関東学生春季リーグ戦(リーグ戦)全勝で迎えるは、昨年度春秋リーグ戦制覇のメイジ。世界選手権出場の丹羽孝希や前年度日本選手権ダブルス優勝の森薗政崇を戦力に加え、春季リーグ戦4連覇へ向け盤石の体制と言える。ワセダ優勝への最大の関門であるこの一戦では、予想通り激戦が繰り広げられた。大島祐哉(スポ3=京都・東山)や山本勝也(スポ3=石川・遊学館)らの快進撃でメイジを最後まで追い詰めるが、競り合うゲームを落とし3−4で敗戦。絶対王者を打ち崩すことはできなかった。
持ち味のフォアハンドで攻める大島
大一番の試合で、トップは専大戦でリーグ戦初勝利を挙げた竹岡純樹(スポ1=青森山田)。元チームメイトで中高時代から親交の深い丹羽に対し「勝つくらいの気持ちで向かった」(竹岡)と強気のプレーで、2ゲーム先取される劣勢から2ゲームを奪い返す。得意のバックハンドや鋭いカウンターで攻めるが、最終ゲームでは経験豊富な丹羽が一歩先を行き9−11で惜敗した。2番手も勝ち星を得ることはできず、続く3番手はエース大島。「自分が1番手という気持ち」(大島)で落ち着いて試合に入ると、持ち味の豪快なフォアドライブ、前陣から繰り出す鋭いバックカウンターで相手を圧倒する。実力者をストレートで下し、反撃ののろしを上げた。
実践を通し成長を続けるダブルスは「すごく良かった」(大島)との言葉通り、リードする展開で強豪ペアに3―1で快勝。5番手の山本勝の対戦相手はリーグ戦個人戦績31勝2敗の神巧也だけに苦戦が強いられるかと思いきや、強い精神力で激しいラリー勝負でも打ち負けることはなかった。2ゲーム連取し第3ゲームでは、中盤までの優勢から10―9まで追い上げられるが、最後は山本勝がクロスからストレートに打ち返した強烈なフォアドライブに神も反応できない。猛追を振り切り勝利すると、ついに団体戦スコア3―2と勝ち越しに成功。しかし、6番手の上村慶哉(スポ1=福岡・希望が丘)は明大主将の流れを変える気迫のこもったプレーに「精神面で押された」(上村)と、悔しいストレート負けを喫する。ラストを託された高田直騎(スポ2=福岡・希望が丘)も、第1ゲームを奪い一矢報いるが、昨季全日学選抜王者のプレーに押されミスが重なりゲームカウント1−3で敗戦。わずかに及ばず、リーグ戦初黒星となった。
神(明大)を圧倒した山本勝
直接対決での敗戦により、メイジのリーグ戦優勝が決定した。だが無欠とも言えるメイジのメンバーにそれぞれが善戦できたことは大きな収穫だろう。春季リーグ戦で2位を確保すると、秋季リーグ戦ではメイジと最終日に対戦する組み合わせとなる。まずは今季最終戦となる中大戦で確実に勝利をつかみたい。そして3カ月後――、『打倒最強メイジ』の悲願は、秋季リーグ戦へと託された。
(記事 村上夕季、写真 加藤万理子)
結果
▽対明大 ●3―4
●竹岡2―3丹羽
●藤原康明(社3=埼玉・狭山ケ丘)0―3森薗
○大島3―0町飛鳥
○大島・上村組3―1平野友樹・有延大夢組
○山本勝3―0神
●上村0―3平野
●高田1―3有延
コメント
大島祐哉(スポ3=京都・東山)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
そうですね、専大戦ではトップということで、一日の流れをつくる役割でした。相手選手の田添くんは1年生で勢いに乗っていてやりづらい相手ではあったのですが、やはり自分の方が実力は上だと思っていたので。前半戦は守りが多かったのですが、自分から攻めていこうと思っていたので、全体としては攻めのプレーができて、いい流れできょう1日をスタートできたので良かったと思います。
――チームの雰囲気はいかがでしたか
チームの雰囲気はチームの雰囲気は、悪くないと思います。何が悪いのか、これから見つめ直していくことで、明大に勝てると思っているので。やはり勝つ選手、負ける選手いますがいい収穫があったのではないかと思います。
――明大戦の相手である町飛鳥選手の印象はいかがでしたか
そうですね、リーグ戦で1回戦っているので。ナショナルトレーニングセンターでも一緒に練習したりもしていますし、ラリーになったらどちらが勝負かな、と思ったのですが、思ったより僕の方が強気でいけていた印象です。3―0というのは、すごい出来過ぎとも言える結果かなと思います。競った展開を何とか勝ちたい、という気持ちだったんですけれど、3―0というのは良かったです。
――1番手、2番手が惜敗する劣勢の場面でどのような心境で試合に臨みましたか
相手がエース、準エースだったので、こっちからすると僕から勝負だというのがオーダー上の展開でした。なので、流れは気にせず自分が1番手という気持ちで入っていきました。
――ダブルスの出来はいかがでしたか
