18年ぶりの栄冠ならずも・・・ 2015年以来の準優勝 歴史に挑んだ魂の最終決戦/インカレ決勝

卓球男子

全日本大学総合選手権・団体の部 7月3日~6日 三重・四日市市総合体育館

 多くの波乱が巻き起こった全日本大学総合選手権・団体の部(インカレ)もついに最終日。18年ぶりの優勝を目指す早大は専大、筑波大と関東のライバル校をなぎ倒し、10年ぶりとなる決勝戦へ駒を進めた。立ちはだかるは、33年ぶりの優勝を狙う中大。快進撃を続ける朝日大を3-2で下し、決勝の舞台に登りつめた。

※準決勝の記事はこちらからご覧ください

 両校が新たな歴史を創るべく臨んだ最終決戦は、互いに譲らずラストまでもつれる激戦となる。5番を任された濵田尚人(社2=高知小津)はプレッシャーの中奮闘するも、相手の勢いに飲まれ敗北。惜しくも2-3で敗れ、2015年以来となる準優勝で今大会を終えた。

試合を終えた部員たち

 早大はキャプテン・濵田一が先陣を切る。これが最後のインカレとなる主将は立ち上がりから圧巻のプレーを披露し、相手にわずか1点しか与えず第1ゲームを奪った。第2ゲームこそデュースの末落としたものの、第3、4ゲームでは追い上げを振り切り3-1で勝利。自身の今大会シングルス全勝を決めたとともに、貴重な先制点と大きな活気をチームにもたらした。

雄叫びを上げる濵田一主将

 2番には準決勝で活躍を見せた磯村が登場。単複全勝中のスーパールーキー・小野に食らいつくが、サービス、レシーブから先手を取られ突破口を見出せない。得意のフォアを思うように振らせてもらえない展開が続き、0-3で敗北。団体戦スコア1-1で勝負のダブルスへ回った。

声援を背に受ける磯村

 今大会未だ無敗の両ペアがぶつかり合ったダブルスは、早大の濵田一・徳田組が先行。抜群のペアリングでゲームカウント2-0とし、勝利に王手をかける。しかし優勝を意識したかプレーが固くなった隙を突かれ、中大ペアが追い上げフルゲームに。最終ゲームは2-11で完敗し、痛恨の逆転負けを喫した。

台上プレーに入る濵田一・徳田組

 要(かなめ)のダブルスを嫌なかたちで落とし、後がなくなった早大。窮地に立たされたチームを救ったのは、4番・徳田だった。過去に何度も対戦してきた前出(3年)に対し、立ち上がりからギア全開で両ハンドを振り抜く。両者一歩も引かない壮絶な打撃戦は、苦しい場面でも吠え続けた徳田に軍配。圧巻のストレート勝ちで、5番・濵田尚に望みをつないだ。

勝利を収め、安堵の表情を浮かべる徳田

 ラストを託された濵田尚は第1ゲームをデュースで落とすと、その後も相手の球威に押され流れをつかめない。つなぎの球も強烈な一撃で打ち抜かれ、武器であるラリー力を生かせない展開が続いた。要所でサービスを変えるなどし打開を試みるも力及ばず、最後は浮いたボールを打ち込まれ無念のストレート負け。試合後の挨拶を終えた4年生たちは、その場で座り込み静かに顔を覆った。

ガッツポーズする濵田尚。
最後まで諦めずにボールを拾い続けた

 5番までもつれる激闘の末、惜しくも栄冠を逃した早大。新たな歴史を刻むことは叶わなかったが、最後まで闘志を燃やし戦い続けた姿は人々の心に深く刻まれた。「今回の負けは絶対に忘れてはいけない」。部員たちは悔しさの詰まった銀メダルを手に、新たな一歩を踏み出す。四日市の地で流した涙を、うれし涙に変えられるように。春夏で味わった悔しさを胸に、秋リーグこそ賜杯奪還を。

(記事 三浦佑亮 写真 三浦佑亮、牧咲良)

卓球部の皆様、4日間お疲れ様でした!

決勝トーナメント決勝
早大 ●2-3 中大
濵田一 ○3-1 青山
磯村 ●0-3 小野
濵田一・徳田 ●2-3 前出・小野
徳田 ○3-0 前出
濵田尚 ●0-3 道廣

濵田一輝主将(スポ4=愛知・愛工大名電)

ーー最後のインカレを準優勝で終えました。今のお気持ちは
 優勝だけを目標にしてこの大会に臨んでいました。最後は決勝戦で負けてしまって、しかもダブルスはリードしていたところから逆転負けしてしまって非常に悔しいです。チームのみんな、応援してくれている方々に優勝を届けられなくて、悔しい気持ちでいっぱいです。

ーー個人としてはシングルス全勝の活躍でした。ご自身のプレーを振り返っていかがですか
 負けてもおかしくない試合ばかりでしたが、自分の良さを出せたのは良かったかなと。脚を動かして、粘って、フォアハンドで攻めるというところは出せたと思っています。

ーー関東学生選手権での悔しい敗戦から、どのように気持ちを切り替えて今大会に臨みましたか
 あの試合はすごく悔しかったですが、次は団体戦なので。僕がずっと負けを引きずっていてもチームの士気は上がらないし、僕が引っ張っていくしかないので、なんとかインカレで優勝しようとすぐに切り替えました。

ーー次の秋季関東学生リーグ戦への意気込みをお願いします
 今回の負け、悔しさは絶対に忘れてはいけないと思うし、団体戦の負けは団体戦で返すしかないです。秋リーグではチャレンジャーとして、早稲田らしく一戦一戦戦って、最後は優勝して終わりたいと思います。