春季関東学生リーグ戦(春季リーグ戦)で初戦から起用され、全日本大学総合選手権団体の部(インカレ)の舞台でも活躍したルーキーの加藤結有子(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)と葉波啓(スポ1=山形・鶴岡東)。1年生らしい、勢いあるプレーでチームを盛り上げるこの二人に、秋季関東学生リーグ戦(秋季リーグ)への意気込みを聞いた。
※この取材は8月28日に行われたものです。
「チームを盛り上げるのが1年生の仕事」(葉波)
気迫のこもったプレーが葉波の持ち味
――夏休みはどのように過ごしていますか
加藤結 朝昼練習で、9時から12時と14時から16時か、12時から14時と16時から18時で男子と交互に練習しています。
――週に何回、一日2回の練習をしているのですか
葉波 週に6日間です。
――オフの日に何か夏らしいことはしましたか
加藤結 まだしていないです。
――これから何かやりたいと思っていることはありますか
加藤結 かき氷を食べに行きたいです。
葉波 僕はかき氷食べに行きました。有名なお店とかではなくて、普通の売店みたいなところですけど(笑)。
――続いて春季リーグ戦について伺います。お二人にとって初めての春季リーグ戦、振り返っていかがですか
加藤結 初めはすごく緊張したんですけど、試合をやっているうちにそんなに緊張しなくなって、自分のプレーが出せました。ダブルスは全勝だったんですけど、シングルスでも最後には勝つことができたので良かったと思います。
葉波 最初から最後まで緊張してたくさん負けてしまったので、何にも言えません。でも、とにかくチームのためにできたので良かったと思います。
――お二人共初戦から出場していましたが、期待は感じましたか
加藤結 出させていただいているだけで、ダブルスでもシングルスでもすごくありがたいなと思って。全力で試合をするだけでした。
葉波 試合のことしか考えていなかったです。負けたらやばいなと(笑)。
――大学の卓球のレベルをどのように感じましたか
葉波 大学は、1年生から4年生まで強い選手がそろっています。有名人ばかりですし、やはり大学の方が強いなと感じました。
加藤結 大学は層が厚くてトップ選手もいますし、すごく強いなと感じました。
――加藤選手は、田中千秋女子主将(スポ4=愛知みずほ大瑞穂)とのダブルスが好調でした。組み始めて間もない中、春季リーグ戦全勝を収められた一番の要因は何だったと思いますか
加藤結 練習でやりづらいことがあったら、そのときにすぐ調整するようにしていました。二人で話し合いながら、息の合ったプレーができるようにしました。田中さんがリードしてくださるので、自分もすごくやりやすかったです。田中さんのおかげです。
――試合中のサインを加藤選手が出していると伺ったことがあります。全て加藤選手が指示を出すのですか
加藤結 全部ではないです。だいたい、レシーブをする人が決めるという風に交互にしています。でも、勝負どころとかレシーブをする人が迷った場合は、もう一人の人が言ったりとか二人で意見を言い合ったりとかしています。
――加藤選手から田中選手に、積極的に提案することもあるということですか
加藤結 そうですね、言ってしまうときもあります(笑)。
――葉波選手は力強いガッツポーズが印象的でした。チームを勢い付けるようなプレーを意識していたのですか
葉波 自分は1年生なので、盛り上げたいと思っていました。4年生は個人の勝利でチームを盛り上げることができると思うんですけど、1年生はまだ入りたてで慣れていないところもあるので、チームを盛り上げるのが1年生の仕事だと思っていました。
――春季リーグ戦で得た一番の収穫は何でしたか
加藤結 チーム力ですかね。自分は団体戦の経験が中学校高校時代に少ないので、こういうちゃんとした団体戦をしたことはあまりありませんでした。チームの雰囲気や応援の仕方などを、初めて知ったという感じでした。
葉波 意外と相手も緊張しているので、弱い人でも強い人に勝つチャンスはあると思いました。緊張した場面でも力を出せる準備が必要だなと感じました。
「先輩方に感謝したい」(加藤結)
1年生ながらレギュラーとして試合に出場する加藤結
――インカレも、お二人にとっては初めてでした。どのような思いで臨みましたか
加藤結 ダブルスでもシングルスでも、出させていただいた以上は全力で、しっかり声も出して元気よくプレーすることだけを考えて臨みました。
葉波 インカレには強い人しか出ていませんし、団体の試合数も少ないので、ここで勝たなきゃいけないなと思っていました。
――男子ベスト8、女子は2連覇という結果になりました。それぞれの結果についていかがですか
加藤結 すごくうれしいです。初めてインカレに出させていただいて、そこで優勝できたのは本当にうれしいですし、チームの先輩方に感謝したいです。
葉波 もっと上にいけるんじゃないかなという思いもやっぱりあります。まだ自分は1年生であと3年あるので、そこで結果を出せるように頑張りたいです。
――男子は愛工大戦で苦戦を強いられました。ベンチから先輩たちの戦う姿をどのように見ていましたか
