全日本が開幕!3名が2回戦へ駒を進める

庭球女子

 全日本大学対抗王座決定試合(王座)から1週間が経ったこの日、三菱全日本選手権(全日本)本戦が行われた。早大からは女子シングルス1回戦に5名が登場。清水映里(スポ1=埼玉・山村学園)がプロ選手相手にストレート勝ちを収めるなど、3名が2回戦進出を果たした。その一方で、大河真由(スポ2=千葉・秀明八千代)はフルセットの接戦の末、悔しい敗北。全日本初勝利とはならなかった。ダブルスでは細沼千紗女子主将(スポ4=東京・富士見丘)が西郷幸奈(プロ・フリー)、下地奈緒(社4=沖縄尚学)が早大OGの宮村美紀(平19スポ卒=東京・小平、現プロ・フリー)とのペアで1回戦に臨んだが、両ペア共にストレート負けを喫した。明日は王座で金星を挙げた上唯希(スポ3=兵庫・園田学園)・大矢希(スポ3=愛知・名古屋経大高蔵)組などが登場し、大会はより一層も盛り上がりを見せるだろう。プロ、アマ問わず日本一のテニスプレーヤーを決める戦いは、まだ始まったばかりだ。

★全日本の舞台でも同士打ちが実現

先輩後輩対決は細沼に軍配が上がった

 全日本の舞台で、早大の同士打ちが実現した。今季主将としてチームを日本一へ導いた細沼と、来年早大庭球部を引っ張っていくことが期待される大矢との先輩後輩対決。試合は、序盤は強風の影響もあってかお互いサービスが安定せず、ブレーク合戦となる。次第にゲームは落ち着き、両者がベースライン付近で打ち合うストローク戦となるが、その中で大矢は次第に細沼のショットに押され始める。なんとかサービスキープを続けていたが、第8ゲームで再び大矢がブレークを許すと、細沼がそのまま逃げ切り、ファーストセットを奪った。勢いに乗った細沼はセカンドセットでも力強いフォアハンドで相手を翻弄(ほんろう)し、エースを奪う場面も。大矢は状況を打開しようと積極的に攻めるも、かえってミスが増え、相手を勢いに乗らせてしまった。終わってみれば6-3、6-2と大差をつけられての完敗。細沼が先輩の意地を見せつける結果となった。細沼は次戦、今大会第1シードの今西美晴(島津製作所)と対戦する。日本トップクラスの選手相手に、学生の力をみせつけることはできるのか。リーグ、王座から非常に調子を上げてきているだけに、大きな期待がかかる。

(記事、写真 松澤勇人)

★上がうれしい全日本シングルス初勝利!

得意のフォアハンドで展開する上

 王座終了直後から過密な日程で行われた予選を勝ち抜き、ついにシングルスで本戦出場を果たした上。初めての大舞台でも「特に緊張することはなかった」(上)と普段通り臨んだが、立ち上がりは相手にペースを握られる。ストロークを得意とする小池颯紀(園田女大)の積極的な攻めを受け、0-3とリードを奪われた。しかし、そこから上も粘りを見せ、根気よくつないで相手のミスを誘い、ポイントを重ねる。一進一退の攻防を制し、ファーストセットを6-4で先取した。セカンドセットでも要所でしっかりとミスをせず競った展開をものにし、最後は6-4でゲームセット。強風という悪いコンディションの中でもしっかりと実力を発揮し、全日本シングルス初勝利を挙げた。明日の相手は第5シードの瀬間詠里花(橋本総業ホールディングス)。「プロ相手ということで、思いっきり楽しもうと思う」(上)。初勝利の勢いそのままに、プロ選手相手にどこまで通用するのか楽しみだ。

(記事 松澤勇人、写真 熊木玲佳)

結果

▽女子シングルス1回戦

〇細沼(6-3、6-2)大矢

〇上(6-4、6-4)小池颯紀(園田学園女大)

●大河(6-3、6-7(5)、1-6)輿石亜佑美(浦和麗明高)

〇清水(6-1、6-3)守屋友里加(テニスユニバース)


▽女子ダブルス1回戦

●細沼・西郷幸奈(プロ・フリー)(1-6、3-6)小堀桃子(橋本総業ホールディングス)・荒川晴菜(プロ・フリー)

●下地・宮村美紀(プロ・フリー)(4―6、3-6)宗公美・宗理美(ともに東京都TA)


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コメント

上唯希(スポ3=兵庫・園田学園)

――きょうはどのような意気込みで臨みましたか

とにかく楽しもうと思って、ダブルスはきょねんおととしと本戦に出たことはあったんですけど、シングルスは初めてだったので、思い切ってやろうと思いました。相手もよく知っている選手だったので、特に緊張することもなかったですね。

――試合を振り返って

風が強くて、コートの6割くらい落ち葉だったんですよ(笑)。滑ると思ってそんなに走れなかったり、踏ん張れなかったりしたので、お互いあまり思い切ってプレーできたいなかったかなと思います。お互い気持ち悪い状態でしたね。正直気持ちのいい試合ではなかったです。

――初出場で初勝利です。結果についてはいかがですか

そんなに勝ち負けは意識していないので、まあ明日プロの方と対戦できる機会をいただけてよかったです。プロ相手ということで、思いっきり楽しもうと思います。

――明日のダブルスへの意気込みをお願いします

私たちは自称ダブルス本業なので(笑)、集中していきます!