【女子卓球】6年ぶりのリーグ制覇!チーム力で戦い抜き、全員で栄冠を手にした。

卓球女子

秋季関東学生リーグ戦 9月18日  東京・代々木第二体育館

※掲載が遅くなり申し訳ございません。

5日間に渡って開催されてきた秋季関東学生リーグ戦(秋リーグ)も、とうとう最後の日に。ここまで5勝1敗と自力優勝の可能性を残して最終日に挑んだ早大女子。今日勝てば優勝という大一番で迎えた相手は東洋大だ。過去2年間のリーグ戦では勝利はしているものの、最終7番まで回る大熱戦を繰り広げている手強い相手との一戦。1番・小野蒼彩(スポ1=広島・進徳女子)が惜しくも敗れたが、2番・司千莉(スポ2=大阪・香ヶ丘リベルテ)が勝利した。続く3番・宮脇心和子副将(社4=鳥取敬愛)が劇的な大逆転を見せ、勝利するとチームは勢いに乗る。ダブルスをフルゲームの末取り切ると、堀江こぺり(教1=東京・早実)が試合を決めた。強敵相手に団体戦スコア4-1で白星を挙げ、早大女子は6年振り、9度目の優勝を果たした。

優勝が懸かった大事な一戦。プレッシャーのかかる1番を任されたのは、ルーキーの小野だった。第1ゲームは8-10から4連続ポイントで逆転して奪取。しかしその後は打ち合いの中でブロックが合わず、ポイントを落としていく。3球目攻撃やサービスエースも光ったが、追いつけず惜しくも敗れた。

フォアドライブを振り抜く小野、今大会、要所で勝ちを重ねてきた

2番にはエースの司が起用される。熾烈なドライブのラリー戦となり、司のバックハンドが特に光った。先に2ゲーム連取して迎えた第3ゲーム。相手の急なコースの切り替えに追いつけず、苦戦する。このゲームは落としたものの、第4ゲームでは立て直しを見せ、勝利した。

シングルス6勝1敗で優秀選手賞を受賞した司

3番には宮脇が出場。4年生の宮脇にとってこの試合がリーグ戦での最後の試合に。相手の力強い攻撃に押され、序盤はリードされる展開になる。先に2ゲーム取られ、後がなくなった第3ゲームでは少しずつラリーに持ち込む場面が増え、デュースまで粘り、何とか取り切る。「無理に打たずに相手に打たせてからラリーに持っていく戦略」が効を奏し、その後2ゲーム連取。見事な大逆転劇で、貴重な勝ち点を挙げた。

大逆転で勝利を収めたあとに笑顔を見せる宮脇

続くダブルスは深谷和花主将(スポ4=愛知みずほ大瑞穂)・小野組が起用される。鋭いドライブ攻撃を見せる相手ペアにカットと攻撃を交えて挑んだ。お互い一歩も譲らず、試合はフルゲームに突入。要所で小野のカウンターパンチが炸裂し、勝利をつかんだ。あと1勝で優勝が決まるという大事な局面を任されたのは、1年生ながら堂々としたプレーでチームに勢いをつける堀江。カットマンとの一戦になり、慎重に攻め込んでいく。しかし、攻撃力も兼ね備えた相手に苦戦する。試合の流れが変わったのは、第3ゲーム以降。得意のバックドライブが冴えわたる。惜しくも第3ゲームは落としたものの、ゲームカウント2-2で迎えた最終ゲーム。バックドライブの勢いは止まらず、応援席からもどよめきが起こるほど。流れをつかんだ堀江は最後までリードを保ち、熱戦を制した。

最終ゲーム、得点の際に拳を突き上げる堀江

この勝利により団体戦スコア4-1で東洋大を下し、早大女子の優勝が決まった。
シングルス全勝、初めて組んだ小野とのダブルスでも5戦中3勝を挙げた深谷主将が優勝に最も貢献した選手として、殊勲賞を受賞。また、シングルス全戦に出場し6勝を挙げた司が優秀選手に選ばれた。

笑顔で、全力で応援するベンチ

 6勝1敗で目標であった3位以上を上回る優勝を果たした早大女子。深谷主将は「早大が優勝すると思っていた大学、チームはほとんどいなかったと思います」と語ったように、当初の予想を大きく覆す、最高の結果を成し遂げた。優勝の要因を深谷主将は「全員で4点を取りにいけること」、宮脇副将は「一致団結して全員で戦うこと」と語ったように、選手個人の力だけでなく、ベンチ、スタンドも一体になって全員でつかみとった。今大会を通じて得た自信や誇りは、今後の糧になるだろう。そして、個性を尊重したチーム作りの集大成を、早大女子らしい笑顔で締めくくった。

6年ぶりの優勝を決めた早大女子。秋リーグお疲れ様でした!

