杉田、女子シングルス準優勝! 若い力が躍動した

卓球ダブルス

  3日間にわたって行われた関東学生新人選手権(関東学生新人戦)は21日、最終日を迎えた。この日は男女シングルスの3回戦から決勝までが行われた。早大からは前日から勝ち進んだ男子4名、女子4名が出場。男子は6回戦に進んだ杉本和也(スポ2=福岡・希望が丘)がランク入り(ベスト16)目前に敗れたものの、女子は準優勝を果たした杉田陽南(スポ1=大阪・大阪・香ヶ丘リベルテ)をはじめ、顧琳婧(スポ1=愛知・桜丘)がベスト4、里川奈優(スポ2=高知・明徳義塾)がベスト8入り。今年度初の公式戦で好成績を残した!

 この日男子シングルスの4回戦から登場した杉本は、順調に2勝を挙げた。ベスト16を懸けた6回戦の相手は、明大のルーキー平賀龍生。杉本は第1ゲームを危なげなく先取したものの、調子を上げた相手が第2、3ゲームを失い、窮地に立たされた。後がない第4ゲーム、6-10と先に相手がマッチポイントを迎えたが、ここで踏んばり4点を取り返す。そして「とにかくミスをしないことを心掛けた」(杉本)と、4度のデュースの末に、このゲームを15-13でものにした。最終ゲームでは、要所で左右のコースを突く打球を見せた一方、長いラリー戦で台から離されてしまう。試合はセットオールの9-9までもつれるも、9-11とわずかに及ばず惜敗。目標としていたベスト4には遠く、悔しさが残った。しかし、「自分の練習してきたことはできた。これからの試合は、とことん勝ちにこだわっていきたい」(杉本)と今後に向けて前を向く。

平賀(明大)と対戦する杉本

 女子シングルス第2シードの杉田は、台から下がる攻撃型のプレーで強さを見せ決勝まで勝ち進んだ。決勝では、第1シードの出澤杏佳(専大)と激突。「強い選手なので戦術をしっかり使い分けることを意識していた」(杉田)。威力のあるバックハンドを多く使い、フォアハンドの強打を打たせない。一昨年の全日本選手権ジュニアの部を制した強敵を相手に、第1ゲームはデュースに持ち込んだ杉田。しかし、自らのミスが痛手となり惜しくも最初のゲームを落としてしまう。第2、3ゲームも積極的に攻め込んだが、相手の正確な返球に対してドライブのミスが重なった。2ゲームを連取され、ゲームカウント0-3で敗戦。あと一歩、優勝には届かなかった。

決勝でも攻撃型のプレーを貫いた杉田

 準々決勝でフルゲームの熱戦を制した顧は、準決勝で出澤と対戦した。カットマンで守備範囲が持ち味の顧だが、異質ラバーを使う相手の変化を活かした打球やフォアハンドの強打に対応しきれず、6-11で第1ゲームを献上。しかし、第2ゲーム以降は「相手の揺さぶりに反応できるようになり、自分から攻めていけるようになった」(顧)。粘り強いカットと前に出る攻撃を織り交ぜたプレーで相手の隙を突く。互いに点を取り合う接戦を演じたが「大事な競った場面で1点が取り切れなかった」(顧)。10-12、8-11と、相手の勝負強さに屈した。

 女子シングルスは、杉田と顧、さらに里川が上位に食い込んだ。5回戦で同じ明徳義塾高出身の船場清華(専大)と対戦した里川は、速いテンポのラリー戦でペースを握った。ゲームカウント2-0で迎えた第3ゲームは3点リードから9-9まで追い上げられたが、11-9で振り切りストレート勝ち。ベスト8入りを果たした。

守備範囲の広いカットが持ち味の顧

 また、今大会ではランク入りを果たせなかったが、シードで出場したルーキーの荒井和也(スポ1=福岡・希望が丘)と福岡乃愛(スポ1=兵庫・三田学園)の存在にも注目だ。荒井は4回戦敗退と振るわなかったが、フォアハンドの強打で積極的に仕掛けた。4回戦で出澤に敗れてべスト32に終わった福岡は、カットマンでは珍しい裏裏ラバーを活かしたバックハンドドライブを得点源に、攻撃でも光るプレーを見せた。

 この日行われたシングルスでは3名が、大会前半に行われたダブルスでは女子2ペアがランク入りを達成。若い力が躍動した。また、今大会には男女16名が出場し実戦経験を積んだ。早大卓球部は部員数が決して多くはなく、一人一人がチームの重要な戦力であることは間違いない。それぞれが見つけた収穫と課題を糧に、よりパワーアップしたチームで、まもなく開幕する全日本大学選手権団体の部(インカレ)に挑む。

(記事、写真 鬼頭遥南)

結果

男子シングルス

清水、甚田、儀間          2回戦敗退
内田、大野、久保田、坂本、池田、柏 3回戦敗退
宮木、荒井             4回戦敗退
杉本                6回戦敗退(ベスト32)

