【連載】秋季関東学生リーグ戦直前特集 第4回 硴塚将人×緒方遼太郎×平野晃生

卓球ダブルス

 第4回に迎えるのは平野晃生(スポ3=山口・野田学園)、硴塚将人(スポ2=東京・エリートアカデミー/帝京)、緒方遼太郎(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)だ。学年の異なる三人は、それぞれ経験を積み秋季関東学生リーグ戦(秋季リーグ戦)を迎える。ここまでのシーズンを通して見えた各自の役割、課題、そして最後の団体戦に懸ける思いを伺った。

※この取材は9月2日に行われたものです。

結果

ルーキーながら単複でリーグ戦に出場する緒方

――ここまで春季関東学生リーグ戦(春季リーグ)、全日本大学総合選手権団体の部(インカレ)といった団体戦をそれぞれどう振り返りますか

硴塚 インカレは結構後半とかに置かれることが多かったのでそんなに(出番が)回ってこなかったんですけど、春リーグは前半とかに置いてもらうことが多かったのと、自分の勝率も50%くらいだったので、秋リーグは4年生も最後だしもっとチームに貢献していかないといけないなと思いました。

緒方 僕は上村さん(慶哉主将、スポ4=福岡・希望が丘)がダブルスと前半だったのでダブルスと後半に出ることが多かったんですけど、春もダブルスもシングルスも五分五分くらいで。団体ってたぶん自分が思っていたよりダブルスの1点が大きくて、そこで流れが変わったりとか、シングルスに結構影響して流れを変えられずに負けちゃったりとかがあったので、次はダブルスで必ず1点取れるようにするのと、エースと当たることが多かったので、そこで勝ったら大きいと思うのでそこで勝ちたいと思います。

――単複2本あることのプレッシャーはありますか

緒方 プレッシャーはないのですが、春は体力がもうバテバテだったので、1回経験しているのでうまくやっていけたらなと思います。

――平野選手は団体戦をどう振り返りますか

平野 自分の場合6、7番という最後の方に置いてもらうことが多くて、春リーグも試合自体は3回したのですが1回は結果には入らなかったので。インカレでも後半、ラストが多いので、秋もどちらかというとそういう立ち位置ばかりだと思います。回ってこない中でも最初の応援であったり最後の準備であったりをしっかりして、4年生が最後なので、自分も次4年生になるのでそこはしっかり結果として残して次を迎えられたらなと思います。

――関東学生選手権(関東学生)などの個人戦はいかがでしたか

硴塚 関東学生とかは去年よりは上がっていたのですが、ランクにも入れなかったので、個人戦の試合もこれからが多くなってくると思うのですが、団体戦とはまた戦い方が違うので、それに合った戦い方をしていって、これからの全日学(全日本大学総合選手権個人の部)とか全日本(全日本選手権)とかで結果を残せていけたらなと思います。

緒方 僕はリーグやってからの関東学生だったので自分の中でもいい意味でプレッシャーがなくて、いい意味で伸び伸びできたのでベスト8に入れたと思います。ダブルスでは優勝したのですが最後インカレで負けてしまったので、やはり力を出せば十分全勝できると思ったので、秋で絶対取りたいなと思います。

平野 個人戦ではランクは入れたのですが試合内容というのは全然良くなくて、そこを去年全日学だったり全日本だったりで全然駄目だったので、試合内容とかをもう少し考えてやっていきたいなと思います。

――平野選手は個人戦で納得のいく試合ができなかったと思いますが、何か原因などはありますか

平野 応援の力ってすごいなと思います。団体戦ではシングルスになった時に自分だけのプレッシャーに押されてしまうということが多かったなと思います。

――やはり個人戦、団体戦で試合前のプレッシャーは違うのでしょうか

硴塚 僕は全然違いますね。どちらかというと個人戦の方がやりやすいです。団体戦ではチームの代表として出るので、それをいい意味でプレッシャーにとれればいいプレーもできるのですが、大事な試合で前半とか特に勝ってチームに勢いづけたりしたいですし。僕は緊張してなかなかいいプレーができないというのはあります。

緒方 僕はどっちもどっちなのですが、団体戦は個人的には好きな方なので、ある程度大事な試合とかの方がいいモチベーションでもっていきやすいのですが、個人戦になるとその分自分だけのプレッシャーなので。大学に入って個人戦の全国大会に出ていないのでそこらへんは分からないのですが、関東学生とかは自分でもっていくのが難しいし、インカレもあったのでそっちを見ていたのでそんなに・・・(笑)。

