“ラストピース”の一角・櫻井が大仕事! 明大との死闘制し4位で春リーグを終える

卓球男子

春季関東学生リーグ戦 5月26日 東京・代々木第二体育館

 ついに最終日を迎えた春季関東学生リーグ戦(春リーグ)。早大は王座奪還を狙う強敵・明大と対戦した。厳しい戦いが予想される中、1番の徳田幹太(スポ3=山口・野田学園)、3番の濵田尚人(社2=高知小津)が幸先よく勝ち点を挙げる。その後濵田一輝主将(スポ4=愛知・愛工大名電)・徳田組が全日本王者の明大ペアを相手に3-0の大勝利を収めるが、続くシングルス2本で敗北。7番の櫻井大地(スポ2=北海道留萌)まで回った。櫻井は苦しい場面でも持ち味の力強いフォアハンドをコートにねじ込み、フルゲームの末勝利。明大との死闘を制し、春リーグを4位(4勝3敗)で終えた。

ガッツポーズする櫻井

 早大はこの日、ここまで全試合で前半に起用されてきたエース・濵田一主将を5番に下げ、後半での起用が多い徳田を1番に置く変則的なオーダーを組む。1番を任された徳田は、野田学園高の後輩と対戦した。第1ゲームこそ先取したものの、フォア側の厳しいコースを何本も抜かれ苦しい展開となる。得意のバックハンドが精彩を欠き第2、3ゲームを続けて奪われると、第4ゲームも2-5とリードを許し、たまらずタイムアウトを要求した。ここで悪い流れを切った徳田はスコアをひっくり返し11-9でこのゲームをモノにすると、最終第5ゲームでは鋭い両ハンドで打ち合いを制し見事勝利。大きな白星を挙げ、1番起用に応えた。
 続く2番には、前節でうれしいリーグ戦初勝利を飾った田村真吾副将(基理4=東京・早稲田)が登場。第1ゲームを奪われ迎えた第2ゲーム、出だしからアグレッシブに両ハンドを振り回し相手を押し込む。先にゲームポイントを握られた後も粘り強さを発揮しデュースに持ち込むと、3球目バックドライブを突き刺し13-11でこのゲームを奪取した。その後はサービス、レシーブから先手を取られ1-3で敗れたが、強打が持ち味の相手に引き合いで打ち勝つなど確かな爪痕を残した。
 3番に起用されたのは濵田尚。立ち上がりは前陣での攻守がハマり、11-4で第1ゲームを奪う。このまま順調に勝利するかと思われたが、徐々に相手が対応し始め簡単に得点させてくれない。第2ゲームを12-10でなんとか取り切ったものの、第3ゲームは相手に先行を許すかたちとなった。流れを取り戻したい濵田尚は、サービスを大胆に変えるなど自分から仕掛けついに逆転。13-11で勝利し、今季4勝目を挙げた。

バックハンドを振り抜く徳田

 ダブルスにはこの日も濵田一・徳田組が登場。1月の全日本選手権でプロ選手や実業団選手を下し、日本一に輝いた飯村・木方組と激突した。序盤からエンジン全開の“ハマカン”ペアはレシーブから積極的に仕掛け、第1ゲームを先取する。勢いそのままに第2ゲームも11-2と大差で奪い、全日本王者を全く寄せ付けない貫禄のプレーを披露した。第3ゲームは相手も意地を見せデュースまでもつれたが、中陣から両ハンドを振り切った早大ペアが13-11で勝利。最優秀ペアー賞を3度受賞した早大の絶対的エースダブルスが、リーグ最終節で圧巻のパフォーマンスを見せつけた。
 3-1と勝利に王手をかけた早大だったが、ここから明大の反撃が始まる。今季初めて後半から出場した濵田一主将が激しい打撃戦の末フルゲームで敗れると、6番の磯村拓夢(社3=福岡・希望が丘)もルーキーの勢いを止められず1-3で敗戦。団体戦スコアは3-3となり、勝負の行方は7番・櫻井に託された。
 両チームの命運を懸けた一戦は、第1ゲームからデュースにもつれ込む激闘となる。櫻井は力強い3球目攻撃で一歩前に出ると、浅いチキータで相手のミスを誘い14-12でこのゲームをモノにする。第2ゲームは持ち上げた球を上からカウンターされる苦しい展開となり、7-11で相手のものとなった。その後も両者譲らない一進一退の攻防が続く。互いに得点を重ねていく中、大きなラリー戦をアンラッキーなかたちで落としたのが響き9-11で第3ゲームを奪われた。あとがなくなった第4ゲームでは立ち上がりからリードを許したものの、軽いフットワークから持ち味のフォアハンドを振り抜き逆転。執念でフルゲームに持ち込んだ。最終第5ゲームに入ると、櫻井のフォアハンドがさらに大爆発。パワフルで重い一球を何本もねじ込み、相手を圧倒していく。最後はバックロングへのサービスがエースとなり、11-6で勝利。最終節でつかんだ自身今季初の白星が、チームに歓喜の瞬間をもたらした。

