらなる高みへと連れていくだろう。

(記事 飯田諒 写真 飯田諒、髙杉菜々子)

 

結果

▽男子100メートル

関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)  10秒27(2着)(+0・0)

▽男子400メートル

眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)  46秒46(3着)

▽男子110メートル障害

西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)   13秒66(5着)(+0・1)

▽女子100メートル障害

林美希(スポ1=愛知・中京大中京)  13秒53(7着)(+1・2)

▽女子400メートル障害

千葉史織(スポ1=宮城・仙台一)  61秒21(8着)

 

コメント

眞々田洸大(スポ4=千葉・成田)

――解散期間がありましたが、その間も練習を積まれていましたか

早慶対抗陸上(早慶戦)が終わってから5日間完全休養という形で実家に戻って休養をして、その後はポイント練習だけをするかたちでした。しっかり練習をして、という中でのレースではありませんでしたが、秋シーズンに向けたスタートの大会にしたかったです。

――コンディションはいかがでしたか

疲労は抜けていたので、身体のコンディションは非常に良かったです。

――秋シーズンの初戦の位置づけということでしたが、目標はありましたか

この前の早慶戦で自己ベストを出したので、レースプランを新たに作るというよりかは、 早慶戦のレースをどれだけ再現できるかといったところを重視していました。自己ベスト付近のタイムを安定して出すレースを作りたいと思っていました。

――目標に対してご自身の結果をどうご覧になりますか

アップの時から蒸し暑くて身体のだるさは少しありましたが、その中でも46秒46でまとめられました。タイム的には喜べないのですが、秋シーズンのスタートとしては悪くないスタートを切れたと思います。

――今日の試合は周りの選手のレベルがかなり高かったと思いますが、早慶戦のレース展開の再現をするうえで難しさはありましたか

早慶戦は自分が1年間かけて作りたいレースをすることに重点を置いていました。1人で作るレースには自信がありましたが、今日は1レーンで自分の外側に強い選手がいたので、競った時にどれだけ自分の走りを見失わないか、というところを大事にしたかったです。周りの選手と比べて、波に乗れず勝負に参加できなかったというところが課題となりました。

――好きなレーンはありますか

6レーンや7レーンなど外側が良いです。自己ベストを出した時も6レーンでしたし、自分のリズムを作りやすいという面でそのレーンが好きです。今日は1レーンでしたが、今後1レーンにあたったときも「このレースを経たから」と内側のレーンに対しての不安材料を消せるようなレースにしようと思っていました。

――明日の意気込みをお願いします

ハイアベレージでまとめたいので、46秒切りを目指したいです。また、今日のレースの課題は前半の200メートルで流れが上手く作れなかったことなので、明日はアップのときからどのような形でレースを進めたいか想像したり動きを加えたりして、自分でしっかり考えてレースを進めていきたいと思います。

 

西徹朗(スポ3=愛知・名古屋)

――今日のコンディションはいかがでしたか

暑すぎましたが、暑いときには身体がしっかり動くのでいかに脱水や体力の消耗を防いでいくか、というところでした。

――本日のレースはどのような位置づけでしたか

日本選手権でトップレベルの選手たちとの差を実感したので、今回はタイムを狙うとともに、日本選手権以降の取り組みを確認する場として位置づけていました。東京世界陸上へのシーズンは始まっているので、そこで戦っていけるように基盤を作るための試合でもありました。

――日本選手権以降の練習で意識されていたことはありますか

足を痛めていてあまり走れていませんでした。その原因が自分の走りの形が崩れていることだったので、動けていなかった部分などをしっかり修正していくことをメインに練習していました。

――その練習を踏まえて、今日のレースはいかがでしたか

練習で改善したところを完全にはできませんでしたが、今までのレースとは違う感覚を得ることができました。崩れそうだなと思ったところも、自分の中では修正できました。自分の中でやろうとしていたことはある程度できたかなと思います。

――自己ベストまであと0秒03というタイムでしたが、どのように捉えていますか

走りの練習を十分に積めていない中では上出来でした。ですが、前の4人、実業団の選手3人と学生トップの選手から離されてしまっているという状況が日本選手権のときと同じだったので、そこの差を埋めていかなければいけないと感じました。

――夏の練習で意識したいことはありますか

ハードルの技術がいくら高くなっても、走力で0秒2、3の差が生まれていると思います。チームには10秒2台や10秒3台を持つスプリンターがそろっているので、彼らと練習で競って勝つことで自分のレベルを根本から上げ、走力での差を埋めたいなと思っています。

――今後の目標を教えてください

まず、今年は日本インカレ(全日本学生対校選手権)が一番の目標です。今は学生のレベルがとても高いですし、僕より自己ベストが速い選手や僕が何度も負けている選手がいるので、その選手たちに勝って今シーズンを良い形で終えたいです。そして、来年の東京世界陸上に出場しそこで戦っていくために、自信や実力をつけていきたいです。

 

関口裕太(スポ2=新潟・東京学館新潟)

――本日のレースの目標を教えて下さい

自分より速い実業団の方と学生の方がいたのですが、自分のレースに集中することで、前に出られても自分のリズムを崩さずについていくことが目標でした。結果的に10秒27という自己記録タイを出せて、大人の方がいるなかで勝ち切れたのは自分としては自信になりました。

――ご自身のレース展開を振り返っていかがですか

スタートから頭一つ飛び出ることができたので、そこで自分のリズムを崩すことなく駆け抜けられたと思います。

――状態はいかがだったのでしょうか

早慶戦(早慶対抗陸上)後に腰を痛めてしまって、一週間休んで新潟県選手権を挟んでの今日でした。腰の痛みがなかったら10秒1台を狙おうと思っていました。

――今シーズン好調ですが振り返っていかがですか

どちらかと言うと激しかったシーズンでしたが、陸上競技を楽しむことができています。

――明日のトワイライト・ゲームスの意気込みを教えてください

今日のレースで自信がついたので、明日も勝ち切っていこうと思います。

――夏に向けて強化したいことはありますか

後半の走りをもう少し強化したいです。