秋季関東学生リーグ戦特集第1回は緒方遼太郎(スポ2=東京・エリートアカデミー/帝京)と川上尚也(スポ1=静岡学園)。春季リーグ戦ではシングルスで緒方が3勝、川上が1勝とやや不満が残る結果に終わった。秋季リーグ戦での早大の優勝のためには二人の奮闘はかかせない。秋のリーグ戦に向けて巻き返しを図る二人にお話を伺った。
※この取材は8月24日に行われたものです。
秋リーグはもっと勝ちにこだわりたい(川上)
ルーキーながらレギュラーメンバーとして活躍する川上
――春のリーグ戦3位に関しては
緒方 まず全勝で明大、専大と当たりたかったのですが、その前に駒大に負けてしまって、いい流れが来なかったと感じます。駒大戦は1番で僕が向こうの1年生に負けてしまって、勢いを渡してしまったのでそこが敗因だと思います。
川上 僕は全然チームに貢献できなくて、大事な場面で負けていました。完敗ではなく、ギリギリの戦いで負けたので、最後は競り合いになっても勝ちきれるようにしたかったなと思います。
――個人として振り返っていかがですか
緒方 ダブルスは6勝1敗でしたが、シングルスで勝てなかったので、そこはもっと勝つべきでした。
川上 1年生なので思い切っていこうという部分はありました。勝ちたい思いはありましたが緊張や雰囲気にのまれて良いプレーができなかったです。秋リーグはもっと勝ちにこだわりたいと考えています。
――勝ちきれない要因はありますか
川上 勝ちたい、勝ちたいとなって相手のミスに期待してしまうことがありました。自分が攻めたプレーができなくて守りばかりのプレーになりました。守りではなく攻めて点を取るべきだと思いました。
――緒方選手はエース級との対戦もふえました
緒方 (団体戦の)前半の戦い方や、影響力の大きさが分かっている選手が多くて、自分自身は1年生の時には後半であったためにそういう経験が足りなかったのかなと思います。
――川上選手は先輩たちから声をかけてもらうことはありましたか
川上 結構声をかけてもらいます。向かっていく気持ちは持っていた方が良いということと、団体戦の経験がなかった分、雰囲気を学んだり、強い人と試合をすることをありがたく思って日頃の練習を充実して取り組んだ方が良いと言われました。
――全日本大学総合選手権団体の部(インカレ)でのベスト8に関しては
緒方 明大、専大、愛工大に関して、専大は戦ってみて今のチームでは勝てるイメージがつきませんでした。最終日に残ったチームを見ていても、(自分たちは)まだまだのチームだと感じました。単純に個人、個人の実力が追いついてないのと、(上位校は)追いかけられる立場なのにそれを跳ね返せるだけの力はすごいなと思いました。
川上 僕の実力では試合に出ることはないなと思っていたので、まず試合に出ることからスタートするのと、緒方さんが言っていたように明大、専大、愛工大などは力が高くて、すごい差があるなと感じたので追いつけるように頑張ります。
――関東学生選手権を振り返って
緒方 昨年がベスト8だったので、もう1つ良い成績を出したいと思っていましたが、そこをしっかり勝ちきれませんでした。
川上 元チームメイトとやって手の内などもわかっていましたが、最後リードしている展開で挽回された悔しい結果となりました。もしそこに勝てていれば緒方さんと当たることができたと思うので悔しいです。
――ここまでのシーズンを振り返って課題はありましたか
緒方 相手は僕がやってくることをわかった上で臨んでくるので、得意な技術が効かなかったときに1つ、2つ違う得点パターンなどもなかったので、勝てていないのかなと思います。
川上 自分はラリーが得意なので、それは五分五分で戦えるのですが、サーブ、レシーブや台上などの細かい技術で先にチャンスを作られて押される展開が多いです。そのため、新しいサーブを身につけることと、相手がストップしてきたときの台上の技術や細かい部分をレベルアップしようとやってきました。
調子も上がってきている(緒方)
笑顔で質問に答える緒方
――休暇中はどれぐらいの練習量をこなしてきていますか
緒方 授業がないので、1日4、5時間ぐらい練習をしていました。
川上 同じです。
――夏休みは何か夏らしいことはされましたか
緒方 僕はバーベキュー行ったぐらいです。横浜の方に行きました。
川上 同期と買い物に行ったりとか、服を買いに行ったぐらいです。あまり夏らしいことはできていないですね(笑)。
――夏の間にチームとして強化してきたことはありますか
緒方 僕も含めてチーム全体で凡ミスが試合で出るので、自分自身で意識しないと試合でも凡ミスは減らせないと思います。特別な練習はしてないですけど意識するところはしてやっています。だんだん調子も上がってきているかなと思います。
――春リーグと秋リーグは違いますか
緒方 秋リーグは4年生が1番勝ちたいという気持ちが強いと思いますが、その中でも1、2、3年生が勝たなければならないと思います。インカレではキャプテンがとても悔しい思いをしてましたし、僕も負けた試合に出ていたので、秋は良い成績で終われたらと思います。
川上 僕は1年生ということで4年生とあまり関わる機会がなかったので一戦一戦頑張るというのと、春は初戦しか勝てていないのでもっと勝てるようになりたいです。また春の最後の方は川上が出たら相手にチャンスだなと思われていたと思うので、秋に回ってきたら川上が出ても大丈夫だなとチームに思われるようにしたいです。