葉波 相手も強いんですけど、先輩もいいプレーをたくさんしていたので、それに負けないようなプレーを自分もできるようにしたいなと思いました。
――女子は中大戦の勝利が大きかったと思います。春季リーグ戦では敗れた団体戦スコア0-4で敗れた相手に、インカレでは団体戦スコア3-1で勝てた要因は何だと思いますか
加藤結 春季リーグ戦で中大に負けていたので、最初からまず応援で絶対に負けないようにしようと思っていました。なので元気よく声を出して、あとは試合に出ている人もチームを盛り上げられるようにしていたことが良かったと思います。選手一人ひとりが春に出た課題をしっかりと練習して、克服できていたのも勝利につながったと思います。
――インカレではどのような収穫を得ましたか
加藤結 そう簡単に勝たせてはくれないのでどの試合も接戦になりますし、そこでいかに自分で思い切ったプレーができるかというところが、最後勝つか負けるかを分けると感じました。
葉波 接戦の9-9のような場面で、そこで考えて自分のプレーを出し切るということが大切だと思いました。
――続いて夏休みの練習について伺います。合宿はしましたか
葉波 しました。
――春合宿ではトレーニングをしたとのことでしたが、今回の合宿はどのような内容だったのですか
葉波 今回は普通に練習をしました。男子は交流会も兼ねていました。
加藤結 女子は朝昼晩いつもの場所で練習して、大学の近くの寮に泊まりました。
――チームとしては、夏どのようなことに取り組んでいますか
加藤結 春に引き続き、ダブルスに力を入れています。リーグ戦で女子の場合2本ダブルスがあって、それを両方取れると先に4点取りやすいですし、精神的にも楽になります。なのでダブルスに重点を置いています。
葉波 チームというよりは個々の課題に取り組んでいます。
――個人ではどんな点を強化していますか
葉波 男子はサーブレシーブからもう攻めてくるので、そこを守ったり自分も攻めたりするプレーを強化しています。相手に攻められてから攻め返す練習をしています。
加藤結 自分が攻めたら最後まで攻め切るというのを意識して取り組んでいます。
――そのためにどんな練習をしていますか
加藤結 結構具体的になってしまうんですけど、例えば自分がサーブを出して3球目打ってからバック対オールのときに攻めて、次ラリーをするときもいつもよりちょっと強く打つという練習をしています。
「優勝して最後気分よく終わりたい」(葉波)
和やかな雰囲気で対談は進んだ
――秋季リーグ戦について伺います。警戒している大学はどこですか
加藤結 全勝優勝したいんですけど、春に負けてしまった中大に特に勝ちたいです。
葉波 専大と明大です。専大は春優勝していて、明大はインカレで優勝して。強いなと思うんですけど、そこに勝たないと優勝はないので、その二つが勝負どころだと思います。
――春と比べて、自分のどんな点が成長したと思いますか
加藤結 試合をするときに、結構考えるようになりました。前まではそんなに考えていなかったのですが、今はコーチとかもあまりいないので、自分で練習メニューや試合の戦術も考えています。
葉波 バックハンドが苦手だったので、そこは前よりうまくなったなという自信があります。
――それも練習メニューは自分で考えたのですか
葉波 はい。
――そのときに先輩からアドバイスをもらうこともあるのですか。
葉波 自分は、アドバイスしてもらっていました。竹岡さん(純樹、スポ4=青森山田)とかです。
――加藤選手と田中選手のダブルスでは、どんな点が向上しましたか
加藤結 先に主導権を取りたいと思っているので、特にサーブ3球目とかレシーブ4球目はすごく練習をしました。スキルアップできたのではないかなと思います。
――今の4年生と臨む最後の団体戦になります。どんな思いですか
加藤結 最後なので、優勝して4年生方に笑顔になってもらえたら、笑顔で送りだせたらと思います。
葉波 男子は最近優勝という結果を残せていないので、今の4年生にとって最後の団体戦ですし、そこで優勝して最後気分よく終わりたいですね。
――秋季リーグ戦では、ご自身のどんなプレーに注目してほしいですか
加藤結 元気よくプレーするところと、あとは積極的に自分から攻めていくところを皆さんに観てほしいです。
葉波 最後まで頑張っている姿ですかね。
――最後に、秋季リーグ戦に向けての意気込みを教えてください
加藤結 絶対優勝したいです。
葉波 一つでも多く勝てるように頑張ります。
――ありがとうございました!
(取材・編集 橋本望)
秋季リーグ戦の抱負を色紙に書いていただきました!
◆葉波啓(はなみ・けい)(※写真左)
1998(平10)年5月14日。166センチ。O型。山形・鶴岡高出身。スポーツ科学部1年。左シェーク裏・裏。高校時代から、チームの盛り上げ役だったという葉波選手。秋季リーグ戦でも力強いガッツポーズに注目です!
◆加藤結有子(かとう・ゆうこ)(※写真右)
1999(平11)年1月19日。162センチ。O型。東京・JOCエリートアカデミー出身。スポーツ科学部1年。左シェーク裏・裏。終始笑顔で質問に答えてくれた加藤選手。その明るさで、チーム雰囲気も明るくしてくれることでしょう!