――団体戦での応援に乗っていけるタイプですか

緒方 あると全然違いますね。乗っていくというか、集中しやすいというか、そういうのはあります。

――平野選手はいかがでしょう

平野 自分は最後に出ることが多いので、相手も変にプレッシャーがかかっているので、そこで結構ミスしてくれたり調子が上がらなかったりするところで団体戦の方が簡単に勝てるじゃないですけど、向こうがあまり力を出せていない感じはあります。個人戦だと相手も思い切ってやってくる感じはあるので、その差は生まれるのは感じます。

それぞれが積んだ経験

2年生となり、リーグ戦にも慣れてきたと話す硴塚

――平野選手は来年最上級生になると共に主将も務めることになります。団体戦に臨む上で心境に変化はありましたか

平野 今のキャプテンの上村さんが団体戦に出て勝って示してくれているので、自分もそうできるようになっていかなければなと。現時点で最後の方にいるので、自分が4年生になってどうなるかは分からないですけど、結果だけではなく私生活であったり言動であったりをもう少し変えていかなくてはいけないなと思います。

――だんだん自覚も出てきたと

平野 はい、多少は出てきたと思います。

――ワセダの主将は代々次の人選の目星がつくと思いますが、下級生のうちから意識はされるのでしょうか

硴塚 そのうちなるんだろうなという雰囲気はあるのですが、近づいていかないと分からないですね・・・。

――では平野選手も決まってからようやく自覚が芽生えてきたということでしょうか

平野 3年生になったくらいですかね。あと半年で変わるんだなと。

――行動に表れてきていますか

平野 どうですか(笑)?

一同 (笑)

平野 でも同じ学年で話し合うことは増えてきました。自分らの代になったらどうしようとか。

――下級生から見て変化は感じますか

硴塚 3年生とかが話しているのは、内容は知らないのですが聞いているので、これからやってくれるんだろうなって信じています(笑)。

緒方 僕は晃生さんが3年生になってからしか知らないので何とも言えないのですが、最近は代も変わるので、この前泉さん(凱仁、スポ3=秋田)とご飯にいったのですが、そういう話はしていました。自分たちが4年生になってどうしていきたい、みたいな。

――チーム内では次に向けての取り組みも徐々に始まっていると

平野 はい。

――硴塚選手は春季リーグ前に「去年は1年生で団体戦の雰囲気もよく分かっていなかった」とおっしゃっていましたが、2年目の秋季リーグを前にいかがでしょうか

硴塚 後輩も強いのが入ってきて、それに負けないじゃないですけど後輩から見てもこの人やるときはやってくれるんだなと思われるくらいチームで活躍したり、盛り上げたりしなきゃいけないなとは少しずつ分かってきました。

――経験を積む中でこの場面ではこうしなくてはいけないという役割が見えてきたということでしょうか

硴塚 そうですね。春とかはこの試合は絶対勝たなきゃいけないという時に負けて後半の人に無駄にプレッシャーを負わせてしまったので、そういうことはもっと少なくして、団体戦に出させてもらっているので、勝っていかなくてはいけないなと思います。緊張もするとは思いますが、それをどうほぐして自分の力にできるかということが大事ですね。

――緒方選手は団体戦には慣れてきましたか

緒方 まあ、はい。

一同 (笑)

――春季リーグ前にはあまり感情を表に出さないとおっしゃっていましたが、春季リーグはガッツポーズをして気迫を前面に押し出したプレースタイルでした

緒方 意外と声出すんだね、みたいなことは言われました。

――そのギャップがうまくはまった試合はありましたか

緒方 いやあ、それで3勝2敗なので・・・。

一同 (笑)

緒方 何とも言えないですね。

――負けた試合ではありますが田添健汰選手(専大)との一戦も最後まで競りましたね

緒方 負けたのはたぶん(2敗した)どっちも向こうのエースだったので、最後まで意地がありましたね、向こうの方が。エースで何回も戦ってきているので、競っても凡ミスだったり自分から崩れてくれなかったり。それで先に自分が簡単なミスして自分自身で苦しくなったりで負けてしまったので、そこですね。

――経験の差ということでしょうか

緒方 そこを勢いでもっていこうとしたんですけど・・・。ちょっと駄目でした。

一同 (笑)

――改めて上村選手とのペアリングはいかがでしょうか

緒方 結果も春はあまり出なくて関東学生では出て、というところでちょっとまだ波があるので、細かいところを秋リーグまでにちゃんと修正して、毎試合同じいい感覚で二人とも臨めるようにしたいなと思っています。

――練習を積んだというお話もありましたが、今も長時間練習していますか

緒方 そうですね、1日3時間ぐらいやっています。

平野 嘘です。

硴塚 めっちゃ盛るやん(笑)。

緒方 お互いダブルスもシングルもそうなのですが、サーブレシーブがすごく大事なので、二人で練習するというよりは自分自身でサーブレシーブの練習をしたりというところが大切かなと思います。

