チーム全員でつかんだ!喜びの王座11連覇

庭球女子

 「すべてはこの日のために」――全日本大学対抗王座決定試合(王座)も最終日を迎え、女王の座を懸けて戦う日がやってきた。女子は、関東大学リーグ(リーグ)でも対戦した筑波大と撃突。ダブルスで2勝をもぎ取り、いい流れでシングルスへと折り返す。シングルス2の細沼が苦しみながらも白星を挙げ、チームの王座11連覇を決めた。

2度のタイブレークを制し、白星を挙げた林・上組

 リーグでは筑波大を6-1で下した早大。しかし、単複合わせて5本を戦う王座では、シングルスがリーグより2本少なくなる。勝利のためには、まず比重の高まったダブルスでリードしておきたいところだ。その中で、今季安定した強さを見せてきた2組が決勝の舞台でも勝ち切った。ダブルス2の細沼千紗(スポ3=東京・富士見丘)・大矢希(スポ2=愛知・名古屋経大高蔵)組は「元気を出していったらいいプレーができた」(細沼)とテンポよくポイントを重ねていく。全日本学生選手権(インカレ)決勝と同じ顔合わせになったダブルス1ではタフな試合展開が予想されただけに、「こっちはその分早く勝って、良い流れをつくれるようにと意識していた」と大矢。6-1、6-1での完勝は、言葉通り流れを呼び込む白星となった。一方、林恵里奈女子主将(スポ4=福井・仁愛女)・上唯希(スポ2=兵庫・園田学園)組はファーストセットから森崎可南子(筑波大)の強烈なフォアハンドに苦しめられた。タイブレークを制して臨んだセカンドセットでもシーソーゲームとなったが、崩されても食らい付いてチャンスをつくっていく。またも突入したタイブレークでは3ポイントを先取されるも、気迫の4ポイント連取で逆転。「(ダブルス2の)勢いに乗って競る場面も取り切れた」(上)と、11連覇に王手をかけた。

仲間の声援にこたえる細沼

 シングルス3本のうち、最初にコートに入ったのはシングルス2の細沼だった。相手はリーグでも対戦した岩井真優(筑波大)。ファーストセットは相手のミスも早く、6-1で先取する。途中から始まっていたシングルス3の試合では上が森崎の勢いに押されており、シングルス1の勝敗も読めない中、「これは私に(勝敗が)懸かるのだなと思った」という細沼。チームの勝利を確実にするためにはセカンドセットもこの勢いのまま奪いたいところだったが、セット中盤から両足がつり始めてしまう。アンダーサーブを打つ場面も見られ、サービスキープに苦しんだ。しかし、一球一球食らい付き、甘い球を逃さず打ち込んでブレークバック。ドロップショットなど冷静なプレーも織り交ぜていく。突入したタイブレークでは互いに一歩も譲らず緊迫した展開となるが、祈るように見つめていた部員たちと何度も目を合わせて自らを鼓舞した。「自分だけではなくて応援が一緒に戦ってくれた」(細沼)。気力を振り絞り、タイブレークを制した細沼。チームの優勝を決定づけた瞬間、涙を浮かべながら噛みしめるようにガッツポーズを見せた。

応援も選手を後押しした

 細沼の勝利で11連覇が決定したものの、この1年間主将として、エースとしてチームを率いてきた林の試合が残っている。牛島里咲(筑波大)とのエース対決はファイナルセットまでもつれ込んでいた。手に汗握るストローク戦ではお互いに意地を見せ、勝敗の行方はタイブレークに持ち越される。3-0から追いつかれるも、打ち込まれても拾い続け、相手を焦らせた。「応援の方を見て勇気づけられたし、最後まで自分のプレーをすることができた」(林)。土橋登志久監督(平元教卒=福岡・柳川)から「最後の一戦なんだから全て出し切れ、負けたら俺が責任を取るから」と言われていたという女子主将が、ラストイヤーの気合を一球一球に込めて3ポイント連取。既に試合を終えた男子部員を含むチーム全員が見守る中、最後の白星を挙げた。

 苦しい戦いを乗り越え、底力を見せつけた早大。リーグから、応援やベンチコーチ、ボーラーを含むチーム全員で戦い抜いてきた。試合後の円陣では涙を流す部員も多く、林は「1年間、辛い練習などもみんなで乗り越えてきて良かった」と振り返る。11連覇を達成して強さを証明したものの、決勝で対戦した筑波大は下級生中心のチームであり、来年以降も油断のできない戦いが続くだろう。全ては、1年後のこの日のために。12連覇に向けて、ここからまた新たなスタートを切る。

(記事 熊木玲佳、写真 三佐川唯)

結果

▽決勝 優勝(11年連続12回目)

○早大4-1筑波大

ダブルス1
○林恵里奈・上唯希7-6(4)、7-6(4)米原実令・森崎可南子(ともに筑波大)
ダブルス2
○細沼千紗・大矢希6-1、6-1古川鈴夏・牛島里咲(ともに筑波大)
シングルス1
○林4-6、6-3、7-6(4)牛島
シングルス2
○細沼6-1、7-6(5)岩井真優(筑波大)
シングルス3
●上0-6、0-6森崎

チャンピオンスピーチ

王座11連覇を果たした女子部

 まず始めに、この大会を運営してくださいました全日本学生テニス連盟の皆さま、スポンサー各社さま、コート提供してくださった有明テニスの森公園さま、ありがとうございました。そして、朝早くから応援にかけつけてくださったOG、OBのみなさま、ご父兄の皆さま、ありがとうございました。そして、毎日熱い指導をしてくださったコーチ陣のみなさま、本当にありがとうございました。このチームで王座優勝するためにこの1年間、日々練習に取り組んできました。苦しい戦いもあったのですが、チーム一丸となって戦うことができ、王座優勝を勝ち取ることができて本当にうれしく思います。来年以降、後輩たちは連覇に向けて頑張ってくれると思うので、今後とも応援よろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

