今回登場するのは、荒井和也(スポ2=福岡・希望が丘)と濵田一輝(スポ1=愛知・愛工大名電)。下級生ながら個人戦で好成績を残してきた2人は、秋季関東学生リーグ戦(秋季リーグ戦)でも重要な局面での出場が予想される。開幕を前に、これまでの振り返りや秋季リーグ戦への意気込みを伺った。
※この取材は8月13日に行われたものです。
「悔しいシーズンになりました」(濵田)
お互いを紹介し合う荒井(左)と濵田
――他己紹介をお願いします
荒井 濵田くんは選手としてもめっちゃ強い選手で尊敬しています。生活面においても甘えがないと言うか、全てにおいて自分に厳しくてすごくストイックな人です。
濵田 べた褒めやん(笑)。
荒井 すごいところしかないです。
濵田 荒井さんはとにかく優しいです。ダブルスを組ませてもらったのですが、決める時はビシッと決めてくれます。試合中は僕がミスしなければ荒井さんが決めてくれる、頼りがいのある先輩です。
――今年これまでの結果をどのように受け止めていますか
荒井 結果としては良い感じの結果が出ていると思いますが、それがたまたまな感じがありました。余計にあと1回勝てるようにしたいなというシーズンになりました。
濵田 チームとしてはリーグ戦(春季関東学生リーグ戦)優勝とインカレ(全日本大学総合選手権団体の部)優勝が目標だったのですが、両方達成できなかったので、そこは悔しいシーズンになりました。両方チャンスがあって、惜しい試合ばかりだったので、これ以降はそこをものにして、優勝できるようにやっていきたいです。シングルスでは、関東学生(関東学生選手権)の決勝で負けたのが未だに印象に残っているので、そこも含めてもっと成長していきたいです。
――関東学生選手権では1、2年生のお二人がランキング入りを果たしましたが、結果を振り返っていかがですか
荒井 関東学生でのベスト8は、シードの人が負けて、その勝った相手に自分が勝てたというかたちでした。シードの人が勝ち上がってきた時に勝てるかというと怪しいところなので、来年の関東学生や今後の全日学(全日本大学総合選手権個人の部)では、シードの選手に1回でも2回でも勝てるようにしたいです。
濵田 リーグ戦で負けた宮川さん(宮川昌大、明大)、全勝していた松田さん(松田歩真、明大)に勝って決勝まで行けたのは良かったのですが、最後の最後で体力切れというか、簡単に崩されて負けてしまいました。決勝まで行けたといういい部分はあったのですが、最後に勝ち切れなかったというのが悔しいかなという気持ちです。
――これまでの団体戦ではお二人とも1、2年生ながら出場されていますが、ご自身の役割をどう考えていますか
荒井 春のリーグ戦では、僕が勝っての1点は、ラッキーは言い過ぎですが、そういう1点でした。これから秋に向けては自分が取らなきゃいけないという立場で回ってくると思うので、頑張りたいと思います。
濵田 最初のリーグ戦では全部2点(シングルスとダブルス)出させてもらいました。自分が勝つことでチームが勝ちにつながると思って毎試合出ているのですが、リーグ戦では2点落としてしまうこともあったので、2点出させてもらっている以上はエースとして2点を取って帰らないとなと思ってやっています。
インカレでプレーする濵田
――やはりプレッシャーは感じましたか
荒井 そうですね。自分は春リーグでは7番で出ることが多かったので。一度7番で出た時に激戦を制したのですが、その試合も含めて全部やばかったです(笑)。
――駒大戦での7番では、「チームの窮地を救ってくれた」という話が先輩方からありました
荒井 あの試合の前にも7番で出ていて、その試合は6番が勝ったので自分の勝ちはなかったことになったので、3-3で回ってきて正真正銘の7番というのはあの試合が初めてでした。あの試合は終始覚えていないです(笑)。最後の2本くらいしか覚えていないです。
――濵田選手は春季リーグ戦が大学入学後初の団体戦となりました
濵田 早大という伝統のある大学の名前を背負って戦うというのはやはりすごく緊張感がありました。リーグ戦というのは独特な雰囲気があるとみんな言うのですが、本当にそんな感じで、一本一本を取るのが大変でした。みんな勝ちに向かって全力で戦っているので、緊張はあるのですが楽しいなという気持ちがありました。僕は7番を経験していないので、荒井さんよりも全然緊張していないですけど。荒井さんはもう、やばいです(笑)。
