濵田・徳田組が男子ダブルスで優勝! シングルスは悔しさの残る結果に

卓球ダブルス

 10月26日に開幕した全日本大学総合選手権個人の部(全日学)は2日目を迎え、ダブルスの4回戦以降とシングルスの2回戦以降が行われた。前日に16強入りを決めた濵田一輝(スポ2=愛知・愛工大名電)・徳田幹太(スポ1=山口・野田学園)組は準々決勝でフルゲームデュースの大激戦を制すると、勢いそのままに決勝へと駆け上がった。専大ペアとの頂上決戦では3―0で相手を完封。早大勢が2年連続で男子ダブルスの頂点に輝いた。一方シングルスでは濵田、徳田に加え杉田陽南主将(スポ3=大阪・香ヶ丘リベルテ)が奮闘するも、男女ともにランク入りならず。早大勢は大会2日目で姿を消す悔しい結果となった。

  優勝杯を手にする濵田(左)・徳田組

  濵田・徳田組は4回戦で明大ペアと対戦、相手のミート打ちをうまくかわし3-0で勝利した。続く準々決勝の相手は全日本大学総合選手権団体の部(インカレ)で頂点に輝いた愛工大の横谷晟 ・谷垣佑真組。「準々決勝が一番勝負だなと思っていた」と徳田が語ったとおり、両者は互角の戦いを演じ試合は最終第5ゲームまで持ち込まれる。接戦が続く中、先にマッチポイントを握ったのは早大ペアだった。10―9まで残しておいたタイムアウトも使いここで決め切りたい場面だったが、濵田のレシーブが浮いてしまいデュースへと突入。その後相手に何本もマッチポイントを握られるも耐えしのぎ、最後は濵田が前陣でボールをさばき15―13で大激戦を制した。勢いに乗った早大ペアは、同士討ちを制した中大ペアを3―1で下し決勝戦進出を決める。決勝では秋季関東学生リーグ戦1位である日大の小林広夢・伊藤礼博組を下し勝ち上がってきた専大の星優真・福澤勇太組と対戦。開始から鮮やかなプレーで得点を重ねていく。2人は決勝の舞台でも堂々とした卓球を見せ、ゲームカウント2―0の10―7でついにチャンピオンシップポイントを迎える。緊迫した雰囲気の中、相手のハーフロングに対し濵田がレシーブから仕掛けたボールに相手が対応できずオーバーミス。最後の1点を勝ち取り、圧巻のストレート勝ちで優勝を決めた。大激戦を乗り越え、見事全国制覇を達成した早大ペア。観客席に向け拳を高く突き上げた2人の顔は、自信と笑顔で満ちあふれていた。

  優勝を決め、手を取り合う濵田(右)・徳田組

 シングルスでは2回戦以降が行われた。男子は杉本和也(スポ4=福岡・希望が丘)が専大の選手相手に1ゲームを奪うも2回戦敗退、柏竹琉(スポ4=エリートアカデミー)も中陣で激しいラリーを繰り広げるも力及ばず3回戦敗退となり、17年間にわたる選手生活に幕を下ろした。昨年16強入りを果たした荒井和也主将(スポ3=福岡・希望が丘)は2回戦を難なく突破するも、3回戦はフルゲームまでもつれる激戦に。大きなラリー戦を制し9―10まで迫るもあと1本が奪えず、悔しい敗戦となった。ダブルスを戦い抜いた濵田、徳田は順調に4回戦進出を決めるも、体力面での負担もありそれぞれ3―4、2―4で敗戦した。女子は出場選手5人全員が2回戦を3-0で突破する好スタートを切る。続く3回戦、前日に全日学初勝利を挙げた深谷和花(スポ2=愛知みずほ大瑞穂)はカットマン対決を制することができず0―3で敗戦。里川奈優(スポ4=高知・明徳義塾)も相手のカットを攻略できず1―3で敗戦した。さらに福岡乃愛(スポ3=兵庫・三田学園)は相手の猛攻を抑えきることができず0―3、宮脇心和子(社2=鳥取敬愛)もフルゲームの接戦をものにできず惜しくも2-3で敗れる。荒井と同じく昨年16強入りを果たした杉田は、3回戦でインカレ王者の愛工大の選手を3-0で下す見事な試合を見せる。しかし4回戦では関西の強豪・同大の選手に0―4で敗れ、早大勢からランク入りとはならなかった。