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コメント

渡辺隼ヘッドコーチ(平19スポ卒=静岡・庵原)

――優勝おめでとうございます!いまのお気持ちをお聞かせください

うれしいですね。ホッとするというよりも、ことしはうれしいです。

――全日本大学対抗王座決定試合(王座)アベック11連覇達成となりましたが

狙わないと言ったらうそになりますが。そのために練習してきていますし、生活していたところもあるので。みんながここで一生懸命戦ってくれたことが、アベック11連覇につながったと思います。

――きょうの男女それぞれの試合をご覧になっていかがでしたか

男子に限って言えば、リーグ(関東大学リーグ)でも明大とギリギリの戦いをしていて。そこをどう戦うかというところで、もちろんきょうの決勝の前の準決勝もどうなるかなというところで乗り越えることができたというのはすごく大きいですし、自分たちがやらなければいけないという挑戦者の気持ちになれたことが勝因の一つであるかなと感じています。女子に関して言えば、ダブルスで優位に立ちたいというところからやってきた中で、チームとして少し気のゆるみが出てしまって。シングルスでは細沼(千紗、スポ3=東京・富士見丘)がいいプレーをしてくれていたのですが、上はシングルスで(ことし王座に)出るのは初めてだったので、決勝の舞台ということもあって自分のテニスができなかったのかなと。そこは課題になってくるのかなと思います。林(恵里奈女子主将、スポ4=福井・仁愛女)は最後勝ってくれて、彼女はこの1年間キャプテンとしてやってくれていて、それが勝利に結びついて良かったと思います。

――男子はきのうも接戦となりましたが、今回の王座全体を振り返ってみていかがですか

関大は春の対抗戦で負けていて、王座の組み合わせはくじなのですが1か月前くらいに選手たちには「必ず関大が来る。勝つ準備をしていなかったら最後やり残したことになるから、むしろ来いぐらいの気持ちで準備しろ」と伝えていました。選手としてはまじかよと思っていたと思うのですが(笑)。ひとつもやり残しがないように、優勝して日本一になるということは本当にすごいことなので。(関大と)当たらないでほしいなんて思っていたら良いチームはつくれないので、日本一になるうえで(対戦するに)ふさわしい相手だったと思います。明大も素晴らしいチームであることはみんなが分かっていたので、そういった相手に対して挑戦し続けることができるかというところが一番の課題でした。

――女子のほうはいかがですか

正直、下馬評からすればこれだけメンバーが揃っているので、ワセダが有利というところがあって。やってみないと分からない部分もありますし、選手たちも開会式を含め5日間慎重に過ごすことができたので、いい結果で終えることができたのかなと思います。

――この1年間は小堀主将、林女子主将が主将としてチームを率いてこられましたが、主将としてのおふたりをどうご覧になっていましたか

彼らに聞けば分かると思いますが、相当説教していたと思いますよ。なんて言ってるんですかね(笑)。厳しい言葉をかけたと思いますし、まだまだ監督のように厳しくできていない部分があったので。悪い結果ではなかったですが、まだまだ課題の残る戦い方だったかなと思います。どうなんでしょう、まあ勝てたので(二人とも)良いキャプテンだったんじゃないですかね(笑)。

――チームとしてこの1年間で成長したなと感じる点はありましたか

女子は去年負けているというのがあって、負けるということに対してみんなが課題を感じていました。しっかりやるということを、練習はもちろんこの大会が始まる前からよくやっていたかなと思います。男子は勝てていても甘さが見える瞬間がたくさんあって、たくさん話し合って、これでもかというくらい怒ったと思います。彼らに聞けば分かると思いますが毎日のように怒っていましたね(笑)。

――この1年間チームを率いてきた4年生に向けてメッセージをお願いします

ありがとうと言いたいですし、これからの人生は長いので大変だった日々を忘れずに、それぞれ新しい道で頑張ってほしいなと思います。

――これからチームの柱となる3年生以下の選手に向けても一言お願いします

うちのチームは比較的仲が良いんですね。なのでもう少し勇気を持って、仲間同士で指摘しあったり、優しさの中に厳しさがあったり、厳しさの中に優しさがあってほしいかなと。覚悟を持って成長していくためにも言わなきゃいけないこともありますし、逆に寛大にならなければいけないこともあります。人としてもっともっと、成長することができれば良い結果につながってくるのかなと感じています。

林恵里奈女子主将(スポ4=福井・仁愛女)

――優勝おめでとうございます!いまの率直なお気持ちをお聞かせください

優勝できてホッとしているというのが本音です。このチームで王座(全日本大学対抗王座決定試合)優勝するために、1年間辛い練習などもみんなで乗り越えてきて良かったかなと思います。

――決勝前にはチームメートに対してどのような言葉をかけられましたか

このチームで戦う最後の一戦だから、やり残しがないように全てを出し切って笑顔で終われるようにしようという話をしました。

――相手はダブルスのオーダーはリーグ(関東大学リーグ)から変えて臨んできていましたが

インカレの決勝で当たっていて、このペアと当たるというのは分かっていて。勢いのあるペアで、インカレでやってきたときよりもやりづらかったですね。

――試合内容は振り返ってみていかがですか

向こうがポーチに出たり、こっちが引いてしまってたり、きょうは特に自分が前でもポーチに行けそうなボールのところで引いてしまっていて。そこは勇気を持ってボレーしていかなければいけなかったかなと思います。今までだったらああいう勢いのあるペアに対してその勢いにのまれて負けてしまうということもあったのですが、そこでしっかりと踏ん張って最後までしっかりとできたというのは成長しているところなのかなと思います。

