神鳥がシングルス優勝、神鳥・斎藤組が2連覇を達成! 早大女子が単複の1位2位独占で強さ示した

庭球女子

 全国ランキング上位者32人、16組が全国タイトルを争う全日本学生室内選手権(インカレインドア)。最終日は決勝が行われた。女子シングルス決勝は神鳥舞(スポ3=東京・早実)と梶野桃子(社2=京都外大西)の組み合わせ。女子ダブルス決勝は前回大会覇者で今年の全日本学生選手権(インカレ)優勝ペアの神鳥・斎藤優寧(スポ2=岡山学芸館)組と石川琴実(社4=神奈川・白鵬女)金子さら紗(スポ1=埼玉・浦和麗明)組の組み合わせとなり、単複ともに早大対決で日本一を争うことに。結果は女子シングルスは神鳥が優勝、女子ダブルスは神鳥・斎藤組が大会2連覇を飾り、神鳥は単複同時優勝の快挙を成し遂げた。

★神鳥がシングルスで初の全国タイトルを獲得! 敗れた梶野は来年に思いつなぐ(女子シングルス決勝)

 フォアハンドを打つ神鳥

 フォアハンドを打つ梶野

 女子シングルス決勝は、3年生の神鳥と2年生の梶野との同士討ちとなった。神鳥のサービスゲームで始まった第1セット。神鳥は梶野に1ポイントも許すことなく、3ゲームを連取する。続く第4、5ゲームはポイントを奪われながらも梶野を左右に振り、浮いたボールを叩くなどしてポイントを重ね、獲得。第6ゲームは梶野がキープしたものの、第7ゲームを神鳥がしっかり獲得し、6-1で第1セットをものにした。

  優勝を決めるボレーを打つ神鳥

 第1セットは終始神鳥がペースを握っていたが、第2セットは「切り替えて、自分のプレーを少しずつ出せるようになった」という梶野が先に主導権を握る。第1ゲームをキープした梶野は続く第2ゲームも神鳥のミスを誘う粘り強いラリーを展開し、ブレークに成功。このまま良い流れに乗りたい梶野だったが、神鳥が意地を見せ、1ゲームを返す。第4ゲームは激しいラリーの応酬となり5度のデュースの末、神鳥が獲得。その後は梶野のライン際へのショットが決まりはじめ、両者ポイントを奪い合う時間帯が続き、5-4までもつれた。それでも最後まで崩れず、試合を優位に進めた神鳥が最後のポイントをボレーで獲得し、試合終了。今年のインカレでシングルス準優勝とあと一歩のところで悔しい思いをした神鳥がシングルスでは初めてとなる全国タイトルを手にした。一方、敗れた梶野は「来年、インカレで優勝を狙えるように日々精進していきたい」と決意を新たにした。

★神鳥・斎藤組が抜群のコンビネーションを見せ、大会2連覇達成!(女子ダブルス決勝)

 プレー間に話し合う神鳥(左)と斎藤

 サーブを返球する石川(右)と金子

 前回大会、そして今年のインカレ優勝ペアの神鳥・斎藤組と4年生と1年生のペアリングの石川・金子組との対戦となった女子ダブルス決勝。石川が「めっちゃ早かったなという印象」と振り返る第1セットは序盤から神鳥・斎藤組がインカレ女王の風格を見せつける。神鳥・斎藤組が第1ゲームをブレークすると、続く第2ゲームもしっかりとキープ。第3ゲームは金子が高い反応速度でボレーを決めるなどして石川・金子組が獲得したが、その後はラリーの中で要所のプレーを決めきった神鳥・斎藤組が4ゲームを連取し、6-1で第1セットをものにした。

 続く第2セットも神鳥・斎藤組が試合のペースを握る。石川・金子組もしぶとくラリーを繋ぎ、簡単ではないボールも果敢に叩きに行くなどして得点するが、返球が屋根に当たる不運もあり流れに乗り切れない。その後はサーブで相手を崩し、的確なショットやボレーを打ち込む神鳥・斎藤組が着実に得点を重ねていく。そして5-3で迎えた第9ゲーム。デュースの末に神鳥・斎藤組が獲得し、昨年のインカレインドア、今年のインカレに続く優勝を決め、『インカレ3連覇』を達成。神鳥は単複同時優勝の快挙達成となった。

 優勝を決め、ガッツポーズをする斎藤(左)と神鳥

 「最後のゲームを取ることができていれば、次が自分たちのサーブだったのでもう少しチャンスがあったかなと思います」(金子)と石川・金子組にとっては悔しさの残る結末に。それでも試合後には神鳥・斎藤組の地力の高さを語り、頂点に立った同士を称えた。神鳥・斎藤組は「インカレで1回、インカレインドアで2回優勝する事ができたので、これからはこの回数を増やしていくだけ」(神鳥)、「学生相手に勝つだけではなくて一般の大会でももっと活躍できるように」(斎藤)と更なる高みを見据えていた。

 早大女子が単複で1位、2位を独占し、その強さを示して閉幕した今大会。単複優勝の神鳥がチャンピオンスピーチで口にした最終目標は「全日本大学対抗王座決定試合(王座)優勝」だ。今大会のような個人戦ではライバルとなる選手たちだが、目指す場所は共通している。女子部が3大会遠ざかっている王座奪還へ。まずは2022年を良いかたちで締めくくった。

(記事・写真 佐藤豪)