――ここまででチームや個人での課題、収穫はありますか

平野 緒方が入ってきて、最初からリーグ戦で1年生を使うってなったので、緒方もチームも慣れていなかったのでどうなるんだろうというのはやっぱりありました。でも春リーグ、インカレを通して大体こんな感じだというのは分かってきたと思うので、そこは(秋季リーグは)一番みんなが納得して挑める大会になるのではないかなと感じています。不安という面ではそこまで大きなものはないんじゃないかなと。

硴塚 去年の春リーグくらいまでさかのぼるのですが、その時初戦で筑波大に負けて出だしが悪くて勢いに乗れなくて入れ替え戦ぎりぎりというところまでいっていたので、それで秋リーグで最初から取りこぼしがないように全力でいくという方針になって。2位になって、ことしも同じように油断せずにしっかりいくということで(春季リーグでは)優勝決定戦くらいまでいけたので、一戦目から油断せずにいくのがいいのかなと思います。個人個人が最終調整をして最後の優勝決定戦まで全勝して専大とかと対戦したいなと。

緒方 春の専大戦とインカレの愛工大戦、どちらも1番で落としていて。団体戦って流れがすごく重要なので、明大、専大に比べて早大は層は厚くないので、インカレであればエースの慶哉さんが負けたのが大きくて引きずっていた部分もあったので、やはりしっかりオーダーが決まってから試合までの時間で個人がしっかり前の試合とか関係なく自分の試合に集中できるよう、しっかり臨めるよう準備しなくてはいけないなと思います。1本目から流れから関係なく自分のプレーができるようにしなくてはいけないなと思います。そこをチームとして分かっていれば大丈夫かなと。

恩返し

来年度の主将を務める平野

――インカレを終えて今のチームの雰囲気は。悪くなった時期もあったと聞きましたが、そこから変化はありましたか

硴塚 変わったと思います。インカレが終わった後、出たメンバーは特に気持ちが沈んでいたと思うんですけど、そこから切り替えて8月中旬にあった合宿ではチームみんなで励まし合いながら練習をやることができたので、秋のリーグ戦に向けて「みんな頑張ろう!」という雰囲気になっています。インカレの負けを引きづらないようにしていけたらいいなと思います。

緒方 そうですね、合宿くらいからリーグに向けて頑張ろうとなっていると思います。4年生が頑張っているので、下級生も自然とやらなきゃいけないと個人個人が思っていると思います。

平野 男子がベスト8、女子2連覇ということで女子が活躍しているのを見て、悔しいという気持ちが4年生から伝わってきています。インカレが終わって4年生はあと一大会しか残されていないということで、行動が変わってきていて、下級生はそれについていこうという気持ちになっていると思いますし、雰囲気も良くなっています。

――4年生のどういう行動を見て、そういったことを感じましたか

平野 練習中の取り組み方、姿勢が変わったんじゃないかなと思います。特に竹岡さん(純樹、スポ4=青森山田)からは最後に懸ける思いが伝わってきます。

硴塚 あまり口には出さない人が多いですけど、そういう雰囲気があると感じています。

――緒方選手は上村主将とダブルスを組んでいますが、行動の変化を感じますか

緒方 そうですね。なので自分としては春、インカレ、秋とどこかで優勝して4年生に恩返しをしたいと思っています。

――秋季リーグ開幕まで間もなくですが、自身の調子は現状いかがですか

硴塚 結構いい感じにできているとは思います。あとはサーブ、レシーブであったりの細かい部分での技術の修正をできたらもっといい状態になると思います。

緒方 最近になって試合に向けて調子が上がってきています。あと1週間もないので細かいところを詰めていきたいです。

平野 悪くはないと思うんですけど今のところ結果には出ていないという感じですね。まだ少しあるのでそこで調子を上げていきたいと思います。

――春季リーグ戦、インカレを通じて自身の役割を認識したと思います。ご自身の役割はどういったところですか

平野 ことしから後半に出るようになったので準備の仕方が個人的に難しいです。去年までは後半はダブルスに出させてもらっていたので試合をやってから後半というのはあったのですが、ことしはいきなり最後に何時間も経った後に出るので、いまだに慣れないです。役割としては勝つだけですね。

硴塚 前半で出るからにはしっかり叩いていかないといけないです。上村さん、緒方で3点取って、残りみんなであと1点を取りにいくというのが理想だと思うのですが、その二人が落とした時に自分が勝って、後ろのメンバーの負担を削れるようにできたらいいなと思っています。