――ご自身の接戦となったダブルスを勝ち切れたことでその後につながったようにも感じられました

ダブルスで2-0付けれて本当に良かったなと、シングルスに入るときにすごく感じていました。

――シングルスでは牛島里咲(筑波大)選手と激闘を繰り広げられていました

シングルスはきのう負けてしまって、きのうの試合後に土橋さん(登志久監督、平元教卒=福岡・柳川)から「最後の一戦なんだから全て出し切れ、負けたら俺が責任を取るから」とおっしゃってくださって、それですごく吹っ切れて。嫌な時間帯もあったのですが、最後まで諦めず、男子も応援に来ていて、コーチ陣の方々も後ろで応援してくださっていました。タイブレークも3-0から3-2、4-2になって4-4で追いつかれて。嫌な感じもあったのですが、応援の方を見て勇気づけられましたし、最後まで自分のプレーをすることができたと思います。

――リーグからずっと清水麻夏主務(人4=高知・土佐塾)がベンチコーチに入られていましたが、心強さはありましたか

リーグの時も2敗してしまって、本当に清水がベンチにいる時に勝たせてあげられなくて。それがきのうも本当に悔しくて、最後こそ絶対清水を勝たせてあげたいという気持ちが強くて。清水もこの前の取材の時に「手が震える、緊張する」と言っていて、不安があるというとおかしいのですが。負けた試合も多くて、その中で最後に清水と二人で勝てて良かったなと思います。

――勝利した後、清水主務とあつい抱擁を交わされていましたね

二人でというか、最初から最後までずっとベンチに入ってたというのが本当に少ないので(笑)、本当に良かったなと思います。

――ダブルスはこの1年間、上選手(唯希、スポ2=兵庫・園田学園)と組んでいて、インカレ(全日本学生選手権)からは負けなしだったと思います。どのように振り返りますか

春関(関東学生トーナメント)負けて、インカレで優勝して、他の大学のペアから追われる立場になるということで覚悟を決めてインカレもそうですが、リーグ、王座に臨んでいました。自分たちがナンバーワンのダブルスとして戦う覚悟を決めれていたので、この1年間良かったのではないかなと思います。

――この1年間エースとして、主将として苦しいこともあったと思いますが、どのように振り返りますかか

主将に任命されて、このチームをまとめられるか不安でした。同期に助けられて、頼りない主将だったと思うのですが、みんなついてきてくれて。最後こうやって笑顔で終われたので良かったかなと思います。

――改めて王座での戦いを振り返ってみていかがですか

各地域から勝ち上がった強い学校ばかりが出ていて、リーグと違って王座は本数も減りますし、厳しい戦いになっていて。ダブルス全部で2-0をつけれてシングルスに良い流れができていたので、ダブルスの重要性というのを改めて感じました。

――庭球部での4年間を振り返って

本当につらいことも苦しいこともあって、やめたいと思ったこともありました。同期を始め、先輩後輩、コーチ陣の皆さまに本当に支えられて、この4年間ここまでやってくることができました。本当に辞めずに最後までやって良かったなと思いますし、4年間やっている時はすごく長かったのですが、今こうして終えてみるとあっという間だったなと思います。

――卒業後もテニスは続けられますか

そうですね、(プロとして)選手活動をやっていく予定です。

――何か具体的なプランはありますか

まずは来週から全日本選手権が始まるのでそれに向けて、気持ちを切り替えてやっていきたいですね。全日本選手権はやはり日本で一番レベルが高いですし、強い選手ばかり出ているので。チャレンジャー精神で頑張っていきたいと思います。

――最後に後輩たちに向けてのメッセージをお願いします

3年生はすごく元気のある子たちで、人数も多くてすごく意見が割れることもあると思うのですが、みんなで話し合うところは話し合って。チームを引っ張るのは大変だと思うのですが、同期全員で話し合ってやってほしいというのは3年生に伝えてあるので。2年生は来年から上級生になるということで、いままでは下級生で雑用といった仕事面でチームを引っ張ってきたと思うのですが、これからは3年生と一緒にチームのことをしっかり考えて引っ張っていってほしいということを伝えたいです。1年生は本当に慣れない生活で、同期が少なくて大変な時期もあったと思うのですが、この1年間本当に頑張ってくれたなと思います。次は2年生として、新たに1年生が入ってくると思うので先輩としてお手本になるような行動や言動を取ってほしいなと思います。

辻恵子副将(教4=東京・早実)

――優勝おめでとうございます!今のお気持ちは

優勝できて本当にうれしいです。優勝を決めてくれた細沼は足がつりかけている限界の状態だったのですが、最後までみんなの声援やサポートを力に変えて、みんなの思いを表現して戦い抜いてくれました。優勝が決まった瞬間、もう大号泣でした。

――細沼選手にどういった言葉を掛けられましたか

みんなの分まで頑張ろうということは言っていましたね。特に今回の王座(全日本大学対抗王座決定試合)は声かけができなくて、コートの選手とサポート、応援の一体感が出づらい部分があります。やはりそういう時にチームの士気を上げるのはコートで戦っている選手なので、出られない人の分までという思いを込めていつも声をかけていました。

――試合に出ている選手の活躍をどのように感じましたか

私が見ていたのは主に細沼だったんですけど、すごく頼もしくなったなあと感じました。1ポイントに対する執着や勝ちに対するこだわりというものがどの試合でも表れていました。最後の林もチームの勝利は決まっていましたが、ファイナルタイブレークまでもつれた試合を勝ち切ってくれて、去年代が変わってからのチームの集大成としてふさわしい試合をしてくれました。

――4年生唯一の出場となった林恵里奈女子主将(スポ4=福井・仁愛女)の活躍は同期の目から見てどのように映りましたか

そうですね、インカレで単複優勝してリーグでも王座でもチームの勝利に貢献して、勝てない時もありましたがエースらしく、みんなの応援を力に変えて戦ってくれました。林には感謝しかないです。

――庭球部での4年間を振り返って

そうですね、まだ引退な気がしないんですけど、振り返ってみると初めは本当にきつくて正直何度も辞めようと思ったこともありました。だけど、きょう11連覇を達成してこの日を迎えて4年間やり切れて良かったなと思います。

