関東学生新人選手権(関東学生新人)2日目。この日は男子シングルスの2回戦以上、女子シングルスの4回戦以上が行われ、早大からは総勢17名の選手が出場した。男子は緒方遼太郎(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)がベスト4、村上奨記(社2=岩手・高田)がベスト16入りし、女子も林茜(スポ1=神奈川・横浜隼人)がベスト4、渋谷京香(文構2=東京・早実)がベスト8入りと、計4人が見事ランク入りを果たした。
第1シードの山本(中大)には惜敗したが、ベスト4入りを果たした林
早大女子部の層の厚さをまざまざと見せつけた。期待のルーキー・林が堂々のシングルスベスト4入りを果たした。林の特徴は、「大学に入ってから磨いてきた」と語る粘りの卓球だ。この日も、左右に振られても必死に食らいついてボールを拾い、簡単にラリーを終わらせない。そして、安定した両ハンドドライブを的確に厳しいコースへ打ち込み、得点を重ねた。粘り強く戦い抜きたどり着いた準決勝、相手は第1シードの中大・山本笙(1年)。先日の春季関東学生リーグ戦の優勝メンバーだ。林はこの試合でも一歩も引かないプレーを見せる。見応えのあるラリー戦の中、コースをついた強打で相手を押し込んでいく。しかし、最後は勝負強さを見せつけられてフルセットの末に敗れ、ベスト4という結果で大会を終えた。また、2年生の渋谷も見事ベスト8入りを果たした。渋谷の持ち味はなんといってもピッチの早いラリー展開。打点の早い両ハンドと素早いフットワークで次々とラリーを制し、昨年度の関東学生新人からさらに成長した姿を見せた。
早大のスーパールーキーが頂点に立つことはできなかった。男子シングルス優勝候補の一角であった緒方は、危なげなく5回戦まで駒を進める。歯車が狂ったのは6回戦から。その第1ゲーム、バックハンドの不調が響き大差での失ゲームを喫する。その後は立て直しフルゲームの末辛勝したが、思わぬところで苦戦を強いられた。準々決勝ではフォアハンド主体の攻撃に切り替え2ゲームを連取。しかし気の緩みからまたしてもミスを連発し、この試合も第5ゲームまでもつれる展開に。ここもなんとか勝ち切り、ついに龍崎東寅(明大1年)との大一番を迎えることとなった。第1ゲームを落とし、第2ゲームも6-10と追い込まれる。だがここからの逆転劇こそ緒方の真骨頂だった。丁寧なレシーブと要所での強打でラリー戦を制し、6連続得点。結局続く2ゲームを落とし決勝進出はならなかったが、緒方本人も「持ち味が出せた」と振り返るように、ライバル龍崎との一戦では力を出し切った。
調子を崩しながらも、ベスト4入りを決めた緒方
男子部では緒方の他にも下級生が躍動した。2年連続の出場となった村上は強気の攻めで勝ち進み、昨季の成績を大きく上回るランク入りを達成。サウスポールーキーの廣田進悟(社1=福岡・希望が丘)はランク入りこそならなかったが、格上相手に善戦しその実力を見せつけた。普段出場機会の少ない選手も含め、男女共に多くの選手が経験を積んだ今大会。経験を力に変え、ここからさらなる大舞台へと飛び立つ。
(記事 吉田寛人、川浪康太郎 写真 本田京太郎、曽祢真衣)
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結果
▽男子シングルス
2回戦
●中窪1―3緑川(明大)
○村上3―1久木(大正大)
○飯沼3―0西村(立大)
○伊志嶺3―0美濃屋(東海大)
○小川3―1佐藤(千葉商科大)
●山下0―3長門(埼玉工大)
●漆畑2―3阿河(東洋大)
○緒方3―0小川(慶應大)
○廣田(不戦勝)
◯海崎3―2春日(東農大)
●村山0―3遠藤(明大)
◯葉波(不戦勝)
○泉3―0山下(立正大)
3回戦
