関東大学リーグ(リーグ戦)は雨天順延のため、1日遅れで第四戦を迎えた。ここまで7-0で勝利を収めている早大。対するは、第三戦で慶大を下し勢いに乗っている山梨学院大。早大はダブルスで初の黒星を喫しながらもシングルスで3-1とし、勝ち越しに成功する。強豪校相手に重みのある一勝をもぎ取った。
フルセットの末勝利した梶谷(左)・林組
ダブルス2には梶谷桜舞(スポ3=東京・富士見丘)・林恵里奈(スポ2=福井・仁愛女)組が出場した。全日本学生選手権で優勝し、「自分たちのテニスができている」(梶谷)という二人。立ち上がりは安定さに欠けミスが目立ったが、徐々にペースを取り戻してファーストセットを先取した。続くセカンドセットのファーストゲーム。連続ポイントで40-0といきなりブレークポイントを握るも、「決め切ることができなかった」(梶谷)とジュースまでもつれ込む展開に。その後は精彩を欠き、勝負の行方はファイナルセットへと託された。休憩の間にダブルス1の間中早紀副将(スポ4=東京・早実)・吉冨愛子(スポ3=愛知・椙山女学園)組が敗戦。梶谷・林組は絶対に負けられない状況に立たされた。この追い込まれたところで、「勝負していこう」と攻めの姿勢を貫き得意とするボレーが炸裂。ファイナルセットでは相手にリードを奪われることなく勝利を手にした。
シングルス3には宮地真知香(社3=福岡・折尾愛真)が登場。「出だしが好調だった」と、ファーストセットは難なく先取した。しかしセカンドセット序盤ではリズムを崩される。ラリーで粘りを見せながらもポイントは奪えず、ゲームカウントを1-3とされた。すると、「団体戦であるからこそ、もたついて後輩にプレッシャーを与えてはいけない」と先輩の意地を見せた宮地。相手のミスにも助けられながらもゲームカウントを4-4に戻し、ここから一気に流れを引き寄せた。コーナーをついた正確なショットが光り始め、ラリーの中で相手を翻弄(ほんろう)する場面も。順調にゲームをものにし、セットカウント2-0で貴重な勝ち星を挙げた。
この日も1勝を挙げた宮地
翌日は慶大との対戦。全日本大学対抗王座決定試合出場を懸け、互いに負けられない戦いとなる。高田千奈美主将(スポ4=静岡・浜松西)の「(勝つしかないという状況下の)慶大をはねのけるくらいの気持ちで戦いたい」という言葉通り、強い気持ちを保てるか。いざ早慶戦へ。全勝優勝に向け、熱き戦いが始まろうとしている。
(記事 佐藤亜利紗、写真 松下優)
結果
▽女子1部
○早大5-2山梨学院大
ダブルス1
●間中早紀・吉冨愛子(2-6、6-0、4-6)尾崎仁美・久次米夏海
ダブルス2
○梶谷桜舞・林恵里奈(6-2、5-7、6-2)本郷未生・寺見かりん
シングルス1
○吉冨愛子(2-6、6-4、6-4)久次米夏海
シングルス2
○細沼千紗(6-1、6-3)寺見かりん
シングルス3
○宮地真知香(6-1、7-5)本郷未生
シングルス4
●辻恵子(4-6、0-6)尾崎仁美
シングルス5
○林恵里奈(6-3、6-3)岡田優里
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コメント
高田千奈美主将(スポ4=静岡・浜松西)
――きょうの5勝2敗という結果をどのようにとらえていますか
山梨学院大戦が1つの山場になると思っていました。勝てたことはうれしいです。なおかつ、5-2という差で勝てたことがあすの慶大戦への弾みになるのではないかと思っています。2敗という結果は残念ですが、全体としては良かったです。
――いままでとは違い接戦が多かったのが印象的でした。実際に山梨学院大と対戦してみていかがでしたか
層が厚く、侮れない相手であるというのが率直な感想です。シングルス、ダブルスともに選手がそろっていました。あすの結果にもよりますが、王座(全日本大学対抗王座決定試合)で再び対戦することになれば気を抜かずにやっていきたいです。