       (記事 牧咲良 写真 上田浩誠、上野沙織、牧咲良)

深谷和花主将(スポ4=愛知みずほ大瑞穂)

ーー優勝された今の気持ちを教えてください
素直にすごくうれしいというのが感想です。早大が優勝すると思っていた大学、チームはほとんどいなかったと思いますし、それだけ奇跡的な優勝だったのですごくうれしいです。

ーー主将としてチーム全体を見て優勝の要因はどこにあると思いますか
私たちのチームの強みは、全員で4点取りにいけることです。優勝できた要因は、それぞれが自分の出た試合で「1点取りにいく」という姿勢を貫き続けられた点にあったと思います。

ーーご自身としては最後の団体戦となりましたが、どのような気持ちで臨まれましたか
事前にインタビューしていただいたとき(対談)に、色紙に「覚悟」と書いたのですが、その言葉の通り「覚悟」をもって最後の団体戦に臨みました。それはキャプテンとしても、一選手としても、これまでチームに貢献できなかった分、勝って貢献しようと思いました。

ーー個人ではシングルス全勝されましたが、振り返っていかがですか
上出来すぎるくらいの結果で、実際に個人的に結果を残すと、チームにこんなにも良い影響を与えるんだということを実感できました。最後の最後でようやく最高の結果を残すことができて良かったと思います。

ーー後半戦からカットで守るだけでなく攻撃していく場面が多く見られましたが、何か意識されましたか
前半戦を4勝1敗で折り返すという状況は春リーグでも同じでした。しかし春リーグでは、そこから2敗してしまいました。その要因として、新しいことを取り入れずに現状維持で試合に臨んでしまったことがあったので、今回の秋リーグでは、後半戦までの間に、サーブや攻撃パターンを増やす練習を取り入れて、それを試合でも実践しました。

ーーダブルスでも新しく組んだ小野さんとのペアで3勝されましたが、振り返っていかがですか
ダブルスはチームの勝利のために大事な点だと考え、監督にも「ダブルスが大事だ」ということを提言しました。自分がダブルスに出たいということを伝えたわけではなかったですが、最終的に私と小野のダブルスを起用してもらえて、試合の1ヶ月前から準備をしてきた成果を出すことができました。

ーー卓球部で過ごした4年間を振り返ってていかがですか
苦しいこともたくさんあった4年間でしたが、4年間頑張ってきたことが優勝という形で報われると、本当に良かったなという感想になります。自分が1年生の時に試合に出させてもらったのに、全然勝つことができず、先輩方に迷惑をかけてしまい、たくさん励ましてもらった過去があるので、その先輩方に感謝したいと思います。

 宮脇心和子副将(社4=鳥取敬愛)

――優勝された今の気持ちを教えてください
素直にとてもうれしい気持ちでいっぱいです。

――本日のシングルスでは2ゲームを先取されたところからの大逆転となりましたが、どのように気持ちを切り替えられましたか
2ゲーム先に取られた時にはどうしようかなと思ったのですが、団体戦が最後なんだと思い出して、それなら楽しむしかないなという気持ちで戦いました。

――最後は得意のラリー戦に持ち込んで、勝利となりましたが、そこに持っていくためにどのような戦略を立てましたか
自分の下回転打ちのミスが多かったので、無理に打たずに相手に打たせてからラリーに持っていく戦略を立てました。

――最後の団体戦となりましたが、秋リーグ全体のご自身の戦いを振り返っていかがですか
3勝2敗で、負けた試合もあったのですが、個人的に専大戦で春リーグで負けた相手に3-0で勝つことができたのでとても良いリーグ戦だったなと思いました。

――春のリーグ戦から順位を4つも上げましたが、早大女子全体を見てどこが成長したと考えていますか
もともとチーム力は良かったと思うのですが、春よりももっと一致団結して全員で戦うことができたのが成長した部分だと思っています。

――最後に卓球部で過ごした4年間を振り返っていかがですか
たくさんの団体戦に出させていただいて、たくさん負けてとても申し訳ない気持ちや辛い時時もたくさんあったのですが、先輩や後輩、同期もいい人ばかりでみんながいるから4年間やりきることができ、とても幸せな時間だなと思っています。

▼試合結果

秋季関東学生リーグ第7戦
早大 ○4-1 東洋大
小野 ●1-3 山脇
○3-1 桧山
宮脇 ○3-2 浦部
深谷・小野 ○3-2 山脇・上澤
堀江 ○3ー2 本間
深谷 佐藤
大場 上澤