10月20日に開幕した全日本学生総合選手権・個人の部(全日学)は大会3日目を迎え、ダブルスの準決勝以降が行われた。早大からは、前日にベスト4入りを決めた岩永宜久(スポ4=福島・帝京安積)・濵田一輝(スポ1=愛知・愛工大名電)組が出場。岩永・濵田組は、準決勝でゲームカウント1―2から逆転勝利を収め勢いに乗る。決勝では9月に敗れていた日大ペアに雪辱を果たし、初優勝した。
決勝でプレーする岩永(左)・濵田組
岩永・濵田組は準決勝で、浅津・小野寺組(中大)と対戦。第1ゲームを11―5で奪う順調な滑り出しをみせた。しかし、第2ゲームは序盤に連続得点を許すと流れを変えられず、立て続けに2ゲームを落としてしまう。後がなくなった第4ゲームだが、要所で濵田がサービスエースを決め、11―6で第5ゲームにつないだ。勝負をかけた最終ゲームは、7―10と苦しい場面でも「自分たちから攻めて自分たちから先に決めるような展開にしていこうという話をした」(岩永)。岩永のサービスエースで10―10に追いつくと、最後は濵田が3球目をフォアハンドで打ち抜き、15―13で接戦をものにした。
優勝を決め、喜ぶ濵田(左)と岩永
決勝の相手は、9月の秋季関東学生リーグ戦(リーグ戦)で敗れた伊藤・小林組(日大)。対戦経験を生かし、「相手に対応しながら自分たちの良さを出していけたので、試合前の準備と試合中の考え方もすごく良かった」(濵田)。ラリー戦でも強さを見せつけた岩永・濵田組が、11―7、11―7、11―8で圧倒。男子ダブルス109組の頂点に立った。
今春にペアを結成し、団体戦でチームを支えてきた岩永・濵田組。岩永が4年生であるため、今回の全日学は同組にとって優勝を目指すラストチャンスだった。その中での優勝に「優勝を目標にしてやってきたのですが、本当に優勝できるとは思っていなかったので自分でも驚いています」(岩永)。約半年間の集大成ともいえる今大会を、最高の結果で締めくくった。
優勝杯を手にする濵田(左)と岩永
(記事 鬼頭遥南、写真 是津直子)
結果
▽男子ダブルス
岩永・濵田組 優勝
決勝 ○3-0 伊藤・小林(日大)
準決勝 ○3-2 浅津・小野寺(中大)
コメント
岩永宜久(スポ4=福島・帝京安積)、濵田一輝(スポ1=愛知・愛工大名電)
――ダブルスを振り返って
岩永 昨日から試合をやるごとにどんどん良くなっていって、最終的に二人とも調子の良い状態で決勝を迎えられて、いいプレーができたので、良かったと思います。自分たちから仕掛けて自分たちのパターンで試合をできたので、そこが良かったと思います。
濵田 試合を重ねるごとにどんどん良くなってきて、最後が一番いい状態で試合ができて、一番いいプレーをできました。そこまで本当に苦しい試合が多かったのですが、乗り越えたので、最後に一番いいプレーができたのかなと思います。
――準決勝ではゲームカウント1-2からの逆転勝ちでしたが、どこが良くなりましたか
岩永 リードされているところは、相手のいいプレーが出て相手の展開で試合が進んでしまっていました。負けている時に一回切り替えて、自分たちから攻めて自分たちから先に決めるような展開にしていこうという話をして、切り替えることができたので、そこが勝因だったのかなと思います。
濵田 我慢ですね。本当に攻められていて相手に流れがあったのですが、なんとか耐えたらチャンスがあるんじゃないかということで、一つ一つコースを突いたり少し変化をつけたりして、どうやって相手を崩すかということを考えて実行していました。マッチポイントを取られていましたが、最後までそういうプレーができたので勝てたのかなと思います。
――決勝戦は、秋季関東学生リーグ戦(リーグ戦)で敗れていた相手との対戦でした
岩永 リーグ戦で自分たちが失点した展開が分かっていたので良くない展開をなくして、逆に得点できた展開を一本目からできたので、リーグ戦で負けた反省を生かせた試合だったと思います。
濵田 初めから作戦を実行できて、1ゲーム目はいいかたちで取れたのですが、2ゲーム目は少しそれがきかなくなってきました。そこで自分たちが変えて相手に対応しながら自分たちの良さを出していけたので、試合前の準備と試合中の考え方もすごく良かったのかなと思います。
――優勝してのお気持ちは
岩永 優勝を目標にしてやってきたのですが、本当に優勝できるとは思っていなかったので自分でも驚いています(笑)。
濵田 めちゃくちゃうれしいです。
――お互いにメッセージを
岩永 春のリーグ戦から濵田と組んでいて、これまでやってきたのですが、試合中も全部濵田に聞いて頼って、プレー的にも濵田が全部決めてくれていたので、頼ってばっかりでしたが、ありがとうございます。
濵田 こんなこと言っていますけど、全然試合ではそんなことなくて、よく決めてもらって。春から半年間ずっと組んでもらって、苦しい試合も今まで乗り越えてきて、関東学生では優勝できなかったのですが、最後に組む機会の全国大会で優勝という最高のかたちで終われました。うれしいですけど、これで終わっちゃうのは寂しいなという気持ちはあります。せっかく優勝したのに、もうちょっと組みたかったです。