関東学生選手権の最終日は女子シングルス5回戦以降が行われた。早大からは初日の4回戦を突破した6人が出場し、先月の関東学生リーグ戦でも対戦した強敵たちにも果敢に挑んだ。小道野結主将(スポ4=神奈川・横浜隼人)を含めた4名がランク入りを果たすなど結果を残し、来月行われるインカレ(全日本総合学生選手権・団体の部)に向け弾みをつけた。
6回戦を接戦の末に制した阿部は、準々決勝で中大の山本と対戦。「気持ちは思い切っていけたが、プレーではおされてしまった」(阿部)と話すように競った展開を取り切れず、ゲームを奪われてしまう。それでも粘り強いプレーによって第2、第5ゲームを取り返すが、相手のペースを最後まで崩すことが出来ずゲームカウント2-4で敗れた。試合後の阿部は技術面での弱さを挙げつつ「緊張した場面でも勝てた」と収穫もしっかり得ている。入部から3ヶ月。成長の可能性を秘めた彼女は、今大会で得た課題を克服し大舞台で飛躍してくれるだろう。
粘りを見せたが、実力者に屈す
女子主将の小道野結は準々決勝で温馨(日体大)との一戦に臨んだ。全日学選抜(全日本学生選抜選手権)で優勝経験のある温は強敵だが「細かな戦略を練るより思い切って自分のプレーができたらいいかなと思った」(小道野)と振り返る。第1ゲームは先制したものの、その後は激しいラリー戦で逆転を許す。迎えた第4ゲーム「バックで振り回す展開はすごく良い感じでできた」(小道野)と言うように、スイングを右コーナーに収め温を飛びつかせないなど、一気に5ポイント連取でゲームを奪い2-2と並び立つ。続く第5、6ゲームもバックサイドに回り込んでのフォアハンドを決めるなど見せ場を作るが、終盤相手のドライブに押され、両ゲームとも追い上げを許し2-4で敗戦。しかし、2年連続のベスト8入りを果たした。
激しいラリー戦も互角の戦いを見せた
女子4名がランク入りした今大会。7月にはインカレが控えている。「一人一人がもう一段階レベルアップして、チームとしてまた新たに臨みたい」と小道野主将。今大会を契機としてそれぞれの持ち味に磨きをかけたい。専大や中大にエンジの力を見せつける日は来るだろうか。早大卓球への期待はますます膨らむ。
(記事 大浦帆乃佳、曽称真衣 写真 豊田光司)
結果
▽女子シングルス
準々決勝
●小道野2-4温(日体大)
●阿部2-4山本(中大)
6回戦
○小道野4-2秋田(中大)
○阿部4-3池上(東京富士大)
●高橋2-4佐藤(淑大)
●徳永1-4 谷岡(日体大)
5回戦
○小道野3-2 後藤(東京富士大)
○高橋3-1宮内(日大)
●鳥屋0-3小鉢(東京富士大)
●加藤0-3温(日体大)
○阿部3-0中島(専大)
○徳永3-2鈴木(専大
コメント
小道野結主将(スポ4=神奈川・横浜隼人)
――温(日体大)選手までの試合を振り返っていかがでしたか
今日は初戦からどの試合も気が抜けない試合だったので、そこまで一つずつ勝ち上がれて良かったなという感じですね。
――準々決勝について伺います。温選手と以前に対戦したことはありますか
あります。リーグ戦(関東学生リーグ戦)の時です。
――対策はどのように立てましたか
かなり強い選手なんですけど私的には相性も良いし、だから対策というかあまり細かい点でいくよりはどんどん思いきって自分のプレーができたらいいかなと思って入りました。
――フォアバックの激しいラリー戦になりましたが振り返っていかがですか
やはりバック対バックは負けなかったしバックで振り回す展開はすごく良い感じでできたんですけど、最後の一本決めきれなかったのでそこが敗因かなと思います。
――次はインカレ団体戦が控えていますが、チームとしてどのように調整していきますか
今皆粒揃いというか、4、5人今回もベスト8に入ったりベスト16に入ったりシングルでは結構入ってるんですけど、全体的にやはり専大や中大の方が一歩上だし、もうちょっと一人一人もう一段階レベルアップして、チームとしてまた新たにインカレに臨めたらいいなと思います。
阿部愛莉(スポ1=大阪・四天王寺)
――きょうの試合はどのような意気込みで臨みましたか
初戦からだいぶ緊張していて、自分のプレーが出来ないことが多く出足が悪かったのですが、だんだん力が抜けてきて自分のプレーが出来たかなと思います。
――6回戦は接戦の末見事勝利を収めました。振り返って
相手は苦手なタイプではないのですが、自分に力が入ったことによって、自分で自分を追い込んでしまいました。しかし、点数で相手にリードされたからこそ思い切ってプレー出来ました。
――準々決勝では相手におされているふうにも見えました
相手が強いのは分かっていたので最初から思い切っていこうと思っていて、気持ちは思い切っていけたのですが、プレーでは相手におされてしまったので技術的な面でカバーする必要があると思いました。
――おされている試合の中で、どのように修正していこうと思いましたか
相手のパターンにならないように、相手が待っていないところにボールを送るようにして(相手の)チャンスをつぶしていこうと思いました。
――今大会の収穫・課題は
緊張した場面でも初戦と2戦目は勝てたので自身に繋がったのですが、さらに上位に行こうと思ったら、もう少し自分の技術を磨かなければいけないと思いました。
――試合では緊張することが多いのですか
試合によりますが、周りからは緊張してないように見えても自分の中では緊張しています。
――インカレへの意気込みは
リーグ戦は負けてしまったので、インカレではチームに貢献できるよう優勝目指して頑張りたいです。
徳永美子(スポ1=福岡・希望が丘)
――きょうの初戦では専大の鈴木選手から勝利をあげましたが、どのような試合でしたか
鈴木選手からはいままで勝ったことがなくて、実力が相手の方が上だと思っていましたが、思い切ってやろうと臨みました。
――効果的に働いた武器はありますか
ラリーでは威力がないので、サーブの変化をいろいろつけて戦いました。
――ベスト8決定戦ではカットマンの谷岡(日体大)選手が相手でしたが
得意でも苦手でもないのですが、相手のカットがすごくキレていて、自分から仕掛けていくことができなかったと思います。
――ベンチには佐藤風薫(スポ3=岡山・就実)選手がいましたが、カットマンとして何かアドバイスはありましたか
セット毎のアドバイスで、いまこういうやり方していて相手がやりやすそうにしているからもっとここを攻めた方が良いよとかアドバイスをもらいました。
――今大会はどのような大会になりましたか
初めてで、どんな大会か良くわからずに臨みましたが、みんなレベル高くて、鈴木さんも強いと思っていたんですけど、勝てたのは自分の中で大きかったです。
――次戦は全日本大学総合選手権・団体の部になりますが、どのようにチームに貢献していきたいですか
リーグ戦では私が足を引っ張ってしまったので、インカレではまたゼロからのスタートで1点でも多く取れるように頑張りたいです。