今回登場するのは、岩永宜久主将(スポ4=福島・帝京安積)、柏竹琉(スポ3=エリートアカデミー)、杉本和也(スポ3=福岡・希望が丘)の3人だ。今年度の団体戦では、目標まであと一歩のところでの敗退が続き、悔しい思いをしてきた。開幕が迫る秋季関東学生リーグ戦(秋季リーグ戦)での優勝に向けて、それぞれの取り組みや意気込みを伺った。
※この取材は8月13日に行われたものです。
「勝ち切れなかったことがとても悔しい」(杉本)
笑顔で質問に答える(左から)岩永、杉本、柏
――左隣の方を他己紹介してください
杉本 柏は表にガッツを出さないタイプなんですけど、実はガッツを持っていて試合の時は声を出してやってくれます。性格的にはチャランポランな感じですけどいざ試合になると頼りになる人です。
柏 岩永さんは私生活と試合とのギャップが大きくあります。私生活では頼りない部分が多い感じもするんですけど(笑)、試合になるとダブルスもシングルスも頼りがいがあって、チームの柱として支えてくれている頼りになる存在です。
岩永 杉本はずっと練習しているイメージがあります。練習が始まった時から練習場が閉まるまでずっと練習しています。試合も元気よくガッツあふれるプレーが魅力的な人です。
――夏休みに入りましたがオフの日は何をして過ごしていますか
杉本 勉強しています。
柏 嘘です(笑)。ホームページにもそう書いてるんですけど全くしてない!
杉本 してます(笑)。勉強と読書です。
一同 (笑)
柏 自分は家で基本ゴロゴロしているか、遊びに行くとしたら映画に行くか新宿でプラプラしているかですね。家で寝ていることが多いです。
岩永 自分もあまり外に出るタイプではなくて予定がなければずっと家にいます。ゲームしたりアニメ観たりしてオフは終わります。
柏 みんな同じような(笑)。
――3、4年生としてチームを引っ張っていく存在だと思いますが、皆さん自身が考えるそれぞれの役割を教えてください
杉本 役割としてはやはり学年が上なのでチームを引っ張っていくためにも率先して動くことが大事だと思っています。そのためにも試合では特に声を出して引っ張っていきたいですし、後輩が伸び伸びできるように自分達が勝っていけたらいいなと思いますね。
柏 後輩が伸び伸びできるようにというのもありますし、僕らの立場では絶対1点を取ってチームの勝利に貢献することが一番の役目かなと思います。僕らのプレーでチームを盛り上げる以上に勝利をして勝利によってチームを盛り上げたり、勝ちでさらに突き進むといった役割があるかなと考えています。
岩永 自分は団体戦だとシングルとダブルス両方出場するので、まずはその2点が取れるように、勝ってチームに貢献できるようにというところを考えています。また主将として、勝ってチームに貢献するだけではなく、チーム全員がやりやすい環境づくりという部分も意識して取り組むべきだなと感じています。
インカレで戦う杉本
――春季リーグ戦は2位という結果でしたが、この結果についてはどのように考えていますか
杉本 優勝を目標にしてはいたのですが、正直自信はなくて。でも勝っていくにつれて優勝が近づいてきて、よりその最終目標を目指すようになったので2位という結果に悔しさはあります。特に明大戦の時、自分が負けてチームが負けたのでそれはとても悔しさが残っていますね。
柏 前々回のリーグ戦が最下位だったので、チームとしてもっと頑張らないといけないという雰囲気になっていました。そこからリーグ戦優勝という目標に向かってみんなで取り組んできました。なので、優勝を目指してはいましたが2位という結果はみんなの自信につながりましたし、優勝したいという気持ちがさらに強くなりました。秋リーグでは優勝を目指しているのでこの優勝に向けてさらに気持ちが強くなった2位でしたね。
岩永 チームとして優勝を目標にしていた2位だったので悔しい気持ちはあったんですけど、柏が言っていた通り前々回最下位からの2位だったので悪い部分だけではなく良い部分も多かったと思いますし、チーム全体が良いイメージを持って試合できていたのだと思います。今回の優勝も見えてきているのではないかと感じています。
――続いてインカレベスト8という結果はどのように考えていますか
杉本 インカレは最低目標としてベスト4を目指していたのでメダルを取ることができなかったことはすごく悔しく思いますし、日大戦では自分が競って負けてしまったので勝ち切れなかったことがとても悔しいです。
柏 杉本が言っていたようにインカレではベスト4を目指して取り組んでいました。その前のリーグ戦が2位という結果だったので、チーム的に雰囲気は良かったと思います。ですが結果としては準々決勝で日大に負けてしまったのでみんな春リーグで2位だった時以上に悔しかったと思います。ただ秋リーグ前にそのような経験ができたことで今回の秋リーグに向けての気持ちがより強くなりましたし、悔しさをばねに絶対優勝したいと思っています。
岩永 2人が言っていたようにチームとして目標を達成することができずとても悔しい思いをしましたが、インカレで負けた時に秋リーグでは絶対に優勝するとみんなで目標を掲げたのでその目標に向けてまた頑張ろうという気持ちになれる大会になりました。