――4年生の印象はありますか
緒方 去年より人数が少ない分1人、1人にかかる負担は大きいと思います。試合に出ているメンバーは平野さん(晃生主将、スポ4=山口・野田学園)だけですが、漆畑さん(竣太、商4=埼玉・春日部)は色々試合の手続きだったり、準備だったり、しっかりやっていただいているので、サポートの面ですごい助けてもらっています。泉さん(凱仁、スポ4=秋田)と海崎さん(泰世、教4=福井・高志)は雰囲気を盛り上げてくれます。
川上 平野さんとは、春リーグのときに2対3で回ってきて僕が負けたら終わりの試合という場面があったのですが、僕はそのような場面で試合をしたことがなかったのでとても緊張していました。その時に平野さんと話していて勝ち負けこだわらずに、試合だから何が起こるかわからないから負けても悔いの無いように全力でやってこいと言われました。練習のときなどもアドバイスをもらって、4年生は残り少ないですが後輩にちゃんと教えてくれることも多いので、そこから学んで結果に繋げていきたいです。
――秋リーグで注目してほしい点はありますか
緒方 去年上村さん(慶哉、平成30年スポ卒=福岡・希望が丘、現シチズン時計)が抜けて、僕は(上村さんが)いるときには思い切ってやることを目標にしていましたが、ことしは結果を出さなければいけない立場なので、良いプレーよりはとりあえず勝てるプレーをしていきたいと思っています。
川上 春と同じで向かっていく姿勢、難しい試合でも簡単に負けるのではなくて、ギリギリで競り合って惜しかったぐらいの試合をしたいです。勝ちきれる試合はちゃんと勝って、向かっていく姿勢でやりたいと思います。
――他大学で警戒しているところはありますか
緒方 勝ちたいのは明大、専大です。前半に出る選手はかなり強いので全部の大学のエースは警戒しなければなりません。明大、専大の強い3人、4人にどれだけ勝てるかというところです。相手の勢いに押されないようにするためにもしっかりとしたプレーや簡単なミスをしないようにしたいです。
川上 とりあえず同期の1年生に負けたくないです。明大、専大にも春リーグは2人(同期が)出ていたので、もし当たったら必ず負けないようにしたいです。油断はしてないですけど、駒大にも負けたので、そこに対しても春リーグ負けた気持ちを忘れずにプレーしたいなと思います。
――データなどを入れて試合には臨みますか
緒方 僕はそういうのを頭に入れて試合をしたくないないのであまり使いません。直前まで試合のことを考えたくないので、試合中に順応するようにしています。自分の感覚でこの人はこういうことをやってくるなと想定しています。自分の感覚で考えたいのでデータ分析などやってもらっていて申し訳ないですけど、あまり使いません(笑)。
川上 僕は結構使います。相手がこういうことをやってくるからなど試合中に切り替えられるタイプではないので、最初からデータを知っておかないと良いプレーができません。メンバー外の選手が色々やってくれているビデオをみて、相手の特徴を把握してから試合に臨んでいます。
――リーグ戦での個人的な目標はありますか
緒方 シングルス、ダブルスで目標は全勝で、特に明大、専大には勝ちたいです。
川上 春リーグでは1勝しかしていないので、それ以上勝ちたいですし、数字で示せば4勝ぐらいはしたいなと思います。
――春から変えたいなと思っていることはありますか
緒方 春は初めての前半起用だったので、珍しくプレッシャーを感じていてケアをしないと体力的にも精神的にも持たないと感じたので入念にケアなどをしていきたいです。
川上 僕は大学生になってどう強くなるかとかを知らなくて、秋リーグ前に自分より強い選手にサーブや考え方などを教えてもらったりしました。そこから春よりも練習量を増やしたり、もう少し意識高くやっていこうと考えを変えました。
――緒方さんの春リーグでのプレッシャーなどは川上さんは感じましたか
川上 あまり気づかなかったです(笑)。
緒方 少し試合中に集中できていなかったので、もっと入り込めるようにしたいですね。
――最後にリーグ戦への意気込みを教えてください
緒方 4年生は最後なのでしっかり結果を残すことと、あとはまだことしのシーズンは続くので秋リーグで結果を残して、残りの試合も良い形で臨んでいきたいです。
川上 春はチームに貢献できなかったので、秋は1年生らしくプレーをして少しでも勝利をつかんでチームに貢献するのと、春リーグ負けてから秋リーグに向けてやってきたことがあるのでそれを発揮して悔いのない試合をしたいなと思います。
――ありがとうございました!
(取材・編集 喜柳純平、吉田寛人)
秋季リーグ戦の抱負を色紙に書いていただきました!
◆緒方遼太郎(おがた・りょうたろう)(※写真左)
1998(平10)年4月14日。175センチ。AB型。東京・JOCエリートアカデミー出身。スポーツ科学部2年。右シェーク裏・裏。丁寧に質問に答えてくれた緒方選手。春は成績が振るいませんでしたが、チームのエースとして秋リーグでの活躍に期待です!
◆川上尚也(かわかみ・なおや)(※写真右)
171センチ、58キロ。静岡学園高出身。スポーツ科学部1年。右シェーク裏・裏。攻撃的なプレーが持ち味の川上選手。調子を上げて春のリーグ戦での悔しさを晴らしてほしいですね!