女子シングルス

福岡 4回戦敗退(ベスト32)
里川 6回戦敗退(ベスト8)
顧  準決勝敗退(べスト4)
杉田 準優勝

男子ダブルス

坂本・池田組        1回戦敗退
内田・儀間組、甚田・宮木組 2回戦敗退
大野・荒井組        3回戦敗退
柏・杉本組         4回戦敗退(ベスト32)

女子ダブルス

顧・福岡組  準々決勝敗退(ベスト8)
里川・杉田組 準決勝敗退(ベスト4)

コメント

杉本和也(スポ2=福岡・希望が丘)

――今回の大会にはどのような目標をもって臨まれましたか

 ダブルス優勝、シングルスベスト4という目標でした。

――ダブルス、シングルスベスト32という結果をどのように受け止めますか

 すごく悔しい気持ちで一杯です。

――.平賀龍生選手(明大)との6回戦を振り返っていかがでしたか

 自分の練習してきたことはできたのですが、最後は負けてしまったので、やはり勝たないと内容が良くても意味がないなと感じました。

――(6回戦について)第4ゲームはデュースからさらにもつれましたが、どのようなプレーを意識されていましたか

 4ゲーム目は6-10からあと1本取られたら負けという場面から逆転できたのは良かったと思います。デュースからはとにかくミスをしないことを心掛けました。

――今回の大会で得た収穫と今後の課題を教えてください

 今大会で得た収穫は、割り切るということです。私はいつも試合になると迷いが生じてしまいます。ですが今大会では割り切って、決めたプレーには自信を持ってすることができました。今後の課題としては、試合になると私は自分のプレーのことばかり考えていました。試合は相手とするものなので自分のプレーを出し切ると言うよりも、相手の苦手なところを狙うように試合をしないといけないなと思いました。また、良いプレーができても勝てないと意味ないので、これからの試合は、とことん勝ちにこだわっていきたいと思います。

顧琳婧(スポ1=愛知・桜丘)

――まずは大会を振り返っていかがでしたか

 初めての大学の試合だったため、緊張しましたが、挑戦者の気持ちで試合に臨むことができました。シングルスとダブルスどちらとも優勝を狙っていたので悔しかったです。

――前田愛佳選手(日大)との準々決勝はフルゲームの接戦となりました。勝因はどのような点ですか

 セットオールの7-9で負けていましたが、そこからとにかく粘ることを優先に考え逆転することができました。

――出澤杏佳(専大)との準決勝の第2.3ゲームは競った内容でした。振り返っていかがでしたか

 第1セット目は思うように足が動かず、相手に前後に動かされ、あまり思うようなプレーができませんでした。第2、3セット目は相手の揺さぶりに反応できるようになり、自分から攻めていけるようになりました。しかし、大事な競った場面で1点が取り切れなかったので勝負所で確実に勝ち切る力をつけなくてはいけないなと感じました。

――出澤選手は異質ラバーですが、どのような戦略を立てていましたか

 出澤選手が異質ラバー使っているので、ボールに変化が付いてくるので特殊だったのでそこにはしっかり対応していこうと思って挑みました。特にバックにボールを集めて、フォアで強打されないように意識しました。

――今回の大会で得た収穫と今後の課題を教えてください

 初めての大学の試合で、試合の雰囲気や他大の同年代のライバルのプレースタイルを知れて良かったです。今後はインカレや秋季リーグ戦でも結果が出るように練習頑張ります。今後の課題では相手は私がやってくることをわかった上で臨んでくるので、得意な技術が効かなかったときに戦術を変える引き出しを沢山持ってるように練習したいです。

杉田陽南(スポ1=大阪・香ヶ丘リベルテ)

――まずは大会を振り返っていかがでしたか

 課題も数多く見つかったのですが、結果を残すことが出来たので良かったです。

――大学入学後、初の公式戦となりました。どのような目標をもって臨まれましたか

 コロナの影響で試合期間が空いてしまっていたので、一戦一戦しっかり戦っていくことを目標にしていました。

――決勝まで順調に勝ち上がりましたが、理想のプレーができたと感じますか

 試合内容はあまり良くなかったのですが、結果として勝てた部分は良かったと思います。

――決勝は出澤杏佳選手(専大)との対戦となりました。どのように試合を展開しようと考えていましたか

 強い選手なので戦術をしっかり使い分けることを意識していました。

――決勝の試合内容を振り返っていかがでしたか

 試合内容は良くなかったのですが、まだまだ伸びしろがあると思って今後に繋げていきたいと思います。

――今大会で得た収穫と今後の課題を教えてください

 試合内容に関わらず、点数をしっかり取ることができた部分は良かったと感じました。技術的な課題が多く見つかったので、インカレに向けてまた頑張っていきたいと思います。