三連覇をかけた早慶戦が始まり、ダブルス2組が白星をあげる

庭球女子

第111回早慶対抗庭球試合 6月15日 慶應義塾大学日吉キャンパス蝮谷テニスコート

 第111回早慶対抗庭球試合が慶應義塾大学日吉キャンパス蝮谷テニスコートで行われた。早大からは、主将の齋藤優寧(スポ4=岡山・岡山学芸館)と金子さら紗(スポ3=埼玉・浦和麗明)のエースペアと田邑来未(スポ2=大阪・城南学園)・小髙未織(スポ1=埼玉・浦和麗明)の注目の1・2年生ペアの二組が登場した。両ペアとも今年の春関ではベスト4入りを果たしており、期待がかかる中での試合となった。そんなプレッシャーの中、齋藤・金子ペアはストレート勝ち、田邑・小髙ペアは2セット目を奪い返され苦戦を強いられたが、見事競り勝った。早大の2勝で1日目を終えた。

 女子部の試合は、男子部が試合を行う屋外テニスコートの隣にある室内コートでの開催となった。早大の齋藤・金子と対峙するのは、S1、S2にも出場予定の大橋と中島の三年生ペアだ。2023年の全日本学生室内テニス選手権大会の準決勝でもあたっている因縁の相手でもある。その時は6-3、7-5というスコアで勝ってはいるが、油断ならない強敵である。試合は長期戦になるかと思われたが、去年より齋藤・金子ペアは各段にパワーアップしており、その予想を覆される展開となった。1セット目から強気のプレーを見せ、一切攻撃の手を緩めず相手のミスを誘う。相手に逆転のチャンスを作らせないまま、6-0というスコアで慶大を圧倒した。続く第2セット、後がない慶大は猛攻を見せ、ゲームカウントは2-2になる。しかし齋藤・金子ペアの勢いは止まらない。慶大の甘い球を見逃すことなく、鋭いボレーを相手コートに叩き込み、ブレイクを決めた。安定した連係攻撃でそのままリードを守り切り、早大に初白星をあげた。

笑顔でハイタッチを交わす齋藤と金子

 一方隣のコートでは、2年の田邑と新人小髙が組む今年始動のダブルスペアが慶大の3年、1年ペアと白熱した戦いを見せていた。田邑の大きく伸びるサーブから小髙のラケットを振り切るボレーでポイントを取る好調な滑り出しを見せる。第1セットは6-3で早大ペアがものにしたが、後半調子を上げてきてきた慶大は簡単には勝たせてはくれない。第1セット後からますます強度を上げる慶大の前衛奥へのストロークや早いテンポでのリターンに対応しきれない。早大も攻める姿勢を崩さずサイドラインを狙うが、攻めているが故のアウトが目立ち、慶大のポイントになってしまう。自分たちの持ち味を上手く発揮することができず、苦戦を強いられることになった2セット目は相手が取り、勝敗は最終セットに持ち越された。セットを奪い返し勢いづく慶大から流れを取り戻すべく始まったファイナルセットは、早大が冷静なプレーを見せた。「私たちが悪かったのではなく、相手が強かったと二人で思うことができたことが良かった」(田邑)と、二人での話し合いで上手く気持ちを切り替え、本来の実力を発揮することができた。ラリーが長く続く中、サービスラインまで伸びるストロークで相手を打ち負かしたり、速度の速いボレーショットをぎりぎりでキャッチしたりするなど粘り強いプレーでポイントを稼ぐ。勢いを取り戻した早大は1-1のカウントから怒涛の5ゲーム連取を果たし、見事慶大を打ち破った。

試合中話し合う田邑と小髙

 一日目のダブルスで二つの白星をあげるという好スタートを切り、早慶戦3連覇の目標の達成に早大は大きく前進する結果となった。ダブルスでは両ペア自分たちの力を最大限発揮し、新体制の早大庭球部の強さを見せつけることができた。ベンチやコート横からの応援にも力が入り、早大が一丸となって勝利へ前進していることが感じられる。しかし、田邑が「慶大は気合を入れてまたやってくる」と語るように、明日の勝敗がつくまで宿敵の慶大相手に気を抜くことはできない。早慶杯をまた手にすることができると信じて、明日のシングルスに期待したい。

(取材・執筆 中村由愛、編集 大日結貴・中村由愛、写真 佐藤結・中村由愛)                              ※掲載が遅れてしまい、申し訳ありません

結果

〇D1齋藤優寧・金子さら紗2-0(6-0、6-4)大橋麗美華・中島玲亜
〇D2田邑来未・小髙美織2-1(6-4、3-6、6-1)田島楓・西飛奈

コメント

田邑来未(スポ2=大阪・城南学園)

――試合を振り返っての率直な感想をお願いします

一早慶戦2回目ということで、緊張はあまりなくて去年よりも良い感じで入れました。相手は手強いチームで2セット目は厳しい状況だったんですけど、ファイナルセットは応援の数も多くなって、それによって元気が出て、勇気を持つことができたので、すごいいい形でプレーできたと思います

――2セット目追い込まれてしまったと思うのですが、挽回できた理由を教えてください

2人でなぜセットを取られてしまったのかを話し合えたことがあると思います。話し合った結果、その理由が自分たちが悪かったわけではなく、相手が強かったということで二人で気持ちを切り替えることができたのでよかったです

――明日もまだ試合が続くと思うのですが、意気込みをお願いします

ダブルスが2-0で良い感じで流れは来てはいるのですが、慶應さんも気合入れてまたやってくると思うのでそれに負けないように元気を出して頑張ろうと思っています