――副将としての1年間を特に振り返って

この1年間は大変な部分もあった1年間でした。同期も5人と少ない中でどうやってチームをまとめていくかと結構意見もぶつかることが多く、ケンカのようになったこともありました。しかしこうしてきょう結果に表れて、そういった辛い日々も含めて良かったなと思うことができます。

――そのように切磋琢磨(せっさたくま)する生活の中で自分が成長した部分はありますか

自分のことより周りのことを考えるようになりました。主将がやっぱりテニスが強いので海外大会とかもあって、そういったときは私が主将として率いなければなりませんでしたし、今までに経験しなかったこと色々なことができた1年間となりました。

――共に過ごしてきた同期にはどういった思いがありますか

ありがとうという感じです。やっぱりどんどん同期が減っていくのも一緒に経験していますし、かなり怒られることもありましたし、本当に色々な経験をしてきた5人なので、おつかれさまと言いたいです。

――今年の代はどういった代でしたか

我が道を行く5人ですかね(笑)。下の代はいつも一緒にいて休日も遊んだりしているんですけど、私たちはそういったことはなく自分のやりたいことをやっていて。代としてはキャラが薄いって言われるけど、個々で見ると濃いんです。でも、それぞれが考えていることがある分、ぶつかることを怖れずに意見をはっきりいうので、自分じゃ考えつかない意見も出ましたし、時間はかかりましたがそういったことでより良いチームにするために何ができるか聞けたし素直に言い合えたことは良かったかなと思います。

――大学で競技人生の幕を閉められますが、いまどういった思いがありますか

13年間の競技人生でしたが、長いようであっという間でした。高校の時くらいからだんだんと勝てるようになってきて、様々な大会で思い出がありますし、大学に入ってからも1年生から4年生までの王座で全て優勝できたことはこれからの人生の糧になると思います。楽しかったですね。

――辻選手にとって早大庭球部はどういったものですか

家ですね(笑)。単純にいる時間が長いということもありますが、率直な意見を言い合える仲間がいたり環境があったり、私にとってすごく過ごしやすい空間でした。

――今年のチームのどういったあたりが好きですか

仲が良いところです。特にこのチームは学年を超えて色々な話もしますし、練習メニューも下から提案してくれたり、私たちに対する意見も真摯に伝えてくれたりするので風通しの良いチームでした。

――ことしも11連覇を成し遂げてこれからも王座の伝統が続いていきます。後輩へむけて最後にメッセージをお願いします

はい、ことしも11連覇を成し遂げてこの連覇がもっともっと続いていけば良いと思っています。そんなに簡単なものではないと分かっていますが、後輩たちも入部してくる人数が少なかったり難しい点もありますが連覇をしていってほしいです。これからは練習もさらに厳しくなったり時間も長くなると思うんですけど、必ず結果はついてくるし、私は努力は報われると思うので、この日のために、来年のこの日のために、再来年のこの日のために頑張っていってほしいです。

早野夏希副将(教4=東京・早実)

――全日本大学対抗王座決定試合(王座)11連覇おめでとうございます!いまの率直なお気持ちを

本当にうれしいの一言です!

――きょうの試合にはどのような気持ちで臨みましたか

きょうの試合に限らず王座が始まってからずっとなんですが、もうこのチームでできるのも3試合しかないと思うと、出ている選手たちには少し申し訳ないのですが、試合中何度もうるっとしてしまう場面がありました。でも、きょうの相手は筑波大という強敵なので、みんなの前ではしっかりと出だしから全員で頑張ろうと伝えました。それでも自分自身最後だという気持ちが大きくて、コートに入る前も入ってからも、応援しながら感極まる場面が多かったです。

――ベンチコーチに入ったときはどのような言葉をかけましたか

私は上(唯希、スポ2=兵庫・園田学園)のベンチコーチに入りました。リーグ(関東大学リーグ)で負けた相手との対戦だったので、しっかりとリベンジをしようと話していました。上自身も気を引き締めて試合に入ったと思うんですが、やはり王座決勝という緊張感に飲まれてしまった部分もあったと思います。結果として1ゲームも奪えなかったというのは、最後の試合としてはとても悔しいんじゃないかなと思います。

――上選手は試合後涙を流して悔しがっていました。これからの上選手に期待すること、またはアドバイスがあったら教えてください

上は1年生の頃から団体戦のメンバーとして試合に出ていたと思うのですが、プレッシャーを感じずに思いっきりプレーしているという印象でした。私がベンチコーチに入ってからも思い切りの良いプレーが光っていたので、それはこれからも続けてほしいと思います。これからは林(恵里奈女子主将、スポ4=福岡・仁愛女)、辻(恵子女子副将、教4=東京・早実)抜けて、上がチームのエースになる可能性も十分あると思うので、自分がワセダエースになるんだという強い気持ちを持って、上級生として自分のプレーだけでなく後輩たちの手本となるようなプレーすることを心がけてほしいと思います。

――早大庭球部で過ごした4年間を振り返って

自分のテニスの成績としては納得のいく結果だったかと聞かれればそうじゃないところもあるんですけど、自分なりに4年間やり切ることができたと思います。チームとしては4年間王座優勝を経験させてもらって、特に3年生までは当時の4年生の方々にとても良い思いをさせて頂いてきたので、今回は私たちが後輩たちに良い思いをさせてあげようと思ってきました。王座前日のミーティングで後輩たちが4年生のために勝ちたいとおう思いを涙を流しながら言ってくれたり、きょう優勝を決めた瞬間泣いて喜んでくれたりしたので、こんなに慕ってくれる後輩を持てて良かったと思います。4年間辛いこともあったんですけど、終わってみれば同期や仲間に恵まれた充実した4年間だったと思います。