  引退試合を終えた柏(左)とベンチで迎え入れる杉本

 濵田は昨年の岩永宜久氏(令5スポ卒)とのペアに続き2連覇、徳田は自身初となる大学での全国タイトル獲得を成し遂げた男子ダブルス。試合後、「最終的には全日本で1位を取るペアになりたいし、なれると思う」と濵田は語った。早大の主力を担う2人のさらなる飛躍に期待がかかる。シングルスは満足のいく結果ではなかったものの、全国の舞台でも存在感あるプレーを披露した。今後チームの中心となる荒井や宮脇はフルゲームの末惜しくも敗れたが、この悔しさは今後の成長につながるであろう。新チームで挑む春季関東学生リーグ戦では、男女ともに優勝を飾り、早大卓球部設立100周年に花を添えてほしい。

(記事・写真 三浦佑亮)

コメント

濵田一輝(スポ2=愛知・愛工大名電)、徳田幹太(スポ1=山口・野田学園)

――シングルス、ダブルスそれぞれで今大会を振り返っていかがですか

濵田  ダブルスは優勝できて本当にうれしいです。苦しい試合は何回もありましたが、昨年の経験から苦しい試合を乗り越えないと優勝できないということは分かっていました。今回は準々決勝が勝負だと思っていたので、そこを乗り越えて自信が付いたことが優勝できた理由のひとつだと思います。シングルスは自分の状態も良くて自信がありましたが、相手が工夫してきたことに対応できず負けてしまいました。優勝を目指していたのですごく悔しいです。

徳田 ダブルスはパートナーが濵田さんということで大会前から優勝を狙っていました。準々決勝が一番勝負だなと思っていましたが、大事な場面で濵田さんに任せるところと自分で決めきるところのメリハリがうまくつけられていたので良かったと思います。シングルスはベスト8を目標にしていましたが、体力面と技術力で相手に負けてしまったと感じています。来年はそれらの部分を鍛えて、ベスト8以上に入れるよう頑張ります。

――準々決勝は接戦となりました。最終第5ゲームの10―9でタイムアウトを取ってからその後続いたデュースを制するまで、どのようなことを考えてプレーしていましたか

濵田  タイムアウトでは、自分たちが仕掛けるところと相手に仕掛けさせてそこを狙うところのメリハリをつけようというアドバイスをもらいました。10ー9の時にストップが浮いてしまい打たれてしまいましたが、その辺りの判断を誤らないようにしていました。

――優勝した瞬間の気持ちをお願いします

濵田  優勝という目標を掲げてきて、実際にそれを達成することができましたが、実感は全然湧かなかったです。みんなに挨拶などをしていく中で段々と実感が湧いてきました。みんなから祝福されてとてもうれしかったです。

徳田  優勝した瞬間に応援席の方を振り向いたのですが、その時に拍手してくれているみんなの姿を見て全国優勝した実感が湧きました

――お二人はこれからもダブルスを組むと思いますが、お互いにメッセージをお願いします

濵田 今年からダブルスを組み始めて、本当に良いペアリングだなと思います。徳田が僕のことを信頼してくれているかは分かりませんが、僕は徳田のことを本当に信頼しています(笑)。 今大会だけでなくリーグ戦や全日本予選でも苦しい試合を何度も乗り越えてきたし、この先もっと強くなれると思います。最終的には全日本で1位をとるペアになりたいし、なれると思うのでお互い切磋琢磨して頑張ろうというのがメッセージです。

徳田  自分は濵田さんご自身以上に濵田さんのことを信頼しています(笑)。全日学で濵田さんと組めるのもあと2回なので、濵田さんも自分も4連覇できるように頑張ります。全日本選手権でも絶対優勝するという気持ちで頑張ろう!

――今後の目標をお願いします

濵田  来年に早大卓球部が100周年を迎えるということで、なんとかリーグ戦優勝したいですね。僕と徳田で合わせて単複3点出場すると思うので、そこの3点全勝するためにリーグ戦に向けて準備していきます。

徳田  大学に入ってからダブルスはずっと勝てていますが、シングルスはなかなか勝てない状態が続いているので、シングルスでもっと勝てる選手になって早稲田の優勝に貢献したいです。