【連載・女子第3回】『新時代―New Age―』長谷川茉美女子部主将×吉冨愛子

庭球女子

 伝統ある早大庭球部を背負って立つ女子部主将の長谷川茉美(スポ4=熊本・ルーテル学院)。また2年生ながらチームの柱としての活躍を見せる吉冨愛子(スポ2=愛知・椙山女学園)。今回ダブルスのペアでもあるお二人に、ここまで歩んできた道のり、そして全日本大学対抗王座決定試合(王座)8連覇へ向けての意気込みを語っていただいた。

※この取材は10月13日に行われたものです。

1ポイントを大切に

チームのことについて真剣に語る長谷川(右)と吉冨

――今季振り返っての感想をお願いします

長谷川 個人としてはインカレ(全日本学生選手権)のシングルスで決勝までいけたということで、4年間の成果が出たかなと思いました。ダブルスでは私たちのプレーを出し切って春関(関東学生トーナメント)の決勝までいくことができたというのも成果としてすごく良かったと思います。でもその後の夏関(関東学生選手権)やインカレでは、私たちがいきなりダブルスで準優勝したことで他大の選手も研究してきていたり、自分たちの持ち味をうまく出せない試合展開が多かったので、結果が上にいったり下にいったり浮き沈みの激しいシーズンでした。リーグ戦(関東大学リーグ)では私はことし初めてコートに立たせていただいて、チームに貢献できた部分もありますが私の負けでチームの雰囲気が悪くなったりだとか、日によって(調子が)変わってしまい、山学大戦での結果は良くなかったと思います。

吉冨 長谷川さんもおしゃっていたんですけれど、結果に浮き沈みのあるシーズンでした。シングルスとしては春関などでは一度も思うようなプレーができずに終わってしまいました。でも夏関、インカレでは練習してきたことをコートで出すことができて、まずまずの結果で終われたかなと。リーグ戦に関しては、団体戦だと個人戦とは全然違ってきますけれど、チームとしても個人としても納得のいくプレーが自分としては一試合しかなかったです。ダブルスは春関のときは勢いがあって決勝までいけたんですけれど、組んで長くなってくると相手も分析や対策をしてきて、自分たちもベストなプレーを試合で出せていないことが、夏関やインカレでの敗因だと思います。

――今季一番印象に残っている試合は何ですか

長谷川 ダブルスは春の早慶戦(早慶対抗試合)かな。早慶戦の1週間前に春関の決勝で同じペアと当たって、そのときは前日に監督からアドバイスをいただいて、それを徹底的にやろうと話していたんです。けど自分たちもいっぱいいっぱいで悔しい結果になってしまって、やれることはやったんですけれど。あとで振り返ってビデオを見たときに、防げるミスもお互いありましたし、相手も崩れていたところを簡単に私たちが流れを閉ざしていたところがありました。早慶戦では頑張ろうと切り替えて、勝てそうなところまでいったんですけれど、やっぱりあと一歩で勝てなかったのが、すごく悔しくて覚えています。

吉冨 シングルスでインカレの準々決勝で西本さん(慶大)との対戦が印象に残っています。大学に入ってから5回くらい対戦したんですけれど、やっと1回勝たせてもらいました。

――昨年のインカレでも準々決勝の相手は西本選手でしたが、試合へのモチベーションは上がっていましたか

吉冨 はい。相手の方が大学に入ってから何回も勝っているので、負けられないというプレッシャーはあったと思います。それが自分にとっては有利だと思って、だからといって当たって砕けろという感じではなく、自分のやることを明確にするために紙に書いて試合に入りました。

――インカレではお二人とも関大の藤原悠里選手に敗北しましたが、どのような印象を持っていますか

吉冨 試合のときに完全に自分の方に流れが来そうだったところで、私より足にきてたと思うんですけれど、ちょっとの隙を突いてきて、最後まで諦めない強い気持ちを持った選手という印象があります。

長谷川 ジュニアからテニスをやってきて初めての決勝の舞台だったので、最初は本当に緊張しすぎて全然自分のプレーができずに終わってしまったので、相手よりも自分の気持ちが落ち着かない部分が大きかったです。でも吉冨も言った通り、すごく努力をしているプレイヤーだと思いました。吉冨と準決勝で当たったときも、フルセットですごく長時間の試合で相当疲れたと思うんですけれど、試合が終わった後にコーチの方と練習をされていたので、そういう自分に負けないという気持ちがすごくあると思います。