「フィジカル面から強化している」(柏)
――これまでのシーズンでの試合を通して、印象に残っている試合を教えてください
杉本 春のリーグ戦の中大との試合ですね。チームが1対3で負けていた時に後半柏が制してくれて。
柏 ありがとうございます。
杉本 柏だけではなくそこから岩永さん、荒井(和也、スポ2=福岡・希望が丘)と続いて逆転できたことがすごく印象的です。
柏 自分の試合になってしまうんですけど、春のリーグ戦で中大と戦った時、中大のエースの方にセットオールの15―13で勝った試合です。戦った選手が中高時代の先輩でダブルスも組んでいたり、ずっと一緒に色々な大会に出ていた方でした。その方になかなか勝てていなかったので、あのような素晴らしい場面で試合をして勝つことができてすごく気持ち良かったです。団体で勝てたことと個人的に勝てたこと、両方うれしかったですね。
岩永 自分も中大戦がとても印象的です。ダブルスを取ればかなり有利な展開だったのですが取ることができず不利な状況から、5番の柏がエースに勝ってくれたところから流れがきたと思います。自分自身6番で出て最後まで試合が続きました。自分がこれまで経験した団体戦の中でラストで試合をすることがなかったので、とても緊張した中勝ち切ってチームが勝てたことがとても印象的です。
印象に残る試合として挙げられた中大戦で活躍した柏
――レギュラーとして出場している1、2年生の活躍についてはいかがでしょうか
杉本 1年の濵田(一輝、スポ1=愛知・愛工大名電)は入ってすぐにエースとして活躍してくれていますし、2年の荒井は春のリーグ戦で全勝してくれました。2人とも心強いので自分もそれに負けないように活躍したいと思います。
柏 濵田はチームの主力として前線で戦ってくれていて感謝しています。荒井も春のリーグ戦では全勝してくれて特に駒大戦では3―3の状況からセットオールで格上の相手に勝ってくれました。荒井ってこんなに我慢強くて粘るタイプだったんだなと初めて知れて、技術だけではなく人間的にもすごく成長しているなと感じます。すごい上からになっちゃった(笑)。
一同 (笑)
岩永 濵田はエースとして勝ってチームに貢献してくれていますし、自分とダブルスを組んでいてプレーの面でも引っ張ってくれているのでとても感謝しています。荒井はリーグ戦ではほとんど7番の出場で、競った場面で全部勝ってくれました。あの2人のおかげで春は2位という結果が納められたのではないかなと思います。
――これまでのシーズンでチーム全体の課題などは見つかりましたか
柏 そうですね、卓球は個人スポーツなのでチームとして一つの課題を持つことはすごく難しいと思うんですけど、ここ数カ月、みんなでトレーニングをやっているんですよ。フィジカル面から強化している部分があって、春リーグとインカレでみんな良いプレーができたのはフィジカルトレーニングを増やしているからだと思っています。さらにトレーニングを続けることによって良い体になって良いプレーにつながると思うので、課題があるとしたらフィジカルをもっと強くするというところですかね。
岩永 よく戦っている明大や専大に比べて選手層が薄いという部分があって、インカレでは濵田が2点取って他は負けてしまったので、結局濵田の点数しか取ることができませんでした。濵田以外の出る選手がもっと上位の選手に勝てるようになっていくべきなのではと考えています。それが秋リーグで優勝するためには絶対条件になってくると思います。
「全勝してチームに貢献できるように」(岩永)
インカレでプレーする岩永
――岩永さんは4年生ということで引退も近づいていますが、3年生のお二人から見て岩永さんはどんな主将でしょうか
杉本 岩永さんは柏とタイプが似ていてあまり表にガッツを出さない選手だと思います。自分が1年生の時から主力で出ていて、その時から団体戦では絶対勝ってくれるという安心感がありました。頼りになりますし人間性も尊敬しています。
柏 主将として岩永さんを見るとオンとオフの切り替えがしっかりできる人だなと思っています。オンオフの切り替えができる人が早稲田の主将になっているので、試合前にみんなが集中できるような環境づくりをしてくれているなと感じています。
――逆に岩永さん、2人のことをどう見ていますか
岩永 この2人は春リーグに関してだと杉本は法大戦の時、柏は中大戦と専大戦の時に相手のエースに勝って、そのおかげでチームが勝ったと思うので、とても頼りになりますし感謝もしています。杉本と柏は性格的にはあまり似ている方ではないと思っていて、でも試合になると2人とも頼りになって感謝しています(笑)。
杉本・柏 すごい感謝された(笑)。
――みなさんこのチームでの思い出はありますか
杉本 1年生の時に行ったバーベキューです! 楽しかったですね。
柏 プールに行ったことですかね。昨年サマーランドに行って、この2人がはしゃいでいて、それを客観的に見ていてすごく面白くて思い出です!
