【連載】秋季関東学生リーグ戦直前特集 第2回 阿部愛莉×徳永美子×鎌田那美 

卓球ダブルス

 2位に終わった春季関東学生リーグ戦(春季リーグ戦)の悔しさをバネに、全日本大学総合選手権団体の部(インカレ)で見事連覇を達成した女子部。インカレ連覇に大きく貢献した、阿部愛莉(スポ3=大阪・四天王寺)、徳永美子(スポ3=福岡・希望が丘)、鎌田那美(スポ2=北海道・駒大苫小牧)に、ここまでのシーズンの振り返りと秋季関東学生リーグ戦(秋季リーグ戦)に向けての意気込みを伺った。

※この取材は8月29日に行われたものです。

「中大に勝って優勝できたことは本当に嬉しかったです。」(阿部)

チームの勝ち頭である阿部

――春季リーグ戦2位という結果をどのように受け止めましたか

阿部 優勝するつもりでみんな春リーグに向かって頑張っていたので、2位という結果は多分みんな悔しかったと思うんですけど、中大に0-4で負けてしまったことは受け入れなければいけないことだと思いました。

徳永 優勝のチャンスがあるところで中大に負けてしまって、終わった後は悔しくて泣いていた子とかもいたんですけど、みんなでミーティングをして、次につなげられる2位だったかなという感じです。

鎌田 中大に負けて2位だったので、春に負けた分、秋リーグは優勝したいという思いが強くなりました。

――春のリーグ戦で見えた個人的な課題はありましたか

阿部 私の戦型は、慣れられたら苦しい部分があるんですけど、他大の選手は対策をしてきていて、中大戦でも相手に慣れられた状態で、苦しい場面が多かったので、相手に慣れられたとしても対応できる戦術とか技術が必要だなと思いました。

徳永 リーグ戦では、相手も1本でも多く返そうとしてくるので5セット目までもつれる試合が多くて、リーグ戦特有の雰囲気の中でも攻めきれる技術とか強いメンタルが大事だな、と思いました。

鎌田 春のリーグ戦では競った試合で凡ミスが出てしまって負けることが多かったので、そういう競った状況の中で勝ちきるためにはどうすればいいのか考えないといけないな、と思いました。

1年生時からレギュラーの鎌田

――続いてインカレについて伺います。春季リーグで敗れていた中大にリベンジして見事連覇を果たしたことについてはいかがですか

阿部 きょねん優勝した時は、勢いで優勝できたっていう感じがあったんですけど、ことしはOG・OBの方々など、周りからの期待が大きくて、そういった期待がある中で戦うことはもちろん緊張しましたし、その中で中大に勝って優勝できたことは本当に嬉しかったです。

徳永 連覇は難しいだろうな、と思っていたので、優勝できて嬉しかったし、ホッとしました。初戦からチームの雰囲気も良かったので、チームみんなで勝ち取れた優勝だなと思います。それと同時に、来年はことしよりも難しくなるんだろうなと思っています。

鎌田 苦しい試合も多かったんですけど、みんなの応援のおかげで勝つことができて、監督、コーチやOB・OGの方々にもすごく喜んでいただけたので良かったな、と思いました。

――鎌田さんにお伺いしたいのですが、地元、北海道でのインカレ決勝戦では後輩もたくさん応援に来てくれていましたが、後輩の前で勝てたことについてはいかがですか

鎌田 決勝戦は緊張してて、凡ミスばっかりで思うようにいかなかったんですけど、チームの優勝もかかっているのにここで負けたら、すごい応援してくれていた後輩みんなの期待にも応えられなくて申し訳ないな、と思って、なんとか勝ちきることができて良かったです。

――徳永さんは、インカレでは勝負の行方を左右する後半のシングルスを任されることが多かったと思うのですが、なにか意識したことはありましたか

徳永 私けっこうメンタルが弱くて、本当は5番手とか相当ビビってるんですけど(笑)、相手のほうが緊張してるな、というのが分かって、きょねんの経験もあるので、自分の卓球を思い切ってやるだけだ、と意識して試合していました。

