梶谷・上組が優勝!4年生と1年生でつかんだ栄冠

庭球女子

勝利の瞬間、喜びを分かち合う梶谷と上

 いよいよクライマックスを迎えた全日本学生選手権(インカレ)。女子ダブルスの頂点を決める戦いでは、ワセダ対決が実現した。第3シードとして確かな実力を誇る吉冨愛子(スポ4=愛知・椙山女学園)・細沼千紗(スポ2=東京・富士見丘)組と、今大会では予選からの出場となった梶谷桜舞(スポ4=東京・富士見丘)・上唯希(スポ1=兵庫・園田学園)組。多くの強敵を退け勝ち進んできた両者による決勝は、手に汗握る激戦となることが予想された。だが、試合は思わぬ結末を迎えることになる。「相手よりのびのびとプレーすることができた」(梶谷)と、順調にポイントを重ねリズムをつかんだ梶谷・上組。これに対し、「空回りしてしまった部分があって、何がなんだか分からない状態になってしまった」(吉冨)と語る吉冨・細沼組は、普段通りの思い切りの良いプレーをすることができなかった。梶谷・上組が6-0でファーストセットを取り、その後もテンポ良い試合運びでゲームを奪っていく。そして、この勢いのまま6-0、6-0。勝利の瞬間、満面の笑みで互いに抱き合った梶谷と上。最後に栄冠をつかんだのは、この二人だった。

(記事、写真 山本葵)

※掲載が遅くなり、申し訳ありません

結果

▽女子ダブルス

決勝

○梶谷桜舞・上唯希(6-0、6-0)吉冨愛子・細沼千紗

女子ダブルスで優勝を果たした梶谷・上(左)組

チャンピオンスピーチ
梶谷

まず初めに、今大会を運営してくださった学連のみなさま、スポンサー各社のみなさま、ありがとうございました。そして、決勝で戦った愛子ちゃん(吉冨、スポ4=愛知・椙山女学園)、千紗ちゃん(細沼、スポ2=東京・富士見丘)、ありがとうございました。ワセダ同士で決勝戦に出場することができて、本当にうれしく思います。そして、私が春関(関東学生トーナメント)でケガをしてしまって春関に最後まで出場できなかったのですが、ここまで一緒に頑張ってくれた上ちゃん(唯希、スポ1=兵庫・園田学園)、本当にありがとうございました。そして、ここまで見守ってくださった監督、コーチ、OB・OGのみなさま、ご家族のみなさん、チームのために動いてくれた部員のみんな、本当にありがとうございました。これからは団体戦のシーズンになるので、チーム一丸となって、勝利のために戦っていきたいと思います。本日はありがとうございました。

まず初めに、今大会を運営してくださった学連のみなさん、協賛してくださったスポンサーのみなさん、ありがとうございました。そして、遠いところ応援にきてくださった監督、コーチ、OB・OGのみなさん、部員のみなさん、本当にありがとうございました。正直インカレ(全日本学生選手権)でここまで来ることができるとは思っていませんでしたが、桜舞さん(梶谷、スポ4=東京・富士見丘)が引っ張っていってくださったおかげでここまで勝ち残ることができました。またすぐにリーグ戦(関東大学リーグ)が始まるので、ワセダの名を背負って戦っていきたいと思います。本当にありがとうございました。

コメント

梶谷桜舞(スポ4=東京・富士見丘)

――ダブルス優勝おめでとうございます。いまのお気持ちは

まだ実感が湧かないです。昨年より実感がないですね(笑)。

――上選手(唯希、スポ1=兵庫・園田学園)には試合後どのような言葉をかけられましたか

まずはありがとうという感謝の気持ちを伝えました。喜びを分かち合ったというのはありますが、またすぐにリーグ戦(関東大学リーグ)が始まるので、昨年の自分の経験もふまえてリーグ戦のことも話して。まだリーグ戦でどのようなかたちで出場するかは分かりませんが、もし梶谷・上で出場したら私たちの相手は絶対に立ち向かってくるので、そこはプレッシャーになるということを伝えました。

