上がシングルス決勝に進出!ダブルスは2ペアが4強入り

庭球女子

 大会6日目を迎えた関東学生トーナメント、今日は女子シングルス準決勝と女子ダブルス準々決勝に早大勢が登場した。その中でも上唯希副将(スポ4=兵庫・園田学園女)は単複両方で勝利を挙げる活躍を見せた。

 「一言で言うと疲れました(笑)」、上はこの日の試合をそう振り返った。昨年12月の全日本学生室内選手権(インカレインドア)の決勝と同じく、上と清水映里(スポ2=埼玉・山村学園)の早大対決となった女子シングルス準決勝は、4時間近い熱戦の末に上に軍配が上がった。昨年度の全国学生選手権(インカレ)とインカレインドアをともに1年生で制し、学生大会無敗で今大会に臨んだ清水に対して、上は第1セットを7-5で先取する。続く第2セットも先にブレークしたのは上だった。上はスライスショットやネットプレーでの強さで清水を翻弄(ほんろう)する。上がペースを握るかと思われたが、対する清水も持ち味である力強いストロークを相手コート深くに打ち込み、一歩も譲らない戦いを見せた。最後は清水がブレークして第2セットを死守。ファイナルセットへと持ち込んだ。第3セットは一進一退の試合展開となり、6-6からタイブレークへ。最初にリードしたのは清水、4ポイント連取で一気に勝負を決めにかかる。しかし、上も食らいつく。ポイント4-5から長いラリーを決死の粘りで取りきり、ついに追いついた。再びリードを許したが、最後は3ポイント連取で勝負あり。前回敗れた清水にリベンジを果たしたかたちとなった。上は「いいところも課題も見つかった」というこの試合の反省を生かし、6日の決勝に臨む。一方学生大会で初めて敗れた清水は「とても悔しかったです」と話し、「この負けがあったからこそ逆によかったと考える」と初めての経験を自身の糧としてさらなる成長を誓った。

先輩後輩対決は上(左)に軍配が上がった

 続いて行われた女子ダブルス準々決勝には、大矢希主将(スポ4=愛知・名古屋経大高蔵)・上組が出場。対戦相手は関東大学リーグ2部の立大ペアとなったが、リードを奪っては奪い返されるシーソーゲームの展開となった。6-4、6-4で勝利を収めたものの、最後のゲームも相手の粘りをなかなか振り切れず長いデュースを続けた末の勝利だ。この試合の後上は、「団体戦で勝つには選手全員でもっとレベルアップをしていかなければいけない」と気を引き締めた。

大矢(左)・上組は明日準決勝、決勝の2試合に臨む

 この日も早大勢は順当に勝ち上がり、単複共に優勝の可能性を残して6日の最終日を迎える。上はシングルスで筑波大の森崎可南子と対戦する。森崎には中学生以来勝っていないというが、明日は楽しんでプレーをし、勝利をつかむ。一方のダブルスは準決勝、決勝と2試合が予定されているためハードな日程となるが、実力十分の大矢・上組が再び頂点へ駆け上がる。インカレインドアに続く単複二冠に向けて、早大女子部はラストスパートをかける。

(記事 佐々木一款、写真 松澤勇人)

結果

▽女子シングルス準決勝

〇上唯希副将7-5、4-6、7-6(6)清水映里


▽女子ダブルス準々決勝

〇大矢希女子主将・上唯希副将6-4、6-4高橋未来・村橋舞(立大)

〇辻紘子・大河真由6-1、6-2藤原早気・米原さくら


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コメント

上唯希副将(スポ4=兵庫・園田学園)

――清水映里選手(スポ2=埼玉・山村学園)との試合を振り返って

一言で言うと疲れました(笑)。いつもは私もどちらかというと攻めるタイプなんですけど、清水(映里、スポ2=埼玉・山村学園)の方がボールに質もいいですし、きょうはディフェンスの場面がほとんどでした。いい意味で言えば私はディフェンスもできるんだなって思いましたし、悪く言えばほとんど清水に先手を取られていたので、もっと攻めなきゃいけないなと思いました。いいところも課題も見つかった試合でしたね。