緒方 ダブルスは絶対に取らなきゃいけないということですね。あと前半は慶哉さんがいるので、後半に勝負が決まる場面で回ってきたり、特に春は相手のエースと当たることが多いので、そういった勝負で取りこぼさないようしないといけないと思ってます。

――それは入学してからずっと自覚していることですか

緒方 いや、春あそこまで相手が厳しいと思っていなくて(笑)。前半に出ていたエースがいきなり後半に下がってきて当たったり、自分が前半に入ったらエースと当たったりということがあって、そこまで準備ができなかった部分があったと思います。

――秋季リーグ戦でもエースと当たることが予想されますが

緒方 春経験しているのでその経験を生かしてがんばっていきたいと思います。

――今季最後の団体戦となりますが、このチームの良さは

平野 やはりワセダは準備やサポートという面で他の大学に比べてすごいなと思います。例えば水も他だったら自分で用意すると思いますし。マットにしても、他大だったらそこまで準備されていないことが多いんですけどワセダだと全部整っているのでそこは本当にすごいなと感じています。そういったところがきちんとしているので快適ですね。

硴塚 似たようなことなんですけど、出る選手とサポートに回る選手の役割がそれぞれ決まっていることです。サポートの中には試合に出たい選手ももちろんいるのですが、その中でも自分の役割を全うしているので、そこから一体感やチーム力が生まれていると思います。

緒方 試合になったら先輩・後輩関係なく、先輩もサポートをしてくれます。そのサポートメンバーも4年生に優勝してほしいとみんな思っていると思うので、同じ目標を持っているところとか団結力が強みだと思います。

――秋季リーグ戦が4年生と戦う最後の団体戦ですが、4年生に対する思いなどは

硴塚 僕が入学してから1年半ほどお世話になった人たちで、上村さんは小学校の時からいっしょのクラブでやっていましたし竹岡さんもワセダに入学してからずっといっしょにダブルスを組んでいたりとか、今の4年生には入学してから面倒を見てもらうことが多かったので、優勝して恩返しできたらいいなというのは思っています。

緒方 僕は入学してから慣れるまで解け込みやすくしてくれたのが慶哉さんや竹岡さんだったので、やはりその代に優勝してほしいので秋は優勝したいです。

平野 入る前から3年以上お世話になって感謝することがいっぱいあるのでそれをかたちに出せたらいいなと思います。

――秋季リーグ戦ではどんなプレーをしたいですか

硴塚 相手がエースであったとしても誰であっても緊張せずに戦術など自分の思った通りのプレーをしたいです。

緒方 僕はカッコつけるプレーが多いので、泥くさくプレーしたいです。

平野 恩返しができるような、それが優勝につながるようなプレーができたらいいなと思います。

――目標を聞かせてください

硴塚 目標はもちろん自分もチームも全勝して優勝することです。ただ苦しい試合や負けそうになる試合もあると思うんですけど、その中でもなんとか最後の一球まであきらめないでプレーしたいです。

緒方 僕は個人的に全勝したいんですけど、他の選手が取りこぼした時にどれだけカバーできるかがカギだと思うので、そういった時にしっかり勝てるようにしていきたいです。

平野 もちろん優勝なのでそこに向けて自分も大事なところで回ってきてもしっかり勝っていきたいです。

――最後にそれぞれ意気込みを聞かせてください

硴塚 4年生を胴上げします!

緒方 4年生を泣かせられるくらい良いプレーがしたいです。

平野 なかなか泣くタイプの人が4年生にあまりいないので泣いているところを見たいですね。

――ありがとうございました!

(取材・編集 加藤耀、熊木玲佳、本田京太郎)

秋季リーグ戦の抱負を色紙に書いていただきました!

◆平野晃生(ひらの・こうせい)(※写真右)

1996(平8)年6月7日生まれ。177センチ。B型。山口・野田学園出身。スポーツ科学部3年。左シェーク裏・裏。最近、ラジオを聴くのがマイブームという平野選手。お気に入りは福山雅治の番組だそうです!

◆硴塚将人(かきつか・まさと)(※写真左)

1997年(平9)10月6日生まれ。168センチ。AB型。東京・JOCエリートアカデミー出身。スポーツ科学部2年。左シェーク裏・裏。ドラマをよく見るという硴塚選手。最近では、「過保護のカホコ」、「愛したって、秘密はある」をよく見るそうです!

◆緒方遼太郎(おがた・りょうたろう)(※写真中央)

1998(平10)4月14日生まれ。175センチ。AB型。東京・JOCエリートアカデミー出身。スポーツ科学部1年。右シェーク裏・裏。旅行をしたいという緒方選手。そのために、まずは10万ほどのカメラを購入したいそうです!