笑顔を浮かべハイタッチする櫻井

 最終成績を4勝3敗とし、専大、中大、明大に続く4位で春リーグを終えた早大男子。濵田兄弟・徳田ら主力の調子が上がりきらない中でも、田村副将・磯村・舟山真弘(文3=東京・早大学院)・櫻井らがそれぞれ勝ち点を挙げ、チームを勝利に導いた。連覇には届かなかったものの、3本柱に続く“ラストピース”として期待を寄せられていた4人全員が白星をつかみ、田村副将も「最後のピースが埋まった良いかたちになった」と振り返った。出場選手、ベンチ、さらにはスタンドが一体となり、7試合を戦い抜いた早大。築き上げた結束力を武器に、秋こそは賜杯奪還を。

※掲載が遅れ、申し訳ございません。

(記事 三浦佑亮 写真 牧咲良、石澤直幸、竹田朋也)

集合写真に収まる早大男子

春季関東学生リーグ第7戦
早大 ○4-3 明大
徳田 ○3-2
田村 ●2-3 飯村
濵田尚 ○3-0 安江
濵田一・徳田 ○3-0 飯村・木方
濵田一 ●2-3 木方
磯村 ●1-3 水谷
櫻井 ○3-2 浅見

コメント
田村真吾副将(基理4=東京・早稲田)

ーー春リーグを4位で終えました。全体を振り返っていかがですか
 前半戦はチームのまとまりが足りなかったと感じています。それでも後半の3試合は4-0、4-0、4-3で勝つことができました。(濵田兄弟・徳田に並ぶ)“最後のピース”である僕ら4人(田村副将、磯村、舟山、櫻井)がそれぞれ勝つことができて、最後のピースが埋まった良いかたちになったと思います。それにプラスしてダブルスも勝ってもらって、みんなで下から支えていくかたちをもっと継続していきたいです。

ーー専大戦でリーグ戦初出場を果たしました。オーダーはどのタイミングで伝えられましたか
 1試合目と2試合目の間のお昼に言われました。ただ、濵田一とかから「たぶん出るぞ」と言われていて。阿部さん(阿部一博コーチ、平19卒)からも朝に「準備はしておけよ」と言われていました。

ーーその時の心境は
 「ついに来たか」って(笑)。これまでも出るチャンスはあったんですけど、1年生の時は同期の玉田(隼大副将、人4=兵庫・滝川)、2、3年生の時は後輩の磯村・舟山が出ていてずっと悔しかったので。4年生になってようやく出ることができて、すごくうれしかったです。

ーー駒大戦での初勝利を振り返って
 やってて良かったなと。明大戦の後に(7番で勝利した)櫻井が「みんなありがとう」と言っていたように、自分も感謝の気持ちです。これまでお世話になった人たちの顔が浮かんできて、頑張ってきて良かったなと。みんなから祝福してもらえて、すごくうれしかったです。

ーー今年度から副将に就任されましたが、意識していることはありますか
 キャプテンの濵田一がいない時でも、自分がしっかり引っ張って、濵田一がつくっている雰囲気を崩さないように意識しています。キャプテンの言うことをみんなに広げられるように、キャプテンを立てられるように頑張っています。

ーー6月に開催される関東学生選手権への意気込みをお願いします
 春の関東学生新人戦では初戦負けしていて、その悔しさがあります。駒大戦での勝利を生かして自分の卓球を見直して、リスタートする気持ちで頑張っていきたいです。