――監督、コーチ陣への思いをお聞かせください

昨年の王座が終わって私たちが最上級生になってからは、特に渡辺隼ヘッドコーチ(平19スポ卒=静岡・庵原)に叱られることがすごく多くて。自分がもっと周りを見ていなきゃいけないはずなのに視野が狭くなってしまっていて、もっと他にできることがあるんじゃないかとキツく言われたこともありました。この1年間落ち込むことも多かったんですけど、今思うとそこまでキツく叱ってくれる人がいるというのは貴重なことだと思います。そのおかげで、最後のリーグ、王座とやっていく中で、自分にもなにかできることがあると思えるようになったと思います。たくさん叱ってくれた隼さんには感謝しかないです。

――4年間共に戦ってきた4年生への思いは

入部時は8人いた同期も最後は5人になってしまって、でも人数が他学年に比べて少ない分、同期の絆が深まったと思います。ずっと試合で活躍してくれた林、辻だけでなく、同じサポートメンバーとしてチームを引っ張ってきた岡田(成美、社4=大阪・早稲田摂陵)、清水(麻夏主務、人4=高知・土佐塾)には本当に感謝しかないです。自分が辛い時期でも、みんなが笑顔で頑張っている姿を見て自分も頑張ろうと思うことができたので、いつも勇気づけられた存在だったと思います。引退してからは会う機会は少なくなると思いますが、これからもずっと仲良くしていきたいと思います。

――最後に、これからの庭球部を引っ張っていく後輩たちに一言お願いします

毎年みんな経験してきてわかるとは思うんですけど、王座優勝は本当に簡単なことではなくて。きょうから新チームがスタートということで、出だしからしっかりと良いチーム作りをしていけるように、3年生にはチームを引っ張っていくこと、1、2年生には3年生についていきながらお互い高め合っていくことを意識してほしいと思います。また来年も王座決勝に応援に来たいと思います。

清水麻夏主務(人4=高知・土佐塾)

――優勝おめでとうございます!いまの率直な気持ちをお聞かせください

11連覇がかかっていて、選手もサポートも勝たなきゃいけないというプレッシャーの中で、それぞれが全力を出し切ることができてそれが優勝につながったのかなと思います。悔いが残らない終わり方だったので、良かったかなと思います。

――決勝戦はどのようにご覧になっていましたか

ここまで3戦戦ってきていて、1戦目よりも2戦目、3戦目と、徐々に良くなるようにしていこうという話をチームでしていました。実際にそれが実現できたのかなと思います。

――以前の取材の際にベンチコーチに入る際緊張されるということをおっしゃっていましたが、きょうはいかがでしたか

試合に入る前は緊張しましたね。でも試合に入ってからはどのように選手を勝たせていくか、何が必要かということを考えていくことで緊張は自然となくなっていきました。目の前の1ポイント1ポイントに集中してできていたので、試合前だけですね(笑)。

――林選手の試合はベンチからどのようにご覧になっていましたか

主将でもあり、エースでもあり、本当に誰にも分からないくらいのプレッシャーを抱えてきていて、リーグ(関東大学リーグ)でも負けていることもあって。きのうの試合でも負けてしまってすごく不安な部分はあったと思うのですが、きょうは私が4年間見てきた中で一番良い試合をしていたんじゃないかなと思います。

――先ほど林選手が「清水がベンチに入っていた時に勝たせてあげられなかったけど、きょうは勝てて良かった」とおっしゃっていました

1年生から4年生までベンチコーチという立場でなくても同期として一緒に戦ってきていて、それでぶつかったりすることもありましたし、お互い不安なこととかいろいろあったのですが、主将・主務の関係でチームを引っ張っていこうということを言っていて。最後こういう風に勝ってくれてうれしく思います。

――試合の後抱き合っていた姿が印象的でした

私が林以上に泣いていました(笑)。

――円陣の時は

みんなが「全てはこの日のために」というですが、私だけ最初声が出なくて、詰まってしまって(笑)。リズムを崩してしまったのですが、声が裏返りながらもしっかりと思いをぶつけられたかなと思います。

――主務という立場でのこの1年間を振り返って

去年の主務が岸さん(真梨子、平28スポ卒)という方で何事に対してもすごく熱心で、チームのためを考えて行動できる方でした。その次が私だったので、その次を引き継げるのかなと不安に思っていたのですが、いろいろとチームの体制も変わってきました。その中で同期が助けてくれたり、後輩がしっかりとついてきてくれたので、つらい時もあったのですが、いま思い起こせば良い1年間だったんじゃないかなと思います。

――同期の皆さんに対する思いをお聞かせください

1年生の頃は同期が8人いて、最後の最後で5人になってしまって。その中で1人が辞めると言った時に、1年生の頃はきついこともあって私も辞めようかなと思ったこともありました。同期が支えてくれたり、つまらない話で爆笑したり、日々のしょうもないことで盛り上がれる同期だったので、すごく4人に助けられたからいまがあるって思って、とても感謝しています。

――改めてこの庭球部での4年間を振り返っていかがでしたか

各学年で役割がそれぞれ違っていて、その中で自分ができることは何かということを考えてやってきたのですが、1日1日が長く感じていて、これが後3年続くのか、2年続くのかという思いもあって。いまこの瞬間を終えて、なんだかんだ長いと思っていたことが早かった4年間だったなと思っています。

――卒業後はテニスを続けられるのでしょうか

そうですね、テニスが中心ではないのですが。日本リーグを目指しながら、そこで活躍できるようになれればいいなと思います。

――後輩の皆さんに向けてのメッセージをお願いします

一番言いたいのはチームとして最後の王座に向けてこれからしっかり準備していってもらいたいなということで。選手は練習であったり、サポートは自分の練習ができない中で選手をどう支えていくかというところを一人一人が役割を考えて行動していってもらいたいなと思います。

岡田成美(社4=大阪・早稲田摂陵)

――11連覇おめでとうございます!今のお気持ちをお聞かせください

すごく安心したのと、本当に嬉しいです。

――きょうの決勝戦をどのような思いで迎えましたか

きのうは本当に優勝できるのかというすごく不安な気持ちもあったんですけど、選手のみんなはここまですごくよくやってきてくれていたので、私はサポートで外から必死に応援するだけだ、と考えていました。