――リーグ戦のダブルスでは序盤2戦勝利しながらも後半2戦では敗北してしまいました

長谷川 最初の専大戦ではファーストセットで4-1とリードしていながら、自分たちのミスでセットを取られるかたちになってしまったのですが、その後に吉冨が後ろで私が前っていう、ダブルスの陣形を全てそのかたちに持っていけという指示がありました。その試合で初めて試したのですがうまくいって、亜大戦もすごく良かったので、このままこのパターンで固めたら強いかなと思っていました。でも次の早慶戦では私たちは春関でも負けていて、三度目の正直っていう強い気持ちで臨んだんですけれど、緊張が上回ってしまい本来のテニスができませんでした。持ち味を発揮できずに終わってしまったので、できないなりにもっと、隣がダブルスで頑張っていたので私たちも粘って時間を稼ぐことができれば良かったのですが、あっさりと負けてしまったのでそこは反省点です。

吉冨 早慶戦では三度目だから絶対に勝とうと思ったにも関わらず、空回りというか逆に引いた気持ちになってしまいました。私たちが勝つためにはガンガンいくことが必要なんですけれど、私が引いてしまって強打しなきゃいけないところも、強打できないだけでなくコートに入れることすらもできていなかったです。山学大戦では挽回しようとしたんですけれど、序盤うまくいかなかったときに早慶戦のときみたいなミスが続いてしまって、相手と勝負する前に自分の気持ちに負けてしまって、張り合えなかったと思います。

――山学大戦では3-3で吉冨選手に回ってきましたが

吉冨 正直いままでの団体戦で一番緊張しましたし、シングルスはダブルスに比べて前衛がいないので、とにかくコートの内側に内側に入れていこうと意識していました。でも自分がダブルスで負けてしまったというのがシングルスの入りにも影響しましたし、落としてしまった一本は自分で絶対に取ろうと覚悟を決めてコートに入れたと思います。

――長谷川さんはこれまで団体戦のメンバー入りがありませんでしたが、出るに当たっての気持ちはいかがでしたか

長谷川 プレッシャーは感じましたね。でも意外とインカレで結果が出たことによって、シングルスの自信がいままでよりも付いていました。私の出るポジションは下の4、5のどちらかだったので、しっかり自分のプレーをすればチームの勝利に貢献できると思っていました。早慶戦のシングルスは出だしがすごく良くて、最初6-0で取れたのですが、セカンドからは相手も変えてきて。それよりも自分のミスでファーストよりも一本が早くなっていて、それが相手にセットを取られた原因でした。ファイナルは0-3スタートで体力的にもきつい部分があって、相手の坂本(君佳)選手もすごくきつかったと思うんですけれど、すごく良いプレーをしてきましたし、応援やベンチコーチの力で勝たせていただいたと思います。あの0-3になったときはすごくプレッシャーを感じました。

――夏の期間を通して成長したと感じる部分は何ですか

長谷川 いままでの私はタイミング速くテンポ上げて打って、相手に構える隙を与えないことで勝ってこれたと思うんですけれど、大学生はしぶとくて私もミスが多かったので、最後のインカレでも1試合目からファーストセットを取られて負けるんじゃないかと思いました。そこで初めて自分のテニスを捨ててでも勝たなきゃいけないときがあると思って、守備を徹底したテニスに変えたことで、それが逆に良いかたちになりました。インカレまでに追い込んでいた体力面だとかトレーニングしてきた脚力とかが夏の収穫でした。

吉冨 自分は結構打つタイプなんですけれど、夏関、インカレではミスも多くて雑なプレーも多かったので、そこは修正していこうとして、試合中にその感覚がつかめて、インカレではバカみたいなミスはなくなったと思います。でもリーグ戦ではプレッシャーがかかったときに逃げてしまったり雑になってしまったりして、全然成長していないです。

――個人戦と団体戦は戦う上で意識が違いますか

長谷川 団体戦の方がチームを背負って戦っているので、簡単にミスをできないなと思っています。追い込まれたときに個人戦ではカウンターを狙うところを、確実にコートに返して、私の武器はどこまでも走ってキャッチすることだと思うので、それを生かして、相手が嫌になるまで拾ってやろうという気持ちでやっていました。