――阿部さんは、中大戦で春季リーグ戦で敗れていた森田彩音(2年)と対戦しましたが、どのように対策して試合に臨みましたか

阿部 森田さんは私のバックを中心に崩してくるんですけど、バックにきたボールに対して、春の試合では、同じようなパターンで返してしまって相手に振り回される展開になってしまったので、今回はバック対バックの展開でも相手のボールに自分がうまく対応できるように、リーグ戦が終わってから練習してきました。

――早大女子部の選手は、劣勢の試合展開から諦めずに逆転して勝利することが多いですが、劣勢の時にはどのようなことを意識しているのですか

阿部 インカレでは、森田さんに(ゲームカウント)0-2から勝てたことがすごく自信になっていて、決勝戦でマッチポイントを握られた時も、自分の感覚ですけど、「まだいけるな」と思えたので、相手に向かっていく気持ちが強かったことで逆転できたのかな、と思います。
団体戦では自分の試合の終わり方が大事で、負けてしまう試合でも次の選手にうまくバトンを渡せるように1セットでも、1点でも多く取れるように最後まで諦めずに戦っています。

徳永 (団体戦では)ベンチで応援してくれる選手がいるので、負けているときにベンチの方を見ると頷いてくれたり、声をかけてくれたりするので、勇気とか自信をもらって頑張っています。

――インカレが終わってから、強化してきたことはありますか

阿部 インカレではダブルスの勝率が良くなかったんですけど、リーグ戦ではダブルスで勝てばかなり有利になると思うので、ダブルスはチーム全体で強化しています。

徳永 私も同じで、団体戦のダブルスで負けると流れが悪くなってしまうのでダブルスは特に強化しています。ダブルスの技術はシングルスにも生きてくるので、ダブルスの技術の練習を多くやっています。

鎌田 私は相手に押される展開になると(台から)下がってしまうところがあるので、そういう展開でも我慢できるような戦術を練習しました。

「みんなで楽しく戦って4年生に優勝してもらえるように私たちも頑張りたいです。」(徳永)

来年度、主将を務める徳永

――ズバリ目標は何ですか

阿部、徳永、鎌田 優勝です!

――4年生の先輩と戦う最後のリーグ戦ですがどのような気持ちで試合に挑みたいですか

阿部 4年生がこれまでチームのために動いてくれたりまとめてくださったので、最後の秋リーグで4年生に優勝してもらえるように試合に出たら勝ってチームに貢献できるように頑張りたいと思います。

徳永 ことしの4年生は田中さん(千秋女子主将、スポ4=愛知みずほ大瑞穂)含め6人いて、チームが勝つためにどんなことにも取り組んできたから、あとはみんなで楽しく戦って4年生に優勝してもらえるように私たちも頑張りたいです。

鎌田 4年生の先輩方はそれぞれがいろいろな思いを持ってやってきたと思うので、4年生が笑顔で終われるように頑張りたいです。

――リーグ戦は4点先取とインカレと形式が違いますが、勝利のポイントは何でしょうか

阿部 やっぱりダブルスだと思います。

――阿部さん徳永さんのダブルスは3年目ということで他大から研究されていると思いますか

徳永 特に中大のダブルスとはずっとやっているので、阿部さんの表(ラバー)もそんなに効かないし、逆に狙ってきます。私の嫌なところもついてくるので研究されているなと思います。サーブを短めではなくてわざと長めに出してきたりして崩されているので、自分たちが先に攻めるレシーブからの展開を練習しています。

――森田、秋田佳菜子(3年)ペア以外に意識している他大のペアはいますか

徳永 安藤みなみ(3年)さん、枝松亜実(1年)さんのペアはまだやったことはないですけど、ピッチが早いのでもし当たったら苦戦すると思います。

――団体戦の1番手はやはり緊張しますか

阿部 独特の緊張感があるのでトップバッターは嫌です(笑)。1年生の時は苦手と言ってあまり任されなかったけど2年生からどんどん1番手で出るようになって、苦手意識はありますけどそこでも自分の力を出せるようになってきました。1番手の試合はチームの流れに影響するので1番手で出させてもらったときは、「私が勝てばチームに流れを呼び込めて優位になれる」と責任感をもって試合に入っています。

