12年秋ぶりの雪辱!ついに、明大を撃破!

卓球男子

 ついに、因縁のライバルから勝利をつかんだ。実に9季ぶり、12年秋以来のことだった。春季関東学生リーグ戦(春季リーグ戦)の最終日。早大、明大ともに優勝の可能性はなかったのだが、両校の意地をぶつけ合う激しい戦いが繰り広げられた。トップの上村慶哉主将(スポ4=福岡・希望が丘)が流れを作り、団体戦カウント2-0でリードするも、明大がすぐ取り返す。そして、一進一退の攻防に蹴りをつけたのは、やはりこの日も竹岡純樹(スポ4=青森山田)だった。大熱戦をものにし、リーグ2位の座を死守してみせた。

上村は勝利の瞬間、両手を大きく突き上げた

 主将は応援を力に変えて、勝利をつかんだ。トップは上村と全日本選手権ベスト8の龍崎東寅(1年)との勝ち頭対決。2月のユニバーシアード代表選考会でも対戦しており、上村は龍崎に敗れていた。この試合の序盤も、龍崎のフォアハンドに圧倒され、早々にゲームを落とす嫌な展開に。だが、第2ゲーム目以降、ついに上村が気を吐く。「4年目で初めて両親が応援に来てくれた。勝つ姿を見てもらいたかった」と18ー16の長いゲームを意地で奪取すると、そこからの集中力は凄まじいものだった。台から離れる大きなラリーでの精度は抜群で、持ち前のドライブは龍崎のラケットをも弾く。フルゲームの緊迫した場面も臆することなく攻め続け、分の悪い相手を撃破した。勝利の瞬間は両手を突き上げ、応援席を見た。試合後、優秀選手賞を受賞した上村は「両親も喜んでいたので、とても嬉しい」と満足そうに微笑んだ。

 試合を決めたのは、きょうもこの男だった。出場した試合全勝、チームの勝利がかかった重要な局面で、いつも登場する『仕事人』。最上級生の竹岡だ。団体戦カウント3-3、この日も緊迫した場面でコートに入った。誰もが緊張するところだが、竹岡は終始淡々としていた。「相手のことは考えず、ただ自分の卓球をしよう」(竹岡)。緊張を感じさせない、落ち着いたプレーで得点を量産。大学1年時からリーグ戦に出場している竹岡の冷静さはさすがの一言に尽きる。相手もそれに動揺したのか、ミスを連発した。危なげない試合運びで、ストレート勝ち。2012年秋以来、5年ぶりに、明大から白星を挙げた。

この日も、竹岡が試合を締めた

 5年もの間、明大に苦杯をなめさせら続けてきた。大島祐哉(エースクルー・エンタテインメント)がいてさえも、5年間、崩すことのできなかった明大の牙城。ついに、積年の雪辱を果たす瞬間が訪れた。リーグ制覇には惜しくも届かなかったものの、選手たちは笑みを見せた。しかし、これだけでは満足できない。なぜなら、この試合で明大は、エースで主将の森薗政崇(4年)をシングルスで温存していたからだ。この後に控えるインカレ、秋季リーグ戦。本気の明大と対戦すれば勝敗はわからないだろう。その時までに、さらなる飛躍を遂げたい。早大卓球部はこの勝利に甘んじることなく、先に進むことはできるのだろうか。今後の成長が楽しみだ。

(記事、写真 本田京太郎)

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結果

▽男子 最終戦

VS 明大 ◯4―3

○上村慶哉3―2龍崎東寅

○葉波啓3―2渡辺裕介

●硴塚将人1―3船本将志

●上村慶哉・緒方遼太郎組0―3森薗政崇・渡辺裕介組

●平野晃生0―3酒井明日翔

○緒方遼太郎3―2遠藤竜馬

○竹岡純樹3―0古市真暉

コメント

上村慶哉主将(スポ4=福岡・希望が丘)