吉冨 一つはチームで戦っているので、個人戦よりも元気にやるというか、チームと一体になれるように声を出そうと気をつけています。二つ目は長谷川さんと一緒で、1ポイントが大切になってくるので、少し大事にいこうという気持ちはあります。気持ちはあるんですけれど、なかなか…(笑)。いつもそういう気持ちが良い方向に向いていないので、王座までには自分の気持ちと対話して、そういうところで何をしなくてはいけないのか、しっかり対応していきたいです。

――団体戦を戦う上で、ご自身のチーム内での役割は何だと思いますか

長谷川 私は主将として誰よりも声を出して周りを盛り上げることが大事だと思っています。自分からみんなを巻き込んでいくように、みんなの気持ちを引き上げることが役目だと思っています。

吉冨 私は、うーん(笑)。

長谷川 プレーで引っ張るときは引っ張っていってくれるので、プレーで勝利に導くことが吉冨の役目だと思います!(笑)

吉冨 全うできるように頑張ります!

「元気はどのペアにも負けない」(長谷川)

笑顔でチームを引っ張る長谷川

――長谷川選手から見た吉冨選手の印象は何ですか

長谷川 すごく元気があって。私は4年生なので後輩はアドバイスしにくいと思うんですけれど、吉冨はテニスも強いですしアドバイスもダブルス中に聞きたいときにしっかり「もっとこうした方がいいと思います」と言ってくれます。頼りになりますが、負けてくるとパニックになるかな?(笑)周りが見えなくなっちゃうので、そこは私がどう和らげるかが大事なんですけれど。でも面白いです。こんな球打てるのに、こんな球ミスするんだって(笑)。相手からすれば予測不可能ですね。すごく明るくてテニスに関しては真面目なので、これからの成長に期待します。

――普段の吉冨選手はどんな方ですか

長谷川 がさつです。たまにおっさんな部分が出てしまいます。でもそれが彼女の取り柄だと思います。顔はかわいいんですけれど、中身はおっさんです。

――では吉冨選手から見た長谷川選手はいかがですか

吉冨 とても明るい方で、テニスに対してすごく前向きです。ストイックとはちょっと違いますが、一生懸命にやっているのがすごく伝わってくる方です。あと余談ですが、とっても動きが速いです(笑)。自分が甘いボールを打ってしまって、「うわ、打たれた」ってときでも、「はい!」って言って届いたりだとか(笑)。きのうもダッシュをしたんですけれど、すっごく速くて、うらやましいなといつも見ています。あとダブルスでは私が打ち損なったボールもしっかりキャッチしてくれたりだとか、打ったときにはしっかり前に出てくれたりだとか、すごく決めてくれる印象があります。

長谷川 良いことばっかり言わなくていいんだよ(笑)。

――普段の長谷川選手についてはいかがですか

吉冨 部室ではすごく明るいんですけど、話を聞いてるとオフの日はすごく寝てるのかなという印象ですね(笑)。

――プライベートで一緒に行動することはありますか

長谷川 2つも離れてるので、吉冨には下級生の仕事がありますし、私も私で監督と連絡を取ったり部の計画を立てたりというのがあるので。

吉冨 行動が違いますよね。

長谷川 私が休みの日はアクティブじゃなくて引きこもっちゃうタイプなので、あまり人を誘ったりはしないですね。疲れちゃうので寝たいです(笑)。

――普段一緒に行動する選手は誰ですか

長谷川 吉冨は日比(沙織、スポ2=神奈川・湘南工大付)だよね。

吉冨 日比がダントツで一緒にいますね。ちょっと気持ち悪いんですけど(笑)。家が近いので、ちょっと帰るだけなのに一緒に帰ったりだとか、スーパーに寄ってご飯の材料を買ったりだとか、そんな感じですね。

――長谷川選手はいかがですか

長谷川 私は1人でいるのが好きな引きこもりタイプなので(笑)。最近では部の話し合いとかで同期とかといたりして。その中でも大石(加奈子、社4=福岡・柳川)が一番話しますかね。練習が遅くなって、次の日のこととか考えて夜の11時とかになると、「松屋行こうか」と。でも1日の大半を一緒に過ごすので、部室を出た瞬間に部員と関わりたくないかな(笑)。うらやましいんですけどね、2人仲良くというのも。