荒井 (濵田は)2点使われているので。しかも1年生で2点任されるというのは、7番とはまた違ったプレッシャーがあると思うのであまり変わらないと思います(笑)。
――全日本大学総合選手権(インカレ)では、リーグ戦との雰囲気の違いはありましたか
荒井 自分は最初の1試合だけ出させてもらって、それは勝てたのですが、見ていて思ったのは、リーグ戦と比べたらみんな伸び伸びと卓球ができているのかなと感じました。ラリーがたくさん続いている気がして、リーグ戦ではゆっくり入れるようなボールも、インカレでは強いボールで打ち合っていました。
濵田 荒井さんと同じで、リーグ戦の方がみんな緊張していて自分のプレーができていないなと感じました。僕自身もインカレの方が思い切ってプレーできたかなという印象ですね。
「『ちょっと』が『めちゃめちゃ』良くなるように」(荒井)
春季リーグ戦で7番としてプレーする荒井
――4年生の引退が近づいていますが、何か4年生との思いではありますか
荒井 岩永(岩永宜久主将、スポ4=福島・帝京安積)さんは福島出身なのですが、自分も福島出身なので、いっぱい試合していました。大学時代の岩永さんとの思い出といったら、国体(国民体育大会)に一緒に出させてもらって、そこで2位を取れたことです。福島県の2位は初めてだったので、それがうれしかったです。
濵田 僕も岩永さんとダブルスを組ませてもらっていて、苦しい試合を乗り越えてこられたのは岩永さんのおかげです。特にインカレの時の日大戦のダブルスでは、2-2のデュースの場面で本当はチキータの作戦だったのですが、相手がロングサーブを出してきて。それに対応して打ってくれて、最後もサービスエースで決めてくれました。あの試合が僕の中では一番印象に残っていて、さすがだなという感じですね。
――お二人から見て、3、4年生の先輩はどのように映っていますか
荒井 親しみやすいと言いますか、先輩なのですが、兄みたいな。ちょっと言い過ぎですけど(笑)。そんな感じです。
濵田 先輩というか、一緒に強くなっていく仲間という感じです。上下関係は多少ありますが、練習になるとお互いに高め合っていかないといけないので、意見交換をしながら練習していて、本当に仲間みたいですね。
――秋季リーグ戦まで残り1カ月を切りましたが、個人的に重点を置いて練習していることはありますか
荒井 今まではサーブからのちょっと展開が良くて、そこの「ちょっと」が「めちゃめちゃ」良くなるようにサーブから練習しています。
濵田 僕は試合の時にフォアで回り込んで打ってしまって、逆に相手に振り回されて台から下がってしまうことがあるので、バックでチャンスをつくってフォアで決めるというところを強化しています。
――優勝に向けて特に警戒している対戦校はありますか
荒井 全部なのですが、特に日大、明大、中大、専大は間違いなく強いです。
――リーグ戦に向けて意気込みをお願いします
荒井 春は全部勝つことができたのですが、秋はそう簡単にはいかないと思うので、まずは最初の1勝、次の1勝、次の1勝と繰り返していければなと思います。
濵田 出た試合で2点取って帰ってきて、チームの勝ちに貢献して、最終的に優勝というところにたどり着けるように頑張っていきたいと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 是津直子、芳田彩歌)
秋季リーグ戦に向けた意気込みを色紙に書いていただきました!
◆荒井和也(あらい・かずや)(※写真右)
福岡・希望が丘高出身。スポーツ科学部2年。右シェーク裏・裏。春季リーグでは全勝してチームに貢献するなど常に成長を見せる荒井選手。「今後自分が1点を取らなくてはいけない立場になってくる」と話した荒井選手の今後の活躍に期待です!
◆濵田一輝(はまだ・かずき)
愛知・愛工大名電高出身。スポーツ科学部1年。右シェーク裏・裏。1年生ながらエースとして活躍する濵田選手。チームにとって大きな1点を取ってくる姿は頼もしいです。秋季リーグだけではなく、今後の早大卓球部を強く導いてくれるでしょう!