――きょうの試合内容を振り返っていかがでしたか

やっぱり一番大きかった点は、ファーストセットの吉冨(愛子、スポ4=愛知・椙山女学園)のサーブを0-40から取ったということです。今大会を通してファーストセットを0-40から取るという試合が3試合ほどあって、そこで自分たちも勢いづくことができました。前にも話しましたが、私と上は4年生と1年生のペアで、上が1年生としてとても元気よくプレーをしてくれているので、自分もそれについていって。私自身も4年生としていままでインカレ(全日本学生選手権)で戦ってきた経験を上に伝えつつ一緒に戦ってきたのですが、相手よりものびのびとプレーすることができたというのはあります。吉冨も昨年負けた悔しさがあってタイトルを獲りたかったと思うし、細沼(千紗、スポ2=東京・富士見丘)も林(恵里奈、スポ3=福井・仁愛女)と組んでインカレインドア(全日本学生室内選手権)でチャンピオンになったので、プレッシャーがあったと思います。その分、私たちの方が先に緊張から脱却できたのかなと思います。

――インカレのダブルスは2連覇となりましたが、そのことについてはどのようにお考えですか

2連覇といったら2連覇ですが、私の中では昨年の林との優勝と今回の上との優勝は別物というか、全然2連覇したいということは考えていなくて。昨年は昨年、ことしはことしで一戦ずつ勝っていこうという思いが強かったです。昨年は一昨年に悔しい思いをしてからずっと頑張ってきたことが表れた優勝でした。ことしは春先に私がケガをしてしまって春関(関東学生トーナメント)に出られなくて、その分春関で上との試合ができなくて申し訳ないことをしてしまったので。ことしのインカレはやるしかないと思っていました。自分の調子が上がらなかったり体がついていかなかったりした中で、インカレのこの2週間を通して自分のプレーが戻ってきて。最後はスコアから見たら簡単に勝ったように思うんですけど、実際はいろいろなことが積み重なった上での勝利だったと思います。

――予選からの勝ち上がりということで試合数も多かったですが、このインカレを通して特に成長を感じた点や課題などはありますか

上については、試合を重ねるごとに1年生は元気にのびのびとプレーしなくてはならないということをとても強く感じていて、そうしたことを心掛けて前向きに試合をしてくれていたと思います。私自身も上の明るい笑顔に何度も救われました(笑)。課題というよりはこれからのことになってしまいますが、やはりインカレで優勝したということでおごらず、周囲やチームからのプレッシャーをはねのけることが一番重要だと思います。気を引き締めて、ワセダの一員としての自覚を強く持ってもらいたいと思います。

――最後に、改めてリーグ戦への意気込みをお願いします

今大会では、女子シングルスでは慶大や山学大などが勝ち進みワセダがタイトルを獲ることができなかったのですが、ダブルスではワセダ同士の対決にすることができて。早慶戦(早慶対抗試合)で0-2スタートだったこともあり、チームとしてはダブルスが課題として挙げられていたので、その点は私たちもレベルアップできたのかなと感じています。でも、団体戦ではまた戦い方も変わってくると思いますし、のびのびとしたプレーはさせてもらえないと思うので、その分しっかりチーム全体で戦って王座(全日本大学対抗王座決定試合)への切符をつかみたいと思います。

吉冨愛子(スポ4=愛知・椙山女学園)

――今大会ではシングルスではベスト4入り、ダブルスでは準優勝されました。この結果につてはどのようにお考えですか

狙っていたのはシングス優勝とダブルス優勝だったのですが、それには全然届いていなくて。かなり不満です。

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きょうのダブルスは空回りしてしまった部分があって…。何がなんだか分からない状態になってしまいました。決勝の舞台であったにも関わらずああいった試合をしてしまって、情けない気持ちでいっぱいです。

――吉冨選手にとって、今回のインカレでの女子部全体の結果はどういったものでしょうか

早慶戦(早慶対抗試合)などでもダブルスが0-2だったということで、ずっとダブルスが課題になっていました。その点に関しては、このインカレ決勝の舞台でワセダ同士で対戦することができたというのは良かったと思います。でも、やはりシングルスではベスト4に一人しか残ることができなかったですし、その私もベスト4で負けてしまって。シングルスに関してはあまりよくない結果だったのではないかと思います。

――最後に、5日後から開幕するリーグ戦に向けて意気込みをお願いします

やることはやってきました。今回のインカレを通して、勝つか負けるかというのは気持ちの問題だと痛感したので、リーグでは精神的な面を充実させて頑張りたいと思います。絶対に勝ちます。

