東京選手権もついに最終日。この日はランク入りを果たした選手のシングルスが行われ、早大からは上村慶哉主将(スポ3=福岡・希望が丘)と阿部愛莉(スポ2=大阪・四天王寺)がここまで勝ち上がってきた。両者共にこの日の初戦で敗れることになったが、次につながる収穫を得られた大会となった。
昨年の全日本選手権2位、張一博(東京アート)はやはり手ごわかった。ラリー戦を制し第1ゲームの1点目を奪った上村。幸先のよいスタートを切ったかと思われたが、この後すぐに張の実力を見せつけられることになる。「圧倒されてしまった」(上村)。そう振り返った言葉通り怒涛(どとう)の11連続ポイントを許し、このゲームを取られてしまう。それでも第2ゲームは、サーブで崩し3球目攻撃を決めるなどして奪い返した。第3、4ゲームを取られて後がなくなったところで、持ち味のドライブを駆使し再び流れをつかむ。開始早々に6得点を決めると、そのままこらえてゲームカウント3-2に持ち込んだ。第6ゲーム、チキータから流れをつくり得点する場面も見られたが、序盤に許したリードをなかなか取り戻せない。実力者相手に白星を挙げることこそかなわなかったが2ゲームを奪い、昨年を上回る結果で今大会を終えた。
7回戦で強豪に対した上村
阿部は2ゲームずつ手にして迎えた第5ゲーム、シーソーゲームの末にゲームポイントを先取。ところが相手もそのまま逃がしてはくれず、ジュースになった。16-15、1点のアドバンテージを取った場面で阿部がタイムアウトを取る。「自分は焦らずにしっかり入れていって、チャンスがきたら打つようにと言われた」(阿部)。ラリー戦では短いツッツキでつないで好機をうかがい、攻撃を仕掛けた阿部が激闘の末にこのゲームを奪取。準々決勝進出へと大手をかけた。しかし再び並ばれ、勝負の行方はファイナルゲームに持ち込まれる。折り返しの5点目を先取し一時は4点差をつけたものの、その後じりじりと差を詰められてしまった。最後は阿部が打った球が無情にもネットに弾かれる。フルゲームの末2点差とわずかに及ばず、悔しさの残るかたちでの敗退となった。
短いレシーブを駆使し好機をうかがう阿部
上村は主将として、阿部は上級生として初めて臨む関東学生春季リーグ戦は約2カ月後に控えている。「チームがいい雰囲気できているので、久しぶりの優勝目指して頑張りたい」と上村は前向きに語った。新入生を仲間に加え、生まれ変わったチームがどのような活躍を見せてくれるか期待だ。
(記事 橋本望、写真 喜柳純平、川浪康太郎)
結果
▽男子シングルス
7回戦
●上村2-4張(東京アート)
▽女子シングルス
6回戦
●阿部3-4椛澤(エクセディ)
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コメント
上村慶哉主将(スポ3=福岡•希望が丘)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
相手がミスの少ない選手というのは最初から分かってたので、それに対して僕が意識しすぎたというか打って決めなきゃという気持ちが強すぎたかなというところがありました。
――どのような戦術を立てて試合に臨みましたか
バック対バックになることは分かっていたので、ミドルとかこっちから先にコースを変えて仕掛けていくっていう展開をやろうとしていました。でもコースを変えるときにミスしたりとかして、思い描いていたプレーができませんでした。
――第1ゲームを大差で取られました
出だしに自分のミスが目立ったので調子を上げていこうと思い、振っていった結果が全く入らず圧倒されてしまいました。
――実力者の張一博選手(東京アート)相手に2ゲームを取りました
試合の中でこの戦術が良いなというのはいくつか見つかったんですけど、普段の練習でやってなかったので大事な場面でミスが出てしまいました。そういう部分を、新しい戦術として普段から練習していけたらいいですね。
――去年はシングルス初戦敗退でしたがことしはランク入りを果たしました
そうですね。今回は立場も変わってキャプテンになったので、だらしない試合は後輩たちには見せたくないと思いました。なるべく自分が一番勝ち上がって、いいプレーをもう少し見せたかったですね。
――きのうのダブルスでもベスト4に進出しました
ベスト4まで進出できた時点で、もしかしたら優勝できるかなという気持ちはありました。やっぱり準決勝がヤマ場だと思っていたんですけど相手も強かったですし、こっちがもう少し強気で攻められればなと良かったかなと思います。
――主将として今大会を振り返っていかがですか
竹岡純樹(スポ3=青森山田)は結構頑張ってくれて、関東学生リーグ戦(リーグ戦)とかでもまたいい材料になったかなと思っています。硴塚将人(スポ1=東京•エリートアカデミー/帝京)は初戦の5回戦で負けてしまったんですけどここ最近結構良い成績を出していて、平野晃生(スポ2=山口•野田学園)もダブルスは良くてシングルスも悪いプレーはしてなかったので全体的には良かったかなと思います。あとは自分がもう少し絶対的な得点源になれれば、リーグ戦で優勝できるのではないかと思います。
――今後に向けて意気込みをお願いします
僕個人としては3月にタイオープンという試合に出るので、そこで世界ランクを上げられるように頑張っていきたいです。リーグ戦ではチームがいい雰囲気できているので、久しぶりの優勝目指して頑張りたいと思います。
阿部愛莉(スポ2=大阪・四天王寺)
――きょうの試合を振り返っていかがですか
相手は実業団の選手とはいえ同期なのですが、高校時代はあまりやったことがありませんでした。表ソフトラバーだったので裏ラバーの選手よりは多少やりにくいかなと思っていました。最初はボールがお互いに合っていなくてやりづらかったです。最後は相手の方が思い切って攻めてきていたので、勝負どころで自分から攻められなかったことが敗因だと思います。
――きょうはツッツキを多く使っていた印象でしたが、それは表ソフトラバーに対応した結果だったのでしょうか
自分から打つと、逆に相手に利用されてしまうことが多くて。相手も下回転のボールはそんなに強くは打ってこないと分かったので、なるべく相手に打たせてからそれを利用してラリーにもっていこうと思ってやっていました。
――第5ゲーム16-15の場面でのタイムアウトでは、どのようなお話をされたのですか
相手もそんなに攻めずに粘ってきているので、自分は焦らずにしっかり入れていって、チャンスがきたら打つようにと言われました。
――2年連続のランク入りになりましたが、結果についてはいかがですか
内容的には去年の方が、自分から攻めて勝っていったという印象が強いです。今回は自分の分があまり良くない人と対戦したというのもあったんですけど、自分から攻めにいけるパターンが少なかったので、やり切れたという感じはあまりないです。
――春からいよいよ上級生になりますが、チームではどのような役割を果たしてきたいですか
上級生になって責任も重くなってくると思うので、チームに貢献するためには団体戦で自分が勝って得点源になる選手になっていかなければならないと思います。