王座展望~女子編~

庭球女子

 いよいよあす、団体戦で大学日本一を決める全日本大学対抗王座決定試合(王座)が開幕する。個人戦で結果を残せず、団体戦前には危機感に駆られた女子。しかし関東大学リーグ(リーグ)が始まってみれば、どの選手も堂々たる戦いぶりを見せて全勝優勝を果たし、関東第一代表として王座出場を決めた。12連覇を目指す女子部に立ちはだかる最大のカベは筑波大だろう。前年度の王座を経験した森崎可南子、米原実令、牛島里咲、岩井真優といったメンバーそのままに、新たに加入したルーキーの千村もも花も確かな実力を持った選手だ。間違いなく近年まれに見る苦戦を強いられることになる女子は、どのような戦いを見せることになるのだろうか。

優勝へのカギ・ダブルスを担うであろう選手たち

 女子の王座を語る上で欠かせないのがリーグからの本数の変化だ。王座ではシングルスが2本減り、ダブルス2本、シングルス3本での勝負になる。つまりシングルス下位で勝利を積み上げることができず、各大学の精鋭から白星をもぎ取らなくてはチームの勝利も見えてこない。その上で重要になってくるのがダブルスだ。早大は昨季からダブルスの安定感を武器にしており、2-0でシングルスへつなげてきた。しかし今季、唯一黒星を喫した試合がある。リーグの筑波大戦、森崎・米原組との対戦だ。この二人は今季のインカレ、昨年の全日本学生室内選手権と全国タイトルを手にし、学生で最も強いペアといっても過言ではない。王座ではダブルス1固定となるこのペアにどう立ち向かうか――春の早慶対抗試合から手堅く勝利を挙げ続けている上唯希(スポ3=兵庫・園田学園)と大矢希(スポ3=愛知・名古屋経大)、そしてリーグで森崎・米原組に敗れたものの、競った試合を展開した細沼女子主将(スポ4=東京・富士見丘)に期待がかかる。またダブルス1で接戦が予想される分、確実に取りたいのがダブルス2だ。決勝でどのようなペアリングとなろうとも、ダブルスで2勝、最低でも1勝は挙げておきたい。

1年生ながら重要な役割を担う清水

 ダブルスで全勝したとしても、シングルスで勝利を挙げないと頂点は見えてこない。筑波大戦で高いカベとして立ちはだかるのが牛島、森崎だろう。牛島は学生大会でこそ目立った成績はないものの、ITFの大会で結果を残している実力者だ。森崎も強力なフォアハンドを武器とする怖い選手。JTAランキングでも30位台に乗る二人のどちらかと対戦しなければならないのは、1年生ながらシングルス1を担っている清水映里(スポ1=埼玉・山村学園)だ。リーグでは牛島に敗北し、森崎とも1勝1敗だという清水。それでも牛島に対しては「こうすれば可能性があるのかなといった手応えはあった」と語り、実際に先日の国体では8-3で下すなど勝利への手がかりはつかめているようだ。王座決勝でエース対決を制すルーキーの姿に期待したい。しかし、1年生に勝敗を託すことなく優勝を決めたいのが正直なところだ。シングルス2や、最も可能性を見いだせるシングルス3で勝利を収めることができれば優勝の二文字は大きく近づく。下級生の頃からシングルスでチームに貢献している細沼、上といった上級生に意地を見せてほしい。

チーム力では他大を圧倒する早大

 シングルスの勝敗が読めず、ダブルスでも厳しい戦いが予想される王座決勝。しかし、筑波大に充実した戦力があれば、早大にはここまで王座を制してきた経験値がある。そしてその経験は、ここぞという場面での勝負強さとなって表れるはずだ。積み重ねてきた練習、共に過ごしてきた時間も自信となって支えてくれるだろう。「実際に戦ってみないと分からない」(渡邉隼ヘッドコーチ、平19スポ卒=静岡・庵原)――初戦から持てる力を全てぶつけ、真のチャレンジャーとして日本の頂点を狙いにいく。

(記事、写真 熊木玲佳)

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王座直前特集『挑戦』/全日本大学対抗王座決定試合(10/05)

日程

10日 1回戦

11日 2回戦

12日 準決勝

13日 決勝、3位決定戦

出場校一覧
北海道代表 北翔大
東北代表 仙台大
北信越代表 信州大
関東第一代表 早大
関東第二代表 筑波大
東海代表 中京大
関西第一代表 関大
関西第二代表 大阪教育大
中国四国代表 岡山大
九州代表 鹿屋体育大