第113回早慶対抗試合 6月14~15日 早稲田大学東伏見三神記念テニスコート
今回で第113回を迎える早慶対抗試合(早慶戦)が早大東伏見キャンパスにて開催された。関東学生トーナメント(春関)で功績を残した選手がメンバーに名を連ねる早大。初日のダブルスでは難なく2勝を手にし、シングルスでも4勝1敗と慶大を圧倒。層の厚さを見せつけ、最終スコア6-1で伝統の一戦を制した。

D1に出場した平田(右)・小髙組
団体戦の勝敗のカギとなる1日目のダブルス。ダブルス1には昨年の全日本学生室内選手権(インカレインドア)ダブルスを制した平田葵副将(スポ4=神奈川・白鵬女子)・小髙未織(スポ2=埼玉・浦和麗明)組が出場した。第1ゲームをキープすると、勢いそのままに3ゲームを連取。第5ゲームは、慶大・大橋のサーブに苦しみ落としたものの、デュースとなった第6ゲームは、春関で単複優勝を果たした小髙のボレーで取り切った。流れを取り戻した平田・小髙ペアは、ゲームカウント6-1で第1セットを獲得。第2セットも早大ペースで試合は進み、3ゲームを先取する。第4ゲームを落とすが、その後は追随を許さず6-1で第2セットを終え、見事にストレート勝ちを収めた。そして、ダブルス2に出場したのは、金子さら紗主将(スポ4=埼玉・浦和麗明)・網田永遠希(スポ1=山口・野田学園)組。互いにキープし、1-1で試合が始まる。しかし、そこからは危なげのない展開で、5ゲームを連取。ゲームカウント6-1で第1セットを獲得した。続く第2セットも早大を率いる主将と期待のルーキーペアは盤石な戦いを見せる。金子のボレー、網田の正確なショットで得点を重ね、ゲームカウントは6-1。こちらもストレート勝利に終わり、早大としては2-0とリードを持って初日を終えた。

S4に出場した金子主将
迎えた2日目。最初に登場したのはダブルスでも活躍を見せたシングルス5の平田とシングルス4の金子だ。平田は慶大の荒木と対戦し、試合開始直後から主導権を握る。ラリーで前後に揺さぶると、スマッシュを決め切り相手を翻弄(ほんろう)。続く第2セットも6-0と圧倒的な強さを見せ、チームを勢いづける勝利を挙げた。平田の隣のコートに立った金子も順調な滑り出しを見せる。第1ゲームをブレイクするとコースに打ち分け、相手の菅原を走らせる。6-2で第1セットを獲得すると第2セットも勢いそのままに6-2で白星を挙げ、チームの核となる4年生2人が早大の勝利を確定させた。降雨の影響で、インドア男女2面展開となると、シングルス3に登場したのは、昨年インカレインドアシングルス王者の宮田萌芳(基理4=東京・雙葉)。鋭いサーブから流れを作り出すと、難なく第1セットを獲得する。第2セットは互いにキープし2-2で始まる拮抗(きっこう)した展開に。しかし、第5ゲームをブレイクすると再び主導権を握った宮田。フォアハンドが炸裂(さくれつ)し、激しい打ち合いをものにする。相手を寄せ付けず4ゲームを連取し、快勝を収めた。

ガッツポーズを見せる宮田
ここまで順調に白星を重ねた早大。目標の全勝優勝へのバトンは、厳しい戦いが予想される上位陣に繋がれる。シングルス2の田邑来未(スポ3=大阪・城南学園)は、開始から強烈なフォアハンドで対する西を圧倒。着実に得点を重ねて6-2で第1セットを獲得した。変わって第2セットは、ペースを掴みきれず0-2とリードを許す。しかし第3ゲームからは調子を取り戻し、一気に3ゲームを獲得して逆転。そこからは反撃の隙を与えず、ストレート勝利を挙げた。最後のシングルス1に登場した小髙は、慶大副将の中島と対戦し、先行される展開に。第5ゲームでは、スライスショットを織り交ぜるなど冷静なプレーで長いデュースを制し、会場を沸かせた。しかし、第6ゲームでブレイクを許すと、2-6で第1セットを落とす。続く第2セットも、わずかにコートにボールが収まらず0-6でストレート負け。悔しい敗戦となった。

