清水・石川組がストレート負けも、下地・吉岡組が望みをつなぐ大きな1勝!/女子

庭球女子

 今年で102回目を迎えた女子の早慶対抗試合(早慶戦)が東伏見のインドアコートで行われた。両校が激しく火花を散らす伝統の一戦、先週の関東学生トーナメント(春関)では女子で単複2冠を達成するなど、慶大は例年以上に力を伸ばしてきており、早大にとっては厳しい戦いが予想された。ダブルスの2試合が行われたこの日はダブルス1の清水映里(スポ3=埼玉・山村学園)・石川琴実(社1=東京・白鵬女子)組、ダブルス2の下地奈緒(社3=沖縄尚学)・吉岡希紗(スポ1=三重・四日市商)組が宿敵との一戦に臨んだ。

 ダブルス1の清水・石川組は1年生ながら春関で他を寄せ付けない圧巻の優勝を果たした佐藤南帆・永田杏里組と相対した。ファーストセット第3ゲームにブレークを許し主導権を握られた清水・石川組。その後は粘りを見せ、互いにサービスキープを続けるが、ブレークバックを奪うことはかなわず、ワンブレークダウンの4−6でファーストセットを献上した。巻き返しを図りたい清水・石川組だが、セカンドセットも最初のゲームでブレークされると、2−4で迎えた第7ゲームにもブレークされ、万事休す。スーパールーキーペアに屈し、慶大に先行を許すかたちとなった。

ストレート負けを喫し肩を落とす清水・石川組

 ダブルスの2本を落とせば、勝負の流れは一気に慶大に傾きかねないこの場面。ここで慶大の末野聡子・平田歩組に対し下地・吉岡組が執念を見せた。「ダブルス1は落としてしまったんですけど、横でファイトしてくれていたので、自分たちにもいい影響をくれた」(下地)。第5ゲームをブレークされた下地・吉岡組だったが、すぐさまブレークバックに成功。4−4で迎えた相手のサービスゲームでも長いデュース戦の末に2つ目のブレークを奪い、接戦となったファーストセットを先取した。セカンドセットはワンブレークダウンの3−6で落とし、勝負はファイナルセットへと持ち込まれた。ファイナルセットでは第3ゲームにブレークを許し絶体絶命のピンチを迎えた下地・吉岡組だが、焦りはなかった。「いいプレーできたし、やっていることは間違っていない」(下地)、「リターンにだけ集中して、そのあとは強気でいこう」(吉岡)とその後の第6ゲームにブレークバックに成功し、セットをタイに戻す。すると「応援を力に変えて強気にプレーできた」(下地・吉岡)とチームメートの大声援にも後押しされ、続くリターンゲームでも一進一退のラリー戦の末にブレークに成功。マッチポイントで迎えたサービスゲームも手堅くキープし勝負を決め、チームに大きな一勝をもたらした。

下地・吉岡組は大接戦を制し、早大の望みをつないだ

 チーム一丸となってダブルス2の死闘を制した早大は、ダブルスをイーブンスコアで折り返し、あすのシングルスへと望みをつなげた。「0−2にせずに1−1で回せたっていうのは早稲田にとってはすごく大きかったと思います。明日も厳しい戦いになるのは間違いないですけど、自分たちから強気にプレーしていきたい」(吉岡)。早大を苦しめた慶大ダブルスのメンバーはあすのシングルスでも起用されることが濃厚。この日以上に厳しい戦いが予想されるが、経験に裏付けされた勝負強さを発揮し、宿敵に女王の意地を見せつけたい。

(記事、写真 林大貴)

結果

▽女子ダブルス
●ダブルス1 清水映里・石川琴実 [4-6、2-6] 佐藤南帆・永田杏里
◯ダブルス2 下地奈緒・吉岡希紗 [6-4、3-6、6-3] 末野聡子・平田歩

コメント

下地奈緒副将(社3=沖縄尚学)・吉岡希紗(1=三重・四日市商)

――きょうの勝利の要因を挙げるとすれば何になるでしょうか

吉岡 一番は応援を力に変えてプレーできたことで、応援の人たちの一人一人が見えたので、力を貰えたなと思います

下地 序盤から2人で強気にいけたのが一番かなと思います。セカンドセットも取られたんですけど、いいプレーできたし、やっていることは間違っていないと思ってファイナルセットにも臨みました。吉岡も言っていたんですけど、応援を力に変えて、強気でプレーしたのが一番だと思います。

――ファイナルでブレークを奪ったゲームではどういった意識でプレーしていましたか

吉岡 2−3でブレークを奪えたところが大きかったです。とりあえずリターンにだけ集中して、そのあとは強気でいこうと考えていました。

下地 1−3になって、そこでしっかり吉岡のサービスゲームをキープできたのが大きかったと思います。リターンゲームは強気でいくしかないと思ったし、1個取られた状態で吉岡(のサービスゲーム)に回してしまって、でもそこで吉岡もすごい強気でプレーしてポイントにつなげてくれたので、「本当にありがとう」という気持ちで。次は私がやるしかないと思っていたので、お互いに支えながらプレーできていたと思います。

――試合を通じてミスが少なかった印象を受けましたがいかがですか

吉岡 いつもはコースを突いて自分たちからいこうというのが多いんですけど、今日はあまり無理せずコートの中を狙ったり、きつかったらロブを使ったりして、守りに入るわけではなくて、強気の中でしっかりコートの中に入れるプレーができたのでミスが少なかったと思います。

下地 今言ってくれたみたいに、今日はロブがすごくうまく使えていたと思います。いつもは無理をしてミスをすることが多かったので、ロブでかわして立て直すように意識していました。ラリーの中でもなんとなくのミスが少なかったかなと思います。リターンとか相手に打たれてのミスは仕方ないと思うんですけど、なんとなくのミスは少なかったのでそこは良かったかなと思います。

――今日の勝利は早大にとってすごく大きなものとなったのではないでしょうか

吉岡 今1−1という状況で、シングルスがあと5本あるので。最後自分たちが勝って終われて、チームの雰囲気もいいと思うので、明日もチーム一丸となって勝ちにいきたいと思います。

下地 D1もD2も厳しい戦いになるとわかって臨んでいたので、D1は落としてしまったんですけど、横でファイトしてくれていたので、自分たちにもいい影響をくれたと思います。0−2にせずに1−1で回せたっていうのは早稲田にとってはすごく大きかったと思います。明日も厳しい戦いになるのは間違いないですけど、自分たちから強気にプレーしていければいいかなと思います。