大会第8日目に行われた女子ダブルス準決勝に下地奈緒副将(社3=沖縄尚学)・吉岡希紗(スポ1=三重・四日市商)組が臨んだ。清水映里主将(スポ3=埼玉・山村学園)・梶谷桜舞(平28スポ卒=現ロブテニスアカデミー)の棄権というかたちで準決勝へと駒を進めていた下地・吉岡組。対するは第1シードの波形純理(平17社卒=現伊予銀行)・加治遥(島津製作所)組となった。
第1シード相手に果敢に立ち向かった下地・吉岡組
プロの世界で活躍するペアを相手に粘りながらも、ファーストセットを5−7で落とした下地・吉岡組。「最後の方にいい流れでプレーできて、そのままのかたちで強気でプレーできた」(下地)、「自分たちがやりたいようにできていた」(吉岡)と話すように、ファーストセットでカウント2−5から追い上げを見せた下地・吉岡組に流れはあった。抜群のコンビプレーでポイントを積み上げ、セット開始から4ゲームを立て続けに奪う。5−1から4ゲームを返されたものの、続くゲームでブレークアップに成功。このセットをカウント7−5とし、勝負をファイナルセットへと持ち込んだ。
しかし、ファイナルセットはプロの威厳を見せつけられた。「セカンドセットは後半に追い上げられたことで、ファイナルセットはうまく入れなかった」と下地。吉岡も「私たちがやりたいことができないまま進んで、流れが向こうに行ってしまった」と振り返るように、序盤から立て続けにゲームを落とし大勢を決定付けられた。格上相手に善戦を見せたが、ファイナルセットはカウント1−6と力尽き、下地・吉岡組の全日本の挑戦は準決勝で幕切れとなった。
試合後、握手を交わす両ペア
ベスト4という結果については「嬉しくはないですね」と吐露した吉岡。準々決勝は相手の棄権、準決勝は格上相手に惜敗と素直に喜べない部分もあった。ただ、大会を通じてのプレーについては下地、吉岡ともに「自信になった」と口をそろえた。次なる舞台は学生チャンピオンを懸けた全日本学生室内選手権(インカレインドア)。意気込みを尋ねると下地は「そんなにおごれるほどの状況でもないと思うので(笑)。謙虚になりすぎることもなく、どんな相手に対してもチャレンジをしてきたい」とこれまでと変わらぬ心掛けを強調した。春からペアを組み、関東学生選手権優勝、関東大学リーグ全勝、全日本選手権ベスト4と着実に自信を深めてきた下地・吉岡組。今季を締めくくるインカレインドアでも躍動し、一気に学生を代表するペアへと駆け上がるだろうか。
(記事、写真 林大貴)
結果
女子ダブルス
▽準決勝
●下地奈緒・吉岡希紗 [5-7、7−5、1−6] 波形純理(伊予銀行)・加治遥(島津製作所)
最終結果
男子シングルス
▽ベスト4
島袋将(スポ4=三重・四日市工)
▽ベスト32
田中優之介副将(スポ3=埼玉・秀明英光)
▽1回戦
木元風哉主将(社3=埼玉・早大本庄)
千頭昇平(スポ3=愛知・誉)
白石光(スポ1=千葉・秀明八千代)
女子シングルス
▽ベスト8
清水映里
男子ダブルス
▽ベスト16
島袋将・望月勇希(中大)
▽1回戦
古賀大貴(スポ4=大分舞鶴)・安上昂志(スポ4=福岡・柳川)
木元風哉・田中優之介
白石光・松田龍樹(近大)
女子ダブルス
▽ベスト4
下地奈緒・吉岡希紗
▽ベスト8
清水映里・梶谷桜舞
混合ダブルス
▽ベスト4
田中優之介・清水映里
コメント
下地奈緒副将(社3=沖縄尚学)・吉岡希紗(スポ1=三重・四日市商)
――大先輩の波形選手を擁する第1シードペアが相手でした。臨むにあたっての意識は
下地 強敵だとは思っていたんですけど、私たちがいいプレーができれば絶対にチャンスはあると思って臨みました。
吉岡 名前を見ればすごく強い方々なんですけど、最初から自分たちのプレーをしていこうと思って入りました。
――ファーストセットは2−5から追い上げを見せました
下地 最初はいいかたちだったんですけど、少し引いていて。それが良くなかったかなと思います。それでカウント数を離されてしまって、あそこまで離されていなかったらファーストセットもチャンスがあったかなと思います。自分たちがうまくいっていることに対して自信を持てていなかったことがブレーに出てしまったかなと思います。
――セカンドは開始から4ゲームを立て続けに奪いましたが、その点を振り返って
下地 ファーストセットの最後の方にいい流れでプレーできて、そのままのかたちで強気でプレーできたかなと思います。
吉岡 自分たちから動いたり、ストレートを抜いたりして自分たちがやりたいようにできていた時間帯だったので、ゲームを取れたのかなと思います。
――ファイナルセットで突き放されてしまった要因は
下地 相手とは少しの差だとは思いました。コーチにも言われたセカンドセットは後半に追い上げられて取ったから、ファイナルセットはうまく入れなかったと思います。
吉岡 そのままファイナルセットに入って、向こうが先に変えてきて。私たちがやりたいことができないまま進んで、流れが向こうに行ってしまったかなと思います。
――ベスト4という結果についてはどう捉えていますか
下地 準々決勝がああいうかたちだったので、ベスト4という実感はなかったんですけど、きょう負けたんですけど、いいプレーができたことでベスト4という実感をすることはできました。
吉岡 嬉しくないベスト4の入り方をしてしまったので、嬉しくはないですね。きょう勝てていたら自信にもつながったんですけど。私たちが持ってたということですね(笑)。
――自信にはつながったのではないでしょうか
吉岡 ベスト4という結果自体には自信は持てないんですけど、いいプレーはできましたし、プロの相手に対してここまでできたということはすごい自信にはなります。
下地 私たちがインカレの時にやっていたプレーに比べてすごく成長できたなと思いました。団体戦だけでなく個人戦でもしっかり勝てたというのは自信になりました。
――次戦はインカレインドアとなりますが、今後へ向けては
吉岡 全日本という大きな舞台でベスト4に入れたということは自信にしながら。周りはチャレンジャーとして向かってくると思うんですけど、受け身にならず自分たちのプレーをして、優勝します!
下地 自信にはなったんですけど、そんなにおごれるほどの状況でもないと思うので(笑)。謙虚になりすぎることもなく、どんな相手に対してもチャレンジをしてきたいと思います。ラストイヤーなので、絶対に王座を取り返しに行くという気持ちをずっと持って、試合も練習も臨んでいきたいと思います。