総体女子シングルスで優勝し、実績十分なルーキーとして早大に入学した吉冨愛子（スポ３＝愛知・椙山女学園）。力強いテニスを武器に、常に主力として戦い続けてきた。その吉冨もことしで３年目を迎える。上級生という意識が芽生える中で、どのようなシーズンを送ることになるのだろうか。
※この取材は４月２０日に行われたものです。
悔しさの残る昨シーズン
吉冨
――新チームとなって数カ月が経ちました
きょねんは本当にたくさん練習してきついのを乗り越えた分、ことしは自主性があるという感じです。４年生の方が（練習メニューを）組んでくださっているのですが、朝にダブルスの強化練習を行うなど、いままでになかったものにも取り組んでいます。
――３年生となり意識の変化はありますか
３年生になると、４年生が就職活動でいないときは自分たちの代が一番上になります。気を抜いてはいけないというか、それは当たり前なんですけれども、周りに目を配ることだったり、ついていくだけではなくて引っ張っていくことだったりというのは、いままでよりは自覚が増えたかなと思います（笑）。
――３年生の役割というのはどのようなものでしょうか
絶対的には４年生の方が仕切るんですけれども、それを支えるというのが３年生の役割ですね。
――高田千奈美女子主将（スポ４＝静岡・浜松西）はどういった方ですか
落ち着いた方で、ものごとを客観的に見ることができる人だなと思います。主務と兼任していて大変そうですが、その分コートでは副将の間中さん（早紀、スポ４＝東京・早実）が頑張ってくださっています。
――１年生の印象は
かわいいです。本当にかわいいです（笑）。結構なつっこい子が多くて、チームに溶け込んでいますね。
――では、昨シーズンを振り返っていかがですか
インカレ（全日本学生選手権）のタイトルは絶対というふうに入学したころから思っていたので、ベスト４で終わってしまって残念という気持ちが大きいです。王座（全日本大学対抗王座決定試合）でも、優勝することはできたんですけれども、（自分が）慶大戦で西本さん（恵）に負けてしまったというのは悔しかったです。出た時にしっかりと取れなかったこととか、決勝戦でファーストセットを取られてしまってファイナルセットまでいってしまったこととか、悔しい面の方が大きいです。
――悔しかったということですが、課題を挙げるとすればどのような点でしょうか
気持ちの問題が大きいですね。練習でやってきたことをどれだけ試合の中で発揮できるかだったり、試合の仕方と言いますか、ショットの一つ一つ、どこでどれを選択するかだったり、頭と気持ちも技術に加えてそのような点が課題だと思います。
――どのような場面で気持ちが弱くなってしまうのでしょうか
取りたいと思った時に硬くなってしまいますね。取りたいと思った時に、硬くなることなくしっかりと取れるようにしたいです。
――ダブルスについてはいかがでしょうか
インカレインドア（全日本学生室内選手権）で間中さんと組ませていただいて、ベスト４に入ることができました。自分はダブルスに自信がないので、結果としてベスト４に入ったことは自分の中では良いかなと思っています。しかし準決勝もほぼ勝ちそうなところからの負けてしまって、ダブルスに関しても気持ちの部分が大きな課題ですね。取りたいというときに取ることができず、負けてしまいました。シングルス同様ダブルスでも悔しい負け方をしたなという印象はあります。
自主的に行動する
ことしこそインカレのタイトルを獲得したい
――ことしはどのようなシーズンにしていきたいと考えていますか
３年生になって部活の雑用などもなくなって、自分の時間を作れるようになると思います。その時間を有効に活用して、自分で考えて自分のテニスと向き合っていきたいと思います。１年生の時は部の中でも先輩についていっていたし、監督に言われたこと、コーチに言われたことをやっていたんですけれども、そうではなくて自分で考えて行動していきたいです。
――目標は
インカレのタイトル、欲しいですね。
――ライバルとなってくる選手などはいますか
西本さんもそうですが、新しく入ってきた１年生にも強い選手はいますし、たくさんいますね。
――オフシーズンでプロの選手と戦って学んだことは何ですか
プロの人と試合をすると、スピードが違うなと思いますね。フットワークを良くすることとか、ボールを最後まで諦めないで追い駆けることととかは意識してやっていたので、これからもやっていきたいと思います。
――吉冨選手にとって、春関はどのような大会ですか
毎年良くないというか…。１年生の時も２年の時もあまり良くなかったので、ことしこそは安定した戦い方で勝ち進みたいです。２年連続ベスト８で散っているので、（ことしは）ベスト８では散りたくありません。
――残りの日数で強化したい点は
試合を意識した練習をして、試合勘を失わないように、２週間やっていきたいと思います。自分は先週も試合に出たんですけれども、そこで出た課題なども考えながらやっていきたいと思います。
――ありがとうございました！
（取材・編集 松下優）
◆吉冨愛子（よしとみ・あいこ）
１９９３（平５）年９月２４日生まれ。１５７センチ。愛知・椙山女学園高出身。スポーツ科学部３年。昨季の主な戦績は関東学生トーナメント女子ダブルス２位、関東学生選手権女子シングルス２位、全日本学生選手権女子シングルスベスト４、全日本学生室内選手権女子ダブルスベスト４。１年生について「本当にかわいいんです！」と話していた吉冨選手。競技以外の場面でも親交を深め、より団結力のあるチームになると良いですね！