細沼千紗(スポ2=東京・富士見丘)

――きょうのダブルスについて、吉冨選手が「空回りしていた部分があった」とおっしゃっていたのですが、気負いすぎていたところもあったのでしょうか

そうですね。二人とも本当に優勝を狙っていたので、勝ちにいこうという強気な部分が多すぎて空回りしていたのかなと。緊張しすぎてどうすればいいかという考えが浮かんでこなくて、相手の勢いに押されてしまいました。

――今大会全体の結果を振り返っていかがですか

シングルスがベスト8、ダブルスが準優勝という結果で、シングルスは昨年と同じ西本選手(恵、慶大)に負けてしまいました。西本選手はそのまま優勝したのですが、あそこで勝っていたら決勝にいけたかもしれないという悔しさもあります。でも、そこで勝ち切れなかったのは自分の甘さであって、いままで練習してきたことでは足りないということが分かったので、もっと自分を追い込んでいきたいなと思います。

――もうすぐ始まるリーグ戦ではどのように戦っていきたいですか

ダブルスに出場できたらしっかり2-0をつけられるようにして、シングルスでは自分が出た試合は絶対に落とさないようにしていきたいと思います。

上唯希(スポ1=兵庫・園田学園)

――優勝おめでとうございます。いまのお気持ちは

最初は本当にここまで来れると思っていなくて…。春関も途中棄権というかたちで(インカレに)間に合うと思っていなかったので、驚いている気持ちでいっぱいです。素直にうれしいです。

――ペアである梶谷選手は4年生であり、最後のインカレ出場でした。その梶谷選手と組んで優勝されたということで、特別な思いなどはありましたか

4月に(梶谷選手と)組むと決まった時は、正直びっくりしました。昨年も優勝されている先輩と組ませていただくということで、その時は絶対桜舞さんの2連覇に貢献しないといけないと感じて。何がなんでもついていこうと思ったのですが、緊張しつつも出場した春関で棄権ということになりました。でも、この棄権があったことで、梶谷さんが万全の状態ではない分、私自身ももっと考えて頑張らないといけないという意識が芽生えて。結果としては良い方向に向かったのかなと思います。

――きょうの試合を振り返っていかがでしたか

きのうの時点で、最後のインカレなので後悔はしたくないと桜舞さんと話していて。笑顔でプレーを楽しもうと決めていました。それがいい方向に表れて、最後まで自分たちのペースで試合をすることができたのかなと思います。

――上選手にとっては今回がインカレ初出場でした。大会全体を振り返っていかがですか

シングルスは本戦からの出場でしたが、2回戦で今回準優勝された久次米さん(夏海、山学大)と当たって。でも、勝てるチャンスがなかったというわけではなかったと思います。セカンドセットから日没でインドアコートに移動したのですが、(インドアコートは)球速が速くて。相手の早いテンポに押されて流れをつかめなくて負けたというのがあったので、悔しかったです。でも、いまだから言えることですが、シングルスで早く負けてしまったことによってダブルスにうまく気持ちを切り替えることができて。全体を通して、シングルスで早く負けてしまったからこそダブルスでここまで残れたというのがあると思います。

――今大会ではかなりの試合数をこなされましたが、その中で得られた課題や収穫はありますか

(ダブルスの)予選の相手は1回戦も2回戦も1部校のペアで、本戦に上がってもまた1部校の方との対戦が続いて。その繰り返しで本当にきついドローだったのですが、そのドローを勝ち進んでいく中で私たちの調子も上がってきて、とてもプラスになりました。「前日の試合がこうだったから次はこうしよう」とか、「前の試合はここで追いつかれてしまったからここで集中しよう」といった反省がたくさん出てきて、それを次の試合に生かすことができたと思います。試合を重ねる中で成長できたし、逆に課題も明確になりました。

――最後に、リーグ戦などの今後の戦いへの意気込みを願いします

リーグはまだ出場したことはありませんが、厳しい戦いになるというのは先輩方からお聞きしています。もし試合に出場させていただけるのであれば、今回のインカレの結果に満足せず、しっかりとチームの勝利に貢献できる選手になりたいです。