黒野、女子シングルスで2連覇達成! 大逆転の連続で強さを示した

卓球ダブルス

 20日に開幕した全日本学生総合選手権個人の部(全日学)は最終日を迎え、男女シングルスの5回戦から決勝までが行われた。早大からは5人が勝ち残っていたものの、5回戦で3人が敗退。単複2冠に挑んだ濵田一輝(スポ1=愛知・愛工大名電)もベスト8で姿を消し、黒野葵衣(スポ4=東京・武蔵野)が唯一4強入りを決めた。黒野は、準決勝で最終ゲームの4点差をひっくり返して勝利を収めると、決勝ではゲームカウント0-3から4ゲームを連取。苦しい試合を乗り越え、大逆転で全日学女子シングルス2連覇を達成した。

  決勝でプレーする黒野

 前日の2回戦を辛勝した後、4回戦までを順調に突破した黒野だったが、この日は苦しい試合の連続だった。5回戦では、ゲームカウント3-2とした第6ゲーム。先にゲームポイントを奪われてから、連続得点でなんとか逃げ切りに成功した。準決勝では、最終ゲーム中盤から相手の勢いを止めることができずに連続失点。6-10と4点のビハインドでマッチポイントを握られた。この場面で「いい意味で負けてもいいやと思っていた」という黒野。積極的に前に詰めて1点差まで詰め寄ると、カットがエッジに当たり同点に追い付く。そして3度目のマッチポイントから14-12と突き放し、決勝進出を決めた。

 迎えた決勝は出沢杏佳(専大)との対戦となった。しかし「流れがないとすごく感じた」と話すように簡単に3ゲームを連取されてしまう。後がない4ゲーム目、ベンチに入った中島彩希(スポ4=福井・敦賀)からの「相手よりも前に入って」というアドバイスを受け、ペースをつかんだ。出沢の強打の確率が落ちる一方、黒野はミスを最小限に抑えて3ゲームを連取。最終ゲームも勢いで相手を上回り、点差を広げた。序盤のリードを最後まで守り切った黒野。「この大会で優勝することの大きさを感じていた」という全日学のタイトルを、2年連続で獲得した。

  優勝を決め、ベンチに戻る黒野

 4日間にわたって開催された全日学を、黒野の優勝で締めくくった早大。男女単複の4種目のうち、男子ダブルスと女子シングルスの2種目で頂点に立つことになった。さらに全種目でランキング入りを達成し、戦力の充実ぶりを示した。全日学初出場の荒井和也(スポ2=福岡・希望が丘)や、秋季リーグ戦では出番に恵まれなかった福岡乃愛(スポ2=兵庫・三田学園)が16強入りを果たすなど、若い力も躍動。翌月の全日本学生選抜選手権はもちろん、4年生が抜けた後の団体戦に向けても期待の高まる内容となった。

  優勝杯を手にする黒野

(記事、写真 是津直子)

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結果

▽男子シングルス

5回戦

○濵田4-3山本(明大)

●荒井1-4横谷(愛知工大)

準々決勝

●濵田2-4田中(愛知工大)

▽女子シングルス

5回戦

○黒野4-2枝広(中大)

●福岡1-4本井(同大)

●杉田3-4皆川(大阪成蹊大)

準々決勝

○黒野4-1小林(金城大)

準決勝

○黒野4-3岡田(愛知工大)

決勝

○黒野4-3出沢(専大)

コメント

黒野葵衣(スポ4=東京・武蔵野)、中島彩希(スポ4=福井・敦賀)

――優勝してどんな心境ですか

黒野 昨年も優勝させていただいて、この大会で優勝することの大きさを感じていたので、取れるとは思っていなかったのですが、良かったです。

――黒野選手の優勝が決まった瞬間、中島選手はどんな思いでしたか

中島  私は2回戦で負けてしまいましたが、葵衣ちゃんのおかげで決勝までベンチに連れて行ってもらって、勝って自分のことのようにうれしかったです。

――先に3ゲーム取られて、そこから何が良くなりましたか

黒野  前半の3セットは流れというものがないなとすごく感じていて、とりわけ大きな一本があったわけではないのですが、4セット目からは、なんだろうな。

中島  最初3セットは相手がしっかりと前に入って強気で攻めてきていたのですが、4セット目に入った時に葵衣ちゃんが相手よりも前に入ってプレーできていました。そこから流れが変わったかなという感じがします。

――中島選手からアドバイスしていたのですか

中島  そうですね。最初の方から前に入ってとは言っていたのですが、特に3セット目が終わってからは後がないので、やり切るしかないので、前に入ってというのは結構強めに言っていたつもりです(笑)。

――準決勝も激戦でしたが振り返って

黒野  いいところでネットがあったりと相手には申し訳なかったのですが、いい意味で負けてもいいやと思ってできたので良かったです。

――ダブルスを振り返って

黒野  負けた高橋さんと川北さんには以前も負けていて、自分たちがやれることをやったらチャンスはあるかなと思っていたのですが

中島  私たちが出し切れないまま、相手のペースのまま終わってしまったかなという印象でした。