 左から単複優勝の神鳥、複優勝の斎藤、単準優勝の梶野、複準優勝の石川・金子

結果

女子シングルス決勝
○ 神鳥舞 [6-1、6-4] ●梶野桃子
女子ダブルス決勝
○ 神鳥舞・斎藤優寧 [6-1、6-3] ●石川琴実・金子さら紗

コメント

石川琴実(社4=神奈川・白鵬女)・金子さら紗(スポ1=埼玉・浦和麗明)

――準優勝おめでとうございます。今の率直な気持ちを教えてください

石川 ありがとうございます。金子と組むことになって自分の中でベスト4は行きたいなと思っていて。その中でドローもあったけど、ここまで変な負けもなく、勝ち上がれたのはよかったのかなと思います。ですが今日は相手の方が全てにおいて上だったかなと思います。

金子 自分も急遽石川さんに組んでもらうことになって。このチャンスを活かしていけるところまで勝ち上がりたいなと思っていた中で、決勝まで勝ち上がって来れたのはよかったのですが、決勝戦は実力的に敵わなかったというか、相手が強かったなと感じます。

――今大会のペアはどのように組んだのですか

石川 自分がポイントを持っている中で、自分も下級生の時はポイントを持っている上級生に助けてもらっていたので話が来たときに(ペアリングを)受けました。

――今日の試合を振り返ります。今日の試合にはどのような気持ちで臨みましたか

石川 今の自分と金子で真っ向勝負をすると相手に分があるのは分かっていたので、「気合いでいこう」という気持ちで入りました。最初は(笑)。

金子 気持ちだけは負けないようにというところで入ったのですが、向こうには実力がしっかりある分、実力を出してきたときには歯が立たなかったなと思います。

――第1セットを振り返っていかがですか

石川 早かったな(笑)。めっちゃ早かったなという印象です。

金子 全然何もできなくて。

石川 離されてしまったから相手に余裕を持たせてしまいました。

――第2セットを振り返っていかがですか

金子 第1セットと同じ感じですが、最後のゲームを取ることができていれば、次が自分たちのサーブだったのでもう少しチャンスがあったかなと思います。そこを取りきれなかったのはやはり向こうが強かったなと思います。

――石川選手はこの1年間を振り返ってみてどうですか

石川 苦しかったなというのが正直な感想ではあるのですが、最後、楽しかったです。

――金子さんの今後への意気込みを聞かせてください

金子 もちろん目標としてはダブルスもシングルスも全国のタイトルを取ることは目標としています。あとは団体戦、リーグなどであまり勝ち星をつけれていないのでそういうところでもしっかり活躍したいと思います。

神鳥舞(スポ3=東京・早実)・斎藤優寧(スポ2=岡山学芸館)

――大会連覇おめでとうございます。今の率直な気持ちを教えてください

神鳥 ありがとうございます。単複優勝する事ができてすごく嬉しいのと、ほっとした気持ちの両方があります。

斎藤 2連覇する事ができてよかったのですが、緊張していたので、とりあえずほっとしています。

――今日の試合を振り返ってみていかがですか

神鳥 同士討ちだったので練習試合でもやっていて、もちろんお互いに苦手なところを分かった上での試合になったのでやりにくい部分はあったのですが、自分たちの方が強気にいつも通りプレーできたのかなと思います。

斎藤 序盤から自分たちらしく攻めていけたのがよかったなと思います。

――今後に向けて意気込みを聞かせてください

神鳥 インカレで1回、インカレインドアで2回優勝する事ができたので、これからはこの回数を増やしていくだけだと思うので、この結果に満足せず、2人で頑張っていきたいと思います。

斎藤 全日本選手権に今年初めて出場して悔しい思いをしたので、学生相手に勝つだけではなくて一般の大会でももっと活躍できるように頑張っていきたいと思います。

梶野桃子(社2=京都外大西)

――準優勝おめでとうございます。今の率直な気持ちを教えてください

 ありがとうございます。まず、今まで全国でベスト16以上に行ったことがなかったし、大学に入ってからあまり勝てていなかったので、全日本学生室内選手権で決勝まで来ることができたのは本当に嬉しいなと思います。でも、決勝は経験不足もあって思うようにプレーできず、悔いの残る結果になったので、この経験を生かして次はタイトルを取れるように頑張りたいと思います。

――決勝は同士討ちとなりました。どのような気持ちで試合に入りましたか

 先輩ということもあって胸を借りる感じでいこうと思ってはいたのですが、少しやりづらさはありました。

――今日の試合どのようなゲームプランを立てて臨みましたか

 緊張するだろうなというのはあったので、自分の力を全て出して、自分のプレーをしっかりすることを徹底してやろうと思っていました。

――第1セットを振り返っていかがですか

 緊張もあって全然思うようにプレーできず、ほとんどポイントも取れずにゲームを落としてしまって、「やばいな」と思いました。

――第2セットを振り返っていかがですか

 第2セットは切り替えて、自分のプレーを少しずつ出せるようになったので、試合にはなりましたが、2-0から3-0にできそうな場面で流れを作っていけませんでした。もう少し入りから声を出して相手にプレッシャーをかける事ができればよかったのですが、終始相手の雰囲気でプレーが進んでいたなと思います。

――今回の結果を踏まえて、今後に向けて意気込みを聞かせてください

 今回準優勝という結果を残す事ができたのですが、まだ2年生なので来年、インカレで優勝を狙えるように日々精進していきたいなと思います。