秋季関東学生リーグ戦(リーグ戦)3日目のこの日、早大は7月の全日本大学総合選手権団体の部で2位入賞している専大と対戦した。1、2番手が白星を分け合い、団体戦スコア1―1で迎えた中窪康喜(教1=静岡学園)のシングルス。流れをつかみたい場面でルーキーが値千金の勝利を収めると、早大優位で試合は運ばれた。追いすがる専大との試合は7番手までもつれたが、最後は平野晃生(スポ2=山口・野田学園)が勝利。団体戦スコア4―3でチームは強敵を下し、3勝1敗でリーグ戦を折り返した。
前半戦を勝ち越して終えるためにも負けられない専大戦。トップバッターを務めたのは、硴塚将人(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)。専大の主将を相手に第1ゲームこそ落としたものの、第2ゲーム以降は硴塚ペースで試合は進む。サーブで相手を崩し、ラリー戦では互角以上に渡り合った。ルーキーがビハインドから3ゲームを連取し、良いかたちでエース上村慶哉(スポ3=福岡・希望が丘)にバトンをつないだ。しかしその上村が、手の内を知り尽くした高校の先輩・後輩対決で敗北。試合は団体戦スコア1―1の振り出しに戻される。勝利してチームを勢いづけたい3番手で登場したのは、いまだリーグ戦未勝利の中窪。「きょうは絶対に勝ちたい」(中窪)。並々ならぬ思いで臨んだ一戦で第1ゲームを大差で奪うと、その後も攻め急ぐ相手のボールをことごとく跳ね返す。そして最後はサービスエースで勝負あり。大一番で、ルーキーがリーグ戦初勝利をつかみ取った。
リーグ戦初勝利となった中窪
続くダブルスが対するは、昨年の全日本大学総合選手権個人の部の優勝ペア。積極的に2球目、3球目から仕掛けていく早大ペアだったが、ラリー戦で応酬され、勝負はフルゲームにもつれ込む。それでも最終ゲームは上村のフォアハンドが冴え渡り、ついに専大ペアを下した。ダブルスの勝利でリーグ戦3勝目に王手をかけた早大。しかしこのままでは終われない専大の反撃が始まる。5番手の竹岡純樹(スポ3=青森山田)が相手にストレートで敗れると、続いて高田直騎主将(スポ4=福岡・希望が丘)も惜敗。チームの勝利の行方はついに7番手・平野へと託された。「自分に自信をつけて試合に臨む」(平野)。プレッシャーのかかる場面ではあったが、精神面を強化してきた平野は終始攻めの姿勢を崩さなかった。追いすがる相手を両ハンド攻撃で振り払い、フルゲームの末に白星をつかんだ。早大は団体戦スコア4―3で専大を退け、明大戦の1敗を守ってリーグ前半戦を終えた。
積極的に仕掛け、チームに勝利をもたらした平野
春季関東学生リーグ戦は3勝4敗の6位に終わった早大。しかし夏の鍛錬の成果を発揮し、今季は前半戦を終えて3勝1敗と好調が続いている。「このままの勢いで連勝したい」(平野)。後半戦も早大のチーム一丸となった快進撃に期待がかかる。
(記事 稲満美也、写真 尾澤琴美、黒田菜々子)
結果
対専大 ○4―3
○硴塚3―1北原
●上村1―3田添響
○中窪3―1田中博己
○上村・平野組3―2田添健汰・郡山北斗組
●竹岡0―3田添健
●高田1―3郡山
○平野3―2徳島剛
コメント
平野晃生(スポ2=山口・野田学園)
――チームは3勝目を挙げました。専大戦を振り返っていかがですか
上村さん(慶哉、スポ3=福岡・希望が丘)が負けてどうなるかなと思ったんですが、中窪(康喜、教1=静岡学園)が勝ってくれたのでダブルスも気楽に試合することができました。最後は自分が決められたので、自分自身も良かったです。
――シングルスは相手の速攻に苦しむ場面もありましたが、どのように立て直しましたか
タイミングをずらしたり、コースを変えたりしました。
――7番手での起用が続いていますが
言われたところでやるだけです。
――インカレ後には、精神面の強化が必要とおっしゃっていました。このリーグ戦は、その精神面の部分はいかがですか
試合前にやり込んで、自分に自信をつけて試合に臨むことで、精神的に強くしようというようにこのリーグ戦はやっています。
――ダブルスは一敗を守っていますが、調子はいかがですか
組んでから時間が経ってきたので、ある程度自分たちの展開ができるようになってきました。
――この夏は様々な練習に参加されたと思いますが、意識的に強化してきたところはありますか
精神的なものなんですが、練習量を増やすことで自信を持って試合に臨めるように心がけました。
――ここから期間を空けてリーグ後半戦が控えていますが、後半戦の意気込みをお願いします
このままの勢いで連勝したいと思います。あわよくば、優勝を狙っていきたいです。
中窪康喜(教1=静岡学園)
――ご自身はリーグ戦初勝利となりましたが、勝利の感想いかがですか
きょうオーダーが発表された時に勝たなきゃだめだなと思いました。今までリーグ戦で一度も勝ったことがなかったんですけど、きょうは絶対に勝ちたいなと思って臨めました。勝った時はもちろんうれしかったですし、その結果チームが勝つことができたのがすごくうれしいです。
――直前のエースの敗退で動揺はありませんでしたか
1番手で硴塚(将人、スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)が良い流れで勝ってくれたので、あまり動揺はなかったです。「自分のプレーをしろ」と監督もチームメイトも言ってくれたので、それが良かったと思います。
――相手のサーブに対して、どのように攻めていこうと考えていましたか
春のリーグ戦で似たようなサーブを出してくる選手がいて、その時にうまくレシーブができませんでした。今回はうまくレシーブするイメージを持って臨んだら、思ったよりも1ゲーム目にレシーブが入ったので、この調子でいければいいかなと思いました。
――春季リーグ戦ではチームとしても個人としても悔しい思いをしたと思いますが、そこから秋季リーグ戦に向けてどのように練習に取り組みましたか
結構内気な性格なので、練習も上のメンバーとはあまりしてこなかったんですけど、春リーグが終わってからは積極的に上のメンバーと練習をやってもらうようになって、自信を自分で付けて臨むことができました。それが一番大きかったと思います。
――その成果が今季のリーグ戦でも発揮できている実感はありますか
そうですね。練習したことが時々出てくれて、すごく良かったなと思います。
――チームは一敗を守って前半戦を終えましたが
このまま後半戦も先輩方がつくってくれた良い流れでいきたいなと思っていて、最後に筑波大戦があるのですが、春リーグでもインカレでも負けたチームなので、チームとして勝ちたいと思います。