明大を撃破!インカレは準優勝で幕を閉じる

卓球男子

 全日本大学総合選手権団体の部(インカレ)最終日。準決勝は、前年度の覇者・明大との一戦に臨んだ。大島祐哉(スポ4=京都・東山)がシングルス、ダブルスと白星を挙げ、フルゲームまで望みをつなぐ。大歓声の中、5番手に登場した上村慶哉(スポ2=福岡・希望ヶ丘)がユニバーシアードの代表でもある町にストレート勝ちを収め、見事3年ぶりに明大に勝利した。続く決勝は、愛工大と対戦。代表選手を多く擁する関西の強豪に、またしてもエースが2勝し勝負は5番手・上村に託される。しかし2ゲーム目に5連続ポイントを許すと、そのまま流れを奪われ無念の敗北。インカレ団体戦8年ぶりの優勝には、わずかに届かなかった。

 明大の個の力を、早大のチーム力が上回った。準決勝、トップ大島祐哉は明大のエース丹羽との一戦に臨んだ。相手の両ハンドを駆使した速攻を前に1ゲーム目こそ落としたが、徐々に対応し盛り返す。3ゲームを連取し、エース対決を制した。2番手・山本勝也主将は有延との対戦。1ゲーム目を競り負けると、そのまま2ゲーム目を取られ追い込まれる。「余裕がなかった」(山本主将)と、ゲームカウントで有利な有延の猛攻に屈し黒星を喫した。続くダブルスは勝利するが、シングルスが続かず団体戦スコア2-2。5番手・上村に勝敗の行方が懸る。対する町は、代表経験もある格上選手。「自分から攻めていけばチャンスは広がる」(上村)と、序盤からから積極的に攻撃を仕掛け、1ゲームを勝ち取る。第2ゲームは、両者1ポイントずつを奪い合う競った展開に。両校共にタイムアウトを使い切るなど、なんとしても奪いたいこのゲーム。15-15までもつれた大熱戦の末上村が勝ち取りそのままゲームカウント3-0で勝利した。明大という大きなカベを超え、決勝へと進んだ。

町を下し、チームを勝利に導いた上村

 インカレ団体戦8年ぶりの優勝をかけた一戦。トップには明大戦に続き、大島を起用した。実力者同士の対決に激戦が予想されたが、大島の力強いフォアドライブが炸裂しストレート勝ち。幸先の良いスタートを切った。しかし続く2番手・山本勝也主将が接戦の末敗れ、団体戦スコア1-1に。流れに乗りたいダブルスは、今大会負けなしの大島・上村組。試合序盤は相手のチキータに苦戦を強いられ、ゲームカウント2-0とリードを広げられる。しかしサーブ、レシーブと工夫を重ね相手を崩していく。「信じて攻めた」(大島)。ペアを組んで2年目となる早大ペアが底力を見せ逆転勝利を挙げた。4番手・平野晃生(スポ1=山口・野田学園)は敗れ、5番手で登場した上村。序盤から競った展開になり、流れをつかみたい2ゲーム目。上村が一気に5連続ポイントを決めるが、その後は相手に連続ポイントを与えてしまう。なんとか食らいついたが、このゲーム最後はエッジボールで失うなど流れを奪われ、そのままゲームカウント3-1で敗戦。喜ぶ愛工大の選手を前に、肩を落とした。

全勝しエースの役割を果たした大島

 あと一歩及ばなかった優勝に「すごく悔しい」(大島)。選手たちは口をそろえた。一方で「明大に勝てたことは、みんなの自信にもなる」と、山本勝也主将。明大を倒して決勝に進んだ達成感と、準優勝に終わった悔しさと――。残る団体戦は秋季関東学生リーグ戦(リーグ戦)のみとなった。入部当初から主力を担ってきた4年生にとって、最後のリーグ戦ともなる。「必ず優勝して最後を終えたい」(山本主将)。チームの思いは1つだ。

(記事 久保田有紀 写真 豊田光司)

結果

▽準決勝 対明大

◯3-2

◯大島祐哉3-1丹羽孝希

●山本勝也1-3有延大夢

◯大島祐哉・上村慶哉組3-1森園政崇・渡辺裕介組

●平野晃生0-3森園政崇

◯上村慶哉3-0町飛鳥

▽決勝 対愛工大

●2-3

○大島祐哉3-0吉村真晴

●山本勝也1-3吉村和弘

◯大島祐哉・上村慶哉組3-2吉田雅己・吉村和弘

●平野晃生0-3吉田雅己

●上村慶哉1-3藤村友也

準優勝し、笑顔の早大

コメント

山本勝也主将(スポ4=石川・遊学館)

――最後のインカレを2位という結果で終えましたが気持ちはどうですか

3年連続ベスト8で来てて、ことしは優勝したかったのですが、あと一歩のところで届かなくて、すごく悔しい気持ちです。

――明大戦、愛工大戦ともに、ワセダの選手は全員が積極的にプレーしていたように感じますが

みんな準決勝、決勝とともに良いプレーができたのではないかなと思います。

――特に明大戦では勝利のかかった大一番で町選手を相手に上村選手がストレート勝利をあげました

本当に頼もしかったです。

――ベンチからも勢い付けている感じだったと思いますが

勢いはすごい大事だと思って、勢いで飲み込むしかないと思ったので、それに上村が良いプレーをしてくれて良かったです。

――主将自らは勝利をあげられませんでしたが、試合を振り返って

両試合ともに0ー2になってしまってそこから3セット目を取って、4セット目も惜しい瞬間までいったのですが、最初に2セット取られて、余裕が持てなくなって、そこが敗因ではないかと思います。