きょう2試合はすごく良かったと思います。法大戦でダブルスを負けてから、上村と話をして練習をして。ああやっていこう、こうやっていこう、という準備をして、きょうを迎えたので、それが良く出たのではないかと思います。
――後輩の成長は頼もしいのではないでしょうか
やはり僕としては上村くんと竹岡くんに期待しています。でも1年生ですし、勝ってはほしいですけど、そんなに甘くはないということをこのリーグ戦で感じることで、自分を高めることができたのではないかと思います。インカレや秋に向かってさらにパワーアップしてくれたら、インカレ優勝、秋優勝が見えてくると思うので。1年生には期待していますし、僕も育てていかなくてはなと思います。
――自身のプレーについて、バックハンドの調子などはいかがですか
前陣でバックをやるということをテーマとしてやっているので、バックハンドを振るということができてきています。そこは強化できているので実力者相手にも3−0とかで勝つことができたり、自分が成長できている部分だと思います。
――最終戦へ向けて意気込みをお願いします
もう優勝はないですけれど、最後勝って2位で何とか終えて、秋に最終戦で明大に勝つというイメージをつけられるようしたいですね。この土日に気を抜かずにしっかり調整して、中大にしっかり勝って、2位を死守したいと思います。
高田直騎(スポ2=福岡・希望が丘)
――明大戦では最後に出番が回りましたが、いかがでしたか
試合が始まる前に3ー3で回すということをみんなで決めていたので、やっぱり回ってくるという準備はできていましたし、出だしも良かったんですけど、やっぱり相手の実力が上だと分かっているので後々気持ちの面で守りに入ってしまい、結構攻められる苦しい展開になってしまいました。
――試合を終えてチームの雰囲気はいかがですか
勝ったらもっと雰囲気は良くなると思うんですけど、自分が負けて…。次の中大戦に勝って、やっぱりインカレと秋までにもう一度チームひとつになって技術面でもっとレベルアップしていきたいなと思います。
――高田選手自身これから伸ばしていきたいところは何ですか
結構先に相手に攻められていたので、気持ちの面でも守りに入ってしまったので、もっともっと攻められるようになりたいです。
――リーグ戦最終戦に向けて意気込みをお願いします
もう順位も関係なしに中大もやっぱり強いので、一人一人がワセダらしいプレーで、チームが勝てることを考えたいです。
上村慶哉(スポ1=福岡・希望が丘)
――専大戦を振り返っていかがでしたか
竹岡が中国人の王選手に勝ってくれたので、ワセダに勢いがあったのでダブルスもそのまま勝つことができました。
――明大戦はいかがでしたか
大島さんが取って、ダブルスも取って、山本勝さんも取ってくれて、本当にいい雰囲気で僕に回ってきたんですけど、やっぱり相手も4年生ということで気合いが入っていて技術面というよりは精神面で押された部分が大きかったです。
――ダブルスの調子はいかがですか
やっぱり試合を重ねていく度に結構良くなってきています。お互いの意見が合うようになってきて、結構いい動きでやれるようになってきました。
――明大戦を終えて、明大の印象はいかがですか
レベルとしてはメンバー的に勝てるとはあまり思っていなかったんですけど、結果的にあれだけ競ることができて、次の秋のリーグ戦では絶対に勝ちたいなときょう負けて思いました。
――最終戦に向けて意気込みをお願いします
自分の役割をしっかり果たして、最終戦に勝って、秋では最終戦でメイジと戦えるように、しっかり2位を確保したいと思います。
竹岡純樹(スポ1=青森山田)
――きょうの試合を振り返っていかがでしたか
きょうは2試合とも格上の選手が相手だったのですが、(1試合目では)王さんに勝たないとチームの勝利が厳しいと思ったので、気合いを入れて頑張りました。
――1試合目ではリーグ戦初勝利を挙げました
そうですね、団体戦は苦手で。あと、最初は雰囲気に飲まれていた部分もあったので、今回は頑張りました。仲間の応援や、メンタルトレーナーの方のサポートもあり、気持ちを作ることができました。
――2試合目で対戦した丹羽孝希選手は同じ高校の出身でしたが
そうですね、練習も一緒にしたことありますし、基本的にすごく仲が良くて、毎日一緒に居るような先輩だったので。むしろ最初は試合をするのが嫌だったくらいなのですが(笑)。でも相手も強い方なので勝つくらいの気持ちでいきました。
――丹羽選手相手にかなりの接戦でした。勝つ為には何が必要と感じましたか
向こうも最後は緊張していて。でも緊張している中でもすごいプレーを出してくるんですね。僕も緊張している時でも、もっと自分の技術を出し切れるようにしたら…、もしかしたら勝てるかもしれません(笑)。
――最終戦へ向けて意気込みをお願いします
中大も強いチームですが、早大みんなで頑張って、自分も勝ちたいです。とにかく2位を確保して、また秋に頑張りたいと思います。