ことしこそ無敗の女王に!全勝スタート

庭球女子

 ついにこの時期がやってきた。早大庭球部は全日本学生選手権(インカレ)を終え、本格的な団体戦シーズンに突入。この日開幕した関東大学リーグ(リーグ)では専大を7-0で下し、全日本大学対抗王座決定試合(王座)アベック11連覇への第一歩を踏み出した。

 ダブルス2戦はどちらも快勝だった。ダブルス2の細沼千紗(スポ3=東京・富士見丘)・大矢希(スポ=愛知・名古屋経大高蔵)組は対抗戦でも対戦したペアと再戦。後衛でのプレーに苦手意識があるという大矢も「リターンミスがほとんどなかった」と振り返る通り、相手の全サービスゲームをブレークして第1セットを奪う。第2セットでは積極的に攻撃に出るプレーも見られ、次戦に良いかたちでつながる勝利を収めた。ダブルス1として出場したのはインカレ優勝ペアの林恵里奈女子主将(スポ4=福井・仁愛女)・上唯希(スポ2=兵庫・園田学園)組。ストロークで相手を崩し、ネットプレーで決めるパターンでポイントを重ね、「自分たちのやることをしっかり決めてできていた」(林)とインカレ16強のペアをストレートで下す。全体スコア2-0でシングルスへつないだ。

快勝し、チームに勝ち星をもたらした細沼(左)・大矢組

 シングルス5の辻恵子副将(教4=東京・早実)の試合は2セットともにタイブレークにもつれる激闘となった。第1セットでは相手の慣れないプレースタイルに戸惑い1-4までリードを許してしまうが、徐々に相手の攻撃をしのいでミスを引き出せるようになり、ラリーで競り勝つポイントが増えてくる。突入したタイブレークでは一進一退の攻防が続いたが、「ゆっくりでもバック側に(球を)集め、緩急をつけていくことを意識した」と相手のフォアハンドを封じた辻恵がこのセットを奪取。第2セットでもタイブレークを制し、既に白星を挙げていたシングルス4の金井綾香(社3=東京・早実)に続いてチームの勝利を決める4勝目を収めた。残るは2日目に持ち越されたシングルス3戦。うち2試合はフルセットに及ぶ接戦だったが、勝負強さを見せつける。いずれも早大がものにし、終わってみれば7-0の全勝でリーグ初戦を終えた。

チームの4勝目を決定づけた辻恵

 2日後には筑波大との一戦を控えている。インカレでも上位に食い込んだ強力な選手を多数有するチームであるだけに、気の抜けない戦いになるだろう。主将の林も「勢いのあるチーム」と警戒した上で、「こちらも一番練習してきている。出る人は自信を持つことで勝ちを早大に持ってこられる」と仲間への信頼を口にした。ことしこそ、無敗で王座に臨むために。女子部はあと4戦を全力で戦い抜く。

(記事 熊木玲佳、写真 高橋団)

結果

○早大7―0専大

ダブルス1
○林恵里奈・上唯希6-2、6-2清水千夏・坂本明香(ともに専大)
ダブルス2
○細沼千紗・大矢希6-1、6-3鈴木葵・宮内梨奈(ともに専大)
シングルス1
○林6-3、6-4清水
シングルス2
○細沼6-3、4-6、7ー6(5)鈴木
シングルス3
○上7-6(4)、5-7、6-2坂本
シングルス4
○金井綾香6-2、6-2宮内
シングルス5
○辻恵子7-6(8)、7-6(5)高橋里佳(専大)

コメント

林恵里奈女子主将(スポ4=福井・仁愛女)

――インカレ(全日本学生選手権)から約1週間でリーグ(関東大学リーグ)を迎えましたが、どのような気持ちで臨まれていますか

インカレはあくまで個人戦ですし、タイトルを獲得して良い流れの中で、リーグまでの1週間は良い調整ができていたと思います。チーム全員で練習するのは、インカレが終わってからの少ない時間でしたが、その中でも練習でチームが一体となって取り組めていたかなと思います。

――主将としてはどのような思いですか

きょねん負けていますし、一番はリベンジしてリーグで優勝したいという思いがあって。単複出るからには絶対ワセダに2勝を持ってくるんだという気持ちもあります。

――初戦の7-0という結果に関してはどのように受け止めていますか

初戦で選手は緊張するのですが、その中でもダブルスは特に良い入り方で2-0つけることができて。シングルスも最初、相手に流れがいきそうになったのですが、辻(恵子副将、教4=東京・早実)と金井(綾香、社3=東京・早実)は(リーグを)経験していますし、1日目を4-0で勝利を決めてくれたことは大きいかなと思います。逆に私と細沼(千紗、スポ3=東京・富士見丘)、上(唯希、スポ2=兵庫・園田学園)が(勝利が)決まっている中で気を抜かずに、できていたのかなと思います。

――シングルス2と3では競った試合が展開されていましたが

初戦だから仕方ないのかなという感じも少しあったのですが、その中でもインカレの戦いを見ていましたし、二人なら勝ってくれるだろうと信頼して見ていました。

――きょうのシングルスの試合を振り返って

専大の清水さんは、インカレで筑波大の牛島に勝っていて、勢いのある選手だなと感じていました。あまり良いイメージが持てていなかったので、正直1日目にシングルスが入っていたらちょっと危なかったかなと思います。雨で中止になり、部室に帰って清水さんのビデオを見て、その中で自分がどういうプレーをすればいいか、対策を立てていました。昨日の夜に良いイメージができていたので、試合でも良い入り方ができていたかなと思います。