――長谷川選手から見た2年生の印象はいかがですか

長谷川 すごく個性が強いなと。テニスに関してはレギュラーだけじゃなくノンレギュラーの子たちも一生懸命頑張っていますし、チームの底上げという意味では2年生が引っ張っていってくれているのかなと思います。吉冨や宮地(真知香、スポ2=福岡・折尾愛真)とかは去年からリーグで活躍してくれていたので、すごく頼りになる存在だなと思います。みんな明るいですね、2年生は。

吉冨 うるさいですよね。すいません。

長谷川 うん、うるさい(笑)。でも良いと思うよ。

――吉冨選手から見た4年生の印象はいかがですか

吉冨 長谷川さんもおっしゃっていたんですけど、部にいるときは一緒にいるなと感じるんですけど、部を出るとみなさんたくさんの時間を一緒に過ごしているので、部から離れてリラックスしている方が多いのかなと思います。学校で部外のお友達と仲良くしているのかなという印象ですね。オンオフの切り換えをはっきりされている方が多いのかなと思います。あと練習に4年生の方がいると締まるというか、少しピリッとする感じがします。

――お2人のペアとしての強みはどこですか

長谷川 元気ですかね。

吉冨 あー、そうですね。元気と体力は。

長谷川 元気はどのペアにも負けないかなと思います。どんなに負けていても、仮に1-6とかでも「あれ、あそこ勝ってるのかな?」みたいな雰囲気を出すのが私たちの持ち味ですかね。

――ワセダの他のペアを見ていてすごいと感じる点はありますか

長谷川 いままでは雁行陣でダブルスをやっていたんですけど、ことしからいろいろと変則的な陣形も多く取り入れていて。その中でも梶谷(桜舞、スポ2=東京・富士見丘)・林(恵里奈、スポ1=福井・仁愛女)組は春から組み始めて、2人ともケガとかで練習ができないときがあったんですけど、リーグ戦ではダブルス2で全勝したりとチームの軸になってくれています。インターハイのダブルスでチャンピオンになっている2人が組んでいるので能力はすごく高くて、ダブルスをちゃんと理解してプレーしているなと思います。

――いままでの庭球部生活を振り返っていかがですか

長谷川 私が入ったときの4年生がものすごく怖くて(笑)。1日1日を乗り切るのがやっとという感じでした。でも入る前に、ワセダに入っている先輩からどういうものかというのを聞いていて。高校のときはクラブでやっていたので、初めての部活でものすごくきついのを想像して覚悟をして入ってきたんですけど、意外とやれるなと感じましたね。いまの下級生がやっているように当番とかをやって、テニスに集中できないということもあったんですけど、いま考えるとそのときの仕事がどういう意味を持っていたのかとか、どれだけ大切だったということがわかってきました。下級生のときは上級生の気持ちがわからなかったんですけど、学年が上がるにつれて先輩たちの気持ちがわかるようになって。いろいろな経験をしてきて、人間として成長できたかなと思います。

――吉冨選手はいかがですか

吉冨 私たちが入ったときには、テニスに集中できる環境をつくるために少し考慮されるようになっていたんですけど、それでもきつくて。なかなか自分のテニスが強くなっていると感じられなかったりだとか、監督に言われたことができないだとか、そういった時期があって。いまでもそういったときがあって、それは辛いですね。やろうと思ってもできないことが1番辛いんです。掃除とかは頑張ればできるんですけどね(笑)。

――逆に楽しかったことはありますか

吉冨 昨年王座で優勝したときは、うれしかったですね。あときのうとかきついトレーニングをしたんですけど、終わったあとに無駄に話題が出るような、そういったことを全員で共有できるのは楽しいと思いますね。

――いまのチームは下級生が主体ですが、その中での上級生の役割は何ですか

長谷川 下級生には監督も期待している部分はありますし、テニスでチームを引っ張ってくれているので、上級生もそれに頼らずにチームを引っ張っていかないといけないとは思います。でも王座に向けてだと日も短いので、いかに下級生が平常心でプレーをさせられるか、どうやったら勝つことができるかということを考えて練習していかないといけないかなと思います。

「チームを勝ちへ導く」(長谷川)