――明大戦を振り返ってみて

前半で2勝して、後半でも2勝できればいいなと持っていたので、予想通りの展開でした。

――トップの試合は大接戦になりましたが

直近の大会でも負けていましたし、龍崎は全日本ベスト8の選手なので、年下ですが、チャレンジャーの気持ちで向かって行きました。

――対策は練っていたのでしょうか

前回、負けはしたんですけど、自分のミスが多くて負けてしまいました。今日は4年目で初めて両親が応援に来てくれていたので、勝つところを見せたかったので2ゲーム目以降は意地でした。そして、その他にも大勢の方が応援してくださって、それが力になりましたね。

――シングルスで出場した試合は全勝、優種選手賞を獲得しましたね

キャプテンなので、やっぱり試合には負けたくなかったです。主将である4年目はなるべく全勝で終われるようにしたいですね。

――優秀選手賞を獲得された感想は

賞を両親が喜んでくれたので、とても嬉しかったですね。

――ここまでの快進撃には理由があるのですか

下級生の頃からリーグ戦に出させてもらって、いろんな経験をしてきているので、それが今になって活きているんだと思います。

竹岡純樹(スポ4=青森山田)

――明大戦を振り返って

相手のことを意識すると緊張してしまうので、自分の卓球をすることだけを心掛けました。

――ここまで重要な場面での登場が多かったと思います

そうですね。僕と上村が勝つことができれば、チームは勝てると思っているので、絶対勝つつもりで臨んでいます。

――プレーにも落ち着きが出てきていると思います

そうですね。試合中でも周りが見えるようになってきたので、その成果ですね。あと、1年生の頃から試合に出させてもらっているので、その経験が生きていると思います。あまり勝てなかった時期とかもありましたし、そういった全ての経験が今につながっていると思います。

――下級生の時と比べて、どこが変わりましたか

上村と「俺たちは勝とう」ということをよく話しています。その二人の意識がうまく結果に表れているのかなと思いますね。

――試合中は上村選手や下級生たちにアドバイスをするシーンが多々見られました

僕が言う必要はないんですけど、気づいたことはなるべく言うようにはしていました。1年生たちには思い切ってやってもらいたかったので。僕と上村が下級生にもアドバイスできるように、しっかりと相手の分析もしてきました。

――インカレへの意気込みを教えてください

実は札幌出身なので、札幌で優勝したいですね。

緒方遼太郎(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)

――明大のダブルスは強敵でしたが、どのような気持ちで臨みましたか

昨日のダブルス2連敗してしまったので、前半リードして回ってきて、とりあえず一点取って勝って終わりたいと思って。

――結果ストレートで負けてしまいましたが、試合内容は振り返っていかがですか

二人とも、僕が主になんですけど、あまり集中出来ていなくて、そのままストレート負けしてしまったんだと思います。

――シングルスでは追い上げられる場面が多く見られましたが、ご自身の精神面を振り返っていかがですか

ダブルスと同じなんですけど、前日にシングルスでフルゲームで2回負けていて、またフルゲームになった時に、昨日の試合を思い出したんですけど、僕が負けたら明大にも負けで、順位も下がって、秋リーグに良い形で臨めないと思ったので、なんとか頑張ろうと思っていました。

――初めてのリーグ戦を終えていかがですか

本当に後半戦の3日間は、特に3日目の2試合目は体力がここまでなくなるとは思ってなくて、1年生らしく声出そうと思ってたんですけど、声出す気力もないぐらい体力もなくなっていました。

――今大会、シングルスは相手のエースと対戦することが多かったと思います

エースに勝つことを期待されていたところがあったと思うので、やっぱりそこを勝たなきゃいけないと思ったし、専大の1番の試合も僕が勝っていたらもしかしたら勝てるかもしれなかったし、もうちょっといい試合ができたと思うので、そこは反省点ですね。

――来週、関東学生新人選手権がありますが、それに向けての課題や修正点などは見つかりましたか?

僕達の場合、選手も、3試合4試合してたので、その中で優勝出来るように頑張ろうと思ったのと、これ以上疲れる試合じゃないと思うので、自分らしく自分のプレーが出来ればなと思います。

――最後に新人戦に向けて、意気込みをお願いします

優勝して、インカレ、秋リーグもというかたちでつなげられたらなと思います。