全日本大学総合選手権・団体の部 7月3日~6日 三重・四日市市総合体育館
7月3日~6日にかけて全日本大学総合選手権・団体の部(インカレ)が行われた。全国から集まった48の強豪校が頂点を目指し、戦いの火花を散らす。インカレはリーグ戦と異なり、シングルス4名とダブルス1組の5ゲームマッチ3ゲーム先取で試合が行われる。予選リーグを首位で勝ち進み、決勝トーナメント進出を果たした早大女子。決勝トーナメント1回戦は司が単複勝利をあげる活躍を見せ、3-1で勝利した。続く2回戦の相手は関西王者・立命大。1番手・宮脇が惜敗するとそのまま悪い流れを断ち切れず、ストレートで敗れる。ベスト8の高い壁に阻まれ、3年連続ベスト16で大会を終えた。
予選リーグの2戦をいずれもストレートで下し、予選リーグ1位で決勝トーナメントに駒を進めた早大女子。最高学年としてチームを引っ張る深谷、宮脇と関東学生で3位を収めた司、新人戦3位の小野を中心としたオーダーを組んだ。1戦目は今年関西学生リーグ戦1部に初昇格し、勢いのある千里金蘭大学。1番・宮脇はカットマンとの対決に。序盤から変化のついたボールへの対応に苦戦する。どんな球にも反応し、返球を続ける相手に決定打を打ち込めず、最初のゲームを奪われた。しかし、ツッツキで緩急をつけ、相手のミスを誘うことに成功し、試合はフルゲームに突入。力強いフォアドライブを決めるも、最後は1球多く返してきた相手に軍配が上がった。2番は司。得意の両ハンドドライブで相手を揺さぶり、試合の主導権を握った。台から下がった状態からもボールを拾う相手に1セットを取られるも、攻撃力で優位に立ち、見事勝利。

決勝トーナメント1回戦の司
続くダブルスでは、司と小野の息の合ったコンビネーションで相手ペアを翻弄する。最後まで相手ペアを引き寄せないプレーで、1回戦勝利に向け、リーチをかけた。4番を託されたのは、主将深谷だ。緩急をつけた相手の攻撃にも冷静に対応し、着実に点数を重ねる。試合後には「チームの勝敗を決める4番で起用していただき、ストレートで勝つことができたので良かったです。」と語ったように、貫禄の勝利を収めた。チームは、ゲームカウント3-1で決勝トーナメント初戦を突破した。

チームの勝利を決めた深谷
1回戦勝利から間もなく、2回戦が開始した。対戦相手は関西の強豪校・立命大。1番を任された宮脇は、深い位置に返されるカットに苦しみ、先行される展開に。攻守揃った相手に対して得意なドライブのラリーに持って行けず、差を広げられる。流れが変わったのは、2ゲームを先取され迎えた第3ゲーム。ドライブとツッツキを織り交ぜて慎重に攻め込み、点数を重ねる。試合はフルゲームに突入するも、あと一歩及ばず敗戦となった。

カット打ちをする宮脇
2番の司は、テンポの速いラリーを展開するも、相手の勢いを止めることができない。最後までリズムに乗り切れず、ストレートで敗れる。3番のダブルスでは、小野の攻撃からチャンスを広げる。しかし相手ペアの素早い連続攻撃に翻弄され、ドライブの打ち合いをものにできない。1ゲームを奪取したものの、反撃は及ばず1-3で敗北した。戦っている選手だけでなくベンチやスタンドも一体となって、全員でつかみ取ったベスト16入りとなった。

司・小野のダブルス。息の合ったプレーを見せた。
全国の大学が集まるインカレの舞台。対戦機会の少ない大学との試合は先が読みにくい展開が多い。今大会では予選リーグも含めすべての対戦校が関東以外の学校であったが、「自分たちらしさ」を大事にして最後まで戦い抜いた。試合後に「あと1本、1セット取れていれば結果が変わるかもしれなかった試合だけに、少し悔いは残ります。」と語った深谷主将。この悔しさを力に変えて、次の秋季関東リーグ戦(秋季リーグ戦)に臨む。4年生にとって最後の団体戦となる秋季リーグ戦。目指すは頂点だ。

ベンチからの熱のこもった応援
※掲載が遅くなり、申し訳ございません。
(記事 牧咲良 写真 三浦佑亮、牧咲良)
コメント
深谷和花主将(スポ4=愛知みずほ大瑞穂)

