早大競技会にLEDペーサーが登場!計18名が力強い走りを披露

陸上競技/競走

第4回早大競技会 7月13日 埼玉・織田幹雄記念陸上競技場

 まだ日の昇り切らない午前7時過ぎから行われた第4回早大競技会。今年の対校戦への出場はかなわなかった選手たちを中心に、3000メートル、5000メートル合わせて18名の選手が出場した。今大会では電子ぺーサーが試験的に導入され、選手たちは各組の設定タイムに合わせて力強い走りを披露した。3000メートル1組の山田晃央(商1=東京・早実)が8分07秒92で1着となるなど、8名が自己記録を更新する充実の大会となった。

 最初に行われたのは5000メートル。4人という少人数でのレースであった。早大からは伊藤幸太郎(スポ4=埼玉・春日部)、宮岡凜太(商4=神奈川・鎌倉学園)が出場。レース序盤は馬場アンジェロ光(東洋大)が引っ張る展開に。伊藤幸は先頭についていく一方、宮岡は単独走でレースを進める。1000メートルを2分51秒で通過した集団は、3000メートルまで一定のペースを保つ。レースが動いたのは、3400メートル付近。伊藤幸がペースを上げ、集団の前方へ躍り出た。4000メートル通過後もペースを落とさず、田中純(東洋大)との一騎打ちへ。ラスト1周、粘る伊藤幸であったが、田中にスパートで交わされ14分26秒61の2着でフィニッシュ。終始単独走を続けた宮岡は14分40秒29でレースを終えた。

 続いて行われたのは3000メートル1組。早大からは計9名の選手が出場。レース序盤は、間瀬田純平(スポ4=佐賀・鳥栖工)と山田の2選手が飛び出し、他選手を置いていく展開に。1キロ2分40秒ペースで走っていく中で、間瀬田の後ろについていた山田は1800メートル付近から抜け出しトップに立った。LED電子ペーサーの設定タイムである8分10秒を目安にしていたという山田はその後もペースを落とさず、自己ベストを10秒ほど更新する8分07のタイムを記録し1着でゴール。自己ベストを記録し「自信になった」と語る山田。納得のかたちでトラックシーズンを終えた。

 3000メートル2組には、鈴木翔瑛(人2=群馬・富岡)、宮本優希(人3=智辯学園和歌山)、斉藤天紀(スポ1=埼玉・川越東)、神先強志(スポ1=東京・駒澤大学)、安食光翔(スポ1=山形南)、舩生颯太(先理2=静岡・韮山)、門馬海成(政経4=福島・会津)の7名が出場。8分30秒のLED電子ペーサーが設置されたレースは、スタート直後から縦長の展開となった。1000メートル地点を2分50秒で通過した先頭集団には、宮本、舩生、鈴木翔、神先らが位置し、積極的な走りを見せる。一方、門馬や安食は中盤からやや後方に位置し、粘りのレースを展開する。レースが動いたのは2000メートルを過ぎたあたり。宮本と鈴木翔が集団から抜け出す。迎えたラスト1周、鈴木翔が鋭いスパートを放ち、宮本を振り切ってトップに立つと、そのままの勢いでフィニッシュ。終盤にギアを一段上げた走りで1着となり、自己新をマークした。宮本も2000メートル以上を先頭で引っ張る力強いレース運びで2着に入り、舩生、斉藤、神先、門馬、安食と続いた。

 トラックシーズンはいよいよ佳境を迎え、選手たちは駅伝シーズンを見据えて、鍛錬の夏へと歩みを進める。東京箱根間往復大学駅伝(箱根)での頂点を目指す今季、トラックシーズンで積み重ねた走力と収穫を、いかにチームの総合力として結実させるかが、鍵を握る。今レースで得た手応えと課題を胸に、それぞれが己と向き合う夏が始まる。進化を遂げた走りが、駅伝シーズンでどのような輝きを放つのか、期待は高まるばかりだ。

(記事・写真 石本遥希、植村皓大、谷田光太郎)

結果

▽男子5000メートル

伊藤幸太郎(スポ4=埼玉・春日部)  14分26秒61(2着)

宮岡凜太(商4=神奈川・鎌倉学園)   14分40秒29(4着)