岩永 北海道に行ったことです。この2人と先輩2人と一緒に行きました。おいしいものを食べたり牧場行ったりとても楽しかったです(笑)。
――秋季リーグ戦が近づいてきました。試合まで1カ月を切りましたが、何か重点的に練習している部分はありますか
杉本 自分は特にフットワークを強化しています。春のリーグ戦前にフットワークを強化してすごく足も動いて調子が良かったので、秋の前もそこを重点的に強化したいと思っています。また、春は肩を怪我してしまい思いっきり振るというプレーができませんでした。秋は怪我をしないようにして、全力でプレーできるようにしたいと思います。
柏 リーグ戦の時に苦手なカットマンによく当たって負けていて、団体戦だと自分が負けたらチームの負けにつながるので特に練習しなければいけないなと思っています。男子はカットマンがいないのでたまに女子の練習に入ってカットしてもらって練習をしています。
岩永 自分はダブルスの練習を増やしています。インカレと春リーグとインカレを通してダブルスの重要性をとても感じたので、勝ってチームが有利になるようにダブルスを重点的に練習しています。
――優勝に向けて特に警戒している対戦校はどこでしょうか
杉本 日大です。インカレで負けていて、インカレに出ていないメンバーの層も厚いので日大に勝つことが優勝につながると思います。
柏 同じく日大ですね。インカレも負けましたしメンバーを見るととても強くて1、2位争いに必ず入ってくる大学なので。まずそこに勝たないと早大の優勝は難しくなってくると思います。
岩永 日大と明大だと思っています。日大にはインカレで負けて、明大には春リーグで負けたのでその負けたチームに勝てるように準備していきたいと思います。その他の大学にも簡単に勝てた試合はなかったので、全力で向かっていく気持ちを持って頑張りたいです。
――早大が優勝するためにカギになるなと思う選手は誰でしょうか
杉本 岩永さんだと思います。いや変えてもいいですか? 自分がカギになると思います! 岩永さん、柏、荒井、濵田は勝ってくれると思うのであとは自分が勝てばチームは勝てるので自分がカギになると思います。
柏 岩永さんと濵田ですかね。2人はダブルスとシングルス両方出るので、団体戦の4点取ればいいうち3点を持っているので、絶対取ってくれると思っています。
岩永 杉本と柏だと思います。春は2人が相手のエースに勝ったおかげでチームが勝てたと感じているので、秋も2人には相手のエースを倒してもらってチームの勝ちにつなげてほしいですね。
――それでは最後にリーグ戦に向けての意気込みをお願いします
杉本 春は2位で自分も1敗したので、秋リーグは全勝して優勝できるように頑張ります。
柏 優勝します!
岩永 最後の団体戦になるのでチームとしては優勝を目標に頑張っていきたいなと思います。個人的にも春はダブルスとシングルス1敗ずつしてしまったので、今回は全勝してチームに貢献できるように頑張ります。
――ありがとうございました!
(取材・編集 澤崎円佳、是津直子、藤田珠江、芳田彩歌)
色紙には秋季リーグ戦に向けた意気込みを書いていただきました!
◆岩永宜久(いわなが・なりひさ)(※写真中央)
福島・帝京安積高出身。スポーツ科学部4年。右シェーク裏・裏。切り替えが上手で絶対に勝ってくれるという安心感があると紹介された岩永選手。厚い信頼を得ている岩永選手にとって最後の団体戦となる秋季リーグでは、主将としてチームを優勝に導く姿に期待です!
◆柏竹琉(かしわ・たける)(※写真左)
エリートアカデミー出身。スポーツ科学部3年。右シェーク裏・裏。常に明るく場を和ませてくれる柏選手。今回の対談も盛り上げてくれました!ガッツあふれるプレーで試合中もチームを盛り上げてくれること間違いないでしょう!
◆杉本和也(すぎもと・かずや)
福岡・希望が丘高出身。スポーツ科学部3年。右シェーク裏・裏。岩永選手に「常に練習している」と紹介されたようにストイックなイメージが強い杉本選手。秋季リーグではどのような力強いプレーを見せてくれるのか期待です!