○村上3―0新倉(帝京大)
○飯沼3―0岩本(東海大)
●伊志嶺0―3日口(大正大)
●小川0―3龐(埼玉工大)
○葉波3―0石井(東海大)
●海崎2―3久保(専大)
○緒方3―0前野(東洋大)
○泉3―1石澤(日大)
○廣田3―1岩本(国学院大)
4回戦
○葉波3―1立藤(明大)
○緒方3―0田口(日大)
○村上3―0荒井(東京経済大)
○廣田3―0岡崎(東京経済大)
●飯沼0―3伊丹(中大)
●泉0―3青柳(専大)
5回戦(ランク決定戦)
○村上3―1村田(筑波大)
○緒方3―1橋本(駒大)
●廣田2―3倉(日大)
●葉波1―3上野(駒大)
6回戦
●村上0―3龐(埼玉工大)
○緒方3―1倉(日大)
準々決勝
○緒方3―2山田(大正大)
準決勝
●緒方1―3龍崎(明大)
▽女子シングルス
4回戦(ランク決定戦)
○林3―0藤井(東京富士大)
○渋谷3―0三浦(日大)
●伊藤0―3熊中(青学大)
●須黒香0―3枝松(専大)
5回戦
○渋谷3―2畠山(東京富士大)
○林3―1髙東(筑波大)
準々決勝
●渋谷0―3三條(青学大)
○林3―0鈴木(青学大)
準決勝
●林2―3山本(中大)
コメント
▽男子
緒方遼太郎(スポ1=東京・エリートアカデミー/帝京)
――初めての関東学生新人選手権でしたが、大会の雰囲気はいかがでしたか
大学生になってからの個人戦は初めてだったのですが、シードをもらっていたダブルスで負けてしまって、悪い流れのままシングルスも全体的に調子がよくなかったです。最後の試合は少し持ち味が出せたかなと思います。
――シングルスの戦いを振り返って
5回戦から調子がよくなくて、6回戦が一番悪かったです。そこを頑張って勝って次の試合2-0にできたのですが、気が緩んでしまって追いつかれて苦しい展開になったので、そこは反省です。
――調子を落とした要因はなんだったのでしょうか
ボールが選択制で、僕はタマスがいいのですがニッタクが使われていて、それが合わなくて自信をなくしてしまいました。
――準決勝の龍崎東寅選手(明大、1年)との対戦はいかがでしたか
調子は戻ってきていい試合ができたのですが、第3、4ゲームで取り切ることができませんでした。
――上村慶哉主将(スポ4=福岡・希望が丘)がベンチコーチに入っていましたが
ベンチコーチは上村さんに自分から頼んで、ダブルスも組んでいて自分のことを一番わかってくれていると思うので、いろいろアドバイスをもらいました。フルゲームのシーンなどで助けられました。
――最後に、今大会の結果を受けて総括をお願いします
ダブルスは優勝を狙っていたのですが1回戦負けで話にならなかったです。シングルスは準決勝が勝負だなと思っていてそこで負けてしまったので、自分としてはいい結果だとは思っていませんが、ベスト4まで取りこぼしなくいけたのはよかったです。
▽女子
林茜(スポ1=神奈川・横浜隼人)
――ベスト4という結果についてはいかがですか
優勝を目指していたのでちょっと悔しいです。
――準決勝の相手とは対戦経験はありましたか
初めてでした。先輩から「相手はバック対バックが強いから、先にフォアに回したほうがいい」と言われて、それが2、3セット目に効いていたので良かったです。
――勝利に足りない部分はどこだったと思いますか
4セット目でリードしている時に、一本サーブミスをしてしまい、そこから流れを持っていかれてしまったので、サーブの精度が甘かったと思います。
――今大会を通して見つかった収穫はありますか
大学に入ってから磨いてきたラリーの粘りが今大会で発揮できたり、大事な一本で自分から攻めていけたので、そこは良かったです。
――最後に今後の目標を聞かせて下さい
6月の終わりに関東学生選手権があるので、思い切ってプレーして一つでも順位を上げたいです。