★男気溢れるチームの大黒柱
上村の持ち味は怪力ドライブだ
早大の大黒柱はやはり、上村慶哉主将(スポ4=福岡・希望が丘)だ。自らエースであると宣言するなど、ことしの上村からは、背中でチームをけん引していくという覚悟がひしひしと伝わってくる。ここまでの実績にも、それは如実に現れている。有名実業団選手がひしめく東京選手権でランク入りを果たし、同大会ダブルスではベスト4。そして、3月には国際大会にも出場し、松平賢二(協和発酵キリン)とほぼ互角の熱戦を演じた。最終学年の上村は、さらに凄みを増している。また、主将としては、選手の自主性を尊重するスタイルだ。「各々が、チームにとって、自分にとって最善を尽くせば必ず優勝に結びつく」という考えのもと、チームを率いている。坂内拓也(スポ3=東京・実践学園)や緒方遼太郎(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)らチームメイトも、それに賛同しており、例年よりも一体感があるチームに仕上がった。ことしの早大は一味違う。そう感じさせる雰囲気が、そこにはある。チームを率いる上村の男気にも注目だ。
★春季リーグ戦のキーマン
平野は3年目の意地を見せられるか
主将である上村が春季リーグ戦のキーマンとして挙げたのが3年目の平野晃生(スポ3=山口・野田学園)だ。シングルス前半での起用が濃厚な緒方、硴塚将人(スポ2=東京・エリートアカデミー/帝京)、上村3人の次なる駒として、期待されている。平野はこの3人が万が一負けてしまった時の最後の砦と言うわけだ。故障の影響もあり、春から納得のいく結果を残せていない。だが、身体のケアの重要性を痛感したことで、徐々に復調してきている。春季リーグ戦で、ここまでの出遅れを挽回したいところだ。上級生になったことで責任感も増したと話す平野。持ち味である巧みな両ハンド攻撃で、どこまで優勝に貢献できるか。3年目の意地に期待したい。
★期待のスーパールーキー
ルーキーでありながら緒方の実力はチームトップクラス
昨年度の全日本選手権ジュニアの部ではスーパー中学生・張本友和(エリートアカデミー)を圧倒して、2位。ことしの全日本選手権一般の部では最高世界ランク21位の森薗政崇(明大4年)を下し、ランク入りを達成。ことし、鳴り物入りで早大に入学したのが緒方だ。上記の実績を見ればわかるように、ルーキーながら、その実力はチームトップクラス。それに、高校時代はあの水谷隼(木下グループ)も武者修行をしたドイツ・ブンデスリーガのリーグに所属していた。トレーニングをしては週末、試合に出場するという卓球漬けの毎日。常に大学卓球界よりも高いレベルの環境に身を置いて、技を磨いてきた。風をきるようなピッチの速さ、そして精度の高い両ハンド攻撃は見る者をも圧倒する。そんな緒方は、間違いなくチームの得点源となるだろう。この男からも目が離せない。
(記事、写真 本田京太郎)
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