サーブを打つ田邑
最終スコアは6-1。目標の全勝とはならなかったものの、宿敵を相手に個々の実力の高さを見せつけた。新体制になり約2カ月が経ち、迎えたこの早慶戦。金子主将は「非常にいいチームになっている」と手ごたえを感じている。チームとして見据える先は「王座優勝」ただ一つ。早慶戦で得た自信と課題を胸に、力強く歩みを進める。
(記事 辻岡真波 写真 林朋亜、山下直輝、吉川佐和子)
結果
〇早大6-1慶大
ダブルス
D1〇平田葵・小髙未織2-0(6-1、6-1)大橋麗美華・田島楓
D2〇金子さら紗・網田永遠希2-0(6-1、6-1)中島玲亜・西飛奈
シングルス
S1●小髙未織0-2(2-6、0-6)中島玲亜
S2〇田邑来未2-0(6-2、6-3)西飛奈
S3〇宮田萌芳2-0(6-2、6-2)田島楓
S4〇金子さら紗2-0(6-2、6-2)菅原悠
S5〇平田葵2-0(6-1、6-0)荒木もな
コメント
金子さら紗主将(スポ4=埼玉・浦和麗明)
――チームとしてどのような意識で早慶戦に臨まれましたか
ただ勝利するだけでなく、全勝して終わることを意識して、早慶戦に臨みました。
――6-1で勝利を収めましたが、結果を振り返っていかがですか
全勝という目標には届かなかったものの、一年生も含めた新体制になってから2ヶ月程のチームでしたが、全員が同じ方向を向いて戦うことができていたと思います。全員役回りは違いますが、同じ目標に向かって全員がそれぞれの持ち場で全力を尽くせた結果だと感じていて、非常に良いチームになっていると思います。
――1年生の網田選手とのペアでダブルスに出場されましたが、振り返っていかがですか
網田は大学生になってから初めての団体戦でしたが、非常に頼もしかったです。1ポイント目から集中し、元気を出しながら戦っていたので、お互いがお互いを引き上げられた試合になったと思います。
――シングルスでは早稲田の勝利を確定させる試合となりましたがいかがでしたか
自分が確定させるという面は特に考えていませんでした。ただ、全勝するという目標に向かって、自分もその目標に届かせる一戦を勝って帰ってくることだけを考えていました。
――今後の意気込みをお願いします
平田葵副将(スポ4=神奈川・白鵬女子)
――どのような気持ちでこの早慶戦に臨まれましたか
4年目最後の春の早慶戦ということで必ず勝って終わりたいという気持ちで臨みました。
――ダブルスの試合を振り返っていかがですか
ペアの小髙とは去年のインカレインドアで優勝し、かなり自信のあるペアでした。団体戦出場は初めてだったので、少し不安もありましたがD1としてチームに勢いをつけられる試合が出来たと思います。
――2日目のシングルスの試合を振り返っていかがですか
団体戦のシングルスは4年目で初めての出場となり、かなり緊張しましたが、仲間の応援、サポート、チーム一丸となって勝ちにいけることができ、少しほっとしています。
――全体として6-1で勝利を収めましたが、振り返っていかがですか
副将としてチームを引っ張っていく中で、まずこの最初の早慶戦を6-1で締めくくれたことは本当に良かったと思います。しかし、選手の中では多くの課題は出たと思うので、夏に向けてまたみんなで頑張っていこうと思います。
――最後に今後の意気込みをお願いします
私たちの目標は王座優勝です。そこに向けて全員がみんなのために頑張れるそんなチームを作り、今年こそは悲願の王座アベック優勝を狙いたいと思います。また私自身はこの半年でテニス人生を終えます。今までお世話になった、両親をはじめ、監督、コーチ、OB・OGの方々、そしてテニスを通じて出会うことができた先輩、後輩、同期仲間たちに最高の恩返しができるよう、やりきりたいです。