選手コメント集/日本選手権

陸上競技/競走

 東京・国立競技場にて3日間にわたり開催された日本選手権。山口智規駅伝主将(スポ4=福島・学法石川)が準優勝したほか、佐々木哲(スポ1=長野・佐久長聖)、関口裕太(スポ3=新潟・東京学館新潟)が3位に入り、早大から3名のメダリストが生まれた。本記事では、日本選手権にて活躍を収めた選手たちの声をお届けする。

佐々木哲(スポ1=長野・佐久長聖)

ーー5月末にはアジア選手権に出場されました。アジア選手権ではどのような収穫を得ましたか

 アジア選手権では世界との差、ラスト勝負で競り合うことのできる強さを身につけなくてはいけないと感じました。

ーーアジア選手権から意識して調整したことはありますか

 レースを想定した練習をより意識して行いました。

ーー今大会での目標を教えてください

 優勝です。

ーーコンディションはいかがでしたか

 良いかたちで調整できていました。

ーーレース中終始順位の変動が大きかったですが、どのようなことを考えてポジションを取っていましたか

 内側に入りたかったところでしたが、なかなかポジションが安定せず、落ち着かないレース運びになってしまいました。

ーー仕かけどころはどの辺りだと考えていましたか

 ラスト1000メートルです。

ーーラスト1周を前に、先頭争いが3人に絞られた時は、余力はどれほどありましたか

 ラスト1周の鐘まではまだ少し余力はありましたが、ラスト勝負までの体力は残っていませんでした。

ーー最後に、今大会で得た収穫や課題を教えてください

 収穫は日本のトップの舞台でこのような結果を残せたことです。課題はラストの苦しいところでもう一段階ギアを上げる走りができなかったことです。

渕上翔太(スポ2=東福岡)

ーーシニアとしては初めての日本選手権となりました。大会全体を振り返っていかがでしたか

 この舞台で走れたことは、自分にとって本当に大きな経験になりました。決勝の舞台に立てたことは嬉しかったですし、やりがいを感じました。一方で、まだこの舞台でしっかり戦える状態にはないと痛感したレースでもありました。

ーー日本学生対校選手権が終わってから、日本選手権に向けてはどのような点を意識して調整しましたか

 ラストの伸びという部分が自分の課題だと感じていたので、そこに重点を置いて調整しました。特に今回は、レースが連続していなかったこともあり、しっかりと時間を取って、練習の質を高めることに取り組みました。

ーー予選のレースを振り返ってみていかがでしたか

 非常にレベルの高い組だったので、かなり緊張しました。プラスでの通過ではありましたが、その中でもしっかり戦って決勝に進むことができたのは良かったです。また、先輩の山内大夢さん(令4スポ卒=現東邦銀行)と一緒に走れたことも、大きな刺激になりました。

ーー予選から決勝に向けて、修正した点や決勝のレースプランがあれば教えてください

 予選ではラストの部分で自分の持ち味を出せなかったので、決勝では順位だけをしっかり取りにいくつもりで、終盤勝負の展開を意識しました。できるだけ集団の射程圏内にいられるようにして、最後に勝負をかけるというプランでした。

ーー決勝のレース全体を振り返っていかがですか

 正直、「何もできなかった」という一言に尽きます。前半から思うように動けず、300メートルの通過の段階で、すでに他の選手と大きく差が開いてしまっていました。本当に戦うことができなかった、と感じています。あっという間にレースが終わってしまったという感覚です。

ーー今回のレースから得られた収穫があれば教えてください

 今年は学生の大会では2位が続いていて、悪くない成績ではあったのですが、そこで少し甘えが出てしまっていたと思います。今回のレースは、そうした自分の弱さに向き合ういい機会になりました。いい意味での刺激を受けたので、気を引き締め直して、もう一度自分を見つめ直し、速くなるためには何が必要かという視点で取り組んでいきたいと感じました。