男子3000メートル

山田晃央(商1=東京・早実)   8分07秒92(1組1着)自己新

武田知典(法3=東京・早実)  8分20秒17 (1組5着)自己新

瀬間元輔(スポ2=群馬・東農大二)  8分21秒37 (1組6着)自己新

間瀬田純平(スポ4=佐賀・鳥栖工)  8分22秒08 (1組7着)

安江悠登(法3=埼玉・西武学園文理)  8分26秒31 (1組9着)自己新

大和田春(スポ2=高知追手前)  8分30秒70(1組12着)自己新

冨田拓臣(スポ1=茨城・水城)  8分35秒35 (1組15着)

桑原マテウス大地(スポ1=東京・国学院久我山)  8分36秒90 (1組17着)

須山向陽(スポ4=鹿児島城西)  8分39秒28 (1組18着)

鈴木翔瑛(人2=群馬・富岡)  8分32秒35 (2組1着)自己新

宮本優希(人3=智辯学園和歌山 )  8分34秒67(2組2着)

舩生颯太(先理2=静岡・韮山)  8分35秒50(2組3着)自己新

斉藤天紀(スポ1=埼玉・川越東)  8分43秒36 (2組7着)自己新

神先強志(スポ1=東京・駒澤大学)  8分49秒84 (2組10着)

門馬海成(政経4=福島・会津)  8分58秒75 (2組13着)

安食光翔(スポ1=山形南)  9分02秒32 (2組14着)

コメント

ーー今日のコンディションについてはいかがでしたか

 このレースに向けては特別な調整はせず、あくまで練習の一環という位置づけでした。ただ、ここ数日涼しい日が続いていたこともあり、調整していない割には体の状態は良かったと思います。

ーー今日のレースの目標タイムなどはありましたか

 特にタイムを設定していたわけではありませんが、東洋大学の選手が14分00秒から14分10秒で走ると聞いていたので、そのあたりについていけたらと思っていました。自己ベストも狙えるかなという気持ちはありましたが、あまりタイムにはこだわらず、走ってみて良ければ更新できたらというスタンスでした。

ーーレース全体を振り返っていかがですか

 東洋の選手が14分00秒で行くと言っていたので、ついていくのは厳しいと思っていました。ただ、実際はそこまで速くなく、逆にちょうど良いペースで走ることができました。結果としては、あまり無理せずにレースをまとめられたと思います。

ーー今日のタイムについての評価を教えてください

 人数が少なかったこともあり、後半は1人で走る場面も多くなりました。満足できるタイムではないですが、コンディションを考えれば悪くない内容だったと思います。

ーーこれから迎える夏合宿に向けて、意識して取り組みたいことはありますか

 昨年は夏合宿を完走したものの、箱根駅伝のエントリーメンバーには入れませんでした。今年は最終学年として、チームを引っ張る立場でもあるので、自分の走りをしっかりアピールしながら、それがチーム全体の力にもつながればいいと思っています。

 

ーー今日の調子はいかがでしたか

 練習の一環ということで、それほど調整をしていませんでしたが、自分の実力をどれだけ発揮できるかを意識しました。

ーー今日の気象条件はどうでしたか

 当初の予報と異なり、湿度や気温が高く、厳しいコンディションでした。しかし、その中で集中して走れたのでよかったです。

ーー今日のレースの目標はどのくらいの設定でしたか

 ここ最近の練習での調子がよく、8分1桁と組トップを狙っていこうと監督(花田勝彦駅伝監督、平6人卒=滋賀・彦根東)と話をしていたので、目標を達成できてよかったです。

ーー途中まで間瀬田純平選手(スポ4=佐賀・鳥栖工)と競る展開でしたが、どのようなことを考えていましたか

 電子ペーサーの設定が8分10秒ということで、間瀬田さんと2人でそこを目安に一緒に行こうという話をしていました。

ーー自己ベストを記録したことについての感想をお聞かせください

 大学に入って強度の高い練習ができており、確実に力がついているという印象を持っていたので、自信になりました。

ーー最後に夏合宿に向けての目標をお願いします

 これでトラックシーズンは終わりますが、いいかたちで締めくくることができたので、夏合宿はケガをせずしっかり走り込んで、秋の駅伝シーズンに積極的に絡んでいければと思います。