ペアの持ち味である元気を前面に出す長谷川(左)・吉冨組

――王座に向けて強化している点は何ですか

長谷川 ダブルスです。5試合で勝負を決めないといけないので、リーグ戦よりも厳しい戦いになると思います。リーグ戦の4戦目、5戦目のようにダブルスが1-1になってしまうと、シングルスの人にプレッシャーがかかるので、ダブルスを2-0にしてシングルスの人に思い切ってやってもらうというかたちにするために、ダブルスを強化しています。総力戦ということで、誰が出ても戦えるようにしています。私個人ではリーグが終わってからずっとスマッシュについて言われていて。スマッシュの強化を一番しています。

吉冨 メンタルです。すごくへっぽこなので(笑)。メンタル次第でパフォーマンスも上がってくると思うので、そこがカギです。あとは、チームで勝利をつかむために、ダブルスで2-0に貢献できるようにダブルスの強化を頑張っています。

――お2人にとっての王座とはどのような場所ですか

長谷川 本当に何が起こるかわからないなと思っています。私が入ってきたときは先輩方がすごく強かったので、危機感を持ちながらも心のどこかで「勝つでしょ」と思って応援していたときもあって。でもことしはそういうのがなくて、それは部員全員がわかっていると思います。ことしはどこのチームが勝ってもおかしくないと思います。

吉冨 本当に緊張するなという…。去年は桑田さん(寛子、平25社卒=現島津製作所)、大竹さん(志歩、平25スポ卒)がいて、私は絶対に勝たなきゃいけないというポジションではなかったんですけど、それでも緊張して自分を見失って、それで相手に打たれまくって自分のプレーができない状況になって。本当に何が起こるかわからないなと思います。それと同時に1年間王座のためにみんなで頑張ってきたので、それを発揮する場所でもあると思います。

――連覇へのプレッシャーは感じますか

長谷川 感じています。私は出るかどうかわからないんですけど、主将としてチームを勝ちへ導くのがこの1年の務めなので、それだけは絶対に果たしたいです。いままでは4年生が引退しても次の代に(王座を経験した選手が)2、3人はいるという状況だったんですけど、ことしはそういう状況じゃなくなってしまって。王座を経験しているのが吉冨だけなので、本当にピンチというかプレッシャーがあります。でもその分この1年やりがいがあったと思える1年にしたいので、最後は優勝して卒業したいと思います。

吉冨 先輩が積み上げてきたものなので、自分も出れるかわからないですけど、やっぱりプレッシャーはありますね。でもことしの苦労を乗り切って勝てたら去年の何倍も嬉しいと思うので、後残り少ないんですけど、やれることをしっかりと頑張っていきたいです。

――一番のライバルは慶大になると思いますが、慶大の印象は

長谷川 チーム力がすごく高いなと思います。慶大の中でレギュラーや試合に出る選手は決まっていると思うので、ワセダよりも固定して一人一人の役割を徹底して練習しているのかなという印象があります。

吉冨 闘争心をむき出しにしているという感じで、勝つという気持ちを前面に出してくるという印象があります。

――最後に王座に向けての意気込みをお願いします

長谷川 コートの中にいたとしても、コートの外にいたとしても、チームが勝つために何を優先すべきかということを考えて、チーム全体を盛り上げて優勝に導けたら良いなと思っています。

吉冨 気合全開でいくと共に、冷静に周りを見て、出るにしても出ないにしてもチームのために貢献できるように頑張りたいと思います。

――ありがとうございました!

(取材・編集 細川香衣、渡辺早貴)

王座への意気込み。主将はシンプルに優勝する!

◆長谷川茉美(はせがわ・まみ)(写真右)

1992年(平4)3月25日生まれ。154センチ。熊本・ルーテル学院高出身。スポーツ科学部4年。今季の主な実績は、春関ダブルス準優勝、インカレシングルス準優勝。全日本学生ランキングシングルス7位、ダブルス30位(ともに10月現在)。主将ということで、夜遅くまで帰れないこともあるという長谷川選手。しっかりと休息をとって王座に臨んでいただきたいです!

◆吉冨愛子(よしとみ・あいこ)(写真左)

1993年(平5)9月24日生まれ。157センチ。愛知・椙山女学園高出身。スポーツ科学部2年。今季の主な実績は春関ダブルス準優勝、夏関シングルス準優勝、インカレシングルスベスト4。全日本学生ランキングシングルス4位、ダブルス17位(ともに10月現在)。笑顔がかわいらしい吉冨選手ですが、がさつな性格は「想像を絶する境地」だそう…(笑)。一度、そんな吉冨選手を見てみたいですね!