全日本大学総合選手権団体の部(インカレ)は15日、大会2日目を迎え、男女決勝トーナメントが行われた。早大女子は1回戦で関学大と対戦。今大会初めてダブルスが敗れたが、里川奈優主将(スポ4=高知・明徳義塾)が勝利を決めた。続く2回戦は前回覇者の神戸松蔭女学大との対戦となった。これまで全勝中だったシングルス勢が敗れ、勢いに乗れないままストレート負け。前年と同じベスト16でインカレの舞台を去ることになった。
1回戦でラリーを展開する里川
決勝トーナメント初戦となった関学大との一戦。1番手の杉田陽南(スポ3=大阪・香ヶ丘リベルテ)は、ゲームカウント3-1で勝利した。一方、2番手・福岡の試合はフルゲームの接戦に。序盤は競り合う展開となったが、福岡はカットとドライブで相手を崩し、得点を重ねる。また、「1本で点数を取れるような練習を結構した」サービスも要所で決まり、最後は相手の2球目がオーバーとなって11-8で勝利をつかんだ。続くダブルスの逆転負けで早大の2勝1敗となり、4番手に主将の里川が登場。今大会初出場の里川だったが、序盤から積極的な攻撃を展開する。相手の構えの逆を突くショットや意表を突くサービスなども見せ、ゲームカウント3-1で早大に勝利をもたらした。
ベンチからのアドバイスを聞く福岡(右)
2回戦では、前年のインカレで優勝した神戸松蔭女学大と対戦した。この試合でも1番を任された杉田。序盤から互いに強打で譲らず、1ゲームずつを取り合う。第3ゲームも終盤まで競り合ったが、9-11でこのゲームを失った。第4ゲームもチャンスを作るものの決めきれず、流れに乗れないまま黒星を喫した。2番に起用された里川は、第1ゲームを奪ったが、その後は「相性の良い選手ではなかった」という相手のコースを突いた強打に屈した。ダブルスでは、杉田、宮脇心和子(社2=鳥取敬愛)ともに相手の強打に食らい付き、1ゲームを奪ったが及ばず。前回優勝メンバーが二人残る、神戸松蔭女学大の壁を破ることはできなかった。
1番手としてプレーする杉田
前年と同じベスト16という結果を選手たちは、「まだまだ実力が足りない」(里川主将)、「最終日まで残りたかった」(福岡)と振り返る。敗戦した試合では、3組とも1ゲームを奪い食い下がったが、最後は前回大会優勝校に力の差を見せつけられた。一方でチーム力の高まりを感じられる大会でもあった。主将の里川はチーム発足時と比べて「すごくいいチームになった」と手応えを口にする。このメンバーで出場する団体戦は、残すところ9月の秋季関東学生リーグ戦のみ。ラストチャンスで今大会の悔しさを晴らし、有終の美を飾りたい。
(記事 是津直子、写真 谷口花、三浦佑亮)
結果
▽決勝トーナメント1回戦
対関学大 〇3-1
〇杉田3-1本田
〇福岡3-2田上
●杉田・宮脇組2-3丸山・内山組
〇里川3-1丸山
宮脇 山本
▽決勝トーナメント2回戦
対神戸松蔭女学大 ●0-3
●杉田1-3木塚
●里川1-3鶴岡
●杉田・宮脇組1-3榎谷・木塚組
宮脇 塩屋
福岡 榎谷
コメント
里川奈優主将(スポ4=高知・明徳義塾)
――今大会を振り返って、反省や収穫はありますか
サポートメンバーも試合に出ている人も含め、後輩たちが頑張ってくれて、チームとしては、私がキャプテンになった時よりもすごくいいチームになったなと思います。でも、結果はベスト16で、まだまだ実力が足りないので、しっかり今回の反省を生かして秋まで頑張りたいなと思います。
――決勝トーナメント1回戦ではチームの勝利を決めることになりましたが、プレーを振り返っていかがですか
自分が絶対に落としてはいけないところだったので、しっかり勝ち切れて自分の力を出せたので良かったです。相手はバック側が異質の選手だったので、緩急を付けるのと、サーブレシーブから3球目で自分が攻撃できるように意識していました。
――サービスエースが多い印象でしたが、効いている手応えはありましたか
そうですね。サーブは自分が得意な技なので、その長所を出せたと思います。
――2回戦は前回の優勝校でしたが、相手の印象はどんなものでしたか
鶴岡選手とは以前一度試合をしたことがありました。あまり相性の良い選手ではなかったのですが、その中で対策をしてやった中でも、相手の方が実力が上でした。それをしっかり受け入れて、今後に生かしていけたらいいなと思います。
――次の秋季関東学生リーグ戦に向けて、意気込みをお願いします
いろいろな人に支えてもらってプレーできているので、その感謝の気持ちを結果で出せるように、あと2カ月しかないので、自分自身もチームも心を入れ替えて一からやっていきたいです。自分にも人にも厳しくチームを作っていけたらいいなと思います。
福岡乃愛(スポ3=兵庫・三田学園)
――今大会を振り返って、反省や収穫はありましたか
収穫は、流れが悪くなったときや負けそうな流れの時にも挽回して、ちゃんと5セットで勝つことができたので良かったです。
――意識面や戦術面含めて、どのあたりが良くなったのでしょうか
戦術では、サーブ練習をたくさんして、サーブ1本で点数を取れるような練習を結構したので、それが大きかったです。精神的には、2年間ずっとベンチにも入れなくて、観客席でずっと応援していたので、貴重な舞台でなんとか1点取りたいというか、「みんながいる中でちゃんと見てもらえるような試合ができるように」という思いで練習もしたし、試合の中でも絶対取るという気持ちがあったので良かったです。
――インカレは初出場だったと思いますが、今までの団体戦との違いはありましたか
今まではリーグ戦にしか出たことがなくて、リーグ戦は7分の1なので自分が落としてもなんとかなるか、くらいの気持ちでした。インカレは、今大会2試合目の時に、自分が1-2で負けていて「これってもしかして取られたら結構やばい?」みたいな(笑)。ここでやらかしたらチームが負けてしまうと思って、自分の1点の重みが結構大きかったです。
――その中で、個人としての成績をどう感じていますか
個人としてはそんなに良くはなくて、勝ち切れたのは良かったのですが、60点くらいです。周りから見て格上だなという相手に勝てたというわけではなかったので。
――しっかり勝ち切れたというところについて、その要因は
やはり自分のサーブの時にしっかり点を取れたことと、作戦をうまく切り替えられました。最後まで悪い作戦を使うのではなくて、効いている作戦を使い続けられたので、勝てたと思います。
――チーム全体のベスト16という結果についてはどう感じていますか
最終日には残りたかったです。
――では、次のリーグ戦に向けた意気込みをお願いします
リーグ戦ではフルセットとかではなくて(笑)、周りが安心して見ていられるような試合ができるようにしたいです。