――相手のプレーの中でやりにくかった部分はありますか

毎試合、ボールのメーカーが替わって毎回その対応に遅れてしまったというのがあるんですけど、いかにそういうときに対応できるかが勝負だと思います。

――今大会での収穫や課題はありますか

収穫はいろいろありますが、フォアハンドが良くなったことや思い切ったサーブを出すことができて、相手に効果的だったことが収穫で、課題としては戦術で読みとして外れてしまった部分があるので、そういう部分をもっとつめていきたいと思います。

――チームとして明大に勝てたことは秋リーグに対して大きな自信になると思いますが

明大にはここ最近ずっと負けていて、僕が1年の秋に勝ってからずっと負けていたので、本当に久々に勝つことができてうれしいです。

――インカレとしては2位でしたが、明大に勝てたことは相当うれしいですか

明大に勝てたことはすごく大きいと思います。秋に良いつながりができると思います。

――秋季リーグの意気込みをお願いします

今回明大に勝つことができて、自信もみんな得ることができたと思うので、必ず優勝して、最後を終えたいと思います。

大島祐哉(スポ4=京都・東山)

――大学日本一まであと一歩及びませんでした

僕の仕事はできましたし、きょう4点取ることができましたので、すごく悔しい結果にはなりましたが、僕としてはこれがチーム戦の難しさであり、最後はワセダの力のなさかなと感じた部分もあるので、こればっかりはしょうがないですね。

――エースとしてシングルス、ダブルスどちらの大学にも勝利しましたが、調子はどうでしたか

コンディションは良かったですし、丹羽(明大)くんとの試合は1ゲーム目落として、流れは悪かったんですけど、そこからなんとか勝てたというのがきょうの1日の流れを作ったのではないかなと思います。

――意識されていた丹羽選手との試合内容はどうでしたか

1ゲーム目は僕が最後判断ミスをしてしまい、それがなければ勝てるんじゃないかなと思っていたので、やり慣れている相手なので、その辺調子や運で決まるんですけど、勝てたので、良かったです。

――明大戦で勝てたキーパーソンは町選手との試合を制した上村選手だと思いますが、ダブルスの相棒としてどう感じましたか

もう上村に5番は託すというオーダーになっていたので、僕と上村とのダブルスで(上村の番に)回すことができて、最後勝ってくれたことはうれしかったですし、明大に勝てたことはうれしかったですけど、あとひとつ上にいかないと優勝はないですし、愛工大も一番良いプレーしてきましたし、そこで最後勝つか負けるか本当に決まるので、上村がどう捉えてこの先優勝したいって思うかどうかでまたこの先のワセダが決まると思うので、今回の準優勝を良い経験にして頑張ってほしいです。

――明大戦ではベンチから勢いを付けて上村選手を勝利に導いたように感じましたが、逆に愛工大戦ではそういう流れを渡してしまったのかなと感じましたが

1ゲームずつ取って、5ー0でリードしてそこですっと勝ち切れなかったところが、甘さかなと感じていますし、2ー1か1ー2で王手をかけるか、追い詰められるか、本当に究極な1ゲームだったと思うので、あのゲームを落として、しかも最後はエッジで相手はついていましたし、それは時の運で誰にもわからないですから、そこまでいったということが、5点リードしているので、しょうがないかなと思います。

――愛工大のダブルスでは0ー2からの逆転勝利もありました

相手のチキータがなかなか取れずに2ゲーム落としてしまって、そこからサーブを工夫したりだとかしてちょっとずつ相手が崩れてきたので、最後はそこを信じて攻めて頑張りました。

――今大会の収穫、また課題はありますか

やはり全勝してますけど、自分はまだまだ成長しないとだめですし、精神面だったり技術的な面で成長しないとまだまだ日本のトップは遠いと思っているので、もうひとつ上にいけるように頑張りたいと思います。

――そういった課題をどう調整していきますか

僕はちょっと休みがありますが、まだまだ試合は続くので、試合を重ねていきながら成長していきたいと思います。

――秋リーグの目標をお願いします

何としても最後に優勝して、引退というかたちにはなるので、それを迎えられるように頑張ります。

上村慶哉(スポ2=福岡・希望ヶ丘)

――明大の町選手に見事ストレート勝ちしました

実力的には向こうが上なんですけど、団体戦でしかも5番で。僕から攻めていけばチャンスは広がるかなと思って積極的に攻めていきました。3-0っていうのは正直出来すぎかなって思うんですけど(笑)。勝てて良かったです。

――試合を通して特に良かった点は

先に点を取られたらやっぱりダメなんで。自分から先手を取って攻めていくことを意識しました。

――意識されていた明大を倒して、チームではどのような話をされましたか

明治に勝つことを、この2年間、僕が入ってからずっと言っていたので。自分の力で達成できたことはすごく嬉しくて。今年の4年生が積極的に明治に勝とうといって、ビデオとかを見てトレーニングしていたのでそのためにも勝ちたいなと思っていました。

――愛工大とのダブルスは大逆転勝ちでした

相手のチキータがすごくて。それに全然対応出来なかったんですけど、サーブとかを変えたりしていつの間にか逆転してました。

――最後のシングルスは5番手でしたが緊張はありましたか

緊張はしていなかったんですけど、やっぱり調子は悪くなかったんですけど向こうも調子が良かったんで。

――相手の方が上回っていたところは

僕も自分から攻める気持ちはあったんで攻めていたんですけど、相手のが技術的にも気持ち的にも相手のが上だったかなと。

――準優勝という結果はどう捉えていますか

4年生のためにも優勝はしたかったんですけど、2位という結果になったのでしょうがないんですけど悔しい半分うれしい半分くらいです。

――残る団体戦は秋リーグのみとなりました。意気込みをお願いします

今回は明治に勝てたので、このまま継続して力をつけて行って秋リーグでも優勝できるように頑張ります。