――決勝への意気込みをお願いします

森崎さん(可南子、筑波大4年)は中学生以来勝ってない相手なので、とりあえず1ポイントずつ集中してやって、結果につながればいいなと思います。正直言ってここまでこれるとは思っていなくて、最後は優勝にこだわらず楽しんでできたらいいなと思います。

――ダブルスの試合を振り返っていかがですか

相手は2部校の選手だったんですけど、全然ダブルスの動きがよくて見習うところも多かったですし、2部校でもあれほど強いっていうのは学生テニス界のレベルは上がってるんだなと感じました。団体戦で勝つには選手全員でもっとレベルアップしていかないといけないなと思いましたね。

――ダブルスは明日準決勝、決勝とシングルスと合わせると3試合が予定されています。意気込みをお願いします

とりあえず足を動かして、ちゃんと3試合戦えるように頑張って、ダブルスは決勝に行って、あわよくばワセダに優勝を持ち帰りたいと思います。頑張ります!

清水映里(スポ2=埼玉・山村学園)

――第一シードとして臨んだ今大会の全体を振りかえるといかがでしたか

第一シードというのはあまり考えないようにして、チャレンジャーとしての気持ちを忘れずに挑もうとはずっと考えていました。まず単複で(インカレの)本戦を決められたのはよかったかなと思います。

――課題や収穫はありましたか

収穫としてはインカレとインカレインドアを優勝して、学生大会での負けを経験しないでこの大会に挑んだ中で、負けてよかったわけではないんですけど、ここで一回悔しい思いをできたのは改めてチャレンジャーとしての気持ちを持ついい機会になったし、自分に足りないものが明確になったので、優勝する気持ちで臨みましたがこの負けは絶対に次に生かしたいなと思いました。

――今日の試合はインカレインドアの決勝と同じ上唯希副将(スポ4=兵庫・園田学園女)でした

私のボールを利用して打ってくるというのはインカレインドアの時にわかっていたし、自分も我慢しながら攻めるところは攻めていきたいなと思っていました。大事なところで唯希さんの方がギアをあげられるのも、ミスを減らしてしっかりとコートに入れられる力も上だったのかなと思います。すごく勝ちたかったのでとっても悔しいです。

――清水選手がペースを握っている時間もありましたが、最後の勝負の分かれ目は何だったのでしょうか

最後に持っていかれましたね。あれは何なんですかね。タイブレークに入って4-0でリードした中で、勝ちを意識したわけではないんですけど自分が固くなってしまって、唯希さんが巻き上げにかかってきたところをしっかり取り切れなかったというのは反省点でもあるし、そういう重要な場面で普段通りのプレーができるようにならないといけないなというのは課題として感じましたね。

――タイブレークはやはり疲れもありましたか

あんまり体のことは気にならなくて、それよりはどうポイントを取っていかなければいけないのかを考えたときに、頭では理解できていたんですけど、実際のプレーに出すことが出来なかったです。そこは唯希さんの方がコートにボールを入れるっていう当たり前のところが出来ていたから、私もすごくプレッシャーがかかっていたし、技術の差が最後に出たのかなと思います。

――監督、コーチからはどんな声を掛けられましたか

技術に関してもアドバイスをいただいたんですが、第一シードとして臨んで勝たなければいけない試合だったんですが、この負けがあったからこそ逆によかったと考えて次に生かした方がいいんじゃないかということでした。この負けで悩んでしまうよりは、しっかりと受け止めて今自分に足りないものは何なのかっていうのを自分の中でもっと整理して、技術面だけじゃなくて体調管理とか怪我とか食生活とか色々なことを考えて、夏に向けてステップアップした方がいいんじゃないのと言っていただきました。

――早慶戦がすぐ近くに迫っていますが、意気込みをお願いします

こんな状況なんですけど、もし出させていただけるなら全力で頑張りたいと思っています。個人戦は一段落してこれからは団体戦に入っていくので、今までは個人として頑張っていましたが団体戦はワセダを背負って戦うので、サポートしてくださる方々だったり、監督、コーチ陣に対する感謝の気持ちをコート上で出してプレーできればいいなと思います。