――サポートという立場から戦況をどのように見ていましたか

私はずっとダブルス1の応援をしていました。私は直接インカレ(全日本学生選手権)でペアをやっていたところも見ていましたが、その時はお互いがキープし合っていてどっちが先にブレークするかという形でしたけど、今回のダブルス1は結構ブレークする場面も多くて、すごくハラハラしました。でもタイブレークに入ってから二人の勢いがすごくあって、ここまで林(恵里奈女子主将、スポ4=福井・仁愛女)・上(唯希、スポ2=兵庫・田園学園)がしっかりやってきてくれた成果なのかなって思いました。

――岡田選手自身にとって庭球部での4年間はどのようなものでしたか

やっぱり同期との思い出がたくさんあります。これまでも部活としてテニスはやってきましたけど、大学4年間でできた同期との繋がりが本当に強くなったなと思っていますし、これを一生大切にしていきたいものだなと思いました。

――林恵里奈女子主将(スポ4=福井・仁愛女)に贈る言葉はありますか

本当にお疲れ様でしたとい言いたいです。いっぱいプレッシャーもあったと思うし、リーグ(関東大学リーグ)の時にシングルスが最後あまり勝てなかったりして不安もあったと思うけど、王座(全日本大学対抗王座決定試合)まで頑張って練習して最終戦をこういう風に勝てたことが私にとっても嬉しいです。

――また同期には

私は頼りにならない4年生で同期に支えられた場面が多かったので、今までありがとうと伝えたいですし、これからもダル絡みするのでよろしくお願いしますと言いたいです(笑)

――後輩のみなさんに向けては

3年生とは今年1年でたくさんつながりができて、最後リーグ前や王座前では一生懸命私たちについてきてくれて、これからの庭球部を任せられる頼もしい存在だなと思ってます。下級生も今年1年大変なこともいっぱいだったと思うけど、私たちは厳しく言うよりも見守ってることの方が多い中で成長してくれたので、学年が上がっても庭球部を引っ張てくれるんじゃないかなと期待しています。

――最後に早大でのテニス生活を経て未来の自分に向けて一言お願いします

一生の中で多分これ以上辛いことは起きないと思うので安心してくださいって感じですね(笑)

細沼千紗(スポ3=東京・富士見丘)

――王座優勝、そして11連覇おめでとうございます!今のお気持ちは

ことしは隼さん(渡辺ヘッドコーチ、平19スポ卒=静岡・庵原)に、細沼がカギになってくるから、細沼がしっかりしたらワセダが勝つからと言われていて、その意味がこの決勝戦で。シングルスで私が先に入って、上(唯希、スポ2=兵庫・園田学園)が1時間後に入ったのですが、良くない流れだったのでこれは私に(勝敗が)懸かるのだなと思って。そこで何とか、あまりいいかたちではなかったのですが、どんなかたちであっても優勝を決められたので、貢献できたので良かったなと思います。

――きょうのダブルスを振り返っていかがでしたか

大矢(希、スポ2=愛知・名古屋経大高蔵)と元気を出していこうと言っていました。元気を出していったらいいプレーができたので、それが勝ちにつながったのかなと思います。

――シングルスは関東大学リーグ(リーグ)でも対戦した岩井真優選手(筑波大)との一戦になりました。どのような意気込みで臨まれましたか

インカレ(全日本学生選手権)でもやっていて、リーグ、王座(全日本大学対抗王座決定試合)とたくさんやっていたので、やり方は分かっていたのですが、簡単に勝たせてくれないなとは想像していました。自分の体が最高であればもう少し楽なかたちだったのかもしれませんが、やはり簡単には勝たせてくれないなという印象ですね。

――重要な一戦でしたが、緊張はなさいましたか

緊張はしたのですが、そこまでは気になりはしなかったですね。

――ファーストセットは6-1というスコアでした

ファーストはリーグでも簡単に取れて、6-1で取れたけれどセカンドは絶対競るなと思っていたので。6-1というスコアも全部相手のミスで、助かった部分もあったので、セカンドに集中しようと思いました。

――セカンドに入ってからは足が思うように動きませんでしたが、どのように戦おうと考えていましたか

万全な状態ではなかったのですが、自分だけではなくて応援の方が相当一緒に戦ってくれていて、その人たちがいなければもっとつって、どうしようもない状況だったと思います。足がつった中でも応援の方があきらめずに応援してくださったので、感謝しかないです。

――ボーラ―に入った大河真由さん(スポ1=千葉・秀明八千代)の支えも大きかったのではないでしょうか

大河も試合に出られなくて悔しいと思うのですが、その中でもシングルスのオーダーを交換したら「千紗さんのボーラー入ります」って言ってくれて。私が足つらい時はタオルとか飲み物とか一生懸命運んでくれていて。すごく助かりましたね、近くにそういう心強い人がいたので。

――サービスゲームのキープに苦しみましたね

課題としているサーブがあまり良くはなかったのですが、団体戦なので、どんな状態であれ勝てたので良かったです。

――改めて、苦しい試合を乗り切ってご自身の手で優勝を決めたお気持ちは

感動しかなかったですね、やっと来られた、という感じでした。

――涙も見られました

いろいろ思い出しちゃいました、あの時は(笑)。

――MVPを獲得されたお気持ちは

他の人よりは練習したと思っていたので、やっと取れたという感じでしたね。

――今大会で4年生が引退になります。4年生にはどのような気持ちがありますか

皆さん本当に笑顔で優しく私たちに接してくれていて、いなくなってしまうのは本当に悲しいです。そういう4年生にはなれないのですが、本当に憧れの4年生たちでしたね。

――今後細沼選手はますますチームの要となってくると思います。目標、意気込みを教えてください

今回はリーグも王座も全勝できて、マックス16勝を挙げられたので、来年も最上級生として最低限16勝を挙げないといけないと思っています。来年も頑張ります。

――最後に、来週の全日本選手権に向けて意気込みをお聞かせください

まずはサーブを修正して、ダブルスは大矢と頑張っていきたいと思います。

山添絵理(人3=千葉・渋谷教育学園幕張)