――あすは全勝優勝をかけ、慶大との対戦となります
慶大の方はもう後がないという状況で、さらに伝統の早慶戦ということもあり、いつも以上に気合を入れて臨んでくると思います。こちらはそれをはねのけるくらいの強い気持ちを持って全員で一丸となって戦いたいです。
梶谷桜舞(スポ3=東京・富士見丘)
――きょうの振り返りをお願いします
私たちは3戦連続7-0で勝ち星を挙げてきました。そんな中きょうは、慶大を倒し勢いのある山梨学院大が相手でした。王座への出場を懸け、絶対に負けられない一戦でした。対戦相手はインカレベスト4の実力者で、慶大との試合においてもストレートで勝っていました。強い相手ではありましたが、ダブルスの後に控えているシングルスの選手の負担を減らすためにも、ダブルスで2勝することを意識して臨みました。
――勢いのある山梨学院大との対戦ということで、緊張はありましたか
思ったほど緊張はしませんでした。ダブルス1が負け、1敗になったのが分かったときは焦りを感じました。
――これまでの試合は全てストレート勝ちでしたが、きょうの試合ではファイナルセットまでもつれ込む展開となりました
セカンドセットのファーストゲーム、サードゲームをブレークできませんでした。40-0となった場面でも決め切れず、ジュースまでもつれ込んでしまいました。その後もブレークできずにずるずるといってしまいました。結果として挽回して勝つことができたのは良かったです。
――気持ちの切り替えはどのように行いましたか
ベンチコーチがOBの横山さん(良輔、平25スポ卒=佐賀・龍谷)に代わり、「やってきたことを出すだけ」と何度もおっしゃっていただきました。集中力に欠けミスが多くなってきたときには、ファーストセットのときのようにコートの中にしっかり入れて勝負していこうと話していました。
――全日本学生選手権(インカレ)で優勝し、関東大学リーグ(リーグ戦)に出場しています。調子の方はいかがでしょうか
インカレ優勝から自分たちのテニスが良くなってきていることを実感しています。コンビネーションももちろん良くなってきています。リーグ戦の中でいきなり調子が上がるということはありませんが、インカレのときのように林(恵里奈、スポ2=福井・仁愛女)と二人で元気よくやれています。
――あすの慶大戦に向けて、意気込みをお願いします
慶大は山梨学院大に負け、王座出場のためにあす勝つしかないという勢いでくると思います。きょうの試合のようにストレートで勝てる試合をもつれさせてしまうと、チームの雰囲気も悪くなってしまいます。そのため、確実に勝つことが重要だと思います。チームのことを考えたうえであすの一戦を迎えたいと思います。
宮地真知香(社3=福岡・折尾愛真)
――きょうは山梨学院大との試合でしたが、どのような気持ちで迎えましたか
(山梨学院大は)チーム力があってみんな強いので、試合がどう転ぶか分かりませんでした。自分がやることとしては自分が1本取ることなので、試合前は自分に集中しました。それがうまくできたので良かったと思います。
――試合を振り返っていかがですか
出だしが良かったです。セカンドセットの序盤は自分のミスから少し引いてしまいました。団体戦で後輩なども隣のコートで試合をしている中で、自分がそういうふうにセカンドセットでもたついて、引いてしまっていることが伝わってしまうといけないなと思いました。そこだけは反省点です。
――そこから自分で巻き返そうという思いを持ったのですか
はい、そうですね。
――ここまでのリーグ戦は全て勝利しています
単複やっている人もいる中で、自分はシングルスしかないので。自分のポジションでは絶対に取らなければいけないので、勝つというのは絶対条件ですね。
――あすの最終日は慶大と対戦します
あと1つなので、きょうは早く帰って気持ちを切らさないようにします。最後だというモチベーションで頑張ります。