――4年生、そして主将として臨まれるインカレとなりましたが、どのような気持ちで望まれましたか
4年目のインカレなので思い入れも強かったです。最後までやり切ろうという想いでのぞみました。このチームなら上位を狙っていけるという自信があったので、準備してきたことを出し切って、1戦1戦勝ち進んでいこうという気持ちでした。
――予選リーグでのチームの戦いを振り返っていかがですか
予選リーグは2戦とも3-0で勝つことができ、とても良い流れを作ることができたと感じました。1戦目から、向かっていく気持ちを忘れず、全員が声を出して元気に試合ができていて雰囲気も良かったと思います。
――決勝トーナメント1回戦では相手をストレートで下しましたが、ご自身の戦い方で良かったなと思う点や改善したいなと思う点はありますか
チームの勝敗を決める4番で起用していただき、ストレートで勝つことができたので良かったです。対戦相手が早大3年生の磯村くん(磯村拓夢、社3=福岡・希望が丘)の妹で、運命的なものを感じました。 私自身、今大会がインカレの試合に起用されるのは初めてだったので、代表として試合させていただくことに感謝して自分らしいプレーをすることができました。課題としては、競った場面で攻撃をする際に急いでしまうことがあるので、そこは改善したいです。
――立命館大学との試合でのチームとしての戦いは いかがでしたか
最後まで諦めずに自分たちの出せる力を出し尽くしましたが、結果は0-3ということで確実に力負けだと思います。とても悔しいです。あと1本、1セット取れていれば結果が変わるかもしれなかった試合だけに、少し悔いは残ります。春リーグに続き、インカレの立命館戦もあと1歩のところで敗戦してしまったので、次に向けて改善していきたいと思います。
――インカレでは普段対戦することのない大学や選手との戦いが多いと思いますが、どのようなことを意識して試合に臨まれましたか
関東以外の選手と対戦するのはとても新鮮ですが、私たちがやることは変わらないので特に大きく変えた点などはありません。いつもとは違う選手との対戦になっても落ち着いて、自分たちらしいプレー、団体戦をすることを意識していました。
――次の団体戦は秋季関東リーグ戦となりますが、意気込みをお願いします
今回は男女とも悔しい想いをしたインカレだったと思います。私たち4年生は最後の次がリーグ戦になるので、男女で優勝して学生卓球を終えたいです。まだ時間はありますし、いくらでも強くなれると思うのでアベック優勝を目指して、全力で練習したいと思います。これからも応援よろしくお願いいたします。
宮脇心和子副将(社4=鳥取敬愛)

――最後のインカレとなりましたが、どのような気持ちで臨まれましたか
最後のインカレということで、来年からは出場できない大会なので、1試合1試合をやり切るという思いを持って試合に臨みました。
――インカレ予選を振り返っていかがでしたか
予選リーグの1試合目は初戦ということもあり緊張感がありましたが、出場した選手たちがとても頼もしいプレーをしてくれたおかげで、チームとして良いスタートが切れたと思います。2試合目は東海の強豪チームとの対戦で、苦しい展開になると予想していましたが、練習してきたことをしっかり発揮し、競り合った場面でも自分たちの実力を出せたと思います。
――決勝トーナメントでのご自身の戦いを振り返っていかがでしたか
決勝トーナメントでの自分の試合は、とても悔しさが残る内容でした。特徴的なカットマンに序盤から対応できず、守りに入ってしまって積極的なプレーができなかったことを反省しています。
――決勝トーナメントの2戦目では先に2セット取られたところからフルセットまで追い上げましたが、どのようなことを意識されましたか
2セットを先に取られたときは焦りを感じましたが、「まだ勝敗は決まっていない」という意識を持ち続け、粘り強く戦うことができました
――今回の試合での収穫と課題を教えてください
チームとしての収穫は、リーグ戦よりもベンチの人数が少ない中でも、選手の力になる応援ができていた点が収穫だと思います。個人としては、攻撃型の選手とのラリーの中で、得点を取れる場面が増えたことです。個人としての課題は、変化のあるボールに対する対応力がまだ十分でないと感じたため、そこが今後の課題です。
――次の団体戦は秋季関東リーグ戦となりますが、意気込みをお願いします
秋季関東リーグ戦は、4年生にとって最後の団体戦になります。早稲田大学のユニフォームを着て試合に出られることに喜びを感じながら、支えてくださっている方々への感謝の気持ちを忘れず、責任を持って最後までプレーしたいと思います。また、今回のインカレや今後の大会で得た反省点をしっかりと練習に活かし、自信を持ってチームに貢献できるよう戦っていきたいです。
決勝トーナメント・1回戦 | ||
早大 | ○3-1 | 千里金蘭大 |
宮脇 | ●2-3 | 山川 |
司 | ◯3-1 | 森 |
司・小野 | ○3-0 | 谷口果・森 |
深谷 | ○3-0 | 磯村 |
小野 | 谷口果 |
決勝トーナメント・2回戦 | ||
早大 | ●0-3 | 立命大 |
宮脇 | ●2-3 | 吉田 |
司 | ●0-3 | 中谷 |
司・小野 | ●1-3 | 中谷・岡田 |
小野 | 岡田 | |
深谷 | 古賀 |