――全日本大学対抗王座決定試合(王座)優勝おめでとうございます!今のお気持ちは

1年間この日に向けてやってきたので、このチームで優勝できてすごくうれしいです。

――11連覇という数字に対してはいかがですか

ワセダはチーム力が一番の武器で、それを今大会でもしっかり発揮できたので11連覇が成し遂げられたのかなというふうに思っています。

――今大会では主にベンチコーチとしてチームに貢献されていました。大会前に心掛けようと思っていたことなどはございますか

王座はリーグ(関東大学リーグ)よりも2本減って5本で、そのうちのダブルス、シングルス2試合を3年生の私が信じて任せていただいていて。ベンチコーチとして選手と信頼関係をしっかり築いて4年生を優勝させてあげられるように、その2試合を絶対勝たせられるようなサポートをしたいと思っていました。

――主に細沼選手の試合を担当され、細沼選手が優勝を決めた際には泣きながら抱き合っていらっしゃいました。あの時はどんなお気持ちでしたか

細沼自身、上級生としてチームを引っ張っていかなければならない選手で。細沼はチームのことを一番に考えていて、試合に出られない選手やサポートの人にすごく感謝をしていました。休みの日も一緒に努力してきて、この日のために練習も二人でしたりして臨んできたので、最後ああやって勝ち切れたのも彼女の努力のおかげだなと思うと涙がすごく溢れてきました。

――改めて、ことしのチームは山添選手からご覧になってどんなチームでしたか

4年生が本当に優しくて。私たち下級生は4年生のおかげで伸び伸びやらせていただいた1年間だったので、その分迷惑を掛けてしまった大会もあったんですけど、今大会は私たち3年生以下が4年生への感謝の気持ちを持ってやってきて。円陣して泣いて始まって、最後もみんなで集合して泣いて、優勝して終われたというのはこれまで歴代そんなになかったことで。4年生の優しさで私たちがまとまれた1年間だったのかなと思います。

――4年生との思い出などはございますか

4年生と私たち3年生は、1年生の時から1、2年生として指導していただいて、一番長く関わってきた学年でした。時に厳しく、でも3、4年生になってからは同じ悩みを聞いてくれたり、この2学年で話す機会をたくさん作ってくださったので、3、4年生は仲がすごく良くて、一人一人と思い出がたくさんあります。

――来年はいよいよ最上級生となりますが、これからどのようにチームに貢献していきたいですか

細沼とは大会前から「一緒に来年のチームを引っ張っていこう」という話をしていて、そのことを思いながらこの大会に臨んでいました。細沼がああいうプレーをしてくれて王座の連覇もできて、ワセダの強みであるチーム力を来年のチームでも付けていけたらおのずと結果もついてくると思うので、全員が一体となってこの王座に臨めるように全員で同じ目標を持って、各持ち場で全力になれるようなチームづくりをしていきたいと思っています。

上唯希(スポ2=兵庫・園田学園)

――優勝おめでとうございます!今の率直なお気持ちはいかがですか

優勝してうれしいんですけど、チームとして5-0で勝つことを目標としていたので悔しい気持ちの方が大きいです。

――シングルスを振り返って

リーグ(関東大学リーグ)でも当たっていましたし、分析もしていたのでどうすれば勝てるかということはわかっていました。しかし自分が良いイメージを持てないままに試合に入ってしまったのと、相手の調子がすごく良いこともあって自分が打っていいのか守っていくべきなのかが分からなくなってしまいました。そこの点でなにを打っても相手の思うツボになってしまった気がします。どこに打ってもノータッチエースを取られるし、深く打ち込まなくてはと思っても出てしまったり全然流れが乗れなかった部分が大きいです。本当は自分が打って流れに乗りたいのですが、相手が打ってくるのに対してが得意な選手なのですごく打球が伸びて痛いところに返球されて、それに対して私のボールが浅くなってしまいました。打ちたいのに思うように打てずどうしたらいいのか分からなくなってしまいました。

――悔しいことも多い大会でしたが、収穫は

やはりダブルスを2-0にリーグから通して王座もすべてできたことは大きな収穫だったと思います。逆にシングルスではリーグ、王座共に同じ相手に負けてしまい、1ヶ月間あったにも関わらず成長ができていなかったなと省みる部分が大きかったです。自分のテニスができなかったらここまで、打ちのめされるのかということが身に染みてわかりました。しかし林さん(恵里奈女子主将、スポ4=福井・仁愛女子)とのダブルスでは私たちペアの良いところを出せましたし、林さんを信頼して、応援の力を借りれば苦しい状況も勝ち切れたというその経験が大きなものでした。単複通して全試合出させていただいて、体力的にも自分が通用して戦えるということもわかりましたし、様々な場面でいい経験をさせていただきました。

――ダブルスを振り返って

去年の王座も出させていただいた時、決勝戦で緊張でガチガチになってしまったという反省があったので今年は思い切ったプレーをしようということを最初から心がけていました。そういうこともあって、ことしは緊張せずできましたし、私たちの強みであるネットプレーで先に決めるということができました。隣でやっているダブルス2がストレートで簡単に勝ったことでワセダに流れを持ってきてくれました。その勢いに乗って私たちも7-6と競る場面も取り切れました。逆にリーグでは私たちが先に取ることで勢い付けた部分もありましたし、2つのペアが協力してリーグ、王座共に2-0で全て来れたのではないかと思います。