ーー今シーズン残りのレースへの意気込みをお願いします

 まずは再来週に控えているユニバーシアードに集中したいと思います。日本代表として出場させていただくので、大学代表としての責任を持って、まずは結果をきちんと出したいです。その上で、来年、再来年と続いていくこれからの舞台に向けて、もう一段階レベルアップする必要があると思っています。そのために、残りのシーズン、練習から全力で取り組んでいきたいと思います。

山口智規駅伝主将(スポ4=福島・学法石川)

ーー今大会のコンディションはいかがでしたか

 日本インカレ(日本学生対校選手権)と高地合宿で1週間前まではかなり調子が悪かったのですが、直前になって状態が上がり、自信を持ってスタートラインに立つことができました。

ーー1500メートルに出場した意図を教えてください

 5000メートルよりも自信があったことと、花田さん(花田勝彦駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)といろいろ相談して決めました。

ーー日本インカレでは中距離専門選手への対応として、中盤で抜け出すレースプランでした。今回のレースプランはどのようなものでしたか

 日本インカレと同じプランでしたが、実力が格上、経験が豊富な実業団選手との勝負だったので、ラスト100メートルまで足を動かせる準備をしようと思っていました。

ーー実際のレースの振り返りをお願いします

 集団の中で溜めていたらまた違う結果になったかもしれませんが、自分が今やりたい走り、後悔しない選択ができたので良かったと思います。

ーーラストスパートはどれほど余力が残っていましたか

 ラスト200メートルの段階ではまだ余力がありましたが、ポジションが悪く飯澤さん(千翔、住友電工)のスパートに対応が遅れてしまいました。しかし、飯澤さんのラスト120メートルのスパートは正直わかっていても敵うものではなかったと思います。

ーー最後は笑顔が見られましたが、どういう心境だったのでしょうか

 自分のやりたいことができ、負けはしたものの、楽しかったという感情でレースを終えることができたことからの笑顔だと思います。

ーー今年は幅広い距離のレースに出場されてきました。駅伝シーズンに向けて、距離に関して今後の方針など考えていることがありましたら教えてください

 出雲(出雲全日本大学選抜駅伝)、全日本(全日本大学駅伝対校選手権)、箱根(東京箱根間往復大学駅伝)と距離を伸ばして行くだけです。

関口裕太(スポ3=新潟・東京学館新潟)

ーー日本インカレ後は何を意識して練習に取り組んできましたか

 脚づくりを意識して練習に取り組んでいました。日本インカレ後は、とにかく距離を踏んで日本選手権で3本しっかり走れる脚づくりをメインに練習していました。

ーー今大会のコンディションはいかがですか

 2週間前までは練習三昧で疲労困憊(こんぱい)でしたが、1週間半前から疲労を抜き始めて上手い具合に疲労が抜けてくれたお陰で、身体のピークを上手く合わせることができました。コンディション的には良かったです。

ーー初のシニアの日本選手権でしたが、どのような思いで望みましたか

 テレビに映っているような選手たちがたくさんいて緊張やワクワクがありましたが、自分にとにかくフォーカスすることだけを意識して臨みました。上手く自分の世界に入れたからこそ、このような結果も得られたのかなと思っています。

ーー予選、準決勝のレースを振り返っていかがですか

 予選、準決勝ともに鋭くスタートすることができました。予選は60メートルまでで少し身体の起き上がりが早かったので、準決勝では起き上がりを遅くする、そこだけを修正しました。

ーー準決勝から修正した点はありますか

 後半区間で並ばれると力みやガチャガチャする走りになるので、奥行きを持った走りを意識しました。

ーー決勝のレースを振り返っていかがですか

 スタートが浮いてしまいワンテンポ遅れるかたちでレースを展開したので、満足していません。スタートを安定させるにはもう少し取り組みが必要だなと感じています。3位という形は残せたのであとはタイムを出すだけだと感じています。

ーー今回のレースの収穫と課題はありましたか

 収穫としては、初出場で3位という結果については一定の評価をしても良いと思うのですが、タイムの面で満足していない部分があるので、これからタイムを出すためにレースに出て行きたいと思います。また、課題としてはスタートの安定性を高めることと後半の走りをもう少しコンパクトにすることです。この2つを改善できてくればもっと良いタイムが狙えると思います。