――ダブルスの試合を振り返って

初戦だから緊張するのかなと思ったのですが、自分が思っていたよりは緊張せずに良い入り方ができたかなと思います。相手も緊張していたのかなというのもあったのですが、そこで自分たちのやることをしっかりと決めてできていたと思います。相手が乗りに乗ってきた時に、圧で自分がビビってしまって。もっと自信を持って、前衛にいるときもどっしり構えたり、ストロークでも相手と勝負したりすることがあまりできていなかったので、反省点として次に生かしていきたいなと思います。

――次戦は筑波大との一戦になります。チームとして、個人としてどのような戦い方をしていきたいですか

筑波大もきょう7-0で勝っていて、勢いのあるチームではありますが、まずダブルスで2-0つけることが大事だと思っています。シングルスも強い選手が揃っていますが、こっちも一番練習してきているので。出る人は自信を持っていくことで、勝ちをワセダに持ってこれると思います。あさってに向けてもう一度調整していきたいです。

辻恵子副将(教4=東京・早実)

――まず、この大会は4年生として、そして副将として臨む関東大学リーグ(リーグ)になりますが、どのような意気込みで臨まれましたか

最後ということで、きょうは少し緊張してしまったのですが、やはり自分ができることを全て出し切ろうと思って、(リーグで)優勝して王座(全日本大学対抗王座決定試合)にも行きたいなという気持ちが一番あります。

――きょうシングルス5として出場された試合では、第1セットの1-4から巻き返していきましたね

最初、試合に入るときはいい緊張感で入ることができたのですが、いつも練習している人とは違うプレースタイルの選手だというところに自分の良さを出し切れずに1-4までいってしまって。そこから粘って相手のミスを誘ってなんとかタイブレークで取ることができたので、テニス自体はあまり良くはなかったのですが、競った場面で取り切れたという部分は良かったと思います。

――具体的に、相手の高橋里佳選手(専大)のプレースタイルはどう違うのでしょうか

早大は球の速い選手が多くて、どちらかというと私がカウンターでポイントを取ったり、相手を下げて前に行ったりというパターンが多いのですが、きょうの専大の選手のように意図的に浅いところに打ってくるということがいままであまりなかったので、そこで戸惑ってしまったという部分がありました。

――第1セットのタイブレークを振り返っていかがでしたか

先に打たれて(自分の返球が)スライスになってしまうと、(相手は)フォアがいい選手なので、打たれてしまうなと思って、ゆっくりでもバック側に集めていく中で緩急をつけていくというのを意識してやっていました。

――第2セットもタイブレークまでもつれましたね。全体的にセットを振り返っていかがですか

5-4とか6-5とかで、自分のサービスゲームでキープできなかったのは悔やまれる点かなと思います。もっと思い切って練習通りにできていればそのまま取れていたと思うので、次の試合ではしっかりと競った場面でも強気でいくところはいけるようにしたいと思います。

――雨で中断というかたちにはなりましたが、既に4勝してチームとしての勝利は決まりました。少し早いのですが、振り返りをお願いします

ダブルスが2-0つけて、シングルスも隣(のコート)で金井(綾香、社3=東京・早実)がしっかり押さえることができて、チームの流れとしてはいい流れだと思います。私は少し競ってしまったのですが、上(唯希、スポ2=兵庫・園田学園)も第1セット7-6で取ることができているので、あすはこのまま7-0で勝てるように、応援なども頑張りたいと思います。

大矢希(スポ2=愛知・名古屋経大高蔵)

――公式戦では団体戦初出場ということになりますが、関東大学リーグ(リーグ)にはどのような気持ちで臨まれましたか

対抗戦などは多く行ってきたので、普段と変わった感じはせずにいつも通りのプレーができたかなと思います。

――あまり硬さなどもなくプレーできましたか

少し前に専大と対抗戦をやっていて、その時にもやっていたペアだったということもあって緊張はなかったです。

――対戦経験があるということで、対策なども練りましたか

そうですね。前に当たっている分、選手の癖なども分かっていたので、落ち着いてプレーすることができました。

――強めの風が吹く中で試合が行われましたが、プレーに影響はありましたか

私の得意パターンはボレーなのですが、なかなかボレーが当たらなくて、本当だったらボレー1本で決まるボールがまた相手に返されて続いてしまうという場面が多かったです。それでも最後は結構決めることができて、いいかたちでポイントを取れていたかなと思います。

――第1セットを振り返っていかがでしたか

私は後ろが苦手な方なので、まずはしっかりリターンを返してそこからつくっていこうと常に意識しているのですが、第1セットはほとんどリターンミスもなかったですし、それもあって相手サーブを全部ブレークできたのは大きかったかなと思います。

――第2セットはいかがでしたか

第2セットから、攻撃的に相手のセカンドサーブを叩いてから前に詰めるというプレーをしていました。そんなに多くポイントが取れたわけではないのですが、相手に結構プレッシャーをかけることができて。まだ4戦残っているので、そういうプレーも増やしていきたいなと思っています。

――中断はしましたがチームの勝利が決まったということで、今後への意気込みをお聞かせください

まだ第1戦も終わっていないのですが、私はダブルスで出場することが多くなると思います。最初2本ダブルスから入るので、早大にいい流れを持ってくることができるように、あと4戦分も頑張りたいと思います。