――やはり、隣の試合によって心情的に左右される場面はありますか

そうですね、隣が勝っているとわたしもあと少しと頑張れますし、逆に負けているとこっちが必ず勝たなければと硬くなってしまう部分もあります。

――主将でありペアである林選手にはどういった思いがありますか

林さんは主将でありエースであるという大変な時期に私が組ませていただくことになって一番に足を引っ張らないことだけ考えていました。最初、林さんがバックサイダーだったんですけど、わたしが無理を言ってフォアサイドに変わってもらったり私のサーブの確率が悪いので先にサーブをしていただいたり、無理を言って変わってもらった部分が多かったんです。私は得意なサイドでやらせていただいている分、確実に力にならなくてはいけないしポイントも取らなければいけないと思ってたんですけど、それでもいつも林さんが私のことを引っ張っていってくれたので本当に特にダブルスに関しては感謝しかありません。きょうのダブルスもきのうコーチ陣から「林は背負っているものが大きいからお前が引っ張っていくように頑張れ」と言われてきょうはその覚悟でいたんですけど、林さんがやっぱりたくさん助けてくれました。私が後衛の時も林さんの動きをみて戦術的に学ぶことも多く、尊敬している部分ばかりです。こんな私と組んでいただいてごめんなさいと思うこともあるんですけど、インカレ(全日本学生選手権)、インカレインドア(全日本学生室内選手権)とタイトルも取れましたし恩返しじゃないですけど、二人で組んだ証拠をしっかりと残せたかなと思います。

――これからチームの核として林選手と組んだ経験をどう生かしたいですか

自分はこの1年間ずっと試合にも出させていただいたのでかなり経験値もあがったと思いますし、林さんのようにしっかりと結果を出してチームを率いていく存在になりたいです。

――これからの意気込みを教えてください

私はまだ2年生なので役職とかがあるわけでもなく今まで自由にテニスをさせていただいてました。仕事ができる方でもないので、その代わりに団体戦や試合に出させていただいている分私が勝ってチームを率いたいでふ。チーム全体としてはこれから新入生がどれくらい入ってくるか分かりませんが、4年生が引退されてからの少なくなる期間の半年間しっかりとチーム力を磨いて来年の王座に向けての土台をつくっていけたらなと思います。

――最後に今大会で代替わりとなる4年生へのメッセージをお願いします

人数が少ない中で、ここまで私たちを引っ張ってきてくださって本当にありがとうございますと言いたいです。王座の前日に最後のミーティングをするんですけど、私は去年のそのミーティングでは泣かなかったんですけど今年はどの代も全員が全員泣いていて、その涙を通じてこのチームがみんな大好きだということが伝わってきました。そんな素敵なチームを作り上げて下さった4年生の先輩には感謝しかありませんし、私はペアもベンチコーチも全て私は4年生の先輩でした。最後にシングルスの勝利を早野さん(夏希副将、教4=東京・早実)にプレゼントできなかったのは残念でしたが練習中も私を引っ張って下さってチームも引っ張って下さって本当にただただ感謝です。ありがとうございました。

大矢希(スポ2=愛知・名古屋経大高蔵)

――王座優勝おめでとうございます!今のお気持ちは

もう素直にうれしいという気持ちが大き過ぎて、他に出てこないです(笑)。

――11連覇という数字に対してはいかがですか

去年はずっと応援をしていたので、ワセダは本当に強いから絶対に勝てるという自信が応援していてありました。でも自分がいざコートに立つと全然そんなことはなくて、本当に不安で。きっと代々この不安を抱えながら連覇を成し遂げてきているんだなと感じました。コートではすごく思い切ってプレーできたんですけど、今思うと本当によくできたなと思います。

――以前も下級生として思い切ってプレーできるだろうとおっしゃっていましたが、その通りになりましたね

はい、できました。応援の方を見ていつも通りやっていたら、不思議とすごく良くできました。

――リーグから負けなしのダブルスでしたが、改めて細沼千紗選手(スポ3=東京・富士見丘)とのペアはいかがでしたか

試合を重ねるごとに課題も見つかって、それでも改善はどんどんできましたし、本当に良いペアワークでこれまでできているかなと感じています。

――きょうの試合はいかがでしたか

相手の嫌がることもしていったんですけど、それ以上に自分たちがしたいプレーをすごく表現できて。応援も味方につけて、流れもすごく良くて。なんか、良かったです!(笑)

――リーグの時とは対戦相手が違いましたね

そうですね。リーグの時は森崎さん(可南子)・米原さん(実令、ともに筑波大)と当たっていて。そちらのペアの方がインカレ(全日本学生選手権)準優勝などもしていて戦績が良くて強いペアだと分かっていて。そこがダブルス1と当たってしまって難しい戦いになると思っていたので、こっちはその分しっかり早く勝って、良い流れをつくれるようにと意識していました。

――決勝で最初の試合ということで緊張はされましたか

緊張しました、最初は。緊張したんですけど、応援の方を向いてガッツポーズしていたら自然といつも通りできました。

――細沼選手とずっとペアを組まれてきました。改めて細沼選手の存在は大矢選手にとってどのようなものですか

シングルスも出ていますし本当に偉大な先輩です。年齢は1つしか違わないんですけど本当に頼りにしていますし、いざという時に私が頼り過ぎてしまうんですけど、今度は私が助けられるくらいしっかりしないとな、というふうに思っています。

――これからはどのようにチームへ貢献していきたいですか

団体戦でシングルスでも出られるような主力のメンバーになりたいと思っていますし、上級生になるので先輩としての自覚を持って、もっとチームに良い影響を与えられるような選手になりたいです。

――これで4年生は引退となりますが、4年生にはどんな思いがありますか

さびしいです…。円陣の時に「全てはこの日のために」って言うんですけど、さびしくてもう泣いちゃって。もっと部にいてほしいです。いてくれると頼もしくて、特に林さん、辻さんは一緒に練習していたので、いなくなってしまうと思うと本当にさびしくて。

――最後に来年度以降に向けて意気込みをお願いします

来年以降は、ダブルスのメンバーとしてはもちろんですけどシングルスでも活躍できる選手になれるように、また上級生としてもチームを支えられるように頑張りたいと思います!