徳永 春の開幕戦で1番手を任されたときは緊張しました(笑)。

鎌田 静かなところから試合が始まって雰囲気が一瞬で変わるので、緊張しちゃうんですけど自分のプレーができるように頑張りたいです。

――重要視している試合はありますか

阿部 日体大と中大です。

――個人的に意識している選手はいますか

徳永 谷岡さんには1年生のときに2敗しているので挑戦してみたいです。

鎌田 みんなどの大学も研究してくると思うので特別意識している選手はいないです。

――今大会で特に見てほしいところはありますか

徳永 私はレシーブが下手で、払いとかが無かったので、チキータもどきみたいなものを練習しています。入ったら嬉しいです(笑)。完成度は上村さん並みです(笑)。

鎌田 春は思い切ったプレーができなかったので、秋は頑張ります!

――昇格した青学大とはインカレ準々決勝で競った試合をしましたがどのように分析していますか

阿部 青学大にはいろんな戦型の人がいるので、誰と当たっても勝ちにいけるようにみんなで対策しないといけなくて油断できない相手だと思います。

徳永 サーブとか特徴とかある程度はわかっているので、勢いに押されないでワセダの勢いで勝っていきたいです。

鎌田 リーグ戦ではまだ対戦したことがないので、押せ押せで来ると思いますが、ワセダはワセダらしくチーム一丸となって戦っていきたいです。

――リーグ戦は接戦が多くなってくると思いますが何か対策はありますか

阿部 リーグ戦は、もつれない限り1台で試合を行うので、競れば競るほど緊張感がより増します。その中でも最後自分が受け身にならないことが勝つために必要なことだと思います。

徳永 冷静に戦うことだと思います。冷静に戦っているときのほうが相手の状況が見えていたり、「こうしたほうがいい」と分かることが多いので、あまり考え過ぎずに戦うことを意識したいです。

鎌田 競ったときは、一瞬の隙で負けてしまうので、勝ち切れるいい集中力をもって序盤から戦術をしっかりと自分で組み立てるようにしたいです。

――最後に意気込みをお願いします

阿部 インカレは2年連続で優勝しましたがリーグ戦はここ2年間優勝していないので、今回こそはワセダ全員で優勝を勝ち取れるように頑張りたいです!

徳永 私的にワセダのチーム力と雰囲気は一番いいと思っているので、そこを強みに全員で協力して支え合っていい形で優勝したいです!

鎌田 4年生と最後リーグ戦を戦うことに自信をもって、みんなで素晴らしいプレーをしたいと思います!

――ありがとうございました!

(取材・編集 吉田寛人、永池隼人)

秋季リーグ戦の抱負を色紙に書いていただきました!

◆阿部愛莉(あべ・あいり)(※写真左)

1996年(平8)12月6日生まれ。148センチ。B型。大阪・四天王寺高出身。スポーツ科学部3年。右シェーク裏・粒高。お気に入りの1年生は荒井咲季(スポ1=東京・早実)だという阿部選手。「溶け込みすぎてるけど、おもしろいからいいです(笑)。」

◆徳永美子(とくなが・みこ)(※写真中央)

1996年(平8)12月12日生まれ。158センチ。O型。福岡・希望が丘高出身。スポーツ科学部3年。左シェーク裏・裏。チキータを強化中の徳永選手。リーグ戦では必見です!阿部選手との息の合ったダブルスに期待しましょう!

◆鎌田那美(かまだ・なみ)(※写真右)

1997(平9)年11月27日生まれ。156センチ。O型。北海道・駒大苫小牧高出身。スポーツ科学部2年。右シェーク裏・裏。最近はピーナッツパンではなくクリームチーズにはまっているという鎌田選手。こだわりのメーカーはkiriだそうです!